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経済労働委員会記録
平成30年 第 7 回 定例会閉会中
第 2 号
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開会の日時
年月日 | 平成30年10月31日 水曜日 |
開会 | 午前 10 時 0 分 |
散会 | 午後 2 時 40 分 |
場所
第1委員会室
議題
1 平成 30 年第7回議会認定第1号 平成29年度沖縄県一般会計決算の認定について(商工労働部及び文化観光スポーツ部所管分)
2 平成 30 年第7回議会認定第3号 平成29年度沖縄県小規模企業者等設備導入資金特別会計決算の認定について
3 平成 30 年第7回議会認定第4号 平成29年度沖縄県中小企業振興資金特別会計決算の認定について
4 平成 30 年第7回議会認定第12号 平成29年度沖縄県中城湾港(新港地区)臨海部土地造成事業特別会計決算の認定について
5 平成 30 年第7回議会認定第14号 平成29年度沖縄県国際物流拠点産業集積地域那覇地区特別会計決算の認定について
6 平成 30 年第7回議会認定第15号 平成29年度沖縄県産業振興基金特別会計決算の認定について
7 決算調査報告書記載内容等について
出席委員
委 員 長 瑞慶覧 功 君
副委員長 瀬 長 美佐雄 君
委 員 大 浜 一 郎 君
委 員 西 銘 啓史郎 君
委 員 山 川 典 二 君
委 員 島 袋 大 君
委 員 大 城 一 馬 君
委 員 新 里 米 吉 君
委 員 親 川 敬 君
委 員 嘉 陽 宗 儀 君
委 員 金 城 勉 君
委 員 大 城 憲 幸 君
欠席委員
なし
説明のため出席した者の職・氏名
商工労働部長 屋比久 盛 敏 君
産業政策課長 喜友名 朝 弘 君
アジア経済戦略課長 仲榮真 均 君
ものづくり振興課長 神 谷 順 治 君
中小企業支援課長 友 利 公 子 さん
企業立地推進課長 平 田 正 志 君
情報産業振興課長 谷 合 誠 君
雇用政策課長 下 地 康 斗 君
労働政策課長 宮 平 道 子 さん
労働政策課技能五輪・アビリンピック準備室長 仲 里 勉 君
文化観光スポーツ部長 嘉手苅 孝 夫 君
観光政策課長 平 敷 達 也 君
観光振興課長 糸 数 勝 君
MICE推進課長 加賀谷 陽 平 君
文化振興課長 新 垣 雅 寛 君
空手振興課長 山 川 哲 男 君
スポーツ振興課長 金 村 禎 和 君
交流推進課長 川 上 睦 子 さん
参事兼博物館副館長 金 城 健 君
○瑞慶覧功委員長 ただいまから、経済労働委員会を開会いたします。
本委員会所管事務調査事件「本委員会の所管事務に係る決算事項の調査について」に係る平成30年第7回議会認定第1号、同認定第3号、同認定第4号、同認定第12号、同認定第14号及び同認定第15号の決算6件の調査、決算調査報告書記載内容等についてを一括して議題といたします。
本日の説明員として、商工労働部長及び文化観光スポーツ部長の出席を求めております。
まず初めに、商工労働部長から商工労働部関係決算の概要説明を求めます。
屋比久盛敏商工労働部長。
○屋比久盛敏商工労働部長 商工労働部所管の平成29年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算の概要について、御説明いたします。
事前に配付しております資料1平成29年度歳入歳出決算説明資料の説明に入る前に、追加で配付しております商工労働部平成29年度決算の概要について御説明いたします。
商工労働部では、平成29年度に沖縄21世紀ビジョンやアジア経済戦略構想の実現に向け、情報通信関連産業の高度化・多様化、国際物流拠点の形成、先端医療・健康・バイオ関連の産業クラスターの形成、ものづくり産業の持続的発展、雇用情勢の抜本的な改善等の諸施策に取り組んできたところであります。
その取り組みの一般会計の決算の概要といたしまして、歳入決算額は331億551万円で、前年度240億1468万2000円に比べ90億9082万8000円、37.9%の増となっております。
次に、歳出決算額は397億855万4000円で、前年度306億5786万1000円に比べ90億5069万3000円、29.5%の増となっております。
歳入歳出決算額が増となった主な理由としましては、航空機整備基地整備事業に係る工事請負費の増や、償還金の受け入れ及び繰り出しがあったことによるものであります。
次に、翌年度繰越額は3億4535万3000円で、前年度20億6147万2000円に比べ17億1611万9000円、83.2%の減となっております。
次に、不用額は8億9097万1000円で、前年度12億7665万1000円に比べ3億8568万円、30.2%の減となっております。
続きまして、執行率は97.0%で、前年度90.2%から6.8ポイント改善しており、沖縄県一般会計の執行率91.3%と比較しても高い執行率となっております。
繰越率については0.8%となっており、前年度6.1%から5.3ポイント改善しております。
不用率についても2.2%で、前年度3.8%から1.6ポイント改善しております。
執行率、繰越率及び不用率が改善した要因といたしましては、部内の執行体制を強化するとともに、工事契約の進捗状況を毎月確認するなど、予算の適正執行に努めたことによるものであります。
なお、特別会計全体の執行率については94.2%、不用率が5.8%、それぞれ前年度から2.3ポイントの増、2.3ポイントの減となっております。
平成30年度も引き続き、本県の一層の発展につながる諸施策に取り組んでいるところでございます。
それでは、歳入歳出決算の概要の説明に当たりまして、資料1平成29年度歳入歳出決算説明資料に基づき進めさせていただきます。
資料1の1ページをお開きください。
こちらは一般会計及び特別会計の歳入決算状況の総括表となっております。
2ページをお開きください。
こちらは同じく歳出決算状況の総括表となっております。
それぞれの詳細については、3ページから御説明いたします。
3ページをお開きください。
初めに、一般会計の歳入決算について、御説明いたします。
一般会計歳入決算は、予算現額合計が344億340万1761円、調定額が331億8194万6117円、収入済額331億551万173円、不納欠損額が0円、収入未済額が7643万5944円で、調定額に対する収入済額の割合は99.8%となっております。
目ごとの明細についての説明は割愛させていただきます。
5ページをお開きください。
次に、一般会計の歳出決算について御説明いたします。
一般会計歳出決算は、予算現額合計が409億4487万7452円、支出済額が397億855万3871円、翌年度繰越額が3億4535万2800円、不用額が8億9097万781円で、執行率は97.0%となっております。
翌年度繰越額の主なものは、具志川職業能力開発校本館建替事業において、高圧線引込工事が必要となり工期を見直したことから、2億5868万円の繰り越しとなっております。
次に、不用額の主なものについて、項別に御説明いたします。
(項)労政費の不用額9272万8881円の主なものは、若年者ジョブトレーニング事業の事業実績減に伴う委託料の執行残によるものであります。
(項)職業訓練費の不用額1億8505万1286円の主なものは、緊急委託訓練事業の事業費減に伴う委託料の執行残によるものであります。
(項)商業費の不用額1億1624万6944円の主なものは、県産品拡大展開総合支援事業において、台風の影響で産業まつりが中止となり、補助金申請の取り下げがあったことによる執行残等であります。
(項)工鉱業費の不用額4億9694万3670円の主なものは、戦略的製品開発支援事業において、製品開発経費に係る補助金の経費節減による執行残等であります。
以上で、一般会計歳入歳出決算の概要について説明を終わります。
次に、特別会計の歳入歳出決算の概要について御説明いたします。
7ページをお開きください。
小規模企業者等設備導入資金特別会計について、御説明いたします。
歳入決算につきましては、予算現額合計が2億4567万6000円、調定額が52億6489万2542円、収入済額が16億2252万673円、収入未済額が36億4237万1869円で、調定額に対する収入済額の割合は30.8%となっております
収入未済額は、貸し付け先企業・組合等の業績不振や倒産などにより、設備近代化資金及び高度化資金の貸付金返済が遅延していることによるものであります。
8ページをお開きください。
歳出決算につきましては、予算現額合計が2億4567万6000円、支出済額が1億7813万8688円、不用額が6753万7312円で、執行率は72.5%となっております。
不用額の主なものは、公債費であります。
これは、資金貸付先から県に対する償還額を、当該公債費として独立行政法人中小企業基盤整備機構宛てに償還するものとなっており、貸付先からの償還金延滞に伴い、県から同機構への償還分が減少していることによるものであります。
9ページをお開きください。
中小企業振興資金特別会計について御説明いたします。
歳入決算につきましては、予算現額合計が4億16万3000円、調定額、収入済額が13億437万1695円となっております。
10ページをお開きください。
歳出決算につきましては、予算現額合計が4億16万3000円、支出済額が1億6714万208円、不用額が2億3302万2792円で、執行率は41.8%となっております。
不用額は、機械類貸与資金貸付金の執行残によるものであります。
11ページをお開きください。
中城湾港(新港地区)臨海部土地造成事業特別会計について御説明いたします。
歳入決算につきましては、予算現額合計が17億2343万9000円、調定額、収入済額が45億3661万5459円となっております。
13ページをお開きください。
歳出決算につきましては、予算現額合計が17億2343万9000円、支出済額が16億9740万543円、不用額が2603万8457円で、執行率は98.5%となっております。
不用額は、主に工事請負費における執行残であります。
14ページをお開きください。
国際物流拠点産業集積地域那覇地区特別会計について御説明いたします。
歳入決算につきましては、予算現額合計が5億8425万4000円、調定額が7億9666万824円、収入済額が7億4030万8372円、収入未済額が5635万2452円で、調定額に対する収入済額の割合は92.9%となっております。
収入未済額は、主に経営破綻した企業の光熱水費等の滞納によるものであります。
15ページをお開きください。
歳出決算につきましては、予算現額合計が5億8425万4000円、支出済額が5億3840万3291円、不用額が4585万709円で、執行率は92.2%となっております。
不用額は、主に入居企業の光熱水費の実績減等によるものであります。
16ページをお開きください。
産業振興基金特別会計について御説明いたします。
歳入決算につきましては、予算現額合計が3億9303万9000円、調定額、収入済額が4億2645万4212円であります。
17ページをお開きください。
歳出決算につきましては、予算現額合計が3億9303万9000円、支出済額が3億3741万7957円、不用額が5562万1043円で、執行率は85.8%となっております。
不用額は、主に産業振興基金事業費において、補助事業の事業実績減等による執行残であります。
18ページをお開きください。
公債管理特別会計について御説明いたします。
歳入決算につきましては、予算現額合計が40億円、調定額、収入済額が40億円であります。
19ページをお開きください。
歳出決算につきましては、予算現額合計が40億円、支出済額が40億円で、執行率は100.0%となっております。
当特別会計は、県債の債務償還等を行うための会計で、平成29年度まで行ったOKINAWA型産業応援ファンド事業を実施するための元金の償還を行うものであります。
以上で、商工労働部所管の平成29年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算の概要について、説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願いいたします。
○瑞慶覧功委員長 商工労働部長の説明は終わりました。
次に、文化観光スポーツ部長から文化観光スポーツ部関係決算の概要説明を求めます。
嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 文化観光スポーツ部所管の平成29年度一般会計歳入歳出決算の概要について御説明申し上げます。
文化観光スポーツ部において平成29年度は、戦略的な観光誘客と沖縄観光ブランドの発信強化を行うとともに、外国人観光客の受入対策に係る事業などを展開してまいりました。
また、しまくとぅば普及や伝統文化の継承・発展、沖縄空手振興ビジョンの策定や沖縄空手会館を拠点とした沖縄空手の振興、スポーツコンベンションの推進や県出身スポーツ選手の育成・強化、ウチナーネットワークの継承・発展・強化に係る国内・海外との各種交流事業などについても展開してまいりました。
その成果として、平成29年度の入域観光客数は約958万人、観光収入は6979億円といずれも過去最高を記録しました。
また、県外・海外の空手関係の来訪者数の増加や、プロ野球やサッカー春季キャンプの経済効果の向上等が見られました。
今後も、観光・文化・スポーツ・交流の各分野におけるさまざまな課題に対する施策を展開し、さらなる成果を上げるために取り組んでまいる所存です。
それでは、平成29年度一般会計の歳入歳出決算額について、お手元にお配りしております平成29年度歳入歳出決算説明資料(一般会計)により、御説明申し上げます。
1ページをお開きください。
1ページは、款ごとの歳入決算状況となっております。
表の一番上、文化観光スポーツ部の合計欄をごらんください。
平成29年度歳入決算としては、予算現額の合計(A)欄54億6842万9150円に対し、調定額(B)欄52億2371万6662円、収入済額(C)欄52億2050万1862円で、調定額(B)欄に対する収入済額(C)欄の割合は99.9%となっております。
なお、不納欠損額(D)欄は0円、収入未済額(E)欄は321万4800円となっております。
次に、款ごとに御説明いたします。
収入済額(C)欄をごらんください。
(款)使用料及び手数料は3億3832万8727円で、その主な収入は、県立芸術大学の授業料及び入学料等であります。
なお、収入未済額(E)欄は321万4800円で、その内容は、県立芸術大学の授業料の未収金であります。
次に、(款)国庫支出金の収入済額(C)欄をごらんください。
国庫支出金は47億2671万6840円で、その主な収入は、沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)であります。
なお、予算現額(A)欄と収入済額(C)欄に差額が発生している主な理由ですが、平成29年度から平成30年度に繰り越しを行った事業があったため、それに伴い、収入も翌年度に繰り越しされたことによるものです。
次に、(款)財産収入ですが、収入済額(C)欄は5554万2990円で、その主な収入は、土地・建物貸付料であります。
2ページをお開きください。
(款)寄附金の収入済額(C)欄は1000万円で、全額、沖縄DFS株式会社からの寄附であります。 次に、(款)諸収入の収入済額(C)欄は4961万3305円で、その主な収入は、入札談合違約金となっております。
次に、(款)県債の収入済額は4030万円で、その主な収入は、沖縄空手会館建設事業等に係るものであります。
予算現額(A)欄と収入済額(C)欄に差額が発生している主な理由ですが、こちらも翌年度に繰り越す事業があったことに伴い、収入が翌年度に繰り越しされたことによるものです。
以上が、一般会計歳入決算の概要であります。
3ページをお開きください。
3ページは、款ごとの歳出決算状況となっております。
表の一番上、文化観光スポーツ部の合計欄をごらんください。
平成29年度歳出決算は、予算現額の合計(A)欄120億340万4807円に対し、支出済額(B)欄113億6046万6651円、執行率94.6%、翌年度繰越額(C)欄1億7831万2570円、繰越率1.5%、不用額4億6462万5586円となっております。 次に、翌年度繰越額(C)欄の主な内容について、款ごとに御説明いたします。
(款)総務費については、翌年度繰り越しはございません。
次に、(款)商工費の翌年度繰り越しについては、旭橋再開発地区観光支援施設設置事業において、観光案内所を設置する複合施設本体の工事に施工計画の変更があり、事業期間が延長したことなどによるものです。
4ページをお開きください。
(款)教育費及び次の(款)災害復旧費の翌年度繰り越しについては、ともに、ライフル射撃場地すべり復旧に係る調査設計業務の調査期間を確保する必要があったことによるものです。
次に、不用額の主な内容について、款ごとに御説明いたします。
お手数ですが、3ページにお戻りください。
(款)総務費の不用額は、一番右の欄の数値でございますが、その主な内容は、外国青年招致事業費において、自治体国際化協会への負担金、国際交流員報酬の減が生じたことなどによるものです。
次に、(款)商工費の不用額は、沖縄空手会館建設事業において、外構工事の工法見直しにより事業費を節減したことなどによるものです。
4ページをお開きください。
(款)教育費の不用額は、体育施設整備事業費において、工事及び設計委託に入札残が生じたことなどによるものです。
以上で、文化観光スポーツ部所管の一般会計の歳入歳出決算の概要について、説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願いいたします。
○瑞慶覧功委員長 文化観光スポーツ部長の説明は終わりました。
これより質疑を行いますが、本日の質疑につきましては、決算議案の審査等に関する基本的事項に従って行うことにいたします。
決算特別委員長から調査を依頼された事項は、沖縄県議会委員会条例第2条に定める所管事務に関する決算事項でありますので、十分御留意願います。
なお、要調査事項の提起の方法及びその取り扱い等については、昨日と同様に行うこととし、本日の質疑終了後に協議いたします。
質疑に際しては、あらかじめ引用する決算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で、質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
また、答弁に当たっては、総括的、政策的な質疑に対しては部局長が行い、それ以外はできるだけ担当課長等の補助答弁者が行うことにしたいと思いますので、委員及び執行部の皆さんの御協力をよろしくお願いいたします。
なお、課長等補助答弁者が答弁を行う際は、あらかじめ職、氏名を告げてください。
質疑及び答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
それでは、これより直ちに各決算に対する質疑を行います。
大城一馬委員。
○大城一馬委員 最初に、主要施策の成果に関する報告書の201ページ、アジア経済戦略構想推進・検証事業の件で質疑をいたします。現在、アジアの経済成長が非常に著しい中で、アジア経済戦略構想推進計画は沖縄の経済振興にとって極めて重要な施策であると認識しております。現在、戦略構想はどの程度まで進捗なさっているのか、お聞かせください。
○仲榮真均アジア経済戦略課長 アジア経済戦略構想推進計画でございますが、各戦略ごとに成果指標として平成33年度の目標値を設定しております。それらの達成状況により、どこまで進捗しているのかということを確認しております。5つの重点戦略で申し上げると、まず1つ目、国際物流拠点の形成については、成果指標として那覇港の取扱貨物量が目標1278万トンに対して、平成29年は1216万トン、達成度95%となってございます。2つ目、世界水準の観光リゾート地の実現については、成果指標として外国人観光客が目標400万人に対し、平成29年度は269万2000人、達成度67%となっております。3つ目、航空関連産業クラスター形成については、航空機整備施設が11月から供用開始になる予定でございます。4つ目、ITスマートハブ形成については、成果指標は情報通信関連企業の立地数でございますが、目標560社に対して、平成29年度で454社、達成度81%となっております。5つ目、新たなものづくり産業の推進については、製造業の従業員数が成果指標でございますが、目標2万8000人に対して、平成29年度で2万4760人、達成度88%となっております。
○大城一馬委員 この構想は、まだ緒に就いたばかりで、これからが重要な取り組みになると思います。ぜひスピード感を持って施策の実現、効果に向けて頑張ってもらいたいと思います。5つの重点施策の中で国際物流ハブ活用の話がありました。ANAカーゴの沖縄4路線が運休して週90便から70便にするという報道がありましたが、この影響はどう捉えていますか。
○仲榮真均アジア経済戦略課長 まず、ANAの沖縄貨物ハブの再編理由についてプレスリリースに基づいて申し上げますと、那覇空港の国内とアジアの主要各都市との重要な流通拠点として位置づけは変わらないのですが、より効率的な貨物ネットワークを構築するということで、再編を行うということです。今回、台北便、ソウル便が運休になっておりますが、その影響はやはりございます。しかしながら、この路線における貨物の割合は台北便が2.8%、ソウル便が1.3%で、合わせたシェアが4.1%ということで、影響はあるものの限定的と捉えています。ちなみに、この両便は貨物が減ったということではなく、8月末現在で申し上げますと、台北便は前年比同月末では107%、ソウル便では155%になっておりまして、あくまでもANAの収支の中で、より効率的に便を運用する中での運休だと認識しております。
○大城一馬委員 縮小しても採算性の高い路線に絞るという理解でよろしいですか。
○仲榮真均アジア経済戦略課長 そのとおりでございます。
○大城一馬委員 次に、283ページのカップルアニバーサリーツーリズム拡大事業について、リゾートウエディング等を沖縄観光ブランドと位置づけたのですが、この中に沖縄リゾートウエディングがありますよね。非常に成長して、著しく伸びているようですが、今のウエディングの沖縄での状況について少し説明してください。
○糸数勝観光振興課長 平成29年の沖縄リゾートウエディングの実施組数は、対前年比12.3%、組数にしますと1万7288組と、過去最高を記録しております。また、直近の平成30年上半期、ことしの1月から6月までですが、実施組数については、対前年比12.4%増の7798組と、これも過去最高となっておりまして、順調に推移しております。
○大城一馬委員 アジアをターゲットにしていますよね。その中で、香港、台湾がいいと。その次に中国という数字が出ています。中国大陸の市場開拓として、これだけの人口を抱えている中国がまだ3番目というのは、少し取り組みが弱いのではないかと。今後、中国におけるリゾートウエディング―リゾ婚の戦略はどう考えていますか。
○糸数勝観光振興課長 中国市場については、特に北京、上海をターゲットにしておりますが、中国全体で数字を申し上げますと、平成24年の52組に対しまして平成29年が164組ということで約3倍にふえておりまして、非常に成長している市場であります。ただ、香港、台湾はまだまだ伸びしろが大きいので、まずはそこから攻めていきたいということで取りかかっておりますが、今後、リゾートウエディング協会の意見も聞きまして、中国についても積極的に取り組んでいきたいと考えております。
○大城一馬委員 リゾ婚の経済効果は、数字にあらわれていますか。
○糸数勝観光振興課長 平成29年は県内消費額において総額271億5000万円となっております。
○大城一馬委員 次に、299ページ、大型MICE受入環境整備事業です。この件につきましては、議会でもそれぞれの議員から質疑があり、私も3月の予算特別委員会でしっかり質疑をさせてもらいましたが、国から168件の宿題がありまして、これに対して平成29年の6月に県は丁寧に説明しているわけです。その後、内閣府からはどういった反応が出てきていますか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 委員のおっしゃる168件―実は先週も内閣府に職員を派遣して、調整してきておりますが、いずれにいたしましても需要の面、あるいは受け入れの整備の面に懸念といいますか、まだ了解し得ない、納得し得ない部分があるということで、その先には進んでいない状況でございます。
○大城一馬委員 了解していない部分は、正確に出ているのですか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 今は基本設計の前段階でございます。その中でも、県としては知見が限られていることから、いろいろな業界の専門家の方々からの意見を聴取しながら、資料をつくり込んでおります。我々の立場といたしましては、これ以上の精度の高いものは、ぜひ基本設計をさせていただいて、それこそ内閣府の求める要望に応じられるものではないかと理解しておりまして、そういった説明をしているところでございますが、なかなか理解が得られていない状況であります。
○大城一馬委員 県としては、基本設計にどうしても着手しないといけないと。精度の高い資料を出しているので、それ以上の精度の高いものはなかなか出てこないだろうと。一体何がどう動いているのかよくわかりませんが、事務方はそれなりに理解していると私は認識しているのです。そういう現況は、非常に不可解でよくわかりませんが、決意というか、これからの取り組みとして県政、玉城デニー新知事が誕生して、事務方は丁寧に、真剣にやりながら今日まで来ているのですが、いわゆる政治的な行動―例えば、知事を先頭にして経済界、経済団体、地元の4首長がいますよね。そういった関係者が一緒になって、政府に早期の事業着手の要請をするべきではないかと思いますが、どうですか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 県といたしましては、これまでもしっかり168件の質問に対応して、上京は29回、ほぼ30回の上京をいたしまして、内閣府だけでなく、官邸、与野党の国会議員の方々も含めまして、お願いなり、協力の要請等をしてきたところでございます。知事も、つい先日の10月12日に官邸に行っていただいたところでございますが、地元の4首長も含めまして、これまでも要請をしていますが、引き続き要請を実施しながら、交付決定に向けて力を尽くしたいと思っております。
○大城一馬委員 ぜひ、早目にその要請行動をしていただきたいと思います。
○瑞慶覧功委員長 親川敬委員。
○親川敬委員 それでは、主要施策の成果に関する報告書の202ページ、官民一体となった沖縄IT産業戦略センター(仮称)の設立で、IT産業戦略センターのことについて、次年度の計画の話と、企業と連携していくという話の2つの項目が載っていますが、まず、次年度の事業計画の主な内容を教えていただけますか。
○谷合誠情報産業振興課長 一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センターは、先進的なテクノロジーやノウハウを収集し、産業成長戦略の提言を行うことによって、観光産業を初めとした主要産業とIT産業のマッチングを行い、また、実証事業支援を行うという新事業創出を営むということを目的としているところでございます。平成29年度については、準備作業ということで、設立準備に当たってまいりました。平成30年度の事業計画の主な内容といたしましては、先端的なIT利活用動向の調査や、IoTネットワークを活用した実証事業のハンズオン支援、また、IT関連サービスのデータベース化によるマッチング支援などに取り組んでおります。また、次年度以降の事業計画については、現在の取り組みを継続、強化するとともに、IT産業のさらなる活性化や、県内各産業とのIT利活用の促進に向けて、IT活用人材の育成や国際的なIT見本市商談会の開催などに積極的に取り組んでいくということを確認しております。
○親川敬委員 実証事業を行うとありましたが、もう少しわかりやすくこんなことをやるということを具体的に一、二例でいいので教えてください。
○谷合誠情報産業振興課長 一、二例申し上げます。まず1つ、IoTに関しましては、県内で活用できるIoTのデータベース基盤といいますか、各産業で使えるIoTの基盤をつくりました。それによって行われている実証の内容といたしましては、例えば、暑い時期に工事現場で発汗作用があって、工事現場の人に負担がかかるようなことがあるといけないということで、それを管理するデータを工事作業員が着ている服からデータを収集して、それを蓄積して分析するという実証事業、あるいは、もう間もなくあるマラソンで準備していますが、マラソンランナーの体調管理として、マラソンランナーは走って移動するわけですので、移動するポイントごとに気温や湿度などをはかって、それを逐次、蓄積、分析して、体調管理や要員配置につなげるといった実証事業に幾つか取り組んでいるところでございます。
○親川敬委員 企業との連携ですが、現段階で参画企業はどれぐらいになっていますか。
○谷合誠情報産業振興課長 参画に関しましては官民一体となった設立でございますので、設立に当たって出捐金を求めております。ことしの5月に設立された段階では、県や那覇市に加えIT関連企業、県の主要企業、金融機関等13の団体から合計3億5500万円の資金拠出を受けて設立を開始したところでございます。それとは別に、一般企業も含めたIT企業の会員として平成30年10月26日現在で82の企業、団体が参画しており、問い合わせも多いことから、ますますふえていくような状況でございます。
○親川敬委員 次に、207ページ、国際物流拠点産業集積地域賃貸工場整備事業ですが、現段階で全体のうちどれぐらい企業が入っているのか、この数字だけ教えてください。
○平田正志企業立地推進課長 国際物流拠点産業集積地域うるま地区全体の立地企業数は、平成30年10月1日現在で71社になっております。この内訳としましては、分譲用地に25社、賃貸工場に49社が入居している状況でございます。足すと74社になると思いますが、3社については賃貸工場と分譲地、両方を活用しているので、企業数としては71社という形になっております。
○親川敬委員 全体で71社なのですが、100%埋まったらどれぐらいの数になるのですか。
○平田正志企業立地推進課長 当該工業団地については、企業の要望に応じて区画を整理することになっております。うるま地区、旧特別自由貿易地域の部分ですが、そのうち一部、IT津梁パーク用の用地を除いた残りの製造業の部分の面積でいいますと、23.8ヘクタールの残状況でございます。何社という言い方は少し難しいと思います。
○親川敬委員 次に、212ページ、航空機整備基地整備事業について、先ほど11月に向けて体制が整っているという話がありました。整備が行える人員体制の状況について教えてください。
○平田正志企業立地推進課長 当該航空機整備施設については、平成30年11月より入居を予定している企業が使用許可を得て入居する予定になっております。その企業においては、平成31年1月の操業開始に向け、引っ越し等の準備を進めていくと聞いております。操業開始時の人員体制としては、200名程度の人員を確保すると。ちなみに、これは現在拠点としている伊丹空港から体制を移転して準備すると聞いております。
○親川敬委員 今、点検や修理の受注状況がわかるのでしたら教えてください。
○平田正志企業立地推進課長 入居予定企業は平成26年6月に会社を設立しております。それ以降、本年の9月末までに航空機の整備受託件数は300機となっております。沖縄での操業開始後も同規模の整備受託を計画していると聞いております。
○親川敬委員 次に、239ページ、クリーンエネルギーの導入拡大に向けた取り組みについて、極小規模離島再生可能エネルギーで100%自活を目指すということになっているようですが、年度目標はいつを予定しているのでしょうか。そして、島、地域がわかれば教えてください。
○喜友名朝弘産業政策課長 この事業は、何年までに再生可能エネルギーで100%を目指すといった事業ではなくて、100%島で自活をするためには技術的な面など、どういった課題があるのかということを調べようという事業でございます。島といたしましては極小規模離島ということで、私どもが事業を行うに当たって電力系統規模の大きさで分類したものでございますが、宮古地域で大神島や水納島、八重山地域では竹富島、小浜島、鳩間島、黒島など、おおむね200世帯前後の7つの離島を想定しております。
○親川敬委員 100%自活するに当たって調査が進んでいるようですが、今の見通しというか、課題が見えてきているのであれば教えてください。
○喜友名朝弘産業政策課長 再生可能エネルギー100%の実現に向けた課題でございますが、電力は需要と供給を常に一致させなければならないということで、どちらかにずれが生じますと、最悪の場合、停電を引き起こす場合もございます。また、太陽光や風力は天候で供給量が左右されるところがございまして、電力自体も不安定ということがございます。そのような再生可能エネルギーを既存の電力の設備に多く導入するということになりますと、電気の安定供給の障害にもなりかねないということがございまして、技術的な問題を改善しながら、徐々にではございますが、再生可能エネルギーの最大導入を行う必要があるということで、取り組んでいるところでございます。
○親川敬委員 260ページの非正規労働者処遇改善事業と261ページの中小企業労働環境整備促進事業に関連して、その中で特に260ページの分野別非正規労働者の状況把握ですが、どのような状況になっているのでしょうか。
○宮平道子労働政策課長 総務省が実施しております労働力調査によりますと、平成29年の沖縄県の雇用者総数は57万7000人、うち非正規雇用者数が23万3000人、その割合は40.4%となっております。産業分類別の非正規雇用者数と割合ということで見てみますと、卸売業、小売業が4万7000人で約51.6%、医療福祉が3万6000人で36%、宿泊業、飲食、サービス業が3万2000人で68.1%となっております。
○親川敬委員 次に、261ページの中小企業労働環境整備促進事業の中で、沖縄県が行った労働環境実態調査から、項目の中に非正社員の正社員への転換という項目がありますが、そこのところについて説明をお願いします。
○宮平道子労働政策課長 平成29年度の労働環境実態調査は、平成26年度に次いで2回目の実施となっております。この中で、非正社員向けの制度としてどのような制度がありますかというような質問項目を設置しておりまして、回答として正社員への転換制度を導入しているという企業の割合が32.9%となっております。また、制度の導入を検討しているという企業が18.5%、導入の予定がありませんという企業が37.1%となっております。
○親川敬委員 転換制度とはどういうものですか。
○宮平道子労働政策課長 一定期間雇用した場合に、身分を正社員化するというものでございます。
○親川敬委員 次に、279ページの教育旅行推進強化事業について、事業内容のところに新たな教育旅行商品開発の調査研究と書いてありますが、その調査研究の結果をお知らせください。
○糸数勝観光振興課長 新たな教育旅行商品開発の目的は、教育旅行は時代とともに学校ニーズが変化します。そのような時代の変化に合わせた形で迅速に対応するために、さまざまな調査事業をしております。その結果によって、我々も教育旅行の持続的な成長を目指しているということでございます。当該調査研究については、沖縄県に設置しています修学旅行推進協議会のもとに、さらに分科会を設けております。その中でさまざまなテーマについて、今回研究してほしいという形でテーマを募っていまして、平成29年度についてはさまざまな議論をしたのですが、特に要望がなかったということで、当該調査はしておらず、必要性が非常に高かった平成29年度、沖縄修学旅行の情報源となっておりますホームページの検索性の向上、あるいは沖縄を体験した子供たちや教員の生の声を載せた動画を掲載したということで、ほかの事業で対応しております。今後、研究についてはニーズが出ましたら臨機応変に対応していきたいと思います。
○親川敬委員 この調査研究の一つでしょうか、平和学習メニューの開発という記述もありますが、この辺の状況はどうですか。
○糸数勝観光振興課長 平和学習メニュー開発については、先ほど説明しました修学旅行協議会の中で、平和学習分科会において各地域で実施している平和学習を連携させたプログラム造成に取り組んでおります。現在、行われている平和学習は、各地で起きた惨状あるいは戦況などをそれぞれがばらばらに伝えているということで、問題となっているのが沖縄戦の全体像が捉えにくいという状況があるようです。そのため、各地域の平和学習を連携させまして、例えば、米軍上陸から終戦まで一貫した沖縄戦の全体像がわかるような平和学習のプログラムが必要となっております。今後、そういったことに取り組んでいきたいということです。沖縄の修学旅行において平和学習は欠かせないコンテンツでありますから、県としては、観光のニーズに応えられるよう平和学習分科会のメンバーと協議しながら平和学習メニュー開発に取り組んでいきたいと思います。
○親川敬委員 そういう意味では、沖縄は平和学習を学ぶには国内でも唯一の場所だと思いますので、その辺は特に力を入れて頑張っていただきたいと思います。
次に、288ページの観光危機管理支援対策事業に行きます。そこでは、直接的にどうなのかということがあるのですが、例えば、今回の台風第24号、第25号のように、これだけ国外・県外の方々がいらしている中で、観光危機管理支援対策事業の中にはそういうことも念頭に入っているのですか。
○糸数勝観光振興課長 観光リゾート産業は、非常に重要な基幹産業ということで、県経済あるいは県民の雇用、関連産業などには大きな影響があると思います。この中でターゲットとしているのは、地震、津波、航空機事故、船舶、感染症ですが、台風もこの中に入っておりまして、協議会などを設けて対応しております。
○親川敬委員 国外の方からすれば、まず言葉が十分ではないということがあって、なかなかコミュニケーションもとりづらい、情報もとりづらいと。こういうときは相当不安だと思うのです。ですから、我々はメンソーレウチナーということでやっていますので、この辺のところも特に力を入れていただきたいと思います。
次に、316ページの文化発信交流拠点整備事業で、専門人材の把握などの状況について記述があります。文化にはたくさん裾野がありますが、皆さんは専門人材の把握状況をどのように捉えているのですか。
○新垣雅寛文化振興課長 県においては、沖縄県立芸術大学及び大学院において、琉球古典音楽及び琉球舞踊、組踊などが学べるコースを設置しているところであり、これまで琉球古典音楽コースの卒業生が183名、琉球舞踊組踊コースの卒業生が203名となっております。また、国立劇場おきなわにおいては、組踊の保存継承を目的とした組踊の立方、地方の伝承者養成研修を平成17年度より実施しており、これまで5期にわたり、48名の研修生を育成しているところであります。一方で、国指定重要無形文化財や、県指定無形文化財の保持者等の数につきましては、教育庁が所管発行しております文化財課要覧によりますと、合計で670名となっているところでございます。参考ですが、平成26年度に県が行った調査によりますと、県内には琉球舞踊の道場が580カ所、三線等古典音楽の道場が155カ所あるということがわかっておりますが、そこでの人数については把握していない状況にございます。
○親川敬委員 そういう意味では、沖縄は世界に向けた文化発信の拠点になると思うのです。ですから、そういう専門家の皆さんを育てることも大事だと思います。ぜひそれも引き続きやっていただきたいのですが、一番肝心なことは、この皆さんが文化活動を継続的に継承していく、あるいは高めていくというときに、どうしても経済的なことが基礎になると思うのです。そういうことに対して特別にこの方たちと意見交換したり、そのことについて何か御意見はありますか。
○新垣雅寛文化振興課長 大学で学んだことを披露する場といたしまして、県民のみならず県外・海外からの観光客に公演を鑑賞してもらう機会を創出するとともに、芸に打ち込みながら生活できる環境を整備することは非常に大切なことだと考えております。そのため、県では多様な文化の芸術文化活動への支援や、地域の芸能、行事等の文化資源を活用した取り組みへの支援、また、伝統芸能の担い手や後継者の育成の取り組みに対する支援を行っているところでございます。県としましては、このような芸能関係者や文化活動団体への支援を行うことで、芸能関係者が活躍できる場を提供するとともに、芸能団体等の公演の機会を増加させ、芸能関係者が安定的かつ持続的な文化活動が行えるような基盤の強化を図り、ひいては所得の向上や自立化につなげていけるような環境整備に努めていきたいと考えております。
○親川敬委員 いい取り組みをしていると思います。継続的にこういうことを伝えていくためには、どうしても経済的なことが根本にあると思うのです。そこは県が支援できる中身の一つだと思いますので、ぜひ経済的支援を、形からでもこういう専門家の皆さんの支援策に取り組んでいただきたいと思います。
次に、324ページの世界のウチナーネットワーク強化推進事業ですが、きのうは世界のウチナーンチュの日ということで、各国での取り組み状況を教えてください。
○川上睦子交流推進課長 県では、一昨年の第6回世界のウチナーンチュ大会で、10月30日を世界のウチナーンチュの日として制定しましたが、その普及と定着化を図るため、県内外でさまざまな取り組みを行っております。その結果、県が把握している範囲なのですが、昨年度は米国、アルゼンチン、ブラジル、ボリビアの4カ国、13の沖縄県人会で世界のウチナーンチュの日に関するイベントや祝賀会等独自の取り組みを実施していただいております。そのうち、アメリカのカリフォルニア州の北米沖縄県人会とブラジルの沖縄県人会の2カ所に県から芸能団を派遣しまして、海外における世界のウチナーンチュの日の取り組みを支援したところでございます。また、ことしは去る10月27日にアメリカのオハイオ州のオハイオ友の会、沖縄友の会主催で行われました世界のウチナーンチュの日記念式典へ県から芸能指導者を派遣して、現地の沖縄県人会がイベントで披露する芸能について支援を行いました。また、来る11月3日には米国のシカゴでも沖縄県人会が同様なイベントを開催する予定となっておりまして、県から指導者を派遣して芸能の披露を支援することとしております。そのほかにも、海外においては世界のウチナーンチュの日の取り組みとして、北米沖縄県人会、アルゼンチンの沖縄県人会、ブラジル沖縄県人会で取り組みを行うということを聞いております。11月以降にも海外の沖縄県人会がどのような取り組みを行ったのかについて、集計して把握していきたいと考えております。
○親川敬委員 こういう文化的なことも含めて、ウチナーの伝統文化を、派遣をして支援していくということも継続的にやっていただきたいと思います。その中で、WUBの皆さんの活動を継続していくためには、やはり経済的な基盤も一つの励みになると思うのです。ですから、ウチナーンチュが経済でも頑張っているということも含めて、WUBの活動状況を少し教えてください。
○仲井眞均アジア経済戦略課長 WUBはワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネスアソシエーション・オキナワの略称でございまして、御紹介させていただきたいのですが、平成9年に設立された世界各地で活躍する県系人と、その関係者で構成される組織でございます。活動内容としましては、ウチナーンチュが主体になる国際的ビジネスネットワークをつくると。そして、会員相互のビジネス活動をどんどん促進していくという内容です。県とのかかわりで申しますと、毎年、開催される世界大会に知事や副知事が参加して連携を続けてきたところです。御案内のように、WUB沖縄の会長は上江洲仁吉会長でございますが、アジアの経済状況に関する理解を深めるということで、先日29日に第1回アジア会議が開かれました。パネルディスカッションに県の海外事務所の所長経験者が参加して、ディスカッションを行ったところです。御質疑の活用に関しては、活用というよりは、今、アジア構想でアジアを中心にダイナミズムを取り込むということで県は活動していますが、WUBはもっと広いワールドワイドなネットワークをお持ちなので、ぜひ我々の今までのネットワークにWUBのネットワークも加えて、沖縄としてのネットワークを拡充してビジネスにつなげていきたいと考えております。
○親川敬委員 お話がありましたように、第1回アジア大会が開かれたと。我々沖縄県もアジアのダイナミズムを取り入れるという大きな構想がありますので、世界のウチナーンチュたちにも一緒にアジアに向かっていこうということで、沖縄はそういう中継基地になれるところですから、ぜひWUBの皆さんと連携をしてアジア戦略を実現させていただきたいと思います。
最後に、327ページのおきなわ国際協力人材育成事業です。ここは大変苦労されているだろうと思いますが、課題に毎回といっていいほどスケジュールに工夫が必要だということが上げられるのです。ですから、そこは余りにも過密なスケジュールであったりするようなので、その辺の状況をお聞かせください。
○川上睦子交流推進課長 昨年度の反省を踏まえまして、ことしは1日の視察が夜間までかかってしまったという長いスケジュールをなるべく避けるようにしたことと、参加者同士が感想や意見を発表し合う振り返りの時間は大変大切だと考えておりますので、夕食の後ではなく夕食の前にするとか、余りにも時間がないときは翌日にするとか、また、移動のバスの中で実施するなど、それぞれの生徒たちが余り負担を感じないような時間帯に設定して行った結果、今回は柔軟に対応できましたし、より深く考察し、意見をまとめることが可能となったと考えております。
○瑞慶覧功委員長 瀬長美佐雄委員。
○瀬長美佐雄委員 好調な県経済の中で、課題は正規雇用をふやすこと、あるいは県民所得をふやすことだと思いますが、平成29年度の統計的な到達としてどうなったのか、平成28年度との比較がわかればお願いします。
○下地康斗雇用政策課長 平成29年度の就業構造基本調査において、正規雇用率は56.9%となっております。ちなみに、労働力調査では、平成29年度は59.6%となっております。
○瀬長美佐雄委員 少し事業の中身に入っていきますが、202ページ、官民一体となった沖縄IT産業戦略センター(仮称)の設立について、ITイノベーション戦略センターが今年度オープンして、その準備だったと思いますが、このセンターを通して期待される事業と今後の発展方向を明らかにしていただきたいと思います。
○谷合誠情報産業振興課長 ITイノベーション戦略センターは、IT産業の振興のみならず、観光であったり農業であったり、そういった沖縄の特色のある産業やリーディング産業とITを組み合わせて、新たな付加価値、新たなサービスを生み出すということを目指して設立されたものでございます。今年度も実証事業や人材育成事業、ベンチャー企業の振興などといったさまざまな事業に取り組んでおりまして、次年度以降もこういった活動を強化する中で、先ほど申し上げたような成果を果たしてまいりたいと考えているところでございます。
○瀬長美佐雄委員 次のページで、アジアITビジネスの展開を支援するということですが、アジアに特化しているということなのか、ITイノベーション戦略センターとの関連がどうなるのかについて伺いたいと思います。
○谷合誠情報産業振興課長 アジアのITビジネス展開支援につきましては、昨年度はアジアIT人材交流育成促進事業ということで、アジアの経営者を招聘して沖縄のIT企業とのマッチングを図ったり、あるいは関連団体との連携を図る等々の活動を中心に事業を行っております。ITイノベーション戦略センターとのかかわりにおいては、こういったアジア諸国のIT産業関連団体との連携において、MOU―基本合意書等を結ぶ形で連携促進を図ってまいりまして、アジアから人材を招聘したり、アジアに対して沖縄企業が展開するための支援を行うなどの活動につなげてまいりたいと考えているところでございます。
○瀬長美佐雄委員 その事業を通して、実際に効果として連携はどの程度発展していますか。
○谷合誠情報産業振興課長 アジアIT人材交流育成促進事業に関しましては、平成24年度から平成29年度の6年間で約200名の人材交流を図り、業務の提携契約につきましても約50件の提携契約に結びついているということで、ビジネスを拡大しているところでございます。
○瀬長美佐雄委員 216ページ、先端医療産業開発拠点形成事業について、事業の内容と、平成29年度にこの事業は終わるということですが、今年度に引き継がれているのか、そこら辺の内容と効果をお願いします。
○神谷順治ものづくり振興課長 先端医療産業開発拠点形成事業は、本県において高度な再生医療が可能となり、再生医療産業の競争力を強化することを目的として実施いたしました。主な成果としましては、再生医療に用いる幹細胞―幹細胞とは、組織や臓器が成長する、または分化するもとになる細胞のことをいうのですが、この幹細胞を用いて血管と組織の一部を形成することができる臨床用バイオ3Dプリンターの試作機の開発に取り組み、日本初の治療に応用できる試作機を作成いたしました。課題としましては、試作機の安全性や効果検証が必要であることから、現在は動物試験等を行っているところでございます。先ほどお話があったように、この事業は平成29年度に終了したのですが、今年度は後継事業として先端医療産業開発拠点実用化事業を実施しております。
○瀬長美佐雄委員 先端技術の拠点ということですが、どこを拠点に実施をしているのか、今後の事業化はどういう見通しなのかを伺います。
○神谷順治ものづくり振興課長 将来的にはアジアハブを使った海外展開も考えているところなので、特に那覇空港に近い南部を拠点として考えているところでございます。
○瀬長美佐雄委員 217ページの再生医療産業活性化推進事業、これもある意味で再生医療ということで、違いなどを含めて説明をお願いします。
○神谷順治ものづくり振興課長 再生医療産業活性化推進事業につきましては、概要としましては、将来的に採取した幹細胞を評価し、他人へ提供することを目的としており、幹細胞をストックしていく事業でございます。そのため、ストックした幹細胞について増殖のしやすさや、他の細胞へ分化する能力を評価するための指標について、研究に取り組んでいるところでございます。効果としましては、11検体の幹細胞を琉球大学医学部にストックしているところでございます。課題といたしましては、進歩の著しい再生医療を初めとする医療技術に関する最新情報の収集が必要不可欠と考えております。そのため、コンソーシアムを主体とする実施者及び県が再生医療学会等に参加して、京都大学のiPS細胞の研究者や、東京女子医大の細胞シート研究所など、再生医療関係者との意見交換を積極的に行い、課題解決に向けて取り組んでいるところでございます。
○瀬長美佐雄委員 ちなみに、県内において担い手となり得る企業育成の状況はどうなっていますか。
○神谷順治ものづくり振興課長 人材育成については、再生医療には培養士というものがあって、沖縄工業高等専門学校が次年度から培養士のカリキュラムに取り組むということが決まっております。それから、県内における再生医療につきましては、病院では琉球大学や豊見城中央病院など、さまざまな医療と連携しながらさせていただいております。企業につきましては、うるま市州崎に先ほどの3Dプリンターを開発した企業が賃貸工場に入居しておりますので、そことも連携させていただいております。
○瀬長美佐雄委員 次に、238ページの県単融資事業について、融資の状況を教えてください。
○友利公子中小企業支援課長 県単融資事業は、県内の中小企業者の経営の安定に役立てるため、県が金融機関へ貸付原資の一部を預託しまして、金融機関と協調して事業活動に必要な資金の融資を行うものとなっております。小規模起業者等の信用力が乏しい中小企業者も含めてターゲットにしているため、融資の実行に当たりましては沖縄県信用保証協会の保証をつけまして、金融機関からの融資の円滑化を図っております。平成29年度の実績ですが、件数で1137件、これは前年度比20.3%の増となっております。金額は141億1946万5000円で、こちらも前年度比23.1%の増となっておりまして、中小企業の振興に寄与しているものと考えております。課題としては、中小企業のさまざまな資金需要に応じることができるよう、引き続き関係機関と連携して、中小企業のニーズに即した既存資金の見直しや、新たな資金の創設等を行う必要があると考えております。
○瀬長美佐雄委員 県の事業として、一般の銀行よりも利率を低くして借りやすくしたり、返済猶予、あるいは返済を長期化するというような、その企業に合った柔軟な対応が、課題のところでいうニーズに合わせた制度改正として取り組まれているという理解でいいのでしょうか。
○友利公子中小企業支援課長 そのとおりでございます。
○瀬長美佐雄委員 無担保、無保証という制度もメニューとしてはあったと思いますが、活用状況はわかりますか。
○友利公子中小企業支援課長 無担保、無保証については小規模企業対策資金というところに含まれますが、平成29年度の実績としましては130件、金額としまして8億1100万円余りの融資実績となっております。
○瀬長美佐雄委員 無担保、無保証の制度自体ももっと活用が広がれば、中小企業はそういう意味で資金繰りが助かるような制度だと思うので、周知徹底という点の努力をお願いします。
次に、クリーンエネルギーの導入拡大に向けた取り組みの事業について伺いたいと思います。この中でハワイ州と連携した事業がありますが、ハワイで何が進んでいて、何を沖縄に取り入れるということなのか伺います。
○喜友名朝弘産業政策課長 ハワイはアメリカ本国の中でも電気料金が非常に高く、そこがハワイにお住まいの皆さま方の悩みということをハワイ側からお聞きしております。そこで、再生可能エネルギーとして特に太陽光発電などを民間でも取り入れていると。また、補助金も出したりしているようでございます。一方で、再生可能エネルギーが多くなりますと、先ほど申しましたように不安定になり、たまに停電もするということで、その辺が課題だとおっしゃっておりました。その中で、系統の乱れに対応する機器を導入していると聞いておりまして、今後沖縄も再生可能エネルギーを大量に導入する場合にはそういった技術的なものなどで連携する必要があるだろうということで、今、情報交換などの会議を行っているところでございます。
○瀬長美佐雄委員 宮古島ではエコアイランド事業を推進すると。個々の離島の取り組みのみならず、沖縄県がクリーンエネルギーを多く活用できるような―そこに向かう計画があることは知っていますが、具体的にそれに対する終着点や目標などの方向性がまだ見えないものですから、そこら辺の到達はどうなっていますか。
○喜友名朝弘産業政策課長 沖縄県では、平成26年3月にエネルギービジョンアクションプランを作成し、それで目標設定をしているところでございまして、今後の技術革新などが進む可能性を期待した上で、そのプランの中にも示しております。ですから、現状の技術ではなかなか難しいところでございますが、技術革新が進む可能性を期待した上で、発電電力に占める再生可能エネルギーの比率を2030年に本島で20%、離島で100%ということを目標にして取り組んでいるところでございます。
○瀬長美佐雄委員 そこはぜひ実現化するような方向で頑張っていただきたいと思います。
次に、256ページの雇用環境の改善について、正規雇用化企業応援事業で正規雇用化数が33名、正規雇用化サポート事業で正規雇用化数が94名と。この中身と、その事業の予算の使途を確認したいと思います。
○下地康斗雇用政策課長 正規雇用化応援事業につきましては、予算額が2421万9000円、正規雇用化サポート事業につきましては、予算額が3500万円でございます。
○瀬長美佐雄委員 予算額は書いてあるので、どういうことをした上で33名、あるいは94名という数字が実績としてあらわされているのか、その確認です。
○下地康斗雇用政策課長 正規雇用化企業応援事業につきましては、正規社員への転換を要件としまして、それに係る研修費の旅費及び宿泊費の一部を助成するという事業でございまして、それによって正社員への転換が図られたと。正規雇用化サポート事業につきましては、中小企業診断士と経営面の相談やアドバイス、また、専門家を派遣して正規雇用に向けていろいろな取り組みを行うという事業で、それによりまして正規化が進んだという状況でございます。
○瀬長美佐雄委員 人数は出ていますが、何社ぐらいがその適用に応えているのですか。
○下地康斗雇用政策課長 正規雇用化企業応援事業につきましては、平成29年の企業数は26社でございます。正規雇用化サポート事業につきましては、企業数は22社でございます。
○瀬長美佐雄委員 次に、文化観光スポーツ部関係に行きます。314ページ、沖縄県空手振興事業ということで、空手会館もできましたが、オープンしてからの活用状況を確認しておきたいと思います。
○山川哲男空手振興課長 沖縄空手会館―空手会館は昨年の3月4日にオープンいたしまして、昨年度の実績で申し上げますと、道場施設で5万523人、資料室で1万6207人、合計6万6730人の御利用がありました。また、道場施設の年平均稼働率は30.9%という結果になっております。
○瀬長美佐雄委員 活用状況として、空手家がそこで活用するという部分でいうと現時点ではもっと稼働率が上がっていると思いますが、そこに対する課題、対応、対策はどういう状況でしょうか。
○山川哲男空手振興課長 空手会館の基本計画策定時におきましては、県立武道館における空手の稼働率を参考にいたしまして、1年目の目標値を21%と設定させていただきました。その点から申し上げますと、30.9%というのはいい結果であったと考えております。ただ、月別平均で見ていきますと、例えば、8月には72.9%という高い稼働率を誇るのですが、5月、6月には12.6%、14.1%という数字になっております。これは、まだ周知が足りていなかった時期ということもあるのですが、この低い月の稼働率をもっと高めていく必要があると考えております。
○瀬長美佐雄委員 海外からの利用者、要するに県内の道場に通いながら空手会館を活用している利用者の実態はどうなっていますか。
○山川哲男空手振興課長 空手会館の活用におきましては、国籍別の利用状況は集計していない状況でございます。ただ、我々としては、世界に広がる空手で海外のほうが空手愛好家数は断然多いものですから、統計方法の手法も含めて、実態を把握していく検討をしていきたいと思っております。
○瀬長美佐雄委員 事業の中に多言語に対応する推進事業がありますが、その事業の実情はどうなっていますか。
○山川哲男空手振興課長 展示資料室におきまして多言語化を進めております。平成29年度におきましては、日本語に加え、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語、中国語を整備しております。今年度につきましては、イタリア語とポルトガル語を整備済みでございます。
○瀬長美佐雄委員 ちなみに、それはプリントされた資料として―外国の人が来る中で、職員によるガイド的な言語の対応など、実態はどうなっていますか。
○山川哲男空手振興課長 御指摘の点につきましては、日本語によるガイドはボランティアの方々の努力で成り立っているのですが、まだ多言語での部分は不足しておりますので、今後、努力していく部分だと考えております。
○瀬長美佐雄委員 次に、316ページ、文化発信交流拠点整備事業について、拠点整備の取り組み状況をお伺いいたします。
○新垣雅寛文化振興課長 県では、平成21年3月に閉館いたしました県立郷土劇場にかわる施設のあり方について検討を行い、浦添市にある国立劇場おきなわを中心とするエリアに文化発信交流拠点を整備する基本計画を策定いたしました。当該文化発信交流拠点整備事業では、この拠点の整備に向け、基本計画の後継となる実施計画の策定に取り組んでおりますが、拠点を整備する組踊公園が浦添市の都市計画で定められた都市公園となっております。このことから、実施計画の策定に先立ち、都市計画等に関してクリアすべき条件の整理や、関係機関との調整に時間を要したところですが、こうした課題の解消を進めて、本年1月に実施計画策定業務の契約を締結いたしました。しかしながら、年度内で事業が執行できずに、この事業は平成30年度の繰越事業となっているところでございます。県といたしましては、引き続き浦添市等の関係機関と調整を進めて、実施計画の策定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○瀬長美佐雄委員 次に、318ページ、琉球王国文化遺産集積・再興事業ということで、収集する、集約するということでいえば、その取り組みの目標と実態はどうなっていますか。
○金城健参事兼博物館副館長 琉球王国文化遺産集積・再興事業につきましては、事業の目的に書いてありますように、集積―集めるという事業ではなく、昔、戦災で失われた重要な文化的な物として、絵画、木彫、石彫、漆芸等々、8分野について、当時の原材料に近いものをつくって、まず物として再生させようということと、どのようにつくったのか技術的なことを検証しようという事業です。これは平成27年度から平成33年度の7カ年の計画となっておりまして、平成27年度に有識者で構成される8分野の監修者会議を行いまして、65の模造を復元しようということが決まりました。実際には平成28年度から平成32年度にかけてつくっていくのですが、現状として、平成28年度には7件で、例えば、聞得大君御殿雲竜黄金簪や染織等が平成28年度に完成しております。平成29年度には絵画、石彫、染織、金工、三線で11件、そして、平成30年度が18件ということで予定しておりまして、平成32年度までに65件を復元し、平成32年度、平成33年度にそれをお披露目すると。お披露目の仕方ですが、もちろん県内でもやるのですが、海外にもぜひ沖縄の文化遺産としてアピールをしていくこととしております。課題としては、実際にどういう顔料を使ったとか、どういう材料でつくったとか、識者を交えて分析した後につくるのですが、現在では原材料が確保できないものもありまして、これに近いものを代替でつくっております。効果ですが、これに実際に携わる方々は、例えば、芸術大学の学生や工芸指導所の指導者、卒業生などでございまして、各分野の報告会を一堂に会して行って、その中で技術、技法についての情報などを共有するという効果が出てきております。
○瀬長美佐雄委員 ちなみに、工芸の杜がそのような担い手を育てるということだと思いますが、取り組み状況はどうなっていますか。
○神谷順治ものづくり振興課長 本事業は、本県工芸産業の振興、発展に必要な技術や技法の高度化、市場ニーズに対応した製品開発、工芸分野の起業家の育成などを推進するための事業でございます。事業成果としましては、平成29年度に実施設計及び展示設計を終了し、平成30年度は、平成29年度に埋蔵文化財が発掘されましたので、その調査を実施しているところでございます。この発掘調査は平成31年2月に終了する見込みなので、次年度から建築工事を開始する予定でございます。当該事業の課題として、平成33年度末の供用開始に向けて、当該施設を拠点とする工芸産業支援体制を整えていく必要があると考えております。
○瀬長美佐雄委員 次に、ジュニアスタディーツアーをこの間ずっと継続していると思いますが、その中身、実績、効果について伺います。
○川上睦子交流推進課長 沖縄県では、次世代のウチナーネットワークを担う人材を育成するため、県内の中・高校生と、海外から県系子弟の中・高校生に来ていただいて、1週間ともに生活をしながら沖縄の歴史や文化などをともに学ぶウチナージュニアスタディーを実施しております。昨年度は7月30日から8月5日の7日間の日程で実施いたしました。海外からは、アメリカ4名、カナダ、フィリピン、韓国、メキシコから1名ずつ、ブラジル、アルゼンチン、ボリビアから2名ずつ、あと、ペルー1名に、カナダの青年リーダー1名を加えまして、16名のウチナーンチュの子弟の方たちに参加していただきました。参加者は、自然学習としてヤンバルでのトレッキングと美ら海水族館の見学、歴史学習として首里城公園や県立博物館、美術館の見学を行いました。また、文化学習として、紅型、首里織、琉球漆器などの伝統工芸の製作の体験をしたほか、エイサーも練習をして、最終日にはパレットくもじの広場で県民向けに披露しました。平和学習としまして、沖縄県平和祈念資料館、ひめゆり平和祈念資料館を見学したほか、移民や移住学習のワークショップを通して移民の歴史についても学んでいただきました。この事業は、充実した内容の学習プログラムとなっておりまして、県内、海外の参加者はもとより、海外の沖縄県人会から高い評価を受けておりまして、今後も継続して実施していきたいと考えております。
○瀬長美佐雄委員 この事業が始まって何年たつのか、そこに参加された人数の統計、到達を確認します。
○川上睦子交流推進課長 平成13年から行っておりますので、ことしで17年目となります。これまでの参加者の統計は、数字を持ち合わせていないのですが、大体、海外から16名、県内から16名の30名前後で実施しております。ただ、5年に1度の世界のウチナーンチュ大会の日には、参加者をふやして50名程度で行っております。これまでの統計については後で資料で提供させていただきたいと思います。
○瀬長美佐雄委員 とてもいい事業なのと、ここに参加して自国に帰ってエイサーをずっと続けていたりという交流、あるいはリピーターで戻ってくるという関係もあるようですので、ぜひ充実、発展させてください。
次に、ボリビアの日本語教師派遣事業があって、聞けば教育委員会の事業だということですが、中南米に世界のウチナーンチュが多いという比率との関係でいうと、人材バンク的に、ここにかかわった皆さんの実態がどうなっているか、関連性を伺います。
○川上睦子交流推進課長 ボリビアへの日本語教師派遣につきましては、教育庁から派遣されておりますが、JICA沖縄を通してボランティア派遣ということで実施している―県庁職員や、県内から派遣された海外青年協力隊の名簿はJICA沖縄から入手しておりますので、彼らにもさまざまな事業で協力は求めていきたいと考えております。
○瀬長美佐雄委員 最後に、第7回の世界のウチナーンチュ大会が3年後になると思いますが、取り組みの準備と、それに向けた考え方を確認したいと思います。
○川上睦子交流推進課長 5年に1度ですので、3年後に第7回世界のウチナーンチュ大会が開催される場合、それに向けて、各年、世界のウチナーンチュの日を中心にウチナーネットワークの継承、発展、拡大を進める取り組みを継続して行っていきたいと考えております。
○瑞慶覧功委員長 嘉陽宗儀委員。
○嘉陽宗儀委員 決算を議会でも審議しておりますが、やはり予算のかなめは決算ですよね。事業を組む、予算をとる、それをどう執行するかということを見なければならないと思うのですが、今回、出された決算状況の文書を見ると、執行率が甚だ悪いのと、不用額がたくさんありますよね。これについては、前もって部内で努力すべきものは努力し切ってから議会の審査を受けようという努力はしているのですか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 文化観光スポーツ部としては、当然、事業の計画段階できちんと事業の中身を具体的に精査しながら予算立てをして、その事業の組み立てどおりに執行するということは大事なことでございます。たまたまそういう繰り越し等がございまして、含めて不用にすることもございますが、基本的にそういったことが財政的にも効率よく達成できるように、また気を引き締めて部内で調整をして取り組みを進めていきたいと思っております。
○屋比久盛敏商工労働部長 商工労働部は、最初に説明したように執行率は向上しているところでございまして、執行率向上のためにそれぞれチェックを細かくやっていくということと、全庁的に交付金の執行率を高めようということがありましたので、それぞれの行政投資の部分のデータを毎月出すことになっています。それを見ながら、どこが足りないということを部内的にもチェックしていますので、そういうことで執行率を上げることを進めてきているということでございます。
○嘉陽宗儀委員 近ごろ、あちこちからいろいろな予算が入ってきますので、最初に計上したとおりにいかないのはよくわかります。ただ、内部チェック体制で、期限を決めて、これまでにどれはどういうぐあいに対応しておこうというのがないと緊張感がないと思うのです。そういう意味では、各部署において、内部でお互いにチェックをして、これできちんと議会の審査を受けるという努力は最低限すべきだと思うのですが、いかがですか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 まさにおっしゃるとおりでございますので、繰り返しになりますが、事業の組み立てをしっかりして、その組み立てどおりに計画的に執行できるように、途中途中の進捗管理もしっかりしながら緊張感を持って引き続き取り組みを進めていきたいと思っております。
○屋比久盛敏商工労働部長 先ほどのことを具体的に言えば、まず、予算の主管課であります産業政策課がチェックリストをつくります。それをもって主管課から執行課に対して、あなた方の今の状況はどうですということを示しながら、そのチェックに基づいて執行おくれの理由や早期執行のための対策などを確認して、適正な執行を進めていくということでございます。
○嘉陽宗儀委員 やるべきことはきちんとやっているということですね。
次に、中城湾港の特別会計についてですが、これは最初からかなり問題があって、特に私は泡瀬干潟の埋め立てに反対してきて、そうすると、埋め立てして土地を売って土地造成をするということでしたが、それがなかなかうまくいっていません。分譲もやっているはずですが、これもうまくいっていないのではないかと思うのですが、この状況について説明してください。
○平田正志企業立地推進課長 中城湾港新港地区の臨海部土地造成における事業の進捗状況ということだと思いますが、今、工業用地として、一般工業用地と旧特別自由貿易地域に分けて分譲しております。一般工業用地については、当初、県内からの再配置を目的として整備をしまして、現時点で100%分譲されている状況でございます。旧特別自由貿易地域については、平成11年に地域指定をされた後に、国際物流拠点産業集積地域として産業の振興と貿易の振興に資する企業の集積を図るということで取り組んできておりました。そのうち一部の都市機能用地の部分については、IT津梁パークとしてIT関係の企業の集積を図っておりまして、この地域については現在53.8%の利用を行っております。残面積は8.1ヘクタールとなっております。残りの製造業の部分については72.6ヘクタールございましたが、分譲が進みまして、残り23.8ヘクタールとなっております。特に近年、景気状況を踏まえまして、新たな企業の立地件数が、平成26年度は11社、平成27年度16社、平成28年度は6社、平成29年度は11社で、今年度も既に8社ほど立地を進めておりまして、企業の投資意欲については、景気の影響もありまして一定程度順調に進んでいるところかと思います。引き続き企業誘致を進めて、高付加価値な産業の集積に努めて、貿易の振興に資するような企業の集積に努めていきたいと考えております。
○嘉陽宗儀委員 借金は幾ら残っていますか。
○平田正志企業立地推進課長 平成29年度末の当特別会計の借入残高は58億円となっております。残った残面積の正味資産は、1平米当たり2万9700円で売却しておりますが、それを金額に直しますと112億円になりますので―失礼しました。起債の借入額としては58億円でございますが、特別会計の収支差としては45億円となっております。ですから、先ほどの112億円で45億円の収支差を補填するという形になりますので、特別会計の収支としては最終的に黒字になるだろうと見込んでおります。
○嘉陽宗儀委員 最終的に黒字になるのは結構ですが、いつまでになるのですか。
○平田正志企業立地推進課長 当方の計画では、平成39年度までに分譲を完了する計画で進めている状況でございます。
○嘉陽宗儀委員 これは難しい問題で、埋立工事を進めるときもかなり無理があって、いろいろな問題が起こっています。しかし、皆さん方が頑張ってここまで交通整理してきて、めどもついたということであれば、大いに御苦労は評価されると思いますので、引き続き頑張ってください。
この前、空手の奉納演武を見てきたのですが、非常に感動的なものでした。ですから、関係者の努力を評価したいと思って、そこで、四、五年ぐらい前に宜野湾市民会館で空手の4派による合同演武会がありました。これをまとめた人は私の友人なのですが、非常に難しい。みんな武士ですから、我こそはといってなかなかまとまりにくいのです。この前の演武を見ていたら、大変すばらしい。これは山川課長の人徳でまとまったと思ったのですが、どういう努力がありましたか。
○山川哲男空手振興課長 空手の振興施策は、部長を筆頭に鋭意取り組んでおりまして、伝統空手道振興会の中に国際記念演武祭の委員会がございます。そこに県も入って、奉納演武を誰にしようかというところで、ルールづくりから入っていきますので、円滑に意見交換をしながら進めていった結果、あの形で奉納演武が実現したと考えております。
○嘉陽宗儀委員 演武者の演武も大変すばらしかったのですが、ここまでまとめてきたということに私は非常に関心しました。沖縄の空手の歴史を見たら、いろいろ偉い人がいるでしょう。琉球王朝につながる聖典もありますし―ですから、この偉い人たちが一堂に会して演武をするということは、それぞれの流派の特徴、個性を発揮しないといけないので難しいと思っていましたが、これを見事にまとめて、ああいうすばらしい式典にしてもらったので大変感謝しています。頑張ってください。
○瑞慶覧功委員長 休憩いたします。
午後0時6分休憩
午後1時23分再開
○瑞慶覧功委員長 再開いたします。
午前に引き続き、質疑を行います。
金城勉委員。
○金城勉委員 沖縄観光も非常に好調に推移しているようで、本当に御苦労さまでございます。先ほどの説明の中でも、昨年度の入域客数が958万人、観光収入が6900億円ということで非常に好調に推移しているのですが、ことしの目標に対する見通しはどうですか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 観光客の数につきましては、大台の1000万人を目標としております。6月時点まではほぼ軌道のとおり来ておりましたが、夏場に襲来した台風の影響がかなり大きくて、7月は初めて前年同月マイナスと。それまでは60カ月以上前年同月プラスを続けておりましたが―1000万人の少し手前ぐらいのペースではありますが、数が減ったのもたまたまそういう自然災害があったものですから、沖縄の観光の魅力が失われたわけでは決してないと理解しております。そういう意味では、この秋口からしっかりと盛り返しまして、必要なキャンペーン、プロモーション等も実施しながら、ぜひ今年度の目標、大台の1000万人を達成したいと思っております。あわせまして、収入も昨年度は6979億円で、ことしは7991億円に目標設定をしております。1人当たりの消費額はなかなかアップしがたいところですが、平均滞在日数をふやすことによって、それが掛け算になるので、そういった形で観光収入も目標達成はしたいと思っております。月次の決算がないので見通しは言いがたいところではあるのですが、それに向けて一生懸命頑張っているところでございます。
○金城勉委員 いよいよ1000万人突破という目標も間近になっているということで、皆さんの大変な努力が実を結ぼうとしておりますのでよかったと。また引き続き頑張っていただきたいと思っております。
そのうち外国人観光客の数字は、どうなっていますか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 958万人のうち外国人観光客数は269万人でございます。全体の28%です。
○金城勉委員 269万人の内訳として、国別に分けた場合のベスト3はどういう数字になりますか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 一番上が台湾で81万3000人、次が中国本土で54万6000人、第3位は、数が非常に近づいておりますが、韓国で54万4000人です。参考までに、次に香港が25万9000人と続いております。いわゆる北東アジア、東アジアがインバウンドの大勢を占めているということでございます。
○金城勉委員 非常に順調に推移していると見ているわけですね。こういう形で、日本と台湾、中国、韓国、あるいはその他の国々と観光を通して交流することは、平和という視点から考えても大きな意義があると思いますが、逆に日本から、あるいは沖縄からそういう台湾、中国、韓国に行く数はわかりますか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 今、その数字は持ち合わせておりませんが、入ってくる割には、沖縄の方が案外、外に行かないということは、一つの課題であることは間違いないと思っております。
○金城勉委員 台湾や韓国からたくさん来てもらっている割には、沖縄から行く人たちは極端に少ないということは前から聞いているのです。ですから、台湾は非常に友好的だからまだいいのですが、特に韓国、中国あたりは、朝鮮半島情勢や尖閣の問題等々も絡んでぎくしゃくしている状況もあるので、観光がそういう意味で貢献するような流れがつくれればという思いがいたします。そこで、外国人観光客の受け入れの体制整備として、努力していることはどういうところで、成果としてはどのようになっていますか。
○糸数勝観光振興課長 外国人観光客の受け入れ体制としてさまざまな事業を実施しておりますが、順を追って説明させていただきます。まず、多言語対応として、Be.Okinawa多言語コンタクトセンターを設けております。これは平成22年度から始まっておりまして、電話、Skype、メールで外国人観光客へ観光案内、通訳サービス、台風などの災害サービスのサポートを行っております。ただし、医療は除きます。仕組みとしては、コンベンションビューローが観光案内をしまして、東京にあるコールセンターが通訳、翻訳をするという3者間ツアーとなっております。365日、朝9時から夜9時まで運営しております。対応言語としては、英語、中国語、韓国語、タイ語の4カ国語です。続きまして、語学研修、就職相談会を実施しております。これはコンベンションビューローに講師を登録しておりまして、企業が講師を使って研修する場合の支援をしております。それから、即戦力となる外国人人材として海外、国内、東京でも日本語のできる外国人を採用するということで、就職相談会を設けております。続きまして、医療については別途インバウンドのBe.Okinawaインバウンドコールセンターを設けておりまして、24時間、365日、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語に対応しております。これは観光事業者からの医療に対するいろいろな問い合わせ等に対応しております。次に、Wi-Fiについては平成28年度から始めておりまして、民間事業者―指定事業者と言っていますが、彼らが持っているWi-Fiアクセスポイントを無料で提供してもらって、それを県がBe.OkinawaフリーWi-Fiということで提供しております。続きまして、キャッシュレスです。キャッシュレスについては意識啓発が大事だということで、昨年から那覇市と名護市で始めております。今年度は離島の宮古、八重山、本島南部・北部で11月から始めていきたいと思っております。
○金城勉委員 キャッシュレスを那覇市と名護市でやったということですが、具体的にはどういうことですか。
○糸数勝観光振興課長 本土から専門家に来ていただいて、基礎的な知識、あるいはキャッシュレスの動きがどうなっているかということを県内の観光事業者に説明するという形でやっております。
○金城勉委員 現金を扱うのとキャッシュレスでやるのとでは、消費額も違うと言われておりますが、外国から、特に台湾、中国、韓国あたりからの来客へのキャッシュレス対応としては、沖縄ではどの程度整備できているのですか。
○糸数勝観光振興課長 那覇市については8割まで行っているのですが、それ以外では若干落ちるということです。ただ、今、資料を探せないので、全県での割合については後ほどでよろしいでしょうか。
○金城勉委員 後ででいいです。世界的にもそういう流れになっていますし、特に中国などではむしろ現金を扱うほうが珍しいぐらいの状況になっておりますので、そういう意味では日本の円は信頼度が高いということもあって、その辺の取り組みがおくれているようですが、これも国際観光の県としてしっかり対応を整えていかないといけないと思います。
それから、これだけ観光が非常に進んでいてうれしい反面、最近ではオーバーツーリズムという言葉も出てきているように、観光公害が心配されていて、観光客が押し寄せることによって地域住民の生活環境のマイナスの要素になるということも他府県においては言われていて、その対策も重要になってきているようですが、その辺の状況は沖縄においてはどうですか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 確かに、観光客の数がふえることによって住民の生活に悪影響を及ぼすことは避けたいと。ウェルカムんちゅのキャンペーンを我々は一生懸命していますが、やはり県民の方が観光客をきちんと受け入れるためには、観光客が来ることによって経済面でも豊かになるという好循環をどう繰り返していくかということが大事だと。そういった意味では、住んでよし、訪れてよし、受け入れてよしということを、県民の視線になって観光の施策に取り組んでいく必要があると。そこで、今年度初めて県民意識調査を実施しました。観光客が来ることによって住民がどう考えているか、どう好影響があるか、委員がおっしゃったような影響があるかということを県民視点で洗い出しながら、そういった観光公害に近いようなことに関しては、きちんと受け入れ体制を整備しながら、そういうことがないようにすることも沖縄観光のレベルを上げていくために必要なことだと理解しております。
○金城勉委員 多分1000万人は突破して、1200万人、あるいはそれ以上という目標も掲げておりますから、そのプロセスの中でそういう問題が起こる可能性は先進地を見れば予想できますので、そういうところもきちんと念頭に置きながら検討して対応していただきたいと思います。
その影響の一つなのかわかりませんが、マスコミ報道でもありましたように、空港周辺のレンタカーの駐車のあり方の問題などが報道されました。この件については、改善は進んでいますか。
○糸数勝観光振興課長 県が昨年度実施した調査によりますと、レンタカーを利用する観光客のうち95%が赤嶺や豊崎など、空港周辺の約50のレンタカーの営業所を利用しているということがわかっております。それも、空港へマイクロバス等を使って迎えに来るということです。影響ですが、我々の認識では、観光客がふえることによって、レンタカー送迎車の混雑やレンタカーを借りるまでの時間が長くなっているということが言えると思います。また、豊見城警察署によりますと、一般車両を含めた空港内での駐車違反が、ことし1月から9月までに251件あるということで、そうした違法駐車が道路の混雑や事故の原因にもなっていると推測しております。
○金城勉委員 ということは、その報道時点から今日に至って改善されていると受けとめていいですか。
○糸数勝観光振興課長 報道にあったのですが、10月25日に大阪航空局と豊見城警察署で警告、指導、違法取り締まりを実施したということで、我々も実際に現場に行きまして、何名かは検挙されていると聞いております。その後、改善されたかは確認しておりませんが、かなりの抑制効果があると思っておりますので、改善に向かうと理解しております。
○金城勉委員 もう一つ、課題が指摘されたのは、レンタカーの事業者が台数に応じた十分な駐車場の確保ができていないのではないかと。そして、違法とは言わないまでも脱法行為のような感じで周辺の一般道路、あるいはスペースを無断に使ってとめているということも声として聞いているのですが、その辺は把握していますか。
○糸数勝観光振興課長 レンタカー事業を行うに当たりましては、道路運送法第80条第1項の許可が必要です。これは沖縄総合事務局がやっておりますが、沖縄総合事務局によりますと、許可に当たっては適確な管理を求めていると。さらには車庫証明書も添付させているということで、沖縄総合事務局では特にそういった認識はしていないように感じられました。
○金城勉委員 そうではなくて、現実は正直者がばかを見ている実態があると聞いているのです。ですから、適当に処理的……手続の範囲内で確保しながら、それ以上にレンタカーを所有して、それを別にとめて運用しているという実態も情報として聞いているので、同業者でも正直にやっているところとそうではないところがあるということで、これは後々問題になるといけませんので、沖縄総合事務局とも連携を図りながら、実態把握とあわせて対策も考えたほうがいいと思います。
次に、観光目的税の導入の取り組みについて、進捗状況はどうですか。
○平敷達也観光政策課長 県では、ことし8月に有識者及び観光関連団体等で構成します観光目的税制度の導入施行に関する検討委員会を設置いたしまして、観光振興を目的とする法定外目的税導入必要性や使途事業等について、意見の取りまとめを依頼したところでございます。そして、今月の15日に第2回が開催されまして、その委員会において課税客体は宿泊行為とすること、そして、持続可能な観光地づくりや観光客の利便性及び満足度の向上などに活用するとの使途の考え方がまとめられたところでございます。今後は、同検討委員会において制度の詳細や導入の時期等について検討を重ねて、今年度末までに意見が取りまとめられる予定となっているところでございます。県としては、同委員会の提言を踏まえて法定外目的税の税目等を決めることとしておりまして、できるだけ早い時期に導入できるよう全力で取り組みたいと思っております。
○金城勉委員 私は前にもこれに触れたことがあるのですが、ぜひ速やかにやっていただいて、観光振興に資するような財源の確保をしていただきたいと思います。
次に、航空整備基地が200人体制でスタートをするということですが、この中で沖縄出身者の雇用効果はわかりますか。
○平田正志企業立地推進課長 入居企業で県内出身者として採用した人員について申し上げますと、平成28年度採用者が19人、平成29年度採用者が23人、平成30年度採用者が25人という報告を受けております。午前中申し上げました伊丹空港から異動する200人の中に、この人数も含まれているというところでございます。
○金城勉委員 既にそういう人数が採用されて、向こうで仕事に携わっているということですね。
○平田正志企業立地推進課長 向こうで研修をしているということでございます。
○金城勉委員 次に、観光お土産品、特にお菓子類などの製造元は、県内で生産しているよりも県外で生産して仕入れるというケースが多いと聞いたのですが、現状はどうですか。
○糸数勝観光振興課長 本県のお土産品に係る県内製造の現状について、平成29年度に内閣府沖縄総合事務局が実施した調査結果がございます。それによりますと、県内製造商品の比率は87%と高い割合を占めております。ちなみに、県外製造商品が8.3%、海外製造商品が4.7%です。同調査によりますと、お土産品の購入比率は、定番―知名度が高い沖縄限定のお土産品が29.1%、メイドイン沖縄のお土産品が16.4%、合計45.5%となっておりまして、県内製造商品の比率と比較して実際の購入比率は低いという状況があります。また、沖縄県がホテルやお土産品店等に調査した平成29年度沖縄県観光産業実態調査事業報告書がありまして、これはお土産品に特化した調査ではないのですが、物販全般における食料品、飲料品の県産品売上比率は53.8%、工芸品等の売上比率は49.4%となっております。
○金城勉委員 県内の売り上げで県内産の占める比率が45.5%ということですか。
○糸数勝観光振興課長 そうです。
○金城勉委員 この要因は何かわかりますか。
○糸数勝観光振興課長 まだ、そこまで分析はしていないのですが、やはり売れる商品が必要ではないかと。沖縄ならではというものも大事かと思っております。
○金城勉委員 この87%と45%のギャップはどういうことかわかりますか。
○糸数勝観光振興課長 求めるものが置かれていないということだと思いますが、明確にはわかりません。
○金城勉委員 やはりお客さんに好まれるような商品開発が求められるということなのでしょうね。
それから、泡盛の消費量が年々落ちて、業界も一生懸命努力しているのですが、多様な嗜好品があるということもあってなかなか回復には至っていないようです。この辺の取り組み、あるいは見通しはどうですか。
○神谷順治ものづくり振興課長 県では、沖縄県酒造組合が実施するプロモーション等の出荷拡大策への補助や、個別酒造所に対し、販路開拓等につなげるためのマーケティング支援を実施するとともに、平成29年9月補正で経営改革プランの策定支援を実施したところでございます。成果としましては、経営の厳しい酒造所に対して中小企業診断士を派遣し、販売管理費及び商品価値の見直しや、付加価値の高い商品開発による売り上げ増などを盛り込んだ経営改革プランを策定することにより、経営改善に向けた道筋を示したと考えております。また、出荷量増加に向けた支援では、専門家によるハンズオン支援により、これまで課題とされていた消費者志向への対策について、個別酒造所による泡盛リキュール等の新商品開発や、首都圏以外の市場開拓を実施したところで、今後のさらなる展開に期待ができると考えております。
○金城勉委員 最後に、技能五輪・アビリンピック全国大会の開催が直前に迫っております。今回の大会の参加人数、県外からの参加人数、その開催の効果などについて御説明をお願いします。
○仲里勉技能五輪・アビリンピック準備室長 選手と指導者等を含めまして3200人、企業の関係者を含めまして合計5000人が県外から来ることを予想しております。県内外を含めますと、64競技ございますので、全体で延べ15万人の各会場での人数を予想しているところでございます。
○金城勉委員 これはいろいろな職種の若い人たちが競い合う場になっているようですから、キャリア教育の場としても非常に大きな効果があるのではないかという思いがするのですが、その辺の認識や取り組みはどうですか。
○仲里勉技能五輪・アビリンピック準備室長 これまでの2年間を通しまして、児童生徒を含めて多くの県民の皆さまに各競技会場を見学していただいて、すばらしい技能を知ってもらいたいという考えから、ものづくり図鑑という64職種の各競技の図鑑を、全ての離島まで含めて配布しまして、学校の副教材として使っていただいております。これで見学にもつなげていただきたいと思っておりますし、次代を担う子供たちの職業観の形成に資することができればと考えているところでございます。また、小学生につきましても、近隣の市町村において事前学習会などの希望をとりまして、全部で11校から希望がございましたので、そこにつきましては足を運んで事前学習会を行ってきたところでございます。あさってから開会いたしますので、ぜひ多くの皆様に足を運んでいただきまして、技能のすばらしさを感じていただきたいと考えております。
○瑞慶覧功委員長 金城委員の質疑に対して、観光振興課長から説明があります。
糸数勝観光振興課長。
○糸数勝観光振興課長 キャッシュレスの導入状況について、資料が届きましたので、御報告いたします。平成29年度の県のアンケート調査ですが、外国人観光客の受け入れに当たり、現金以外の決済手段の導入状況ということを聞いております。県全体で63.1%が導入しているということで、那覇市が82.7%、北部が63.7%、中部が71.6%、南部が50.7%、八重山諸島が51.6%、宮古諸島が60.6%、慶良間諸島が38.0%、その他諸島が17%となっております。
○瑞慶覧功委員長 大城憲幸委員。
○大城憲幸委員 主要施策の成果に関する報告書から質疑しますので、お願いします。
まず最初に207ページ、国際物流拠点産業集積地域賃貸工場整備事業について、今、71社が入っているということですが、分譲と賃貸の面積的な割合は大体どれぐらいかわかりますか。
○平田正志企業立地推進課長 正確な数字は把握しておりません。
○大城憲幸委員 大体でいいです。会社の数的には賃貸が多いではないですか。面積的にも大体これぐらいの割合ですか。
○平田正志企業立地推進課長 旧特別自由貿易地域の中でIT津梁パーク用地を除いた製造業の関係の用地ということで申し上げますと、賃貸工場等で24.3ヘクタール、民間企業の利用状況が24.4ヘクタールと、ほぼ同規模の状況でございます。
○大城憲幸委員 この事業は、賃貸工場を整備して企業を誘致するということで、これまでも事業の形を変えて続いてきたと思うのですが、これまでにかかった総事業費はどのぐらいになりますか。
○平田正志企業立地推進課長 賃貸工場につきましては、平成11年度から整備を始めておりまして、これまでに46棟を整備しております。賃貸工場の建設費としては、平成29年までの実績として163億円となっております。
○大城憲幸委員 沖縄はどうしても1次産業が弱いし、2次産業も弱い。特に製造業はどうしても育てていかないといけないということにプラスして、本来、この埋立地は分譲の予定ですが、なかなかそれだけでは製造業が入ってこられないという議論がこれまでもあったと思います。それでこの事業は始まったのですが、これまで163億円かけて、費用対効果という意味では所管課としては十分に意義があったという評価をしているのですか。
○平田正志企業立地推進課長 賃貸工場につきましては、国庫補助事業を活用しております。県負担については2割、もしくは3分の1の負担という形になっておりまして、先ほど申し上げました163億円のうち、県負担額としては36億円でございます。その効果としては、平成30年10月1日現在で、賃貸工場には立地企業者数が49社ございまして、雇用者数はことしの1月現在でございますが、701人となっておりまして、雇用の効果の拡大と雇用者に対する給料としての経済効果が想定されます。また、うるま地区において、平成29年度の搬出額は165億円となっておりまして、1社当たり、平成23年に比べて1.6倍に伸びるなど、搬出においても経済効果が出てきていると考えております。
○大城憲幸委員 平成29年でとりあえず一区切り事業期間は終わって、平成30年で形を変えて事業をしていると認識しておりますが、平成30年以降も基本的には同じような形で、賃貸工場の事業について進めていくという理解でいいですか。
○平田正志企業立地推進課長 今後の展開としまして、今年度、補正予算で賃貸工場6棟に係る土質調査を計上しまして、平成31年度から設計工事、平成32年度中の完成を目指して事業を推進する方向で予算確保を図っているところでございます。先ほど給与の雇用効果があると申し上げたところですが、この点につきまして補足申し上げますと、沖縄県が雇用している―毎月勤労統計調査、地方調査が今年度1月に調査されていますが、1人当たりの現金給与総額が19万9454円、これが年額になると239万3448円と。この年額を先ほどの701人という賃貸工場の雇用者数に掛けると16億7781万円の規模になります。さらに、賃貸工場がこれまで整備した平成13年度以降も、同じように厚生労働省の毎月勤労統計調査の数字で、雇用、給与に対する効果を積算していきますと、133億8748万円という規模の数字が出てきますので、賃貸工場のスキームの効果としては一定程度評価できるものがあると考えております。
○大城憲幸委員 次に、232ページの琉球泡盛県外展開強化事業ですが、この事業もとりあえず平成29年度までの一区切りということで、課題等があるわけですが、先ほど今後期待できるという話もありましたが、現状は非常に厳しいと思うのです。そして、課題にある商品開発、あるいは経営基盤の強化はずっと言われていたことですが、個人的に、古酒の郷構想は非常にいいと思うし、向こうから出てくるものは我々も魅力を感じるし、今、48の酒造所があって、ばらばらで頑張って地域への貢献も大きいのですが、やはりこれからはああいう酒造組合として古酒で世界に勝負するという―あの発想が腰折れしてしまって残念だと思うのですが、向こうの現状と担当課の考え方はどうですか。
○神谷順治ものづくり振興課長 古酒の郷につきましては、ことし9月4日の古酒の日に、向こうが5年古酒になりましたので、それを活用して新商品を開発し、今現在、販売しております。県としましては、そういった5年物の古酒を特に県外や海外を中心に売っていきたいと聞いておりまして、そういった意味では、現在、国が行っている琉球泡盛海外輸出プロジェクトなどの支援を我々も促進しながら、そういった形で今後も5年古酒を展開していくと聞いております。県の考え方としましては、県は県内外、国は国外へ泡盛の販売を支援をしていくというすみ分けはできていますので、国と連携しながら、あるいは古酒の郷の組合とも連携しながら販売促進してまいりたいと考えているところでございます。
○大城憲幸委員 5年古酒はいいのですが、もともと私が聞いていたのは、とにかく厳しいときに買い支えるということも含めて、どんどん継ぎ足して100年古酒をつくるぐらいのイメージで今後増設していくという意味だったと思うのです。ところが、もうかっているところは自分たちはもうかっているからいいということで出さないとか、小さい厳しいところは出し切れないとか、そういうことで、なかなか思いどおりに物が集まらない、構想が広がらない、結果として中途半端なものになってしまったというイメージがあるので、そこはここにあるように、今、商品開発はしないといけないのですが、やはり最終的に世界で勝負できるのは古酒だと思いますので、あの構想に対して基本に戻る、あるいは県としてもう一回みんなで考えないといけないのではないかという議論があってもいいのではないかと思ったのです。その辺について再度、お願いします。
○神谷順治ものづくり振興課長 古酒の郷につきましては、当初の計画より大分ずれて、3社ほど負担金が出し切れないという話もありましたし、いろいろな理由があるかと思いますが、要するに、負担金が集まらないので、ほかのタンクに貯蔵できないということもありますので、今後、古酒の郷の組合と話し合いをしながら連携し、販路拡大、促進などについて、県も一緒になって考えてまいりたいと思っているところでございます。
○大城憲幸委員 私から言えば国も県もここまで放っておくのがどうかと思っていて、何年も前からそういう意見もあれば、課題にもなっていたはずなので、その辺は少し見直して、またリーダーシップを発揮してもらいたいと思いますので、お願いします。
次に、239ページのクリーンエネルギーの導入拡大に向けた取組について、離島での100%自給実証事業の議論がありました。それから、久米島の議論もありましたが、沖縄総合事務局から海洋深層水の活用のいい事例も出てくる中で、どうするのという議論は再三やったのですが、商工労働部としては、これまでハワイと連携して実証実験をしてきたが基本的には成り立ちませんというところだったと思うのです。その辺は効果と課題のところにいろいろ書いていますが、商工労働部としては、温度差発電について費用対効果として成り立ちませんという以上は、その後は何もないのですか。
○喜友名朝弘産業政策課長 委員のおっしゃったように、発電の実証事業は今年度で終了という計画になっております。前回の議会でも委員から御指摘がありましたように、久米島町の振興にも資しているという部分はあると認識しておりまして、久米島町も必要としていますし、国とどのように活用していくかというところもあると思います。また、ハワイエネルギー協力の中でもテーマとして位置づけられておりますので、県としては、引き続き有効活用に向けて検討してまいりたいと考えております。
○大城憲幸委員 それでいいのですが、農林水産部もそうですが、一括交付金もありますので実証実験には取り組みやすいのですが、その後の展開がなかなか見えてこないという事情が案外あるような気がするのです。それも含めて、今、言ったように温度差発電だけではなかなか採算はとれないが、ほかとの組み合わせも含めてどこがやるかという議論も内部であるとは思うので、そこはこれをやれば久米島は元気になるという数字は出ているわけですし、地域もやる気になっていますので、一括交付金が難しければ別の手を考える、国に要望していくという具体的な行動を起こしてほしいと思います。よろしくお願いします。
次に、246ページの県外・海外就職へのチャレンジ事業ですが、何名か県民から意見があって、これだけ県内で人不足だと言っているのに、若い皆さんが外に行って仕事してきてくださいというアピールに違和感があるという話があるのです。それは民間がやっている部分も多いとは思うのですが、県としては、ここに書いているように、グローバルな人材を育てて県内に定着させる動きに変えないといけないと思うので、その辺の考え―これまでは若年層の失業率を下げるために県外へという動きでしたが、現時点で、これにどのような考えを持ってどう変えていこうとしているのでしょうか。
○下地康斗雇用政策課長 海外も県外も、基本的にインターンシップということで、就業意識の醸成などといったもの。海外につきましては、実務的な国際ビジネスの対応力や異文化への対応力を身につけて、いずれは県内で活躍してもらいたいという期待をして実施しております。県外インターンシップにつきましても、主に製造業や工業系の産業分野で、県内にはないような高度な技術や最新技術を有する企業などを選定して、そこにインターンシップをして職業観の醸成やスキルアップ等について県内で生かしてもらいたいという趣旨で実施しております。この取り組みとあわせて、県外の優良企業で県内進出の予定のある企業や県内に支店のある優良企業へのインターンシップを実施し、さらに、企業誘致による県内進出をした企業の情報発信などをして若者の県内就職に向けた意識を醸成し、海外・県外インターンシップとあわせて県内企業の情報発信もしながら、県内就職に向けた取り組みを推進してきたいと考えております。
○大城憲幸委員 県民の中には県が主導して若い人の県外へ就職をあっせんしているのではないかというイメージを持っている皆さんもいるし、前はそういう部分もあったと思うのですが、今はそういうことではないという理解でいいですよね。
○下地康斗雇用政策課長 そのとおりです。
○大城憲幸委員 次に、299ページの大型MICE受入環境整備事業について、方針と金額、これまでの経過の確認ですが、県としてはどうしても大型MICE事業については一括交付金でやりたいと。そして、これまでの経過として国も一括交付金で調整等は認めてくれたし、今後も一括交付金の目的、そして沖縄の元気につながるものはどうしてもその方針でいきたいというのが皆さんの方針だと思いますが、確認として、これまで大型MICE事業建設にかかわる費用がどれぐらいだったのか。そして、その中で一括交付金で充当したのが幾らで、それ以外の財源が幾らか、その辺についてお願いします。
○加賀谷陽平MICE推進課長 大型MICE施設の整備に向けましては、平成24年度にMICE誘致強化戦略大型MICE施設のあり方調査事業を実施し、平成25年度には大型MICE施設整備とまちづくりへ向けた基本構想を策定しております。平成26年度には、大型MICE施設の建設用地の検討作業を実施しまして、平成27年度以降におきましては、大型MICE受入環境整備事業として各種事業に取り組んできております。この間、平成24年度から平成29年度までの執行額、決算額ベースで申し上げますと、約72億1700万円ということになります。この内訳として、一括交付金を活用した事業の執行額は合計で約2億1700万円、一方、県の一般財源や県債により執行した事業の合計は約69億8400万円となっております。
○大城憲幸委員 土地購入費だけで70億円を超えた記憶があるのですが、土地購入費はそのうち幾らですか。
○加賀谷陽平MICE推進課長 土地購入におきましては、平成28年度に建設地として―県有地の方向にしておりますが、約69億3500万円という数字になっております。
○大城憲幸委員 方針としては、冒頭私が言ったような流れで平成31年の新年度に向けて取り組んでいくと。現時点では、その考えに変わりはないということでいいわけですね。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 現状といたしましては、委員のおっしゃるとおり一括交付金で、建設費の額も大きいので―ただ、お尻は2021年3月という限界もありますので、それに向けてきちんと合うような形で、そういった意味では、きょうも、あすもという形で一生懸命関係要路にお願いをしながら、交付決定に向けて取り組んでいきたいという方針でございます。
○大城憲幸委員 至難のわざだと思いますが、みんなで知恵を絞って頑張ってまいりましょう。
最後に、279ページの教育旅行推進強化事業についてお願いします。毎年、県外に行って沖縄の教育旅行についてPRしながら、43万人という数字を維持しているわけですが、中には修学旅行フェアのようなものはもう必要ないのではないかという声も漏れ聞こえてきたりするのです。その辺については、今は少子高齢化で今後教育旅行も厳しくなるという中で、この事業の状況と今後の考え方について、お願いします。
○糸数勝観光振興課長 沖縄への修学旅行は平成29年、これは歴年ですが、43万2000人で国内観光客数の約6.3%を占めております。特に沖縄全体の入域観光客数が少なくなる時期の10月から12月に占める割合が約14%ということから、沖縄県としては平準化に寄与していると。さらには、将来のリピーター化にもつながると考えております。このため、修学旅行を観光施策の重要な柱として位置づけて、さまざまな事業を実施しております。まずは、沖縄県修学旅行推進協議会の開催、修学旅行フェア、説明会の開催、学校に対する事前・事後学習の支援、国内外の学校関係者の招聘、国内修学旅行誘致戦略―これは3年に1回やっておりまして、昨年度行いました。これらの活動により沖縄の認知度が向上しまして、平成29年の沖縄への修学旅行の受け入れ件数は2475校、43万2000人となって、安定的に推移しているということです。少子化の進行、あるいは他地域との競合も激しくなっている中、状況も非常に厳しいのですが、一定規模を確保できたのではないかと思っております。委員のおっしゃるような修学旅行フェアについては、毎年、東京と大阪でやっております。どういった内容かといいますと、県内の修学旅行関係事業者が東京、大阪に行きまして、県外の学校関係者、あるいは旅行者と一堂に会しまして、来場者は出展者から沖縄修学旅行の最新情報、出展者は学校関係者から最新の修学旅行ニーズを聞くことができるということで、修学旅行推進にとって非常に重要な事業と位置づけております。また、来場者や出展者、アンケート調査もやっておりますが、評価する意見がかなりあって、継続的に実施してほしいという声が聞こえております。
○大城憲幸委員 今後の流れとして、県としては1人当たりの消費単価を何とか上げていかないといけない中で、また、人件費が上がっていますので、バス代も上がる、ホテル代も若干上がっていく中で、修学旅行のように1人当たり単価が7万円などと決まっているところは旅行社からしても魅力が薄れてきているのではないかという意見も聞くのですが、その辺も含めて、今後、沖縄の修学旅行はどうあるべきだと考えていますか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 修学旅行の一つの魅力として、安定的に平準化に寄与するということもあるのですが、将来のリピーターとして可能性がある。小・中学校のうちに沖縄に来て非常に楽しんでいただいた子供たちが将来、大学のゼミの旅行、卒業旅行、新婚旅行等々で来るという、いい意味での先々の投資ということを含めますと、これからも大事にしていかなくてはいけない分野だと思っております。
○瑞慶覧功委員長 島袋大委員。
○島袋大委員 212ページ、航空機整備基地整備事業については、ほぼ終了すると思いますが、気になるのはこの後です。航空機整備基地の中に入る県内の子供たちが、しっかりとできるようなシステムを含めて、教育委員会等と連携をとってそういうことをやっているのかが気になるのですが、どうですか。
○平田正志企業立地推進課長 航空機整備の人材に関しましては、入居企業が採用しまして、社内で研修等をして実際の技術等を身につけるというところで進めています。ただ、県内では国立沖縄工業高等専門学校―高専がそれに対応したカリキュラムを設けて、人材育成に取り組んでいただいているところでございます。また、県としましては、教育庁での校長の研修会や教頭の研修会等において、沖縄県の施策として航空機整備を進めるということについて、今年度1月、2月、3月にかけて、研修会に当たって情報発信をして連携を図っているところでございます。入居企業では、高専だけでなく、一般の工業高校や普通高校も含めて事業の発信をしまして、採用をして、みずから研修をしているということで、各高校への情報発信に努めていただいているところでございます。
○島袋大委員 すばらしい企業が来るわけですから、その辺はしっかりと連携をとって、人材育成のために頑張っていただきたいと思っています。それと関連して、航空のパーツ産業事業など、その辺の企業誘致はどうなっていますか。当初、これを持ってくることで航空産業のパーツ事業なども入ってくるという見立ての中でスタートしたと思いますが、現状はどうなっていますか。
○平田正志企業立地推進課長 県では、平成28年度から平成29年度にかけて航空関連産業クラスターの形成に向けた調査等を実施しまして、今年度アクションプランを策定するということで取り組みを進めております。その中で航空機の装備品であるタイヤ、パーツの保管、整備、修理をする企業についての取り組みも方向性としては入れております。今後、クラスターのアクションプランの作成後、その方向性を踏まえた取り組みを進めていきたいと考えております。
○島袋大委員 次に、267ページ、沖縄工芸産業振興拠点施設(仮称)整備事業、工芸の杜です。この事業は用地交渉を含めて相当時間がかかって、今やっとここまで来たということで文化財発掘事業が入っていると思いますが、建築をするに当たって、建築の予算は大丈夫かと思っていて、MICEが先にできる前に工芸の杜から早くつくらせないといけないと思っているのですが、その予算は大丈夫ですか。
○神谷順治ものづくり振興課長 進捗状況ですが、平成29年度に実施設計及び全設計を終了しております。今、委員おっしゃったように、平成29年度に文化財の発掘があったため、平成30年度は埋蔵文化財調査をしております。この調査は平成31年2月に終了する見込みであり、実際の調査は来月の11月で終了するのですが、報告書の作成などがありまして、2月までかかると聞いております。平成31年度から建築工事を開始し、平成33年度冬の竣工、平成33年度末の供用開始を予定しているのですが、財政当局には、こういった理由で1年間おくれているが、ぜひ債務負担で予算を確保していただきたいと強く要望しているところでございますので、頑張って確保に努めたいと思います。
○島袋大委員 僕も頑張るので、頑張っていきましょう。地元ですから、ここまで一生懸命長年一緒にやってきて、これはしっかりと完成させないといけないと思っています。気になるのは駐車場の問題ですが、今、空手会館でも百数十台しかとめられない中で、豊見城市と連携して駐車場の拡幅を含めていろいろ検討があると思うのですが、工芸の杜に関して駐車場の問題はどうなりますか。
○神谷順治ものづくり振興課長 工芸の杜の駐車場につきましては、まず、工芸の杜の敷地内に66台のスペースを確保しております。それから、空手会館と連携しながら、ここに100台が確保できると聞いております。それから、今、豊見城市が豊見城城址公園内に駐車場を整備しております。これがトータルで400台、そのうち西側の駐車場が平成31年度末には完成すると聞いておりますので、合計すると566台になりまして、大きなイベントなどがあるときには566台の駐車が確保できると考えております。
○島袋大委員 ひとつ、頑張っていきましょう。よろしくお願いします。
次に、276ページ、国内需要安定化事業とありますが、中身を教えてください。
○糸数勝観光振興課長 国内需要安定化事業は、国内観光客を誘客するための事業で、主な柱は航空路線の誘致支援と既存路線の拡大、観光プロモーション等、それから、Be.Okinawaの国内の適用も始まっていますので、それを展開して国内観光客を誘客しようという事業です。
○島袋大委員 国内観光客誘致のプロモーションとは、大体どんな感じですか。
○糸数勝観光振興課長 さまざまなイベント等に観光ブースを出展するということと、旅行博といったところにも出て行く、さらにはウエブや雑誌、テレビ局と連携して広告する事業でございます。
○島袋大委員 この間、自民党会派で韓国の済州島に視察に行きましたが、あそこでは観光客1000万人を軽く超えて、観光客の内訳を見ると、約90%近くが本国の韓国から来るわけです。リタイヤ組も含めて、歴史探索巡りもいろいろしているわけです。歴史的な流れも、沖縄と非常に似ているような雰囲気があって、そこで一つの瓦屋のようなところに入って、ストーリー性のある30分ぐらいの歴史話を流すわけです。その後、周辺を見ると。ですから、観光客の消費額もしかりですが、あと1泊ふやすための観光の戦略として、これだけ沖縄は城跡もある中で、こういうものも取り入れていくべきだと思うのです。今、観光客のプロモーションと言っているので、こういうストーリー性のある観光事業、あと1泊させるという沖縄県の施策としてこのように考えていかないといけないのではないかと、済州島に行って我々自民党県議団は感じてきたところなのですが、あれだけの島で約90%が本国から来るということは、海外の観光客を足さなくても1000万人来ているのですから、そのように沖縄の観光の流れも空と海だけではなく、観光文化、伝統芸能を含むのであれば、工芸の杜や空手会館とも連携しながら、どういう形で―こういうストーリー性のある事業はしていないのですか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 委員のおっしゃっていることは、まさにそのとおりだと思います。どれだけ長く滞在させるかということは経済効果にかかわりますが、今はまだ2泊3日、3泊4日が主流でございまして、おっしゃるように、沖縄は観光資源として、自然だけではなく文化、スポーツを含めてさまざまなものを持っていますので、そういったことを離島も含めて、ストーリー性を持たせるのか等いろいろとしっかり考えないといけないし、そういった観光商品を旅行業者と一緒につくり込んだものをきちんと情報発信していくことが大事だと思っております。
○島袋大委員 偶然、沖縄観光コンベンションビューローの会長にも会いましたので、現場を見ているはずですし、その辺の話もしてあります。ですから、そういったもの含めて考えていただきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いします。
297ページ、戦略的MICE誘致促進事業で、県内でMICEのいろいろな開催支援等を行ったということですが、細かく説明してください。
○加賀谷陽平MICE推進課長 戦略的MICE誘致促進事業の主な事業内容としましては、まず1つ目として、MICEの主催者や運営事業者向けのプロモーションを行う誘致広報業務。2つ目として、MICE開催時のバス借り上げ費用等の助成等、そういったものを行います開催支援業務。3点目として、新たなMICE関連商品の造成やサービスの向上、人材育成等を促す受入体制整備事業が主たる3つの事業となっております。特に平成29年度の事業におきましては、それらに加えまして、今後10年間のMICE振興の方向性や具体的取り組みを体系的に整理をしましたMICE振興戦略の策定。それから、同戦略の推進母体となる産学官連携組織、沖縄MICEネットワークの設立。それとあわせて、MICE開催地としての沖縄の提供価値やメッセージを表現した沖縄県MICEブランドの構築にも平成29年度は取り組んでおります。
○島袋大委員 次年度も含めて、いろいろやっていくということでよろしいですか。
○加賀谷陽平MICE推進課長 おっしゃるとおりです。
○島袋大委員 とにかく頑張る決意ということですから、いろいろな面でみんなで努力できる面は努力したほうがいいと思っていますので、頑張っていきましょう。
○瑞慶覧功委員長 島袋大委員から、質疑時間5分を西銘啓史郎委員に譲渡したいとの申し出がありましたので、御報告いたします。
なお、質疑の持ち時間を譲渡した委員は、譲渡を受けた委員の質疑中は在席する必要があるので、御承知おき願います。
それでは、質疑を行います。
西銘啓史郎委員。
○西銘啓史郎委員 両部に共通するところから質疑したいと思います。目次のところで事業件数はわかるのですが、両部で主要事業以外の総事業数を教えてもらえますか。
○屋比久盛敏商工労働部長 主要施策の中でも細事業というものがありまして、それに主要施策ではない他の事業があるものですから、そのカウントの仕方によって―トータルの数字は今持っていないということでございます。
○平敷達也観光政策課長 文化観光スポーツ部全体の事業は128あります。うち、主要施策と言われている事業が41ということになります。
○西銘啓史郎委員 同じように、商工労働部は持っていないのですか。
○屋比久盛敏商工労働部長 今、産業政策課で計算しているところなので、後ほどお答えいたします。
○西銘啓史郎委員 また両部にまたがる質疑ですが、主要施策の中でソフト、ハード以外の事業を目次に沿って教えてください。
○喜友名朝弘産業政策課長 まず、先ほどの事業数からお答えいたします。計算しましたところ、平成30年度で211事業ございます。
○西銘啓史郎委員 私は平成29年度の話をしているのです。それはまた後で。
○平敷達也観光政策課長 目次の中で、県単事業を申し上げます。5番、27番、28番、32番、37番、39番、41番でございます。
○西銘啓史郎委員 同じように商工労働部は―僕なりに調べているのですが、後ほど、平成29年度の総事業数を教えてください。何が言いたいかというと、全体の事業の中で主要事業がどれぐらいの比率なのかを見たかったのです。両部にまたがって見ると、まず、商工労働部は主要事業の支出計画を計算してみると288億円あるわけです。支出済額が397億円です。ということは、残り110億円ぐらいをほかの事業で使っているわけですよね。その中身がどんなものなのか知りたかったのが1つ。文化観光スポーツ部で言えば、支出済額113億円のうち60億円が主要事業です。ですから、半分なのです。それ以外にほかの事業があるだろうということで、それらのポイントがあれば聞きたかったのです。そして、交付金を利用している事業がどれだけあるかというと、商工労働部はほとんどです。53事業のうち43事業がソフト交付金、ハード交付金を使っているわけです。ですから、一括交付金が減ったときに、この事業の中身が変わるのか、額が減るのか、平成33年度までの間に変わってくるではないですか。それを心配しているのです。次年度の一括交付金の予算要求もこれからしっかりやるのでしょうが、いろいろな大事な事業の予算が獲得できないと大変だといういうことを申し上げたいわけです。皆さんが主要事業に上げて、各企業、中小企業、または観光関係を支援するための事業の予算が獲得できないと大変になるので、そこをしっかり認識した上で主要事業の中身をきちんと精査してほしいということと、予算の確保にはしっかり努力してほしいということを要望として上げておきます。
次に、217ページの再生医療産業活性化推進事業ですが、どこか民間の支援をしているのですか。内容をお願いします。
○神谷順治ものづくり振興課長 事業の委託先につきましては、琉球大学医学部を中心とした再生医療産業活性化推進事業運営共同体、いわゆるJVを組んでやっております。共同体の構成員としては、琉球大学医学部のほか、これまで再生医療の研究に携わってきた国立生育医療研究センターや国立研究開発法人、産業技術総合研究所など、5団体で構成されております。
○西銘啓史郎委員 これに民間は入っていませんか。
○神谷順治ものづくり振興課長 民間としては、東京のバイオベンチャー企業でセルソース株式会社、それから、一般社団法人トロピカルテクノプラスが入っております。
○西銘啓史郎委員 この決算7300万円はどこに対して支払っているのですか。
○神谷順治ものづくり振興課長 一般社団法人トロピカルテクノプラスが事業の実務面の総括を行っているところで、ここに契約してお支払いしているということです。
○西銘啓史郎委員 琉球大学のそばにロート製薬がつくった幹細胞の研究棟がありますよね。そこは今、どこの資産になっていますか。
○神谷順治ものづくり振興課長 建物そのものはロート製薬が琉球大学に寄贈しております。ですから、今は琉球大学の建物と認識しております。
○西銘啓史郎委員 僕も現場を見にいきました。一つ腑に落ちないのが、建物は民間がつくって、そこに事務所があるわけですよね。なぜ賃料を取るのですか。
○神谷順治ものづくり振興課長 その中で、再生医療の機械―CPCの維持管理費用として琉球大学が取っていると聞いております。
○西銘啓史郎委員 今は、賃料の話です。
○神谷順治ものづくり振興課長 それは把握していません。琉球大学に聞かないとわかりません。
○西銘啓史郎委員 これは琉球大学とその企業の契約ということでいいですか。
○神谷順治ものづくり振興課長 そのとおりです。
○西銘啓史郎委員 次は視点を変えて、今までいろいろな形で医療の支援や、研究施設でお金を出して研究して、3年たったら帰ると。実になったものがどれだけあるかわかりませんが、一番大事だと思うのは、民間に対して県が一緒になってやったり、大学と企業をいろいろ合致させても、それが事業として実を結ばないと、極端な話、研究の費用援助はもらったが、成果が出ないまま3年で終わって帰るということがないのか。この事業もそうですが、研究するのはいいのですが、研究しっ放し―例えば、県から支援をもらって3年間研究しました。3年終わったら、研究も終わりなので帰りましたという事例はないのかということです。
○神谷順治ものづくり振興課長 当該事業も含めて、県が事業を計画するときには、県益として沖縄県に事業費なり何なりが落ちるような形で制度設計をしております。ですから、この事業も含めてですが、例えば、誘致した企業がこの賃貸工場の中に入って、連携しながら事業を進めていくということで我々は考えているところでございます。
○西銘啓史郎委員 いろいろな研究を支援することも大事ですが、結果的にそれが実を結ぶようなもの、または事業化できるなど、そういうことにならないと、言葉は悪いですが、支援だけもらっていなくなって何も残らなかったということがないように、そこはしっかりしてほしいと思います。
次に、238ページ、県単融資事業についてです。これは昭和47年からの事業と聞いていますが、当初、開始した理由と累計の融資額について教えてください。
○友利公子中小企業支援課長 本事業が始まった経緯ですが、中小企業の事業活動に必要な資金の融資の円滑化を図って、県内中小企業の振興に寄与することを目的に開始しております。県内中小企業は、他県と比較して経営基盤が脆弱で、信用リスクの観点から、民間金融機関から積極的に融資を受けることができず、資金調達力に乏しいため、セーフティーネットの観点からも県単融資事業を行う必要がありました。昭和47年度の制度開始以来、平成29年度までの融資の実績ですが、件数で4万8503件、金額で3000億8255万2000円に上ります。
○西銘啓史郎委員 貸し付けした後の回収ですが、いわゆるずっと逃げて回収漏れなど、そういうものはありましたか。
○友利公子中小企業支援課長 債権回収ですが、こちらは金融機関と業者との関係になりますので、県が債権回収にかかわることはなく、代位弁済という形で保証協会が代位弁済をした分の損失保証契約を県と保証協会で結んでおりますので、県が損失補償をした後も債権回収があった場合は、保証協会が回収金を県へ納付するというシステムで動いております。
○西銘啓史郎委員 ということは、中小企業が金融機関に申し込むという理解でいいですか。
○友利公子中小企業支援課長 金融機関に直接申し込むものもありますし、商工会などのあっせん機関を通して申し込むケースもあります。資金によって異なります。
○西銘啓史郎委員 申し込みの流れと審査、決定、融資までの期間がよくわからないのですが、民間の金融機関に借りるよりは、申し込みから融資までの日数が短いとか、そういったメリットがあるのでしょうか。
○友利公子中小企業支援課長 直接、金融機関へ申請した場合の標準処理期間は3週間で、商工会とあっせん機関を経由する場合の標準処理期間は1カ月となっております。
○西銘啓史郎委員 そうすると、民間の金融機関のほうが早いということですか。
○友利公子中小企業支援課長 直接、金融機関に申し込みする場合の標準処理期間としては短いということになります。
○西銘啓史郎委員 それでは、この132億円の決算額は金融機関に払った額という理解でいいですか。
○友利公子中小企業支援課長 金融機関に払った金額ということになります。
○西銘啓史郎委員 私が中小企業者としたら、申し込みをして金融機関から借り受けをして、返済も全て金融機関にするわけですよね。民間でも大分金利が下がっていると思うのですが、これをずっと継続するメリットはどういうところにあるのかがよく見えなくなって―金利が低いとか、こういうものは全く関係ないですか。県が取り決めて貸せるわけではないですよね。ですから、これはあくまでも金融機関と県の関係ですよね。
○屋比久盛敏商工労働部長 県は県の持ち分で五、六十億円で、これは金融機関でそれぞれ分配しています。我々は利子を取らずに預けますので、それに対して金融機関は協調融資ということで2.6倍ぐらいつけるわけです。それで150億円ぐらいが資金としてあるわけです。そういう意味で、彼らは我々から無利子の資金をとれますので、それで金利が安くなって、貸しやすいと。しかも、保証協会の保証をつけるので、金融機関が貸しにくい案件も回ってくるわけです。そこで保証協会が生きてくるわけですが、その中で確かに焦げつきも出てくるわけです。4%ぐらいが出てきて、代位弁済した分について、今度は県がある程度保証していくというスキームでやっております。
○西銘啓史郎委員 先ほど昭和47年から4万8000件ぐらいと言われましたが、これは1企業が2回も3回も融資を受けられる仕組みですか。
○友利公子中小企業支援課長 1企業で回数制限はございません。
○西銘啓史郎委員 融資を受けている業種別の比率はわかりますか。
○友利公子中小企業支援課長 昭和47年度からの累計ではなく、去年の融資の範囲でお答えいたします。去年は1137件の実績でございますが、多い順から建設業361社、サービス業273社、卸売小売業199社、その他191社、運輸通信業60社、製造業51社、ガス供給業2社という内訳になっています。
○西銘啓史郎委員 この比率は、毎年余り変わらないですか。
○友利公子中小企業支援課長 上位の2つは同じような形で、建設業、サービス業の順位は変わらずというところです。
○西銘啓史郎委員 要は、そういう業者の方々が県単融資事業を評価して使いやすいということがあればいいのですが、もしこの辺の声を聞いていて、今後、改めるところがあれば、ぜひその辺も調整してもらいたいです。制度改正を行い続ける必要があるという話もありましたので、これについては要望だけで結構です。
219ページ、企業誘致促進について、1億5000万円ぐらいの決算額ですが、1から5までの決算額を教えてください。
○平田正志企業立地推進課長 企業誘致促進については、事業内容の1が一つの事業でございまして、その中でセミナーや説明会などの事業を実施しているということでございます。ですから、決算額としては、当初予算額1億5390万7000円に対して、1億5003万6000円という決算額になるかと思います。
○西銘啓史郎委員 要は、括弧1から5までの明細はわからないということですか。
○平田正志企業立地推進課長 沖縄県投資環境プロモーション事業については、一つの委託事業として実施している内容になっておりまして、個別の予算額、決算額については捉えていないところでございます。
○西銘啓史郎委員 これはどこかに委託しているのですか。
○平田正志企業立地推進課長 公募に基づいて委託をしている事業になります。
○西銘啓史郎委員 県民の税金ですから、1億5000万円の明細がわからないのはどうかと思います。それがわからないと、これが適正かどうかがわからないわけです。仮に3回セミナーに1000万円使いましたと。場所はどこかわかりませんが、それが適正かどうかが審査できないではないですか。
○平田正志企業立地推進課長 当然、委託事業の精算においては、各受託事業者から各実施事業の実績を報告いただきまして検査をしているところでございますので、明細についてはあるのですが、現時点で手元にそれを持っていないということで御理解いただければと思います。
○西銘啓史郎委員 次年度以降は、可能な限り決算の明細を出すようにしてください。そうしないと評価ができないのです。1億5000万円使いました、中身はわかりません、我慢してくださいというわけにはいかないと思います。もう一つ聞きますが、企業誘致活動を実施するということで、平成26年度から続いていますが、平成26年度から平成29年度まで続けた中で実際に誘致できた件数を教えてください。
○平田正志企業立地推進課長 プロモーション事業は継続的にやっておりますので、その年度において誘致した企業が当該年度に立地するというものではなく、継続的な接触の中で立地していただくというところでございます。その結果として―これは旧うるま地区で把握しておりますが、新規立地企業として平成26年度は11社、平成27年度は16社、平成28年度は6社、平成29年度は11社、平成30年度は10月1日時点で8社となっております。
○西銘啓史郎委員 進出した企業は全部で50社ぐらいありますが、今もきちんと残っていますか。要は、撤退していないかどうかを聞きたいのです。
○平田正志企業立地推進課長 企業においては、経済動向を踏まえて企業活動をするところがございますので、当然、一部撤退する企業も出てきます。それについては、新たに企業誘致をして企業数をふやす取り組みをしているところでございます。
○西銘啓史郎委員 先ほどのものづくり振興課と一緒なのですが、誘致をして継続的に残ってもらうような制度として、どこに不備があるのか。単純に民間の環境だけで撤退するのかどうかはわかりませんし、もちろんいろいろな事情があるとは思いますが、ここにとどまって沖縄県の経済に寄与してもらうためには、いろいろなことを考えて、それで雇用が発生したりするわけなので、ぜひ担当課として企業の立地を推進した後に継続できるようなところまできちんとチェックをしてほしいと思います。
○平田正志企業立地推進課長 企業が沖縄でビジネスをしようとする場合に一番課題になるのは、物流コストになろうかと思っております。これについては、県でも一定の規模について補助をする等の取り組みをしているところでございますが、最終的には物流の基盤ができて、補助等がなくても民間レベルで着実にビジネスが回せるような体制を構築することが重要かと思います。それには、企業の集積によって一定の貨物量等の確保によって物流インフラが整備されるという流れの展開が必要になろうかと考えております。
○西銘啓史郎委員 255ページ、職業能力開発の充実について、先般、私も具志川の職業能力開発校を見てきました。本館の建てかえということで相当古い建物でしたので、平成30年竣工と聞いています。そこの校長といろいろな話をする中で、これは浦添の職業訓練校も一緒だと思うのですが、職業訓練校で資格を取った方が給与の関係で県外に就職するケースも多いようです。これはもちろん本人の就職の意思ですから、何も沖縄で就職する必要はないにしても、県の税金を使って訓練をして県の中で働いてもらいたいのですが、これを何とかする方法はないですか。
○宮平道子労働政策課長 訓練科によっては、委員がおっしゃったように処遇の問題が一番大きいということで県外就職も多いと聞いております。取り組んでいることとしては、求人開拓員を配置しておりますので、地元企業で開拓をしていくということになるかと思いますが、それ以外に特に県外、県内を分けてという取り組みはしていない状況でございます。
○西銘啓史郎委員 もちろん職業は自由なので、必ずしも県内にとどまらなくていいにしても、少なくとも県の税金を使って育てた皆さんが全部県外に行ってしまうのは―これは浦添の整備の方々でもあったと思います。なるべく沖縄に残れるような仕組みを、もちろん民間側も努力しなければならないと思うのですが、県としてこういったものも含めて、せっかく訓練校で育った人間が全部県外に行ってしまうと、ただでさえ労働力不足だと言われているのにもったいないではないですか。その辺の仕組みができるのかどうかわかりませんが、ぜひ検討してほしいと思います。
次に、288ページの観光危機管理支援対策事業について、お願いします。先ほど説明がありましたが、地震、津波、航空機事故、台風、あとはいろいろな疾病があって、たしかことしは、はしかがありましたよね。コンベンションビューローも一生懸命になって、終息宣言をしていたと思うのですが、これは目に見えないものなので観光客も非常に不安になるではないですか。この辺の危機管理はとても重要だと思っておりまして、水際で防止する方法や、発生した場合のやり方について、部としてどのように強化を考えているのですか。
○糸数勝観光振興課長 今回、台湾の方がはしかにかかって、沖縄で観光されたことで広がったと理解しております。水際ということでは、実際にはなかなか難しくて、体温が上がっているなどといったものを見つけられたらいいのですが、通過する可能性も十分あるということで、どうしても観光事業者及び県民が予防接種をしてうつらない、うつさないということがもっとも効果的だと言われております。
○西銘啓史郎委員 次に、314ページの沖縄県空手振興事業ですが、第1回国際大会について、評価と課題があればお願いします。
○山川哲男空手振興課長 これまで沖縄県においては、世界大会と名のつくものが過去4回行われてきているのですが、その大会は復帰何十周年記念イベントや県立武道館落成記念式典、沖縄伝統空手道振興会設立記念という主要な行事の附属のイベントという形で行われて、単発で終わってきています。そこで今回、県では沖縄の伝統文化である空手を保存、継承、発展させるために、あえて第1回と銘打って、第2回、第3回と重ねていきたいと思っております。大会に関しましては、延べ人数で3215人、実人数にいたしまして1635人、そのうち海外から848人ということで、これまで県が開催してきた大会の中では過去最大の規模を誇りました。また、今回の大会では流派別の型トーナメントを行った結果、これまで同一流派ながら各会派に分かれてなかなか意見交換が行われてこなかったという実情があったのですが、この大会を大成功させるということで、県内空手界が一枚岩となってさまざまな意見交換を重ねながらこれだけの規模の大会に導いたということは、成功の要因であったと考えております。ただ一方、多くの人数が来たということで、大会運営上のスタッフの確保に難渋しました。また、このとき高校の空手部がインターハイとかち合ったものですから、空手部の子供たちの応援も得づらいという状況がございました。今後、さらに大会を大きくしていきたいと考えておりますので、選手を呼ぶだけではなく、競技運営も充実させていく必要があると考えております。
○西銘啓史郎委員 夏場に開催するのがいいのか、先ほどのインターハイや飛行機の混みぐあいなど、いろいろ再考する余地はあると思っています。ですから、次回以降も充実させるために、今出た課題をクリアできるようにしっかり取り組んでほしいと思います。
279ページの教育旅行推進強化事業について、修学旅行フェアなどの開催はオフラインの県でもやっていますか。要は、飛行機が飛んでいない県でもやっているかということです。
○糸数勝観光振興課長 修学旅行フェアは、東京と大阪のみで実施しております。
○西銘啓史郎委員 そこに近隣の県が来るという形ですか。
○糸数勝観光振興課長 そうなります。
○西銘啓史郎委員 沖縄県以外の46都道府県で、沖縄に修学旅行で来ている県ごとの数字は把握していますか。
○糸数勝観光振興課長 把握しております。
○西銘啓史郎委員 ちなみに、長野県は何校ありますか。
○糸数勝観光振興課長 平成29年で55校、1万842人です。
○西銘啓史郎委員 55校というのは何%ぐらいですか。
○糸数勝観光振興課長 2.2%です。
○西銘啓史郎委員 この間、長野県議会の議員が来ていて、ある方の紹介でお会いしました。向こうの言い分では、長野県の9割は沖縄県に来ているという話がありました。そして、長野と沖縄をもう少し交流させたいという話もあって、オンラインの県ではないので飛行機ではなかなかなのですが、そういった相談を受けたものですから、地元のスポーツ交流も含めて考えましょうという話で終わったのです。ですから、修学旅行の実績は把握していなかったのですが、そういうオフラインの県に対してもきちんとアプローチしなくてはいけないと思ったので、そこはあえて提言しておきます。
278ページの観光誘致対策事業ですが、この事業の中には沖縄ナイトin東京や大阪、海外も入っていますか。
○糸数勝観光振興課長 海外・国内の沖縄ナイトは全て入っております。
○西銘啓史郎委員 平成29年度の決算額として、東京、大阪は幾らか教えてください。
○糸数勝観光振興課長 沖縄ナイトごとではないのですが、国内・国外では分けております。国内での沖縄ナイトが2891万5840円です。
○西銘啓史郎委員 100万円単位でいいです。
○糸数勝観光振興課長 国内での沖縄ナイトが2891万円、海外が1300万円です。
○西銘啓史郎委員 国内は東京、大阪のみですか。
○糸数勝観光振興課長 福岡も入っております。
○西銘啓史郎委員 海外はどこですか。
○糸数勝観光振興課長 韓国、台湾、香港です。
○西銘啓史郎委員 これも私は何度も提言しているのですが、東京、大阪のビッグ市場は、もういいです。それよりもオンラインのエリアとして、広島や岡山などいろいろなエリアに仮に30路線あれば、そこに100万円ずつで3000万円です。そういうことをしてほしいのです。東京、大阪でやるなということではありません。そのかわり、オフラインのところもしかりですが、今は東京、大阪などのビッグマーケットに対して実施することだけが目的になっているような気がするのです。参加者に聞いてください。恐らくマンネリ化していると思います。東京、大阪などのビッグマーケットで、知事が来て、踊りがあって、ぜひお願いしますというのは、私は役割を終えたと思っています。ですから、ほかのオンラインの路線で九州の各路線やほかの地域に対して、規模は小さくてもいいので、そういったイベントをして来てもらうということも大事だと思います。ぜひ次年度以降、皆さんの中で執行を検討してみてください。これは沖縄観光コンベンションビューローに委託している事業ですか。
○糸数勝観光振興課長 そうです。
○西銘啓史郎委員 それも含めて、ぜひプロモーションをすることが目的にならないように、長野県の高校が9割も来ているなんて私は知らなかったですし、我々が知らない学校で頻繁に来ているところもあるかもしれません。そこに対して何らかのプロモーションをして、双方に行ってもらうということも含めて、それが路線の維持や地域との継続したつながりができると思いますので、そこはぜひ検討してください。
最後に1点、286ページの旭橋再開発地区観光支援施設設置事業の件で、この間オープンしましたが、部長、その後、オープン日以外に行きましたか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 それ以来は行っていません。
○西銘啓史郎委員 観光案内所はどこに委託していますか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 株式会社JTB沖縄でございます。
○西銘啓史郎委員 これは公募で決まりましたか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 公募により決定しております。
○西銘啓史郎委員 私もきのうの夕方に行ってきたのですが、まず1点目に、県庁から行くと駐車場に右折で入れないのです。ぐるっと回って大変でした。あとは案内表示板が少な過ぎてわかりません。駐車場から出ると一旦外に出るのです。そして、中に入って2階に行くと、観光案内所も県立図書館もまだ中は見られなかったのですが、もう一つは商業施設です。おもしろいアイスクリーム屋などもあったのですが、もう少しいろいろテナントを―今から再公募できないにしても、それも含めて、ぜひ表示はわかりやすくしてください。
○瑞慶覧功委員長 山川典二委員。
○山川典二委員 201ページ、アジア経済戦略構想推進・検証事業についてですが、アジアというのはどこからどこまでですか。
○仲榮真均アジア経済戦略課長 アジア構想の中で、特にアジアというものを国をもって定義はしておりませんが、主に東南アジアからASEANの地域をアジア構想の中ではアジアと認識しております。
○山川典二委員 釈迦に説法かもしれませんが、アジアはユーラシア大陸、そして、ヨーロッパ以外の中近東や中国も含めた地域をいうらしいのですが、今おっしゃったように、東南アジアとASEANはイコールですから、むしろ東アジアや東南アジア、南アジアなど、幾つか分布があると思いますが、県がターゲットにしているアジアを具体的に細かく言ってもらえませんか。何カ国ぐらいあって、どこの国で人口がどれぐらいあって、GDPがどれぐらいあるか。そこまでは聞きませんが、そういったざっくりとした中でのアジア経済戦略構想は、そろそろ見直しをしたほうがいいのではないかと。具体的に国ごとの戦略も含めて議論をして、ピンポイントで事業をすることも必要だと思うのですが、いかがですか。
○仲榮真均アジア経済戦略課長 おっしゃったように、定義ではアジアでございますが、アジア構想で目指しているのは推進機能の中でプラットフォーム沖縄というものでございまして、向こう側に沖縄の拠点をつくるということから始めると。この基点が5つの海外事務所になっておりまして、具体的に申しますと北京、上海、台北、香港、シンガポールの5都市です。加えて、海外事務所のほかに委託駐在員を配置しております。これが現在6カ所ございまして、タイのバンコク、フランスのパリ、オーストラリアのシドニー、インドネシアのジャカルタ、昨年度配置しましたベトナムのホーチミン、平成30年度から配置しましたマレーシアのクアラルンプールとなっております。ここを基点としてアジア構想を進めていきたいと考えております。
○瑞慶覧功委員長 休憩いたします。
(休憩中に、山川委員からそれらの都市の人口は計算したかとの質疑があり、アジア経済戦略課長から都市ごとの人口は集計していないが、日本を含むASEANを中心とした20億人をターゲットとして捉えているとの答弁があった。)
○瑞慶覧功委員長 再開いたします。
山川典二委員。
○山川典二委員 休憩中に、20億人の中国も含めたアジアの国々をターゲットにしたアジア戦略構想を堅持して、これからもやっていくというお話がございましたが、それはそれで大きな目標としてはいいのですが、限られた県の予算の中で、幸いなことにインバウンドの皆さんも右肩上がりで急上昇していますよね。1位が台湾であり、中国や韓国など―私が言いたいのは、総花的にやることも一定の必要性があるかもしれませんが、もうそろそろ対象国を絞り込んで、もう少し具体的に交流するとか、事業の交流をするとか、そういうことが必要な気がするのです。そういう議論は皆さんの中ではされていないのですか。
○仲榮真均アジア経済戦略課長 委員のおっしゃるように、総花的にやっていくのではなく、限られた予算、資源、人的なものも含めて、一つの部内の考え方としては、歴史的にも距離的にも近い台湾と商流、物流、県産品の販路拡大も含めてモデルケースをつくって、この成功モデルをほかのアジアの地域に当てはめていくという考え方でございます。
○山川典二委員 例えば、中国の市場を狙っていく場合は、台湾と企業間で提携をして合併会社をつくるとか、事業の連携をして大陸に入るということが、これまでも成功の確率が高いのです。ですから、九州の企業の皆さんが、銀行まで沖縄に支店を設けて入り込んでくるというのは、ある意味、沖縄を一つのプラットフォーム的な拠点としてアジアへ展開していくということで、彼らとも意見交換をする機会があったので確認したのですが、やはり台湾の企業と連携したほうがはるかに大陸の企業進出の成功の確率が高いということで、そういうことをしっかりとやっているわけです。その一助となるような役割が沖縄県としてアジア戦略構想の中にあると思うのです。そういうことも含めて、台湾とのモデル事業のケースをしっかり構築することは非常に大切なことだと思っています。それと同時に、先ほど対象国を絞り込むという話をしたのは、例えば、インドネシアにネットワークの事務所が配置されていますが、インドネシアだけでも2億6000万人の人口がいます。しかし、インドネシアは御存じのようにイスラム国家です。マレーシアもそうですが、ある意味、イスラムの中心地はマレーシアのクアラルンプールであり、あるいはインドネシアなのです。そういう意味では、イスラム教徒―ムスリムの皆さんの生活慣習や食生活は日本とは違う場面もありまして、その部分がイスラム教徒の観光客が苦労しているところなのです。ですから、ムスリムを対象にした今後5年間の計画として、何人ぐらいの観光客を受け入れる場合、食生活や調理場など国の認証を受けないといけないような制度もありますので、そういうものを沖縄のレストランや食事を提供する食品工場などまできめ細かく精査をしながら受け入れの準備をするということも含めて、今後はしっかりと対象国をターゲットにして、何年計画になるかはわかりませんが、そういう形で受け入れをする、あるいはそれにつながってシステムキッチン的にこちらからアジアのイスラム国に提供していくような将来の事業展開も含めて、幾つかめり張りはあるかもしれませんが、そろそろそういう具体的なものをつけていくことが非常に重要な気がするのです。今、インバウンド最高ということではなくて、今後のアジア経済戦略構想の大きな骨子の一つとしてきめ細かくやるべきだ思うのですが、この辺はいかがですか。
○屋比久盛敏商工労働部長 確かに山川委員がおっしゃるとおりだと思いますし、これが始まった段階では、MOUや覚書のようなものをつくって、それでまず行動しようという大きな話でやってきておりました。ただ、具体的なものを結ばないと、この経済構想も実を結ばないということになりますので、我々もある程度実証実験という形をいろいろとりながら、それぞれの国々にあったネタとして、例えば、ベトナムであれば情報系が相性がいいとか、台湾であれば中国に入りやすいとか、そこら辺は三角貿易の実証という形で実験を始めております。これからはそれらを一つ一つ実を結ばせていくことが大切だと思っておりますし、セントラルキッチンという発想であれば我々がやるかもしれませんが、その中でハラール認証もとりながら、その地域に対してはそういう事業を起こすということは考えていくべきだと思っています。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 インバウンドの数はふえておりますが、主流はまだ北東アジア、東アジア、中国、韓国、香港、台湾、いわゆる非ムスリム圏なので、マーケットの多角化が我々の大きな課題ということからすると、昨年、シンガポールとタイに直行便ができましたので、そういった意味では次のターゲットは東南アジアです。東南アジアは、委員のおっしゃるとおりイスラム諸国なので、誘客するに当たってはきちんとした備えをしなくてはいけないということで、いろいろなセミナーや、実際にイスラムの方に来ていただいてどういうところが課題となるかというムスリム観光客の対応などをしっかり行いながら、観光に関してもきちんと対応していきたいと思っております。
○山川典二委員 それから、シンガポールを初めアジアの中華人の8割、9割、ほとんどは福建省の福建語を話します。そういう意味で、ワールドワイドなビジネスの構築もできて、世界各国につながっていますよね。沖縄県は福建省との交流事業など、いろいろなつながりがありますので―福建の華僑総会というものがありまして、世界中の福建のビジネスマンを初め、ある程度皆さんの動きを把握しています。そこにはアジアで成功しているビジネスマン、あるいは政界にも官界にも活躍している人がたくさんいらっしゃいますので、その辺をもう少し連携して、沖縄の発展のために活用することが必要だと思いますが、そういうことをされたことはありますか。
○屋比久盛敏商工労働部長 私は十数年前、その会に参加しまして、ジャパニーズグループで行こうとしたのですが、そこからノーと言われてオーストラリアグループに入れられまして、中国の中で大行進をしました。確かにあれはすごいです。全世界から5000名ほど来て、しかも、その土地が誘致するということは彼らは必ずそこに何十億円を投資していくので、誘致合戦になりました。本当は2年に1回、他国に行くものを国内で回っていました。それを沖縄県に誘致しないかという取り組みを十何年前にしたのですが、日本国内に呼ぶのもなかなか大変だと。そういう意味で、もう少しここら辺に中華系の人が強くなってくれば呼べる可能性も出てきて、再チャレンジする意味合いはあるかと思っております。
○山川典二委員 ぜひもう一回、トライしてください。今、いい意味で機が熟している感じがします。
次に、232ページの琉球泡盛県外展開強化事業につきまして、新聞でもアイスランドに持っていくという話がありますが、平成29年度現在の生産量、生産額、そして、ピーク時と比べてどれぐらい減ったのか教えてください。
○神谷順治ものづくり振興課長 まず、ピーク時ですが、平成16年度で生産量2万6838キロリットル、出荷数量が県内県外を合わせて2万8681キロリットル、平成29年度の実績は、生産量が1万4678キロリットル、出荷数量が1万8229キロリットルでございます。ピーク時の平成16年度からすると、県内が大体30%減、県外が50%減となっております。
○山川典二委員 かなり減っていますが、いろいろな業界の皆さんが努力していますので、時間がないのでこれだけにしておきます。
次に、252ページ、技能五輪・アビリンピック全国大会推進事業について、いよいよ2日から始まりますが、現況と、終わった後に技術の集積といいますか、ノウハウがどのように展開していくのかについて教えてください。
○仲里勉技能五輪・アビリンピック準備室長 いよいよあさってから、技能五輪が来週の月曜日まで開催されることとなっております。6市の14会場において、本県初となる技能五輪・アビリンピックが64競技開催されます。沖縄大会に出場する選手は、技能五輪が31職種111名、アビリンピックが19種目29名、合計140名と過去最高の選手数となっており、昨年よりも2倍以上となっております。参考として、おととし、沖縄県が推進協議会の目標選手数を立ち上げたときには、技能五輪が100名、アビリンピックが20名、合計120名で、これを20名上回る140名の参加となっております。大会の広報につきましては、新聞、テレビ、ラジオ等の活用、集客施設へのポスターの掲示―イオン琉球や沖縄ファミリーマートなどに御協力いただきました。また、大会のホームページやツイッターでの情報発信、祭り等イベント会場でのPRなどを積極的に行いまして、周知を図ってきたところでございます。現状としてはこのような形でございまして、全国から3200名ほどの選手、関係者が来県する予定となっており、企業関係者を含めると5000名余りの方々が沖縄に来県しますので、沖縄にいい印象を持って、ぜひ今後の沖縄の活躍につなげていきたいと考えているところでございます。今後の展開ですが、沖縄県のものづくり産業を発展させていくために、学校を通じて小中学生の見学なども促しておりまして、これで職業観の形成を進めていきながら、今後の沖縄県のものづくり産業の契機となるような大会にしたいと考えております。次年度以降の継承事業につきましても、現在、庁内で予算の調整をしているところでございます。
○山川典二委員 これをきっかけにということで、本当に大きな起点になるかもしれませんので、ひとつよろしくお願いします。大会もぜひ見学したいと思います。
312ページ、2020東京オリンピック・パラリンピック選手輩出事業について、強化をしているということですが、具体的に説明をお願いします。
○金村禎和スポーツ振興課長 本県におきましては、各競技団体の競技力を向上するために、沖縄県体育協会を通して支援をしております。特に2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けては、県内から多くの選手を輩出するという目的で、トップアスリートに対して支援を行っております。具体的には、中央競技団体から強化指定されている選手―28名を予定しておりますが、その選手に対して海外での合宿や大会の参加、設備使用料等に対する助成を行っているところでございます。そういったことを含めて、2020年のオリンピックに向けて多くの選手を輩出できるように取り組んでいるところでございます。
○山川典二委員 例えば、空手は金メダルがとれるところまで、これは感覚的にわかるのですが、それ以外に支援している強化選手として、どういう種目でどういう選手がいるのですか。
○金村禎和スポーツ振興課長 現在、県内からオリンピックに出場できそうな有望な選手といたしまして、今おっしゃった空手の喜友名諒選手のほか、ウエートリフティングの糸数陽一選手、レスリングの屋比久翔平選手、それから、ハンドボールや自転車競技、体操にも有望と思われる選手がいらっしゃいます。そういった方々に対しても、この事業で支援を行っているところでございます。
○山川典二委員 パラリンピックはいかがですか。
○金村禎和スポーツ振興課長 パラリンピック―障害者スポーツの部分では、本事業で平成29年度は4名に対して支援を行っております。具体的には、パラ陸上やウィルチェアーラグビーなどの競技に対して支援を行っているところでございます。
○山川典二委員 パラリンピックも含めて、メダルの可能性としては、いますか。
○金村禎和スポーツ振興課長 空手の喜友名諒選手は、現在、世界トップですので、期待できるというところと、糸数陽一選手も世界的に活躍をしておりますので、期待できるのではないかと考えております。また、パラ陸上の上与那原選手も一度銀メダルをとったことがございます。それから、仲里進選手もウィルチェアーラグビーでメダルをとっておりますので、期待できると考えております。
○山川典二委員 民間の応援団体も含めて、今から県の応援団をつくる準備も必要だと思うのですが、各種競技はたくさんありますが、有望な選手を支援しているところはぜひ応援団を組むべきだと思いますが、いかがですか。
○嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長 ぜひそういった競技団体とも調整しながら、しっかりと応援ができるように検討したいと思います。
○瑞慶覧功委員長 以上で、商工労働部及び文化観光スポーツ部関係決算に対する質疑を終結いたします。
説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
休憩いたします。
(執行部退室。休憩中に特記事項について確認した結果、提案はなかった。)
○瑞慶覧功委員長 再開いたします。
次に、お諮りいたします。
これまでの調査における質疑・答弁の主な内容を含む決算調査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○瑞慶覧功委員長 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
なお、決算調査報告書は、11月5日 月曜日 正午までに決算特別委員に配付されることになっております。
また、決算特別委員が調査報告書に関して常任委員長に対し質疑を行う場合には、6日 火曜日の正午までに政務調査課に通告することになっております。
以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
本日の委員会は、これをもって散会いたします。
沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。
委 員 長 瑞慶覧 功