委員会記録・調査報告等
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経済労働委員会記録
令和6年 第 1 回 定例会
第 4 号
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開会の日時
年月日 | 令和6年3月19日 火曜日 |
開会 | 午前 10 時 2 分 |
散会 | 午後 3 時 41 分 |
場所
第1委員会室
議題
1 参考人からの意見聴取について(請願第1号沖縄畜産業の経営体質強化支 援に関する請願について)
2 乙第21号議案 沖縄県立農業大学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
3 乙第22号議案 沖縄県漁港管理条例の一部を改正する条例
4 乙第35号議案 訴えの提起について
5 乙第36号議案 訴えの提起について
6 請願第1号及び陳情令和3年第123号外26件
出席委員
委 員 長 大 浜 一 郎
副委員長 大 城 憲 幸
委 員 新 垣 新
委 員 西 銘 啓史郎
委 員 島 袋 大
委 員 中 川 京 貴
委 員 上 里 善 清
委 員 山 内 末 子
委 員 次呂久 成 崇
委 員 仲 村 未 央
委 員 玉 城 武 光
委 員 金 城 勉
欠席委員
説明のため出席した者の職・氏名
農林水産部長 前 門 尚 美
営農支援課長 能 登 拓
糖業農産課長 金 城 吉 治
畜産課長 金 城 靖
水産課長 平安名 盛 正
漁港漁場課長 仲 地 克 洋
(参考人)
沖縄県農業協同組合中央会 代表理事専務 嵩 原 義 信
沖縄県農業協同組合 代表理事専務 安谷屋 行 正
沖縄県養豚振興協議会 会長 金 城 栄
沖縄県食肉連絡協議会 会長 外 間 勉
○大浜一郎委員長 ただいまから、経済労働委員会を開会いたします。
まず初めに、請願第1号に係る参考人からの意見聴取についてを議題といたします。
ただいまの議題につきましては、去る3月1日の本委員会での決定に基づき、請願第1号の審査の参考とするため、請願者を参考人として招致し、説明を求めるものであります。
本日の参考人として、沖縄県農業協同組合中央会代表理事専務嵩原義信氏、沖縄県農業協同組合代表理事専務安谷屋行正氏、沖縄県養豚振興協議会会長金城栄氏、沖縄県食肉連絡協議会会長外間勉氏の出席をお願いしております。
また、嵩原義信参考人から、補助者として、沖縄県農業協同組合中央会農政営農部部長花城正文氏、沖縄県農業協同組合畜産部長浦崎進氏、沖縄県養豚振興協議会事務局長島尻常次氏、沖縄県食肉連絡協議会営業部長上門努氏を同席させたいとの申出があり、委員長として適当であると判断し、出席を許可したことを御報告いたします。
参考人及び補助者におかれましては、本日は御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
参考人からの説明を伺う前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、請願の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
それでは、請願第1号沖縄畜産業の経営体質強化支援に関する請願について、提出に至る背景及び目的等について、全体で20分程度で簡潔に御説明をお願いいたします。
嵩原義信参考人。
○嵩原義信参考人 おはようございます。
本日は、私どもの沖縄畜産業の経営体質強化支援に関する要請について、請願という形で後押しいただきました、中川京貴委員、それから次呂久成崇委員、大城憲幸委員、大変ありがとうございました。昨年に続きまして、今回も畜産業の支援に関する要請を行わせていただいておりますが、まさに窮状、後がない状況まで環境が厳しくなってきております。我々としては、今回行政の支援を何とか実現をいただきまして、沖縄の畜産の生産者、並びに関連の産業全体が持続ができるような形でつないでまいりたいというふうに考えております。今回は、参考人という形でお呼びいただいておりますので、要請の中身について理解を得られますように、細かく御説明を申し上げたいというふうに思っております。それぞれ具体的な御説明ができる関係の方々と一緒に参っておりますので、どうぞ多角的な観点から御質問等をいただければ、お答えしたいというふうに思っております。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、御手元お開きいただいております資料の要点について御説明したいと思っております。
まず1ページでございますが、沖縄の農業全体の中に占める畜産業の割合をグラフで説明しております。
沖縄の農業産出額は、900億円を割りまして890億円というのが、直近令和4年の産出額になっております。このうち半分近くが畜産業全体で412億円という産出額になっておるわけでありますが、内訳が肉用牛で192億円、豚で120億円、鶏で63億円、乳用牛で34億円ということで、大まかに4つの品目で分類をされております。御案内のとおり、畜産が大体半分を占めているわけでありますので、畜産が低迷をするということは沖縄農業の全体にとって非常に足を引っ張るというか、厳しい状況になるわけでありますので、このことについても御理解いただきたいというふうに思っております。その厳しい要因について御説明をしたいと思っております。
まず、2ページでありますが、これはまず上のグラフは畜種ごとの価格の推移であります。左側の豚価でありますが、直近高値で推移してきておりまして、今回についてはキログラム当たり562円というところまで上がってきておりますが、いかんせん、生産コストが非常に高い状況にあるわけですので、価格転嫁をお願いしながら、現在の価格まで上がってきていると。また、本土のほうで豚熱が発生して供給のほうが低迷しているということも影響して、相場としての豚価は高い水準まで上がってきているという状況があります。
その隣の真ん中になりますが、卵価の状況であります。卵についても鳥インフルエンザの状況で本土の産地で供給が低迷しているということもあって、非常に高いところまで上がりました。ピーク時に比べると直近は大分落ち着いてきているわけでありますが、令和5年には社会問題となるぐらいの水準まで卵の価格というのは上がっていたというところであります。
ただ一方で、豚もそうですが、鶏も配合飼料への依存度が非常に高い品目でありますので、この価格上昇の影響というのが生産者の経営にはようやく採算が取れるところまで行くか行かないかというところで、コストに見合わせると非常に厳しい状況が続いております。
それから、右側の乳価の状況であります。酪農も輸入の乾牧草に餌を依存する農家が多いわけでありまして、生産コストが非常に上がっている中で、なかなか価格への転嫁ができないという状況の中で経営をつないでいるわけでありますが、乳価については加工メーカーの協力等も得ながら高いところで小売り相場が上がってきているわけでありますけれども、もともと沖縄の牛乳の価格というのは水準が高いところにあるわけですので、県内で高い値段でさばくことが非常に厳しいという環境もあります。なかなか需要で消費できないものは、本土に持って行って加工用に回すと。そこでも低価格に抑えられて、なかなか収益が上がらないという状況もあってですね、酪農のほうも大変厳しい状況が依然として続いているという状況であります。
それから、下に棒グラフで畜種ごとの生産者の戸数の推移を示してございます。これはもうコロナ以前から続く傾向ではありましたが、とりわけ養豚のほうは右肩下がりで、200を切ったところまで直近では推移をしております。
鶏、酪農は長いトレンドで見れば横ばいのようにも見えますけれども、非常に厳しい離農、廃業が現場にはあるということでありますので、御理解をお願いしたいというふうに思っております。
開いて3ページであります。
まず、飼料価格高騰対策による経営対策強化。要請項目の1番目でありますけれども、全畜種に共通する課題として餌のコストが非常に高いところにあるという現状があります。御案内のとおり、ウクライナ問題――非常に世界的なサプライチェーンの分断の中で、今餌の価格というのは国際的に原料が上がっているところにあります。日本という国自体が輸入飼料に依存している国でありまして、とりわけ沖縄の場合には、輸送コスト等も上乗せされてですね、非常に高い飼料価格で苦しい経営を余儀なくされているという状況であります。
右側のほうに、グラフで示してございますが、いろいろ国の支援、それから県の支援も、何とか生産者の負担を低減するという取組も続けていただいておりますが、右側の下のグラフをちょっと御覧いただければと思います。緑色の部分が生産者の実質負担額、その上の青い部分が国の支援額と黄色が県の支援額。そういうところを織り込んで何とか負担額を抑えてきたわけですけれども、直近の令和6年1月から3月というところでは9万5100円というところまで農家の負担額が上がってきていると。仕組み上、高止まりすると国の支援策が出ないという構造になっておりまして、今まさにそういう状況で特別支援とかいろいろやっていただいてはおるのですが、それでも農家の負担額というところを抑え切れないところまで、餌代が上がってきているという状況がございます。なので、令和6年に入って先の見通しが立たない状況でありますので、このコストの状況が続きますと、一層生産者の経営は逼迫をしてしまうというところまで、追い詰められているということであります。
次のページであります。2番目の項目といたしまして、養豚振興対策による経営対策強化についてであります。
養豚は、沖縄の畜産業の中で、牛に次いで大きい品目ですけれども、とりわけ生産の頭数が激減をして、令和5年は30万頭を切るというところまで落ち込んでおります。右側中段のグラフにございますけれども、令和5年29万9000頭というところまで豚の頭数が激減しているということであります。もちろん餌代の高騰もあるわけですが、いろんな生産に係るコストが上がってきている。また生産現場では、労働力の不足ということも加わってですね、なかなか生産性を上げることもできない。再生産に向けての母豚の導入の支援も県に応援をいただいているわけでありますけれども、それでも頭数が回復するまでには相当の期間がかかるということもありまして、今非常に生産頭数が低迷している状況にあります。このことは後で説明しますけれども、関連の産業まで全部波及をしまして、屠畜場をはじめ、生産性を悪化させている要因にもなっております。
お開きいただきまして、次は養鶏振興対策であります。
養鶏、鶏卵のところについてもですね、企業経営が多いわけでありますけれども、なかなか卵の需要と供給というところは変動が大きいわけでありますが、鶏も豚と同様に配合飼料への依存度の高い畜種でありまして、今の飼料高騰、餌代が高まっている状況の中で、辛うじて卵価が高いところで経営を維持してきたのですが、ここに来て卵価が落ち着いてきますとこの先採算がまた悪化していくというところにあります。
また、供給のコントロールがなかなかうまくできておりませんで、高く売れるときにたくさん出荷が出てしまう、あるいは安いときには供給が減ってしまうというところで、非常にコントロールしづらい状況にありまして、そこについては生産者の協力体制を構築しながら安定供給というところに誘導していきたいと考えておりますので、それについても御理解と御支援をお願いしたいというふうに考えております。
それから、ひなの共同育雛。個別の農家でやりますとどうしても安定的にひなを確保するというところも実現できないところがありますので、その育雛の施設等についても共同で運営できるような施設を導入したいというふうにも考えておりまして、養鶏の業界全体の安定につながるというふうにも考えてございますので、それについても支援をお願いしたいというふうに考えております。
それから、4点目。最後の項目になりますけれども、食肉加工施設への緊急経営支援についてであります。
食肉センター、県内に屠畜場は主なものとして4か所ございますけれども、おおむね豚の屠畜料で何とか収益を上げて、経営を維持しているという状態がございます。ですが、これも採算が取れる分岐点というのがあって、現下の状況のように全体の生産量が減っている中では、なかなか固定費をカバーできないという現状がありまして、しかも電力、ガス、水道などいろんな料金の値上げ等もあって、電力については今軽減策のおかげで負担を抑えられている状況もあるわけですけれども、工場のかかるコストというところにも固定費が非常に大きいわけでありまして、屠畜から取る屠畜料だけでこれを賄うというところが、ぎりぎりでしているという状況があります。なのでここも豚の頭数が増えていかないと安定経営に向かないという状況もありまして、加えて牛、ヤギも食肉センターで屠畜をするわけでありますけれど、いずれも赤字で採算が見合わない状態の中で屠畜を運営していますので、やればやるほど赤字が膨らむという状況もあって、全体としての屠畜業そのものの経営の足を引っ張っているという状況もあります。
県には豚の屠畜料を昨年、値上げしていただきました。加えてヤギについても今お願いをして、値上げの了解を得ているところであります。牛については、今まさにお願いをしている最中でありますので、ぜひ牛の屠畜料についても、1頭当たり4万円ぐらいマイナスが出るという計算になっておりますので、そこの現状を何とか改善できるように、県の御理解と支援をお願いしたいというふうに考えております。
実は、これは余談になりますけれども、牛の屠畜が全体の中で非常にボトルネックになっているところもありまして、酪農も牛を屠畜して販売して代金を回収したいと考えていても、なかなか屠畜に持っていけないというところもあるようです。なおかつ、和牛も処理できる頭数に限界がありますので、赤字でなおかつ生産現場の更新にも足かせになっているという現状もございますので、何とぞそういう実態については御理解をいただきまして、御支援をお願いしたいというふうに考えているところであります。
ざっと全体についての御説明を申し上げましたので、よろしくお願いいたします。
○大浜一郎委員長 次に、安谷屋行正参考人。
○安谷屋行正参考人 JAおきなわの安谷屋と申します。本日は、このように参考人招致ということで、機会をいただきまして誠にありがとうございます。先ほど中央会の嵩原専務のほうから説明があったとおりでございますが、我々JAおきなわとしましては、生産団体の立場で加えて説明を申し上げます。
まず、養豚でございますが、これについては生産者、特に養豚については餌代の費用割合が7割以上ということもあって、かなり飼料高騰であえいでいるというような状況でございます。それに加えて衛生費、それからいろんな人件費も含めて、かなりかかっているということです。
内容を見るとそれに係る資金繰りが相当きゅうきゅうしているというようなことで、資金繰りの件については我々もかなりの相談を受けております。
これは豚、鶏、それから肉用牛を含めて総じて畜産関係の農家さんからの相談と、実際には資金繰りがもうなかなか回らないということで――とにかく資金ショートをすると、離農であるとか、場合によっては倒産という懸念もございます。その辺は農家さんに寄り添いながら、いろんな資金繰りの相談を受けながら、まずは借りているもの――例えば農業資金をお借りしているということで、さらに借りるということになると、また債務過多に陥るという懸念もございまして、まず条件変更してもらったり、元本の据置きであるとか、いろんな形で資金繰りについての相談をさせていただきながら、その対応をしているというようなことと。それから資金繰りの支援についてもう一つ。肉用牛であれば貸付牛という制度があって、牛をですね、所有権をJAのほうに移転してもらって、それを貸出しするという制度がございます。それに基づいて融資に代わるような資金繰り支援。それから購買の取引による売り掛けによる資金繰り支援、おおむね1か月から4か月あるのですが、この規模に応じていろんな猶予をしたりですね、いろんな軽減策を講じながらその経営に合わせた形の猶予策を展開をしていくという形でやっています。しかし、今の状況からすると、肉用牛であれば経営モデルで以前は70万円という収支の設定があったのですが、現時点では平均で50万円程度ということで収入に関するいわゆるかなりの低減と、飼料高騰など費用は高騰しているという関係で、なかなか立ち行かないということで、かなり厳しいという状況でございます。
養豚についてまず説明をしたいのが、県が定めました畜産経営技術指標というのがあって、これは何かといいますとこの経営モデルがあれば農家さんはもうかるし、なおかつ後継者が生まれるという設定のモデルがございます。例えば母豚で100頭あった場合、そしてこれから出荷する頭数が千九百八十何頭とかいろいろはじき出して、差し引いて最終利益で400万円程度もうかる仕組み、なおかつ夫婦2人で700万円ぐらいの収益があるというそういう経営モデルがあるのですが、これは完全にこの今の数字を当てはめると、この経営体で1500万円から2000万円ぐらい赤字が出るということで、立ち行かないというのも明白であります。なかなか経営改善と言っても元になる数字が根拠にならないという状況もあるので、かなり深刻でございます。鶏についても同じでございます。
牛については、先ほども申し上げたように設定では、60頭の母牛があって年間42頭が子牛で出荷できるというようなモデルがあるのですが、その42頭掛ける70万円と設定されていますので、これは収益だけで900万円の減。これに加えて500万円以上の費用が増しているので、結果としてマイナスの、このモデルで言うと300万円から600万円ぐらいの赤字が生じてくるという内容で非常に厳しいということで、もう資金繰りがいかんせん、厳しいものですから、相談案件だけでもかなりの数字に上がっているという内容でございます。
農家の実情は、このような状況でございます。よろしくお願いします。
○大浜一郎委員長 次に、金城栄参考人。
○金城栄参考人 養豚振興協会の金城です。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
先ほど安谷屋専務のほうからもいろいろ説明いたしましたけれども、養豚に関して最近の状況について、少しだけお話しさせていただきたいと思います。
飼料の高止まりというのが続いて、令和4年以降その生産費の飼料費の割合が著しく高くなっております。養豚では、飼料費がおおむね7割程度になっていてかなり飼料費の割合が高いということで、経営も非常に圧迫されている状況です。今資金繰りの話も出ましたけれど、価格の転嫁もうまく進まず飼料費だけがかなり上がってきているものですから、各農家の資金繰りも大変厳しくなってきております。当初は飼料安定基金の発動もあり、何とかやり過ごした感もありましたが、異常なほどの穀物の市況の高止まりによって、その機能の役割も全く果たせなくなってきております。そのため養豚経営に見切りをつけ、廃業する農家も増え、養豚振興協議会の調査においては、この1年から2年で母豚数が1200頭ほど減少している状況であります。これは肉豚に換算しますと、県内だと1万8000頭から2万頭の影響と考えられております。このような状況の中で、個人経営の農家が経営存続の危機に直面している現状であります。現場からは経営悪化により飼料費の節約をしないといけない状況、それから不適正な出荷、それから資金繰り、借入れが、母豚の適正更新がおぼつかない、優良種豚の導入も諦めざる得ないというような、大変マイナスの方向に動いているのが現状であります。
母豚においては、年齢が増していきますと、産歴が高くなった場合にはこの生産性がかなり落ちていく状況になります。基本的には3割から4割程度を年間更新しないといけないというのが養豚経営であります。ところがなかなかそれもうまくいかずに長い間、高産歴の母豚を使うような状況があります。そうするとさらに生産性が悪化するという、本当にマイナス方向に流れていっているのが現状であります。母豚の減少については、減頭したり実際に500とか600頭もいるような母豚の事業者が廃業に追い込まれるという、本当に切実な思いが各農家から聞こえているのが現状であります。
各畜種の皆さんそうなんですけれど、配合飼料に対する県からの支援継続、拡充に対する要望が非常に大きいと思っております。飼料費は畜産全般に及ぼす影響がありますので、なかなか養豚だけ、鶏だけというわけにはいかなくて、全体を底上げできるような政策をやっていただければ助かるなと思っております。
ぜひ今後とも我々畜産農家のほうに御支援いただければありがたいと思います。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
○大浜一郎委員長 次に、外間勉参考人。
○外間勉参考人 沖縄県食肉連絡協議会の外間でございます。このように意見を述べる機会をいただきまして、ありがとうございます。
それでは食肉センターについて、現状とか過去からの成り立ちとかそこら辺について、すみません、紙にまとめてきましたので読み上げさせていただきます。
食肉センターは、地域の畜産業の振興や食肉の安全・安心の確保に寄与し、県民の食生活と地域経済を支える極めて公共性の高い重要な役割を担っております。しかしながら今般、畜産農家の廃業などにより急激に生産基盤が縮小したことに加え、燃料などを含めた経営に直結するほぼ全ての価格が上昇し、一部の屠畜業の休止を決断しなければならないほど、深刻な経営難に陥っております。
令和4年2月に養豚経営及び食肉センターにおける緊急支援対策に関する要請を行いました。養豚生産者が豚熱発生に伴うワクチン接種の開始や配合飼料価格の急騰、電気、燃料価格の高騰による生産コストが急激に上昇し、養豚農家の経営存続が危ぶまれる状況に陥り、公共性の高い食肉センターも外部要因により運営コストが上昇し、屠畜業務に支障を生じかねない厳しい状況となる中、各食肉センターでは屠畜料の引上げを行わず、経営改善プロジェクトチームを立ち上げながら努力してきましたが、この経営状況下で運営が困難であり、屠畜料の値上げに踏み切らざるを得ない状況となりました。
しかしながら食肉センターの屠畜料の値上げはさらなる生産者の経営を圧迫し、いずれは食肉センターの屠畜頭数減少にもつながることが想定され、両者にとって最悪な事態を避けるため屠畜料の値上げを行わず、生産者と食肉センターの運営を維持するために緊急的な支援をお願いしたところです。
しかし食肉センターについては支援ができないとのことで、豚の屠畜料を令和5年4月から税込みで430円値上げして、令和6年4月からはヤギの屠畜料を495円値上げすることになりました。牛については、毎年大幅な赤字約8000万円を計上しており、屠畜料を1頭当たり2万円から6万円へと、4万円ほどの値上げが必要となることから、生産者への負担がかなり大きいので、屠畜料の値上げに相当する分を生産者へ支援いただくか、食肉センターへの運営支援をお願いいただきたいと思っております。
令和5年度の沖縄県内の屠畜頭数は29万8000頭と、30万頭を切る予想が出ております。令和3年度の31万3000頭から1万5000頭減少することになります。
沖縄県食肉流通合理化計画で、平成23年時点で、令和2年には屠畜頭数が45万頭を目標としておりました。
本島内2か所の食肉センターについては、部分肉など加工度の高い商品への加工処理体制、そして国際化に対応した安全で衛生的な食肉流通体制を確立し、HACCPシステムを導入し、より一層食肉処理施設の近代化、合理化を図ること、また、沖縄県食肉センターにおいては、県産食肉の海外への輸出拡大を図るために輸出対応施設として整備を推進していくということで、平成23年3月に強い農業づくり交付金で豚、ヤギ等の処理施設を整備いたしました。豚の処理施設については、補助事業の計画設定において年間24万頭を見込んでおり、稼働日数を250日、需要期の旧盆とか正月前には1000頭以上の処理が必要となることから、1日当たり1200頭の規模を決定しております。
当社の令和5年度の豚屠畜頭数は、今のところ19万5000頭を見込んでおります。24万頭なければ採算が取れない中で、4万5000頭不足しており、採算が取れる状況ではありません。生産農家の廃業や規模縮小が進み頭数が減少している中、生産頭数が回復し増頭に取り組んだとしても、5年から10年かかります。食肉センターでは頭数が増えなければ経営改善は望めないことから、現状では経営は厳しい状況が続くので、頭数が24万頭に回復するまで何か支援がいただけないかということでございます。
電気料金についても、今年の6月からは、また上がるというふうにネットでの情報ではそういうふうになっており、今後大きな負担になってきます。燃料費も同様でございます。
引き続き御支援いただければと思っております。よろしくお願いします。
○大浜一郎委員長 参考人の説明は終わりました。
これより、請願第1号に係る参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
質疑はありませんか。
新垣新委員。
○新垣新委員 おはようございます。お忙しい中ありがとうございます。
それでは質疑を行います。平成29年から飼料価格の高騰に歯止めがかからなくなり、肉用牛、酪農、養豚、養鶏の戸数や頭数が大幅に減少していると聞いている。平成29年と令和5年を比較した場合、それぞれの畜種の飼養戸数と頭数はどれだけ減少しているのか。県全体、八重山地域、宮古地域に分けて、具体的な数字を教えていただきたい。
○嵩原義信参考人 それでは、私のほうから今の御質問に対して御説明したいと思います。平成29年から令和4年までの5年の間に、まずは飼養戸数でありますけれども、対比をいたしましたところ、県全体で肉用牛がマイナス219戸、酪農がマイナス11戸、養豚でマイナス71戸、採卵鶏でマイナス30戸、いずれの品目も減少しております。そして、八重山の地域に限っては肉用牛でマイナス9戸、酪農は変動なしであります。養豚でマイナス1戸、養鶏でマイナス8戸となっております。そして、宮古地区でありますけれども、肉用牛でマイナス205戸、酪農は変動ありません。養豚でマイナス1戸、採卵鶏でマイナス2戸となっております。肉用牛が全体の中で大きく減少しているという現状がございます。
そして、飼養頭羽数を各品目で見ますと、県の全体で見ますと肉用牛でマイナス364頭、酪農でマイナス575頭、そして養豚でマイナス1万7347頭、養鶏でマイナス18万7184羽となっております。八重山地区で見ますと、肉用牛でマイナス804頭、酪農でマイナス27頭、養豚でマイナス4683頭、採卵鶏でこれは増えておりまして、1万3337羽となっております。宮古では、肉用牛でマイナス1052頭、酪農でマイナス103頭、養豚でマイナス145頭、採卵鶏でマイナス1616羽となっております。
品目と地区別に見たところ、こういう数字になってございます。
以上です。
○新垣新委員 県産ブランドの危機が刻々と迫ってきているという認識で理解してよろしいですか。
○嵩原義信参考人 まさにそのとおりでありまして、飼料価格の上昇が一番影響しているわけでありますけれど、経営を維持するために頭数を減らすと、そういう流れに歯止めがかからない状況がありまして、減少傾向が今のところ食い止められておりません。このまま静視しますと、さっきからありますとおり、採算が全く取れなくなりますので、業種全体が低迷、崩壊に向かうという危機感を抱いております。
○新垣新委員 経営を保つために減らしているということを聞いて、改めて伺います。繁殖牛農家、酪農農家、養豚農家、採卵鶏農家などの経営状況はどうなっているのか。簡単に実情について説明を願いたいと思います。
○嵩原義信参考人 まず繁殖牛農家でありますけれども、配合飼料価格の高騰によりまして、資金繰りが悪化しています。先ほどJAの安谷屋専務から説明があったとおりでありますけれども、そういう中でやむなく母牛を競りに出す、あるいは子牛を早めに出荷をする、そうやって餌代を抑えるという対策を講じておりまして、子牛そのものの発育もなかなか状態がよくないという中で出荷しておりますので、当然相場の低迷もあって非常に収益減につながっているという状況がございます。
それから酪農農家でありますけれども、配合飼料費のコスト上昇は直結して生産コストの上昇でありますので、生産性向上の取組を図ることができておりません。それから乳代でコストを賄い切れないという状況が続いておりますので、赤字を垂れ流しながら経営を続けているという状況が続いております。
そして、養豚農家であります。母豚の更新、そして先ほど金城会長からも説明がありましたけれども、更新が遅れて子豚の分娩率の低下も起きております。そして出荷の頭数の減少、配合飼料価格の高騰で経費の負担が増加しているという状況が依然と続いているというところです。
そして、採卵鶏農家でありますけれども、飼養戸数及び羽数の減少に伴う生産性の衰退、さらには配合飼料価格の高騰分に関して国、県からの支援が行われてはおりますけれども、これで全て賄われているわけではありませんので、その分を価格に転嫁したいのでありますが、なかなか、量販店と交渉している中で、値上げができないという現状もあります。高い販売価格のときはまだよかったのですけれど、直近ではそれも下がってきておりまして、依然厳しい状況が続いております。
以上であります。
○新垣新委員 一番の打撃は、飼料価格の高騰が経営に対する痛手と理解してよろしいでしょうか。
○嵩原義信参考人 まさにそのとおり、全ての畜種に餌代の高騰というのは、ボディーブローのように影響しているということであります。
○新垣新委員 改めて伺います。
配合飼料価格や肉用牛子牛価格、乳価、豚枝肉価格、卵価などの価格は今後どのように推移すると考えているか、見通しを伺いたいと思います。
○嵩原義信参考人 なかなか世界情勢が安定しない中で、餌の価格については令和5年の後半にはまた再び値上がりというところに転じております。なので令和6年にこれが落ち着く見通しは、今のところ全くありません。なので生産者の経営というところは、支援策なくしては維持するのは極めて困難だというふうに考えております。
品目ごとにいろいろ課題はある中で、やっぱり餌の高騰というのが大きく影響しておりますので、畜産は餌を止めるとすぐ終わってしまうわけでありますので、それができない中で赤字が拡大していっているという現状がございます。
以上です。
○新垣新委員 分かりました。
続いて沖縄県の計画頭数の目標について、現在の振興施策を継続することで目標を達成できる見通しがあるのか、生産団体としての見解を伺います。
また、現場の声として悲鳴に近い意見が寄せられているが、各家畜の生産現場はどのような状況にあって、今一番生産者が望んでいることは何なのかお聞きしたいと思います。
○安谷屋行正参考人 新垣委員からの御質問でございますが、まず県の計画頭羽数の件でございます。県の目標でございますが、まず肉用牛、乳用牛も含めて年間で9万300頭でございます。ただ、今7万3836頭ということでおおむね1万7000頭減少をしています。これが何を指すかというと業界に与える影響がものすごく大きいということで、先ほどこの食肉関連であるとかですね――例えば飼料の量を扱う際のいわゆる物流コストの問題であるとか、いろんな方面で全体のパイがやはり縮小するといろんな影響を及ぼすという内容でございます。
県の策定した畜種別の経営技術指標というのがございますが、これは先ほど申し上げたようにこの経営モデルであれば農家がもうかる、そして後継者が生まれるという指標でございますが、これに当てはめても数字的に経営改善するということについては困難ということでございます。
そういうことで、農家さんが先ほど申し上げたように悲鳴に近いような窮状を訴えているという内容で、その相談案件も今年度に入ってもう1000件程度、これは実際に離農した農家、あるいは離農に近い農家ということでは例えば肉用牛では100件以上ございますが、これは我々としましては氷山の一角ではないかなと申しますのは、その相談案件というのはこの10倍程度受けていますので、それでかなり大きいという内容でございます。
以上でございます。
○金城栄参考人 養豚の場合ですね、今県の計画としてはおおむね40万頭を目安にしてやっているのですけれど、この1年で母豚自体が1000頭以上減っている現状では、40万頭というのはかなり厳しいことになっていきます。今の状況ではなかなかハードルを越え切れない現状であります。その背景としては先ほどからよく出ています、飼料高で経営が非常に圧迫されている、資金繰りもなかなかおぼつかないという状況の中で、特に母豚の更新がうまくいっていない。本土の場合は優良な種豚というのをほとんどの農家が扱っていますけれど、県内においては本土から移入する場合の費用がかなりかかりますので、それにおぼつかないような種豚で現在経営を行っていると。そうしますと1母豚当たり何頭出荷するかというのがおおむねの生産の目安になるのですけれど、40万頭には到底おぼつかないような状況が続いております。この状況はしばらく続くんじゃないかなということは大変危惧しているところであります。
以上であります。
○新垣新委員 飼料の高騰が大変になっているということで、平成29年から飼料価格の高騰に歯止めがかからなくなっている。そこで平成29年と令和5年と比較した場合、県内の配合飼料価格がどのように上昇しているか、具体的な金額を教えてほしい。また、沖縄県は島嶼県なので輸送費が上乗せになると思うが、県外と県内、県内と宮古地域、八重山地域などの離島はどの程度価格の上乗せがあるのか、具体的な金額を教えてほしい。
○安谷屋行正参考人 平成29年度の平均価格でございますが、配合飼料がトン当たりおおむね5万7000円、直近では10万円というようなことで、1.75倍に上昇してございます。その間でも国の配合飼料安定制度とかいろんな事業を活用して、ある一定は抑えられたということで先月ぐらいまでは9万5000円だったのですが、直近になってまた10万円というようなことで大幅な値上げということでございます。
以上ございます。
○新垣新委員 最後に。県は令和4年と令和5年に飼料高騰対策として県独自で農家への配合飼料費に対する一部助成を実施しているが、各年度の支援額は幾らだったのか教えてほしい。また、トン当たりにすると配合飼料価格、県の実質支援額、農家の実質負担額はどのくらいになったのか。令和4年と令和5年の四半期ごとに具体的な金額を教えてほしい。また、八重山地域や宮古地域など各離島については、上乗せ支援がされたのか教えてほしい。これが最後の質疑になります。お願いします。
○安谷屋行正参考人 令和4年度と令和5年度でございますが、まずは令和4年度は事業費で11億1896万円でございます。令和5年度については9億4415万円でございます。令和4年度の四半期ごとのトン当たりの飼料価格でございますが、おおむね8万8600円、それから10万円ということで、第3・四半期、第4・四半期が平均価格で9万5000円程度になっているところでございます。県がそれに対して、実質支援を四半期ごとに行ったということでございますので、これが令和4年度については、3600円から6000円程度ということで平均で5000円程度というような支援でございます。
国及び県の支援を踏まえて、実質農家さんのトン当たりの配合飼料の負担額でございますが、7万5000円から8万7000円程度というようなことでずっと高止まっている状況で、支援は確かにありがたいですが、その高止まっている状況が続いているという内容でございます。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
島袋大委員。
○島袋大委員 よろしくお願いします。
この情勢というのはここ最近の話ではなくて、この4年間のコロナ禍から通して、いろんな面で非常に県内の畜産関係も含めて大打撃を受けているというのは、我々委員会としても理解しています。
この酪農家の皆さん方に関しては、これだけ小学校、中学校の休校で給食が一番高い割合だった酪農家が、非常に疲弊してきつい状況で国の補塡でも賄うことができないから、粘り粘って県独自の予算ということでどうにかこうにかつないできたわけですよね。
そこでウクライナ情勢の飼料高騰も含めてこれを超えるような形で厳しい状況になっているのだろうなというふうに、地域の皆さん方の声を耳にします。
今日はJAさんがいろんな面で、県の農林水産部含めて、窓口として頑張っていただいているのは大いに理解しますけれども、今のこの畜産関係、繁殖和牛農家も含めて、農協さん、あるいは中央会さん皆含めて、実際現場に出向いて情報収集というのはしていますか。
○安谷屋行正参考人 かなりしているという自負はしております。これについてはとにかく農家さんの集まりとかいろんな会合等々で広域的にも役員自らも当然ながらそうなんですが、先ほど申し上げたように離農、もしくは離農に近い、あるいは相談案件については、職員もきちんと把握をして内容によって優先順位を決めながらやっていると。
ただ、いかんせん今これだけ飼料が高騰すると、もうなかなか手の打ちようがないという状況があるので、要するにいつまでこれが続くのだというようなことで、農家さんがかなり不安がっているという内容でございます。この不安を払拭するということについては、かなりの支援策を講じてこれをアナウンスできないと、農家がもう少し頑張ろうということにはならないのではないかなと思っております。
以上ございます。
○島袋大委員 この間、委員会の中で県のほうも農家のほうに足を運んで現状を把握しているということで、去る13日は知事が南部の和牛畜産の方々の声を聞くと回っていたということですけれど、今までにないような形で知事のフットワークで視察に行かれているということは、非常に私は評価するのですけどね。水戸黄門じゃないのだけれども、現場に出向いてやっぱりそういう末端の皆さん方の声を聞いて、優先順位的に何をするかという判断は行政の長として出てくると思うのですけれども、やっぱり農協さんとしても回って――データ的にまとめられているのだったらいいんですけれども、何か順位的に、ここが一番農家にとってもきついですよというのは、アンケートみたいなものを取って数字的に出ていますか。
○安谷屋行正参考人 飼料高騰に端を発して、まず資金繰りがいかんせん厳しいという内容でございます。我々としましても、過去と違うのは何かといいますと、今まで資金繰りの相談案件というのは、例えば農業資金が厳しいからどうするのということで、これを条件変更しますかどうしますかと、あるいは新規の融資はどうしますか、という内容が大体中心ではあったのですが、今回はこの融資だけではなくて、貸付牛の支払いができない、融資もできない、なおかつ購買の取引で生じる支払いができないと。様々ないわゆる与信関係が全て一気に、3種類から4種類ぐらいの支払いの相談項目があるのですが、それが一気にできないというような状況です。我々としましてもできれば条件変更とか、あるいは新規の融資が可能かどうか。当面の手当てというような状況を含めていろんなことをやっているのですが、いかんせん相談案件も多くてその対応に相当追われているという実態であります。
以上ございます。
○島袋大委員 今安谷屋参考人が言うようにまさしくそうだと思っていてですね。農協さんが我々にとっても、農家にとっても一番身近な団体だと思っていますし、一番の相談の窓口だと思っています。そこでまた県のほうにいろんな面で皆さん方、要望、要請すると思うんですけど、まさしく私も聞いていて、やっぱり飼料高騰が一番だと。2番目は資金繰りが大変だと。子牛にワクチンを打とうとしてもワクチンが値上がりして大変だと。種付けしようとしても、人工授精やろうとしても授精師に立て替えてもらって後で払いますからと言って、子牛の価格がこれだけ下落しているわけですから、支払いも滞っていると。そうなった場合には、借金に借金で回し切れないですね。そこで今農協から借り入れるにしても、貸してくださいと言っても支払いもされていないのに貸すことできませんよということになりますから、そこは何らかの金利を下げてくれとかそういう要望しか来てないと思いますから。
全体的に、要はもう非常に生活費まで手を突っ込んで、苦しい状況だろうというのが私も地域地域を見て、話を聞いて、そう思うんですけれども。飼料高騰といってもこのウクライナ情勢というのは今まだ戦っていますから、いろんな意味で終わって、土地を、牧草とか、大豆とかいろいろ穀物ができるのかにしても、二、三十年かかるわけですから。延々と二、三十年は高騰という形になるわけですよね。この間、和牛畜産農家に行ってチモシーを使っていますかと言ったら、島袋さん、こんなに高いチモシーなんか使えませんよという話で、我々、競りも価格も下落しているのに、チモシーを使ったら、赤字どころじゃなく火の車になりますよという話でした。だからそういうことを考えれば、この飼料高騰が一番ですから。我々今審議中ですけれど、農協さんが求められている中で、今回の飼料高騰に対しての助成金、県は令和6年度予算は3億円しか組んでいないのですよ、3億数千万円。実際その間に入っている農協さんとしたら、最低額としてはこれぐらい必要だということで数字では出していませんか。
○嵩原義信参考人 ありがとうございます。
まさに農家の窮状を島袋委員がおっしゃったとおりでありますけれども、我々として、じゃ、幾ら支援が必要なのかというところは、今コストの上昇分がトン当たり2万3600円であるわけですけれども、これの流通量が大体二十三、四万トンに換算して56億円という値が出るわけです。もちろんこれだけの金額を出してくれということは非常に困難だということは理解しておりますが、せめてこれの半分の28億円とかですね――県は昨年も10億円台の支援をいただいているわけでありますけれども、我々としてはもっと望むのは高いところにあるわけですので、単純に28億円というところを見て支援をお願いしたいというふうに考えております。
○島袋大委員 今まさしく嵩原さんが言うように28億円の数字が出ている中で、県は3億円ですからね。これだけで令和6年度スタートして、補正で積み増ししますよと言っても、到底10億円超えることはないですよ。今までの過去の事例を見たらですよ。だから今実際危機的状況という時点で、県は新年度予算が3億円なんですよ。ここは我々委員会としても、やはり皆さん方の熱い思い、気持ちを聞いてですね、数字で出してもらわないと、我々も強く言えないわけですよね。だから3億円で出しているけれども、中間に入っている農協さんからそういった意見もないから、なんでいいんじゃないかと。県を批判するわけではないですよ、ある予算でやっているかもしれません。
しかし、この飼料高騰、どうにか守らないと、結局出荷すらできないということですよね。そうなるわけですよ。その中で冒頭先ほど質問もあったように、子牛の生産量が少なくなっていくという現状ですよね。子牛がなくなった場合にはどうなるのという話になるわけですから、ここをどう立て直すかということであれば、我々は今日の要請を聞きながら、きちんとした――全額まではいかないけれども、当初予算ではそれなりの半分の10億円から15億円ぐらい積んでもらって、そこで補正予算で二、三億積んで20億円で令和6年度は決着できるような体制で、まずは回らないといけないというのが組立てだと思っているんですよ。だからそこを今日は重要なこの時間を割いて来ていただいていますので、こういう思いをしっかりと我々は酌み取って、令和6年度の畜産関係の皆さん方に反映できればなと思っていますので、ひとつよろしくお願いしたいと思っています。
あとはJAおきなわとして最近、組合員に対して独自の支援策を行っていると聞いているのですけれども、それはどのような支援ですか。またその理由といろんな面で背景、その辺がありましたら教えてください。
○安谷屋行正参考人 JAおきなわとしましては、この1月から3月までの約3か月間、金額として約1億3000万円の支援、トン当たりで申し上げますと配合飼料で大体6000円の支援という内容でございます。これはやはり我々も当然ながらそれをやるためには組織決定しないといけないのですが、理事会、それから経営管理委員会の御理解をいただきながら、JAの経営状況は相当厳しい中で、役員会、それから経営管理委員会の中でもお認めをいただいたということで、まずは1億3000万円という内容でございます。
その目的については、まずはJA側からこれだけやるんだと。経営状況が厳しい、2年連続事業分量配当もなかなか組合員さんに出せないということで、お叱りを受けながらですね、ただ今畜産農家にこれをやらないと、後々いろんな影響を及ぼすという観点で、今回1億3000万円をやったという経緯がございます。
以上でございます。
○島袋大委員 締めますけれども、ひとつお願いしたいのは県は中央家畜保健衛生所の方々も現場に足を運んで、今意見交換しているということであります。県は県で独自でいろんな面で調査の結果を出すと思いますけれど、農協さんも農協さんで中央会含めていろいろやられていたと思いますけれど、ぜひとも中間報告でもいいですから、我々経済労働委員会に、大浜委員長宛てに、この意見等をまとめて早急に出してもらえませんか。これ出してもらってこそ、現場の声ですので、先ほど言った飼料高騰も28億円かかるというものの整合性が合うと思うのですよ。そこで県のほうも足を運んでいますから、そこで合致すればですね、着地点としてその半分の15億円ぐらい組んで、そこで補正で行っていけばいいだろうということで我々も交渉できますので、そこをぜひともお互いいろんな面で調整しながら連携を取らないと、せっかく新年度の4月から始まって、もう和牛がいませんとなったらですね、うちの中川委員と一緒にこの南部競り市場に行きますけれど、議員何をしているんだと後ろから言われていますからね。そういった形でやっぱりいろんな面で協力できる体制はするべき状況に来ていると思いますから、資料が出せるのでありましたら、委員長宛てに出していただければいいかなと思っていますので、ひとつオーケーだったら言ってもらえれば。
○嵩原義信参考人 了解しました。
現場の理解を深めるためにも、我々としても必要だと思っておりますので、早急にその取りまとめをさせていただきたいと思っています。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
山内末子委員。
○山内末子委員 ありがとうございます。
現場の悲鳴を聞きながら、胸が痛い思いをしております。
今島袋大委員のほうから、一番の要請というか一番大事なところは、やっぱりこの飼料費の支援だということ。それが28億円かかるということをおっしゃっていましたけれども、それぞれ聞いていて、融資の問題であったり、あるいは屠畜料の支援であったりと。本当に一番のカンフル剤として今の飼料費の高騰に対する支援と。そのあとほかにもそれぞれの分野の形でおっしゃっていた融資のいろんなことを調整していかなければならないというところと、それと屠畜料の問題と、いろんな問題あると思いますけれど、短期的にとにかく今やってほしいということをまず系列的にちょっと伺いたいなと思います。今の飼料の問題は、聞きました。その後その次、その次ということで、その辺ちょっとお願いいたします。
○金城栄参考人 御質問ありがとうございます。
飼料費は一応置いておいて、今年度、単年度で養豚に関しては養豚生産性向上対策事業というのをいただきまして、これは何をするかというと、本土から優良種豚の導入、優良精液の導入の2点について御支援いただいております。我々は、もちろん飼料費云々は一番に考えておりますが、今後やらないといけないことは、やっぱり沖縄県の生産性を上げる、もうそれしかないというような認識を持ってやっております。いかんせん、母豚の導入に関しては、輸送費がかなりかかって、もともと種畜そのものも高めの設定なんですけれども、輸送費も1頭当たり4万円程度かかると。ですから県内で作る豚よりはるかに高い種豚を導入していくということになりますけれど、ただし生産性がまるっきり違う種豚を得られると。それに向けて我々が県のほうにもいろいろお願いしているのが、導入だけではなくて最終的には県内でそういった種豚を作れるような、種豚生産基地をぜひ造ってもらいたいと。そのための活用として今現在安田に種豚の改良センターがありますけれど、そこをもう少しうまく活用して、県内で優良種豚の供給の体制をつくってもらいたいと。それにはやっぱり農家側の体制もしっかりつくらないといけないですので、技術アップのためにいろんな研修とかそういったものをどんどん行いながらやっていこうという思いは非常にあります。
以上であります。
○安谷屋行正参考人 まず飼料高騰のほかに、何か問題ということで資金繰りのお話もされたと思うのですが、資金繰りについては飼料高騰の問題を解消すれば、同時並行に解消する問題ではないかなと思っております。それは個別に農家さん全然違いますし、それを対農家さんによっていろんな資金繰りの緩和策とかいろんな方法で、これは対農家とマンツーマンでいろんな対応策が出てくるんじゃないかなと思っております。
肉用牛については当然ながら餌も高騰しているのですが、今子牛の価格が50万円ということで相当低迷をしております。そういう意味ではですね、それに軽減策ということでの販売対策というよりもいい牛を作るような仕組みを同時に構築しないといけないということで、やはり優良母牛の本土からの移入とか、いろんな策を、例えばその輸送費の対策であるとか、どちらかと言えば子牛を本土に送るときの輸送の対策費用は講じてもらっているのですが、逆にこちらに持ってくるものについての対策はどうしてもほしいというような内容でございます。
今沖縄県は、全国有数の子牛の拠点産地となっております。これは北海道、鹿児島県、宮崎県に次いで、全国第4位なんですよ。このせっかくの拠点が今もう崩壊しつつある、これがどんどん頭数が減れば、購買者の9割は本土ですから、その購買者がそっぽを向くとこれは絶対立ち行かないというようなことを、それをぜひ守らないといけないという観点から、ぜひこの辺は御理解をお願いしたいなと思っています。
以上でございます。
○山内末子委員 先ほど言った28億円というまさに大きい金額の治療費ということだけではなくて、今おっしゃっていたような事業を、ほかの事業からも支援をしていくという細かいところをどんどんしっかりと支援していくというのも、とても大事だと思うのですね。カンフル剤として大事な飼料費の支援ということを念頭に置きながら、長期的には今おっしゃっていましたように後継者不足であったり、自分たちでその飼料を、あるいは牧草をどうやって作っていくかという、それも長期的な視点も考えていかないと今だけの問題ではなくなってくると思うのですよ。そういう観点からやはりJAさんが農家さんたちともいろんなことを想定しながらの策というのはとても大事だと思います。
ちょっとだけ経過について伺いたいことがあって、沖縄県と養豚の屠畜頭数の推移というのは、これを見てみますと平成12年から平成17年にいきなり半分近くに下がっているのですね。一体このときに何があったのか、平成17年から現状においては横ばいなんです。この間に何があったのか、いろんなことを想定するためにも、ここ重要かなと思います。
○金城栄参考人 これは非常に劇的に減少している状況なんですけれども、というのは平成9年前後の頃は48万頭。県内では最大の屠畜頭数になっています。この当時の農家戸数がまず今と全然違うと。今の10倍ぐらいあります。あとはその当時は、本島内で6か所の食肉センターがありました。これがどんどん統合されていって、現在2か所になっていますけれども、その当時は南部ですと豊見城のほうにありますし、それから中部もあります。北部ですね。それから安謝のほうですね。そういうふうに6か所の屠場が稼働している状況でありました。ところがそれ以降は農家戸数もどんどん減っていって、その中で頭数も減っていくものですから、各食肉センターもいろいろ統合されていって、中部のほうは北部のほうに統合みたいな形になっている。安謝にあった屠場は県食肉センター、豊見城にあった真玉橋工業はそのまま廃業という形で、そういった経緯があって現在のような食肉センターの2か所。それから屠畜頭数も農家戸数の減少とともに減るという状況になっているのが現実ですね。おおむねそういった感じです。
○山内末子委員 やっぱり、とにかく農家をこれ以上減らさないということ。農家が減っていくと屠畜場も減っていく。今の状況の中でどんどん頭数が減っていく。そういう中で今回のような大打撃ということになって、今の現状になってくると、もう最低限、負のスパイラルを好展開させて今の現状をもっと上げていくには、やっぱりこのカンフル剤をしっかりと今年度、次年度ということでやりながら、それも長期的にぜひ頭数をちゃんと増やしていく、農家さん、後継者をちゃんと増やしていくためにも、自前の飼料、肥料、牧草の獲得が絶対に必要かなと思いますのでその辺の検証であったり、農家さんとの意見交換であったり、地域での耕作農家さんとも大きな視点でそれもぜひやっていかないといけないと思いますので、その辺については今何か策を持っていますか。
○安谷屋行正参考人 先ほど山内委員からの急激に養豚のほうが随分減っているというようなことではございましたが、これについては畜産環境の法令がかなり厳格になって、いわゆる養豚であればかなりの設備投資をして環境に特化したいろんな投資をしないといけないということで、小さい農家さんがどんどん廃業したという経緯があって、今残っているのは比較的規模の大きい企業経営の養豚業の皆さんということで、少し加えて説明をしました。
今おっしゃるように自給飼料の件も、県の家畜衛生試験場も含めて、それに代替するいろんな自給飼料を前から研究はしているのですが、沖縄に合った、例えば嗜好性も含めて、これはというものはまだ確立されておりません。そういう意味では、畜産の研究機関を通じながら、実際に沖縄の形に合った自給飼料の開発も含めて、あるいはいわゆるそこのシステムも含めて、ぜひ逆にお願いをしたいなという考えを持っております。
以上でございます。
○山内末子委員 今のおっしゃっていたのは、やっぱり家畜排せつ物法といったものが法整備されていくと、沖縄のように本当にこの小さな農家というところに大打撃があって、国のこの法律というもの、補助金も割と大きな規模の農家さんには適するけれど、沖縄のような農家には適さないという補助金がたくさんあると思うのですよ。そういうところも研究をしていただいて、ぜひそれは今おっしゃっていた沖縄特有の農家支援ということを、ぜひ我々もそうですけれども自民党さんたちもみんなで一緒に、本土のような大規模農業に合うようなことではなくて、沖縄は沖縄独自の補助ができるような、支援ができるような体制をつくっていかなければならないということも私たちも決意をしながら、ぜひ頑張ってください。一緒に頑張りましょう。ありがとうございました。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
西銘啓史郎委員。
○西銘啓史郎委員 質問に入る前に、沖縄県の知事提案説明要旨というのは見たことはありますか。2月14日の開会の日に――国で言えば所信表明みたいなもので、知事が新年度こういうふうに取り組みますというのがあります。これに目を通されたことはないですか。ぜひ一度ホームページ等で見られると思うので目を通してほしいのですけれど。中身はⅠ、はじめにから始まって、2番目で令和6年度の施策の概要についてと。3番目には、提出議案についてとトータル32ページあるのですね。
この中で実は申し上げたいことは、農林水産業の振興についてというところがあるのですよ。これ実は、26行しかないんです。文化観光スポーツ部は18行ですけれど、経済は50行ぐらいあるのですけれど、この農林水産業の振興についての中で、畜産業についてはというところがあるのですけれど、たった2行なんです。ちょっと読み上げます。「畜産業については、生産基盤の拡大、産業獣医師の確保、飼料自給率の向上等による生産資材価格高騰への対応など、各種施策を推進します。」と言っているのですね。こういうのは企画部がヒアリングしながら作っているとは思うのですけれど、農林水産部のこの畜産に対する思いだったり、県の知事の思いがこの2行にしか詰まっていないとすると、皆さんの大変な状態があればもっと違う表現になっていると僕は思うのですよ。ですから申し上げたいことは、先ほど来、今知事が宮古に視察に行っているのかな。知事が見てもっと感じてくれたらまた先ほどの飼料高騰の予算も変わるのかなという気がするのですけれども、やはりこの辺は僕らは知事の思いがどうなのかなという気がします。
それともう一つは、僕らは予算で審査できるのは主要施策とかで上がってくる事業、30から40事業ですよ。全部、実は農林水産部は令和6年度で総事業で353の事業があると。我々が目に見えるものはたかだか30とか40ぐらいの主要施策というもの、またもっと予算書を見れば細かい事業も追及できますけれど、基本的に1割ぐらいの事業しか表立っては目につかない、残りの300事業は細かく入っていかないと見えないのがあるわけですね。ですからそういう意味では、我々ももう一つ気になるのが令和4年度の決算で農林水産部の執行率が7割なんですね。土木建築部と農林水産部だけ7割なんですよ。県全体では88.5%。7割の理由がいろいろあるにしても繰越しが多かったり、不用額も20億円となるともったいないなと僕らは思うのですね。もっと使える事業はなかったのかどうか、不用になった理由はあるにせよ、そこら辺を僕らは議会としてしっかりウオッチをしていきたいと。だから令和6年度の予算についても先ほどあった3億円では足りないとかね。そういうのも含めて25日には委員会で採決しますから、そのまま通るのかどうか分かりませんけれども、申し上げたいことは皆さんの思いを農林水産部に、または我々議員に伝え切れないと予算の編成はあまり変わらないのかなという気がします。だからこの2行だからいいとか悪いとかではないにしても、本来はもうちょっと令和6年度どうしていこうというのは僕はあってもいいかなという気がしています。
その中で質問しますけれども、養豚経営体質の強化について幾つか質問したいと思います。
令和5年度に県が実施した沖縄県養豚生産性向上対策事業というのがあると思いますけれども、この事業の内容とかそれからどういう課題や問題が生じていたのか、ちょっと伺いたいと思います。
○金城栄参考人 どうもありがとうございます。
この養豚生産性向上対策事業というのは、主な項目は優良種豚の導入です。そちらは本土のほうから主に東北の岩手、宮城、その辺からの導入になっているのですけれど、この辺導入が2か月ほどの時点で1200頭ぐらいの導入になっています。これは肉豚を作るための種豚ですね。それと母豚を作るための原種豚の導入も130頭ぐらい出ていまして、これだけで予算の8割ぐらいを使うような状況になっています。
あとは優良な精液。これは非常に問題なのが、本来だったら今沖縄にいる母豚にも使うとそれだけ生産性が上がるはずのものなんですけれども、今回はこの導入されたものにしか使えないという、非常に豚の生理は無視されたような状況になっていて、子豚で導入しますのでそうすると4か月、5か月で導入した場合に、それからあと3か月ぐらい飼わないと豚は母豚になれないんです。その期間は非常にロスがあって、ここにいる豚も使えるのだったら、今年度から成績がアップされた状況なんですけれども、実際にはこの導入されたものがどんどんずれ込んできますので、去年の後半ぐらいから実際に種つけが始まると。それが生まれてくるのは今年の初めぐらいですから、それで肉豚になるのは今年の末ぐらいと。この半年ぐらいを非常にロスしているような感じがあります。それでそういったものに関しては、みんなに使えるような、どの母豚にも使えるような体制をつくってほしいなと思っております。
あと1点は、先ほどから資金繰りについて非常に出てきますけれども、この事業は実際には種豚を導入した場合には、現金での支払いなんです。支払いをして生産をして戻ってくるという仕組みになっておりますので、どうしても一旦は支払いをしないといけないという状況です。原種豚の場合は、かなり高額で1頭当たり30万円から40万円ぐらいします。こちらに入れてきて輸送費等も含めると大体45万円かかってきますので、小さい農家で、例えば自分も1回入れましたけれども、200万円以上はかかるという現状があります。それがみんながみんなできたかというと、なかなかそれがうまくいっていないと。手を挙げたんだけど途中で断念というような農家も出ていまして、予算消化率としては8割以上になっていますけれど、当初手を挙げた農家はもっといましたので、本来はもっと需要があるというのが現状であります。
以上です。
○西銘啓史郎委員 分かりました。
続いて、今度は養鶏のほうの経営体質強化について関連して質問します。県内の鶏卵農家が県外と比べて中小規模が大半だというふうに聞いておりますけれども、価格の有利になる時期に生産したりとかですね、この辺の努力もされているとは思うのですが、必死になっているとお伺いはしています。その中で採卵鶏農家の現状と課題について、ちょっとお伺いしたいと思います。
○嵩原義信参考人 今の御質問に関しまして、鶏卵農家はやはり中小規模の生産者が沖縄の場合にはたくさんあります。本土の場合には大規模農企業養鶏というのが主流なんですけれども、沖縄の場合には小さい農家が多いということがありまして、非常に経営の基盤が小さいがゆえに今回の餌代の高騰のダメージも大きいわけですけれども、出荷のコントロールというところが非常に難しくて、卵価が高い時期にピークを持っていく農家が多いものですから、供給と需要のバランスが崩れやすいというところで、そこを付け込まれて県外の卵が入ってきたりとか、そういう非常に不安定な市場が沖縄の場合にはあります。なので生産者をまとめて安定供給するための体制づくりというのも関係者で協力してやりましょうというところもやっているわけですけれども、あと先ほども申し上げました、ひなの供給のところも共同でやれるような施設の導入に対してももう少し県の働きかけをお願いしたいなというふうに考えているところです。
いずれにしても本土から物が入ってきて相場が崩れやすいというところは、いろんな蓄種にも共通するところでもあるのですけれども、我々としては協力体制を何とか構築してやるべきだということで、ビジョンもつくりながらやっておりますので、そこら辺のアドバイス機能というか、コンサルの機能についてもぜひ県のほうの協力もお願いしたいというふうに考えているところです。
○西銘啓史郎委員 以前、勉強会で大体人口と卵の数が一緒ぐらいだったとか、お聞きしたのですけれども、例えば沖縄140万人としたら140万個あれば大体賄えるみたいな話をお聞きしたと思うのですが、これちなみに県内の卵で県外からの卵の数とシェアがどれくらいというふうに理解したらいいですか。把握されていますか。何パーセントぐらいが県外から入ってきているのか。
○安谷屋行正参考人 全体的に言うと、大体7対3で、7が県内、3が県外だと思うのですが、これは時期によって県内産が相当足りないときと、それと県外産が多くと。この需給バランスが非常に難しいということで、少しでも高騰すると量販店さんはやはり県外から移入をしたりするということで、安定性に欠けるという状況がございます。それでうちの取組としては、うちが販売をして、それから量販店さんにいろんな予約を受け付ける際に、大体次の周期で需給バランスを整えながら、本土のほうからも我々が移入をして直接お届けをして、それで価格安定に努めるというような取組をしております。そうしないとなかなか乱高下したり、あるいはかなり暴落をしたりというような状況で、コストが賄えないという状況がありますので、その辺を含めてトータルで販売対策、いわゆる需給対策をやっているという内容でございます。
○西銘啓史郎委員 ありがとうございます。
以上です。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
大城憲幸委員。
○大城憲幸委員 時間も大分過ぎましたので、聞きたいことだけ聞きますので簡潔にお願いしますね。
皆さんの資料から3ページの右下の図が非常に分かりやすくいい資料だと思います。国の仕組みもこれになるように、どんどん右肩上がりで上がっても、いわゆる激変緩和なんですよ。価格転嫁ができる間だけ、令和4年は大体トン当たり1万円を補助をしていると。そして県の補助はそれにプラス6000円ぐらいということになります。
ただ国の趣旨のとおり、これはずっと税金で皆さんを支え続けることはできないわけですよ。価格転嫁が進む間なんですよね。それで全国の仕組みとしてはほぼゼロに近いですよということ。これを沖縄県独自でやってくれというためには、先ほどちょっと質問がありましたけれども、皆さんの請願の中にもある沖縄県の不利性、あるいはコスト高という部分が皆さんは金額で持っていますか。その辺沖縄の餌が高くなっているというのが、どれぐらい高くなっているかというのを、まず1点お願いします。
○金城栄参考人 沖縄の場合、ほぼ九州から原料が入ってきますけれども、それが、以前は5000円程度が横持ち料金など、海上輸送費などというのが通常でした。ところが、飼料とは別に今度は燃料費の高騰、あとは船賃が相当上がってきたということで、過去とはまた全然違うような感じで推移しています。実際に本土の農家と比べた場合、1万円以上の価格差が出ていますので、それがもろに運送賃にも響いているんじゃないかなという気がします。具体的な数字は今ちょっと持ち合わせていないのですけれども、おおむねそういう流れになっています。
○大城憲幸委員 その辺も前々から5000円から1万円の間という議論はあったと思います。ただいろんなJAの経営を、様々なメーカーさん、様々な会社が入れていますから、なかなかそれを把握するのは難しいと思いますけれども、やっぱり県民向けに説明するためには九州の平均、全国の平均に比べてこれぐらい割高になっていますよと。だから沖縄県独自の支援が必要ですよみたいなものは今後の議論で必要じゃないかなと思っていますのでお願いします。
2ページお願いします。
先ほど言ったように養豚振興協議会の金城会長も常にずっと支えてくれではないよと。価格転嫁で何とか需給のバランスが取れてくるまでの間ということですけれども。子牛価格は非常にニュース等でも流れますから、1頭当たり70万円ないと成り立たないのに50万円になっていますよというのは分かりやすいんですよ。
ただ、2ページの上のこの豚、鶏の資料を見ると、価格転嫁が進んでいるように見えるんですよ。これを見るとね。そういう意味で、餌は5万6000円から10万円になったけれども、豚の値段も562円まで上がっているように見えるんですけれども、ちょっと豚、あるいは養鶏――養鶏の組合は今日来ていませんけれども、その辺直近の令和6年の数字がどうなっているのか、あるいはこれは幾らぐらいないと我々は成り立たないんだよという説明ができるのか。よろしくお願いします。
○金城栄参考人 お答えしたいと思います。
これは税込みの価格で表示されていますけれども、実際に養豚生産する中では沖縄独自の価格形態というのがあってですね。これはどういうことをやるかというと本土市場の連動型なんですよ。関東4市場の平均から沖縄の換算計数を掛けるで、産地の参酌というのがあります。これからトン価を割り出してくるのですけれど、その中でやっていきますと、以前は420円ぐらいが基準になったんですけど、昨年JAさんといろいろ協議をして実際の生産費等を勘案した場合にどのぐらいが適正かということで、価格形態の見直しということを申し入れてきました。その結果、税抜きで500円程度が県内の生産をする中では、採算分岐点かなというのを持っています。それに応じた形で価格というのは推移はしております。
以上が大体そういった流れにはなっております。
○大浜一郎委員長 休憩いたします。
(休憩中に、大城委員から資料では直近で562円となっているので、価格転嫁の実態と併せて説明してほしいとの要望があった。)
○大浜一郎委員長 再開いたします。
金城栄参考人。
○金城栄参考人 562円というのはあくまで上物平均なんですよ。豚には格付というのがありまして、上、中、並、外という格付があります。その中でやっていきますので、全体が上であれば562円になります。しかし県内の上物率というのが40から50ぐらいと言われていますので、そこで価格差が出てきます。加重平均をしますと30円から40円ぐらいの落ちになりますので、562円が522円ぐらいになるというような形になります。ですから、これは一番高いときの価格になります。年平均した場合の価格がやっぱり500円が妥当かなという考えで持っております。
以上になります。
○安谷屋行正参考人 この表から見ますと卵で359円というふうになっていますが、我々が把握している県のデータなんですが、大体193円から207円で直近は推移している。これは卵の規格によってその数字があるのですが、我々の平均価格では193円から207円という内容で推移しております。
○大城憲幸委員 言いたかったことは、非常に分かりやすい数字で、グラフで表してくれていいんですけれども、これを見ると価格転嫁が進んでいるようなイメージで取れるものですから。今あったように我々も先ほど来あるように畜産農家の厳しさというのは話を聞いて感じてはいます。
ただやはりこれは県民の税金を使って何とか沖縄の畜産を支えようという理解に進めなければいけませんので、数字的な部分というのはもう少し踏み込んで、実態に合った数字を出してもらいたいなというところです。
最後にもう一点だけ。先ほど議論がありました4ページ。養豚の部分を確認させてください。養豚の食肉センターの経営改善をするためにも、とにかく基盤を守らないといけないという中では、あんまり一気に農家を増やせるわけでもない。頭数を一気に増やせるわけでもない。だから高能力の母豚を入れますよというのはそのとおりだと思います。
ただこの養豚生産性向上対策事業についても、県は令和5年度で終わりなんですよね。それで何で終わりかというと、国の養豚経営安定対策補完事業で補完できるというのが県の言い分。だからその辺についてどうなのかなという部分と。もう一つは、この施設の改修については、国のクラスター事業で大丈夫ですよと、この2点を言ってはいるのですけれども、その辺に対する皆さんの見方、意見というのがあれば、お願いします。
○金城栄参考人 お答えしたいと思います。
肉豚生産向上対策の事業――単年度で終わってしまうという事業とかがあると思うのですけれど、そのほかALICでやっている補完事業というのがあります。我々が望んでいる事業とまるっきり違う内容で、僕らが望んでいるのは高能力種豚と言われている種豚を即こちらに持ってきて、即使えるというふうな体制で使いたいということで実際に導入をしているわけです。ところが国の補完事業というのは、それの元になる種豚、登録された種豚でなければ導入できないというような事業になっていて、今僕らが望んでいる種豚の導入とまるっきり違うものになっています。それで実際に1月に調査をしました。それに手を挙げる人がまるっきりいなかったというのが現実です。というのは沖縄で求めている事業ではないということで皆さんなかなか慎重であるし、自分自身も検討はしましたけれどもやめました。そういう事業になっております。
それからもう一点。クラスター事業に関しても現時点ではかなり和らいで以前より使いやすくなってきております。その中で一番重要なものはクラスター事業は50%自己資金が必要だと。それをうまく利用できる方、特に企業系はそれなりにやってはいますけれども、非常に資本が脆弱な農家は、なかなかその辺に取りかかれないというのが現実です。沖縄の施設も本土に比べると本当に老朽化が進んでいて、20年、30年というのはざらにあります。それが普通ですね。ところがやっぱり施設というのは、かなり改善をしないといけないというのが、装置産業でありますので、装置をある程度やれば成績も上がるというものでありますから、その辺でもちょっと止まってしまっているような状況です。
以上であります。
○大城憲幸委員 ありがとうございます。
以上です。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
上里善清委員。
○上里善清委員 大体皆さんが聞いたことで分かったのですが、今一番養豚とか畜産業を救うためには何をすればいいかということを一般質問も代表質問も出ていました。大まかに28億円ぐらいあれば大丈夫だというお話を聞いたのですが、この飼料価格高騰の支援が一番の優先順位だということでよろしいですか。
○嵩原義信参考人 まずそうだと認識しております。
畜産は餌を断てない、止められない産業ですので、やはりそこが一番の生命線だと思っております。
○上里善清委員 これはウチナーの食文化とかを守るためにも、執行部が決断して多分やってくれるだろうと。自民党の大委員もいますので、ぜひみんなで頑張っていきたいというふうに思います。
あとですね、先ほどちらっと聞いたのですが、卵の比率が7対3でウチナーは7ぐらいやっていると。牛肉とか豚のほうは割合としてどんなでしょうか。
○金城栄参考人 豚肉の生産は非常に面白いというか、沖縄の独特な需要があって食の需要が非常に偏りが多いと。そうすると沖縄でどういったものが使われるかというと、三枚肉であるとかソーキであるとか肩ロースといったものは沖縄でかなり消費されると。ところがそうでない部位、例えばモモとかロースとか赤身の多いものに関しては、ほとんどが本土に行きます。ですから県内で作られた半分が県内消費で、半分は本土に行くという、これは以前からずっとそういった形態は続いております。そのために以前は畜産公社で移出の補塡事業というのがあって、輸送に係る部分を移出補塡しましょうということで、豚に関してはかなり手厚くされている時代がありました。
今は県内でこれだけ消費できるかというと、なかなかこれが消費できないというのが現状なんです。その屠畜頭数をある程度保つというのは、戦略として本土に出荷している業者もいっぱいいますので、そういった人たちのためにも県産豚肉というのは作っていかないといけない。5割消費するのであったら、5割に減らせばいいのではないかとなると、そういうわけにはいかないというふうになっています。ですから生産というのは常に上げながらやっていって、戦略的に5割以上は本土に持っていくと。それをやらないとやっぱり県内の業者さんも持たないと。農家もそういった形態のほうがより有利に働くということだと思います。
以上であります。
○安谷屋行正参考人 少し豚の件で補足しますが、今金城会長からあったように戦略的に本土のほうに行くと。沖縄県はやはり外国産もかなり競争にさらされているというような部分もあって、それで戦略的に県外に出すということも大事ではあるのですが、一方で、従来県外に送るときに不利性解消事業というのがあって、この予算がかなりあって我々はそれを見ながら豚肉をどうしても沖縄産の例えばアグーであるとか、豚が欲しいという量販店さんに対していろんな形でやっていたのですが、その事業が縮小されております。詳しくは後で説明すると思うのですが、かなり目減りしているものですから、そういったものがなかなか使いづらいということで、この辺もさらに再構築をしていただきたいなと思っております。
○金城栄参考人 今不利性解消事業の話が出ましたけれど、豚に関して令和4年でキロ当たり20円というのが、今年度から一気に4分の1の5円に引き下げられたと。これに関しては農産物全体が引下げになっていて、県内の農産物というのはどうしても不利な部分を抱えていますので、そういったのはぜひ復活をさせながらやっていただければなと思います。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
金城勉委員。
○金城勉委員 今日はどうもありがとうございます。
もう皆さんの窮状、本当にひしひしと感じさせられているのですけれども、農業産出額の中で半分近くを占める畜産業がこれほどまでに窮状、追い込まれているということですけれども、そういう内容というのは当然県のほうにも伝えられていると思うのですけれども、しかし予算組みについては先ほどお話があったように非常に厳しい数字になっていると。この辺の認識のギャップというのはどのように受け止めていますか。
○嵩原義信参考人 県農林水産部畜産課は、かなり現状に対しての支援については前向きにいろいろ検討していただいていると思っております。
昨年度の支援額の水準についても、やっていただいたおかげで生産基盤を維持できているというふうに我々は思っております。
ただいかんせん、農業に係る予算500億円ぐらいの水準になると思うのですけれども、その枠の中で畜産でじゃ、どれだけなのかとなってくると、やはり必要額には満たない。また当然県全体の財政も非常に厳しい中で、農業に係る割合についてもかなり制約的に行われているという現状はあるというふうに思っております。
ただ農業という産業自体が支援がなければ持たない状態になっているわけですので、そこについてはもっと理解をいただいて、県の財政当局も理解もいただいて――まさに今の支援がなければもう途絶えてしまうというところまで来ているという現状について理解をいただきながら、継続的な支援をお願いしたいというふうには考えております。
今のところ農林水産部とはある程度、感度というところは合わせられているというふうに思っております。
○金城勉委員 ということは、担当窓口である農林水産部とはコミュニケーションはうまく図られているということのようです。あとは予算編成の権限の持つところでしっかりとそういう手当てをしていかないといけないと。それだけに今回の請願の提出ということになったと思いますけれども、我々もやっぱりお手伝いしないといけないなという思いでおりますので、一緒に頑張りましょう。
ありがとうございました。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
玉城武光委員。
○玉城武光委員 皆さんの請願の中身とそういう資料から、今置かれている畜産関係の窮状、非常に厳しい状況だということは分かりました。
先ほどの説明の中で、畜産経営モデルでは――当時の数字ではもうモデルにならないという話がありましたよね。この畜産経営モデルというところは、沖縄県が作成しているのですね。私も勉強不足で知りませんでした。
そういう関係でいろいろ飼料高騰、それから肥料の高騰でいろいろ国のほうからも支援があるけれど、沖縄県独自でも支援があって、何とかという状況の中で、私もこの農業とか畜産関係で、一般質問とかいろいろ取り上げているのだけど、その生産費に見合うような価格の体制、価格の保障、それから所得保障方式という感じで、そういう制度をつくらないとなかなか大変ですよね。そういうことではどういうお考えですか。
○嵩原義信参考人 もちろん全国でも農家の直接保障の課題については、いろいろ議論があるのですが、とりわけ沖縄でも農業は農産物を作るだけで機能を発揮しているわけではありませんので、地域、定住社会を守っているという効果もあるわけですから、そういう意味で県独自の支援策の中にそういった直接的な支援を織り込んでいただけるというのは、我々としては大変ありがたいことだと思います。ぜひ実現について議論ができるのであればそこは積極的にやりたいと思います。
○玉城武光委員 これは沖縄県独自ではできない、国の制度の中でやらないといけない重要な問題なんですよね。
先ほど資金繰りとかいろいろなことで、今資金繰りの厳しい状況が農家の皆さんからたくさんの相談があるということをおっしゃっていたのですが、共済、収入保険をやっているのは、JAですよね。そういうところも非常に国にも県にも共済事業の中の幾らかの共済の掛金を減額させるとか、それを補塡してもらうとか、収入保険もそういうことを非常に県のほうに皆さんのほうから強く言っていただかないと、共済を掛けているから、収入保険を掛けているから、という話をするのですよ。だけど共済に入っている農家の皆さん、収入保険に入っている皆さん、掛金の問題があって少ないですよね。だからそういうところは、ぜひJAの皆さん、畜産関係の皆さん、農業関係の皆さん、県のほうにも強く申し入れる。それから国のほうにも皆さんのほうから要請をしていただかないとなかなか県独自でも財政的にも大変ですから、そういう制度をつくるようなことを国に求めると同時に県にも求めるということを声を強くして頑張っていただきたいと思います。
以上です。
○金城栄参考人 どうもありがとうございます。
耕種のほうでは収入保険はかなり入っている方が多いと思います。ただ畜産においては収入保険制度はありませんので、入れないのですけれども、牛もそうですけれどマルキン制度というのがあって、豚のほうも豚マルキンの制度があります。この豚マルキンの制度があるのですけれど実際は絵に描いた餅状態で、全国査定をするものですから、九州であるとか沖縄のほうは実態が反映されないというような状況があります。ですから創設されたんですけれど、1回もまだ発動されたことがないです。危機的な状況と言いながら、なぜこの発動をしないかという、これに関してはかなり地域のほうからは中央のほうにどんどん声が上がってきております。
この1月から3月期はもしかしたら発動されるんじゃないかなというのがあるんですけれど、これも実際には売値と生産費の差でもってやりますので、本土の場合の飼料費と沖縄の飼料費、それが販売価格が反映されますので、その辺ではなかなか難しい点があるのかもしれないです。制度としては一応あります。
以上です。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
中川京貴委員。
○中川京貴委員 皆さんから要請書、請願が出されて初めて、大委員の質疑で、令和6年度が約28億円という数字が出たわけなんですが、やはり何とかこの二、三年を物価高騰、飼料高騰をしのぐことができれば我々も農家を守ることができるだろうと思っております。そして先ほど説明がありました繁殖肉用牛農家、酪農家、養豚農家、そして採卵鶏農家、この農家を守るためにはやっぱり予算が必要だと思っております。
そしてその後ですね、今光りが見えないような状況の中の農家を助けるためには、やはりJAおきなわが農業資金窓口になっていると思います。農家は借金を多く抱えて経営基盤を立て直す必要があると私は思っているのですよ。そういった意味では、この資金繰りが厳しい農家のために支払猶予、新規借入れ相談など、農家基盤経営を維持するためにJAとしてどう考えているのかお聞かせください。
○安谷屋行正参考人 今農家さんが大変経営的にも疲弊しているという状況でございますが、個々に農家さんのいろんな状況が違いますので、個別的にいろんな――例えば資金繰り支援ですね。実際にその資金の手当てが必要なのか、あるいはある程度何か月、何年かを猶予すれば元の形の経営体に戻るのかの見極めもしないといけないということでございます。やはりカンフル剤としてとにかく飼料費の高騰支援は必要ではあるのですが、この実態に合わせた形で丁寧にその経営がよくなるように、上手に回復するようなそういう策を当然やらないといけないと。場合によってはいろんな猶予策もそうなんですが、県の支援策と同時並行に我々もまた引き続きいろんな独自の支援策も講じながら、そういうことが必要じゃないかなと思っております。本当に今農家さんが困っているので、まず安心感を与えながらそういう形で柔軟に対応していくというのが、非常に肝要かなと思っております。
○中川京貴委員 先ほど少し出ましたけれども、我々、1月に牛の競りに行ったのですよ。行ったら、我々が相場を見ても60万、70万円する妊娠牛が、もう二、三十万円で出てきたり、この農家の方を見たときに質問をしたのですよね。そしたら、5頭の妊娠牛を全部売ると、もう辞めるんだということを聞いたときに、初めてショックを受けました。もう続けても光が見えない、やればやるほど赤字になって、借金を抱えて、住宅が差押えされるような状況になっているんだということを聞いたときに、もうこのままでは完全に農家が潰れるなということで、今日の委員会になっていると思っています。そういった意味では、借金を抱えている方々の制度をJAがやっぱりやらないとですね、個人によっていろいろ違うと思うのですが、例えばそれにプラス利息も出ますよね。我々もいろんな形で協議しながら支援するのですけれど、やっぱりJAが農家のためにしっかりと支援しなければもたないと思うのですが、いかがでしょうか。
○安谷屋行正参考人 委員のおっしゃるとおりでございます。
やはり一番農家さんの現状、それから経営内容、今の規模に合ったいろんな経営とかですね、その畜産に携わる家族の問題であるとか、我々としましては当然把握しているという状況もございますので、これは個々の農家に合った柔軟な支援策ですね。どういった形で回復させるかという部分は非常に大事なわけですから、当然ながら今までと違った形のいろんな支援策――資金だけではなくて、購買の取引の関係も含めて、貸付料の関係も含めて、これをトータルで支援をしないといけないのかなと、そういう認識でございます。
○中川京貴委員 ぜひですね、こういった農家が苦しんでいますので支援していただきたい。
もう一つは、先ほど説明を聞いたときに県内の食肉センターで、例えば牛の屠畜料を、2万円から極端に6万円ぐらいに、4万円上げないと採算性が取れないと説明を受けました。しかしながらそうなるとですね、流通の形態が崩れると思うんですよね。そういった意味では屠畜料や手数料の値上げに踏み切っていると聞いており、料金の値上げが畜産農家の経営をますます悪化させ、廃業、また頭数の減少につながると思っております。
この屠畜料の値上げについて、今のままではそうならざるを得ないということですか。
○外間勉参考人 お答えします。
令和4年度の決算で部門ごとの損益を出してあるのですけれども、昨年は豚の屠畜でも最終的な税引き前の当期利益でマイナス1億1000万円。そして牛がマイナス8100万円。そしてヤギのほうでマイナス830万円。ということで令和4年2月頃に豚のほうは値上げして、令和5年度は4月から豚は値上げした形で屠畜をしております。そしてヤギについては今年の2月に承認されましたので、令和6年から値上げします。残っているのがこの牛なんですね、そして先ほど言ったように令和4年度の当期利益で言えばマイナス8000万円ということで、屠畜事業の中で一番今負担をかけているのが牛だということで、そこについては県のほうと話をして進めておりますけれども、まだ申請には至っていないというふうなところでございます。ぜひここら辺のところを認可いただければ、牛のほうもプラスに近づけられるかなというふうに思っています。
ただそういったことをしますと、農家の方々を圧迫することになりますので、我々としては当然屠畜料は上げて農家のほうにその上げた分の屠畜料の部分を農家支援のほうにどうにか使っていただけないかなと。そういったことで県の支援ができれば幸いですということでございます。
○中川京貴委員 この屠畜料を上げると沖縄の食文化ということに大打撃が起きると思っています。先ほどの説明でやっぱり沖縄の食肉センターというのは公共性がありますので、これを止めることになると沖縄県全体のバランスが全部崩れると思っていますよ。
そしてもう一つは、委員会でも僕は聞いたのですが、県外においては各行政、また企業はもちろんそうですけれども、行政の支援があると聞いていますが、沖縄県はそういった支援はないのですか。
○外間勉参考人 我々、南部の沖縄県食肉センターなんですけれども、県のほうからも出資していただいております。ただし我々の事業の中に対して、支援というのは一切ございません。
○中川京貴委員 県も株主ということで理解していいのですね。
御承知のとおり、令和5年、6年入って、酪農のミルクの支援、給付金、また子牛の52万7000円の差額の支援、畜産農家に対するいろんな支援を行ってきたはずなんですが、私はこの食肉センターがやはり今の状態で厳しいという――前は食肉センターが本島に3つあった。今沖縄県には本島に2つ、離島に2つの4つあると聞いております。前は沖縄市にもあった中部食肉センターが北部のほうに合併して統合されて、今2つになっていますけれども。この公共性のある食肉センターの位置づけについてこの間の委員会で質問したら統合する話も聞くのですけれども、これ実際話があるのですか。
○嵩原義信参考人 北部食肉センターと南部の県食肉センターを統合するというところは、まだ検討が始まったばかりです。県のほうから働きかけで始まっているのですが、これはあくまでも統合は一つの選択肢であって、今それぞれが赤字を抱えているところを単純に1つにしたって、それは解消できないわけです。経営は改善できないと思っています。
大事なものは行政がどこまで支援をしてくれるかというところだと思っています。県外の事例などを見ても、行政が直営しているのは、岡山、佐賀そのぐらいしかなくて、あとの地域はほぼほぼ県の補助金とかを入れて何とか回しているという実態がございますので、経営の支援を考えるのであれば、統合で全てが解決するというわけではありませんが、選択肢として検討は必要だというふうに考えております。ただそこは生産者にとって利便性が落ちるとか、伝染病がはやったときにバックアップ機能がないとか、いろんな課題もありますので、そういうところも含めて考えるべきだというふうに思っております。
○中川京貴委員 ちょっとびっくりしたのですが、この統合の話はいつ頃から県から皆さん宛てに話があったのですか。
○嵩原義信参考人 まだ公式にテーブルが設定されているわけではなくて、可能性について意見を聴取し出したという段階だと認識しています。
○中川京貴委員 実は、北部の食肉センター、南部の食肉センター、たしか平成15年でしたかね、BSE――狂牛病があったときに両方改築工事をやってですね、沖縄本島で牛が屠畜できない状況に一時なったことがあるのです。それで石垣に牛を送って、向こうで屠畜をして肉を運ぶという時代が一時的でしたけれどありました。僕はそのときに提案したのですが、やはり機械ですから、いつどこで故障したり止まったり、何があるか分からない。これを1つにして赤字を抑えるんだということではなくて、2つを維持して、先ほどから説明を受けているようにこの経営を回すと。養豚を増やす、畜産業も増やして、草地を増やす。物価高騰にも対応できるような仕組みをつくって農家数を増やす。僕はそれが県の仕事だと思っているのですよね。養豚についても小さい養豚はみんな閉めるのですよ。なぜかと言ったら環境をクリアできない。市町村がオーケーしないのですよ。だから公共型の養豚施設を造って、そこを農家に指定管理させるとかね、県が、自治体が公共関与したら反対者はいませんよ。環境をしっかり守って、法律を守って施設を整備することもあるので、そういった前向きな方向で改善するのであって、赤字同士だから統合しようと考えるのは正直言って反対ですね。そういった意味では、せっかくこの話が出ましたので、改善に向けてもっといいアイデアを出すような意向等はいかがでしょうか。
○嵩原義信参考人 まさにおっしゃるとおりで、今の生産頭数が30万頭を切っている状況下では1か所でも回せるのではないかというところだと思っています。なので頭数が増えてくれば、当然双方で採算が取れる状態に持っていけるわけですので、生産基盤を強化するというのが優先的な対策だというふうには我々も考えています。
おっしゃるとおり、バックアップの機能というのも畜産の場合は必要ですので、そういうところを見せて検討はすべきだと考えています。
○安谷屋行正参考人 先ほど中川委員のほうから各屠畜場に対する行政支援があるのかどうかというお話だったのですが、確かに県食肉センターはございません。これは県が株主ではあるのですけれど、ないです。ただし、北部食肉センターは行政からの支援があり、指定管理を受けていますので名護市のものです。宮古島は宮古島市からも経営維持負担金という形で支援がございます。石垣もそうです、その市町村からございます。というような内容でございます。
以上でございます。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
(「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○大浜一郎委員長 質疑なしと認めます。
以上で、請願第1号に係る参考人に対する質疑を終結いたします。
この際、参考人及び補助者に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
本日はお忙しい中にもかかわらず、貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
参考人及び補助者の皆様、本日は誠にありがとうございました。
休憩いたします。
午後0時10分休憩
午後1時30分再開
○大浜一郎委員長 再開いたします。
本日の説明員として、農林水産部長外関係部局長等の出席を求めております。
次に、乙第21号議案沖縄県立農業大学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例についてを議題といたします。
ただいまの議案について、農林水産部長の説明を求めます。
前門尚美農林水産部長。
○前門尚美農林水産部長 委員の皆様、本日はよろしくお願いします。
それでは、農林水産部の乙号議案について御説明します。
本日は、スマートディスカッションに掲載されております乙号議案説明資料により御説明いたします。
今回、農林水産部から提案いたしました乙号議案につきましては、条例議案が2件、議決議案が2件となっております。
説明資料の2ページを御覧ください。
乙第21号議案沖縄県立農業大学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例について説明いたします。
本議案は、昭和50年に名護市に開設された沖縄県立農業大学校が、宜野座村へ移転することに伴い、農業大学校の位置を改める必要があることから、沖縄県立農業大学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正するため、議会の議決を求めるものであります。
以上で、乙第21号議案の説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願い申し上げます。
○大浜一郎委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
これより、乙第21号議案に対する質疑を行います。
質疑に際しては、委員自らタブレットの発表者となり、引用する資料の名称、ページ番号等をあらかじめ述べた上で該当するページを表示し、質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
なお、質疑・答弁に際しては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔に要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
質疑はありませんか。
大城憲幸委員。
○大城憲幸委員 お疲れさまです。
せっかくですのでスケジュールが一番下にあります。基本的には現施設のスケジュール、あるいは新施設のスケジュールはもうこのとおりで進んでいると考えていいのか。それからまた、4月から開学予定ですけれども、基本的には同じ規模で生徒の数も一緒でということで開学の準備をしてきたわけですけれども、その辺生徒の募集、あるいは希望等の直近の状況を教えてください。
○能登拓営農支援課長 お答えいたします。
まず県立農業大学校移転整備事業の進捗状況についてですけれど、今事業では宜野座村松田への移転に向けた新築整備と、それから名護市にあります現農大の解体撤去に取り組んでいるところです。
まず宜野座村の新農大の新築整備について申し上げますと、外構工事などに一部繰越しがございますが、全体としてはおおむね予定どおりの進捗となっておりまして、既に引っ越しや搬入作業も開始しております。当初計画どおり本年4月の開校を予定しているところでございます。それから、名護市の現農大につきましては、現在解体撤去の設計を行うとともに、水質汚濁防止法と土壌汚染対策法に基づく調査等を実施をしているところでありまして、引き続き土壌汚染対策を所管しております環境部の指導を仰ぎつつ、同法に基づく調査及び諸手続を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
それから、新農大の運営の部分ですけれども、基本的には委員からありましたとおり、学生数やコース等についてはこれまでどおりとなっております。ただカリキュラムについては、いろいろ要望なども踏まえて見直しをしておりまして、例えばスマート農業ですとか、それかGAPなどについても、新しく講座に盛り込んで、新時代の担い手の育成に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
○大城憲幸委員 確認ですが、最終的には事業費は幾らになりましたか。これはもう当初の予定どおりですか。途中で何かイレギュラーがあって増えたとか、そういうものもありましたか。
○能登拓営農支援課長 現在、解体撤去などもこれからというところありますので、事業費がまだ確定したところではございませんが、これまでのところ宜野座村の新築整備で約83億4000万円、名護市の解体撤去で約13億円を見込んでいるところでございます。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
(「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○大浜一郎委員長 質疑なしと認めます。
よって、乙第21号議案に対する質疑を終結いたします。
次に、乙第22号議案沖縄県漁港管理条例の一部を改正する条例についてを議題といたします。
ただいまの議案について、農林水産部長の説明を求めます。
前門尚美農林水産部長。
○前門尚美農林水産部長 次に、説明資料の3ページを御覧ください。
乙第22号議案沖縄県漁港管理条例の一部を改正する条例について、説明いたします。
本議案は、漁港漁場整備法の一部が改正されたことに伴い、漁港施設等活用事業の実施計画の認定を受けた者に係る占用料の徴収根拠を定める等の必要があることから、沖縄県漁港管理条例の一部を改正するため、議会の議決を求めるものであります。
以上で、乙第22号議案の説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願い申し上げます。
○大浜一郎委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
これより、乙第22号議案に対する質疑を行います。
質疑はありませんか。
新垣新委員。
○新垣新委員 すみません、具体的にどういう一部の変更を行うのかというのを改めて伺いたいと思います。
○仲地克洋漁港漁場課長 お答えいたします。
漁港漁場整備法の一部が改正され、漁港における海業の推進が現在求められております。図の中段、漁港施設等活用事業のイメージを御覧いただきたいと思います。従来の漁港が有する漁業の拠点地としての役割であり、水産物の生産や流通の拠点としての物消費の機能に加え、海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用し、交流・宿泊施設、販売施設・水産食堂、遊漁・漁業体験等の経験・体験を加えた事消費を拡大していく機能が新たに求められております。このような海業の取組を民間活力の導入も含めて、円滑に進めていくため、漁港管理者である県知事が漁港施設等活用事業の計画を策定するとともに、計画に基づき事業を実施するものを認定することとなっております。
現行の漁港管理条例においては、この海業の取組となる漁港施設等活用事業の実施計画の認定を受けた者から占用料を徴収する根拠が示されていないことから、新たに徴収根拠を追加する改正としております。
○新垣新委員 新たに活用する。本当にいいことだなと思います。漁業施設活用等事業のイメージは理解いたしました。民間活力と。今後このようなイメージに沿った形で、どこを目がけて、何をしたいのかということをちょっとお聞かせ願いたいなと思います。
○仲地克洋漁港漁場課長 お答えいたします。
現在の漁港では、海業による利用や民間事業者の活用に十分対応しておらず、今後海業を振興するに当たり、漁港施設の利活用の在り方、水産業の発展との調和、適正な事業者の確保等の課題があります。これらの課題について、県では令和6年度から県単独費の新規事業を立ち上げ、漁港における海業振興の県方針を策定するとともに、令和6年度はモデル漁港を3漁港程度、具体的な漁港施設等活用推進計画を策定することとしております。この中で、これらの漁港でどういった可能性があるのかというのを、いろいろ聞き取り等しながら定めていきたいと考えております。
○新垣新委員 この条例、私賛成の立場です。
しかし、沖縄県の漁業においてすごくいいイメージをつくって活用というのは、いいことだと思うのだけど、違法放置艇をクリアしないままに進むというのは本当に大丈夫なのと。景観の問題もあるし、そこら辺の兼ね合いとかバランスとか、どうなっているのか。3漁港を目指すというのだけれど、沖縄県で違法放置艇がゼロのところはないと僕は理解しているのですね、実は。そこを進めるというのは、ちょっといかがなものかなというのがあって、その兼ね合いをお聞かせ願いたいと思います。
○仲地克洋漁港漁場課長 県管理漁港を管理しております漁港漁場課のほうでは、これから法改正に伴う海業を推進して取り組んでまいりますけれども、放置艇につきましても、引き続き組織を強化しながら放置艇対策にも取り組んでいきたいと考えております。
○新垣新委員 ちょっと寂しいものがあるなと思って。身近なものも片づけないままに、こうやって前に行くって本当に大丈夫かなという懸念を持っていて。3漁港に対する期待感は正直言ってあるのですけどね。一応はやむを得ない措置として賛成しているので、ぜひ今年度、違法放置艇においてどういう方針を持っているのか。この3漁港を徹底的に行うというのだったら賛成しますし、違法放置艇を早めに片づけるといった目標と指針というのはどうなっていますか。伺います。
○仲地克洋漁港漁場課長 今回モデル地区としましては、糸満漁港等もいろいろ案として考えているところがありまして、例えば3種漁港であります糸満漁港につきましては、放置艇が今57隻ありますけれども、その放置艇につきましては、令和4年度は4隻の処分を行っております。次年度の計画処理としては、放置艇担当者会議や放置艇等の処理方針協議会を開催し、連携を図って、次年度以降も同数以上の放置艇を処理していく取組を行っていきたいと考えております。
また、県においては放置した者を速やかに調査し、移動、撤去等を求める勧告書及び警告書の貼付等を行うなど、行政指導を行って、新たな放置艇が増えないように取り組んでおります。指導に応じない場合は、弁護士等の助言も踏まえながら、監督処分等の厳しい手続も取り組んでいきたいと考えておりますので、引き続き放置艇の解消に向けて、県は取り組んでいきたいと考えております。
○新垣新委員 県の取組は評価するのですけれど、限界があるなと思っています。そこで強い罰則、早めに片づける法律を国と連携してつくるという意気込みは県はないですか。これは本当に水産庁に行ってね、早めに対策、解決しましょうよと。そういった強い罰則も含めて、私はやるべきだと思っているんですね。せっかくこのようないい施設の民間活力のイメージも私は大事にしたいのですよ。今後、このようなことが出ないように強い罰則も両輪のごとく一緒に走らないと、また同じことの繰り返しなんですね。そこも含めてこの漁港においても、夜間でも見えるビデオカメラの設置とかですね。もうモラルがない人がいるものだから、みんな困っているんですから。その辺を含めてまず厳しい罰則を含めてどうですか。検討の余地は考えはありますか。
○仲地克洋漁港漁場課長 漁港における放置艇の現状につきましては、水産庁のほうにも現状をお伝えしているところです。補助事業も水産庁のほうからいろいろ助言いただいているところで、実際に補助事業も活用しながら、処分を行っているところです。引き続きこういった罰則等もまた全国的な情報も収集しながら今後取り組んでいきたいと考えております。
○新垣新委員 正直僕もつらい立場で、地元が糸満なんですけれど、漁港に違法放置艇があるせいで、アッパーの観光客が来なくなっているのですね。そこが今悔しい思いで、市にも沖縄県にも法人税として跳ね返ってこないんですよ。富裕層が来なくなってしまってですね。景観の問題があって。そこで部長、知事も先頭に水産庁に行って、地元選出の国会議員、与野党一つになって、早くこれを片づけてほしいのですよ。こうやっていい構想があっても、また同じことの繰り返しがないように罰則も含めた形でいかないと、これよくならないと私は思っているんですよ。糸満市は当事者で被害者なんですよ。はっきり言うけど、この船も糸満市の人ではないんですよ。だからそこをモラルの問題があるので、厳しい罰則を強化して頑張っていただきたいのですが、改めて部長どうですか。知事を先頭に地元選出の国会議員も一つになって、頑張っていただきたいんですよ。いかがですか。これは糸満市や沖縄県も被害者ですよ。
○仲地克洋漁港漁場課長 現在県のほうも糸満漁港の環境等につきまして力を入れているところがありまして、令和5年度につきましては、水中にある放置船を引き上げて処分するという取組も、実際県のほうで行ってきているところです。引き続き次年度以降においても糸満漁港については、そういった形で取り組む所存であります。
○新垣新委員 頑張っていただきたいというのと、私はこれは強い罰則強化がない限り直らないと。県の努力も分かるのですけど、ちまちましてですね。この方々が逃げられて困るなという――逃げられた部分もあると思います。聞いています。そうならないように対策を打っていただきますようお願いして、この条例に賛成する立場で質疑を終わりたいと思います。頑張ってください。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
玉城武光委員。
○玉城武光委員 ここの中に、漁港施設に関する事業計画を立てたところにという話があるのですが、活用事業という計画を策定できるところにしか、そういうものはできないということで理解していいですか。
○仲地克洋漁港漁場課長 県管理漁港でありますと県のほうで、漁港施設等の活用事業に向けた計画を立てていくことになります。その計画を立てた上でこの漁港に対しては、どういった海業の取組ができるかということが、基本的にこの計画に基づいた内容のものに対して認定する形になりますので、この計画が必要になってきます。
○玉城武光委員 漁港施設等活用事業ということで、赤い枠で囲まれているところに漁業施設の貸付け、最大30年。漁港水面施設運営権、最大10年、更新可能の設定。水面等の長期占用、最大30年。これは今後計画を策定するところにそういう3つの項目に利用させる、それから占用をさせる、運営権を任せるということになるのですか。
○仲地克洋漁港漁場課長 海業の取組としては、例えば水産物の食堂、直売店等といった施設もあります。こういった実際に建物を建てる場合には、やっぱり30年程度の占用期間というものが必要になりますので、こういった貸付けについては最大30年という、こういった優遇もされるような形での改正となっております。
○玉城武光委員 これは漁港施設等管理事業計画というのは、策定するのは県なの。各漁協なの。
○仲地克洋漁港漁場課長 漁港施設等活用事業を行うに当たっては、この実施計画というのを策定していきます。漁港管理者の活用推進計画の下、民間事業者を含めた事業実施者が創意工夫を生かし、地域水産業の消費増進や交流促進の事業計画を策定するものとなっております。
○玉城武光委員 聞いているのは、事業計画を策定するのは、県なの管理者なの。管理者の県なのか、それとも民間も出てくるよね。それとも漁協なのということ。
○仲地克洋漁港漁場課長 漁港施設等活用事業で実施計画を行う者は、民間事業者を含む事業実施者となっております。漁協も入っております。
○玉城武光委員 先ほど3つのモデルとか言っていたでしょ。どことどこですか。
○仲地克洋漁港漁場課長 モデル地区については、いろいろこれから精査しながら決めていきたいと考えております。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
上里善清委員。
○上里善清委員 すみません、これは船だまりも入っていますか。
○仲地克洋漁港漁場課長 今回、漁港漁場整備法の新たな改正に伴って行う事業ですので、今回漁港区域に限られて、船だまり、港湾区域は入っておりません。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
(「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○大浜一郎委員長 質疑なしと認めます。
よって、乙第22号議案に対する質疑を終結いたします。
次に、乙第35号議案訴えの提起についてを議題といたします。
ただいまの議案について、農林水産部長の説明を求めます。
前門尚美農林水産部長。
○前門尚美農林水産部長 次に、説明資料の4ページを御覧ください。
乙第35号議案訴えの提起について御説明いたします。
本議案は、農業改良資金融通法に基づく農業改良資金の貸付金の償還が長期にわたり延滞となっており、主たる債務者、連帯保証人及び連帯保証人の相続人に対し、貸付金の返還等を求める訴えを提起するため、議会の議決を求めるものであります。
以上で、乙第35号議案の説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願い申し上げます。
○大浜一郎委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
これより、乙第35号議案に対する質疑を行います。
質疑はありませんか。
(「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○大浜一郎委員長 質疑なしと認めます。
よって、乙第35号議案に対する質疑を終結いたします。
次に、乙第36号議案訴えの提起についてを議題といたします。
ただいまの議案について、農林水産部長の説明を求めます。
前門尚美農林水産部長。
○前門尚美農林水産部長 説明資料の5ページを御覧ください。
乙第36号議案訴えの提起について御説明いたします。
本議案は、林業改善資金助成法に基づく林業生産高度化資金の貸付金の償還が長期にわたり延滞となっており、主たる債務者及び連帯保証人に対し、貸付金の返還等を求める訴えを提起するため、議会の議決を求めるものであります。
以上で、乙第36号議案の説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願い申し上げます。
○大浜一郎委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
これより、乙第36号議案に対する質疑を行います。
質疑はありませんか。
(「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○大浜一郎委員長 質疑なしと認めます。
よって、乙第36号議案に対する質疑を終結いたします。
休憩いたします。
(休憩中に、補助答弁者の入替え)
○大浜一郎委員長 再開いたします。
次に、農林水産部関係の請願第1号及び陳情令和3年第123号外26件を議題といたします。
ただいまの請願及び陳情について、農林水産部長等の説明を求めます。
なお、継続の陳情については、前定例会の処理方針等に変更があった部分についてのみ説明をお願いいたします。
前門尚美農林水産部長。
○前門尚美農林水産部長 それでは、農林水産部関係の請願・陳情案件について説明いたします。
請願・陳情説明資料(処理概要)の2ページにあります目次を御覧ください。
農林水産部関係の請願・陳情は、新規請願が1件、継続陳情が24件、新規陳情が3件となっております。
本日は、①の新規請願と、継続審査となっております陳情のうち、処理概要の変更がありました⑨、⑮及び⑯の継続案件3件、㉕から㉗までの新規案件3件について、説明いたします。
なお、6番の継続陳情令和5年第12号のうち、記の1、3及び4につきましては、処理方針を引用しておりました陳情が前定例会で採択となったことを受け、当該処理方針を転記したものであり、内容に変更はありませんので、説明を割愛させていただきます。
それでは、初めに新規請願1件について説明いたします。
6ページを御覧ください。
請願第1号沖縄畜産業の経営体質強化支援に関する請願につきまして、処理方針を読み上げて説明いたします。
7ページを御覧ください。
記の1につきましては、近年の飼料価格高騰により、県内の畜産農家は非常に厳しい経営状況にあります。
県では、畜産農家の経営安定を図るため、配合飼料及び粗飼料購入費の一部補助を令和4年度より実施しており、令和6年度当初予算案においても、継続的な支援に係る予算を計上しているところであります。
しかしながら、飼料価格は高止まりしていることから、県としましては、今後の飼料価格の動向及び国の対策等を注視しつつ、引き続き生産者や市町村、関係団体等と連携し、畜産農家の経営安定に向けて取り組んでまいります。 記の2につきましては、(1)県では、令和5年度に養豚経営の安定を図るため養豚生産性向上対策事業を実施し、高能力種豚を導入しております。
種豚の導入については、国が実施する養豚経営安定対策補完事業に同様の補助があることから、農家に対して同事業の活用を促しつつ、補助要件に該当しない種豚や精液については、どのような支援が可能か引き続き生産者等と意見交換を行い、養豚経営の安定に向けて取り組んでまいります。
高能力種豚の導入事業を行わない農家に対しては、県家畜改良センターで生産する優良種豚の導入が経営上有利と考えられることから、当該センターからの種豚導入を推進してまいります。
高能力種豚の受入れに伴う施設整備については、畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業(畜産クラスター事業)での実施が可能であることから、事業実施主体である畜産クラスター協議会と事業実施に向けて取り組んでまいります。
(2)畜産経営の安定を図るため、県では家畜保健衛生所や普及センター等に配置している獣医師や畜産技師による飼養衛生管理基準遵守指導や経営改善指導、及び講習会等を行っております。また、沖縄県畜産振興公社では、経営感覚に優れた生産性の高い畜産経営体の育成を目的とした沖縄県畜産経営技術改善指導事業を実施しており、畜産経営コンサルタントによる個別支援指導や講習会の開催等を行っております。
県としましては、引き続き関係機関等と連携し、畜産振興を図ってまいります。
記の3につきましては、(1)県では、養鶏農家の経営安定を図るため、生産費の約半数を占める飼料費の一部補助を令和4年度から実施しており、令和6年度当初予算案においても、継続的な支援に係る予算を計上しているところであります。
さらに、国では鶏卵生産者経営安定対策事業において、鶏卵の取引価格が基準価格を下回った場合に対する差額補塡や、需給調整のために鶏舎の空舎期間を設けた生産者に対する奨励金の交付、鶏卵の需給見通しの作成等に対する支援を行っており、県では、当該事業における生産者積立金の一部補助を行っております。
(2)鶏卵生産の効率化・拡充施策に向けた共同育雛支援施設の整備については、畜産クラスター事業によって収益性向上を目的とした飼養管理施設の整備を実施することが可能となっております。
県としましては、引き続き生産者や関係機関等と連携し、事業実施に向けて検討してまいります。
記の4につきましては、(1)食肉センターにおいては、家畜飼養頭数の減少に伴う稼働率の低下が、経営上の課題であると認識しております。
このため県では、家畜飼養頭数の増頭を図るため、畜産農家に対する飼料費補助に加え、養豚農家が導入する高能力種豚の導入経費の一部補助を実施しております。
県としましては、引き続き食肉センターの稼働率向上のため、家畜の増頭に向けた畜産農家への生産支援に取り組んでまいります。
(2)食肉センターにおける専門的な特殊技能職員は、高度な技術と経験が必要であることから、安定的な食肉流通体制を維持するためには、県内の食肉センターの連携並びに協力体制の構築による人材育成等が重要であると考えております。
県としましては、食肉センター連絡協議会等を活用し、食肉センターの連携強化による職員の技術研修派遣や専門技術員の招聘指導に向けた調整、国や県が企業向けに実施する人材育成等に係る補助金制度について情報提供を行うなど、関係団体等と連携し、食肉センターの経営安定に努めてまいります。
請願につきましては、以上となります。
次に、継続陳情3件について説明いたします。
31ページを御覧ください。
令和5年陳情第54号の2令和5年度離島・過疎地域振興に関する要望事項に関する陳情につきましては、処理概要に変更がございます。
34ページを御覧ください。
記の8につきましては、下線に示したとおり、「なお、今回の宮古島農振整備計画の見直しについては、市及び農業委員会と意見交換を重ね、令和5年6月27日に県は事前協議に同意する旨の回答をしたところであります。
その後、宮古島市において整備計画案の公告縦覧が行われ、令和6年2月6日に県は法定協議に同意し、2月19日の宮古島市による整備計画変更の決定公告をもって手続が完了しました。
県としましては、今後も市町村の実情を踏まえ、地域農業の持続的な発展に資するよう、連携して取り組んでまいります。」に修正しております。
53ページを御覧ください。
令和5年陳情第110号の2令和5年度美ぎ島美しゃ(宮古・八重山)圏域の振興発展に関する陳情につきましては、処理概要に変更がございます。
55ページを御覧ください。
記の4につきましては、下線に示したとおり、「県は令和5年9月19日に事前協議に同意する旨の通知をしたところであります。
その後、石垣市において整備計画案の公告縦覧が行われ、県は法定協議に同意し、1月30日の石垣市による整備計画変更の決定公告をもって手続が完了しました。」に修正しております。
57ページを御覧ください。
令和5年陳情第117号農業振興地域整備計画に係る早期対応を求める陳情につきましては、処理概要に変更がございます。
14行目から25行目までは、先ほど御説明しました令和5年陳情第110号の2の記の4と同じとなっております。
29行目を御覧ください。
「県は令和5年10月16日に事前協議に同意する旨の通知をしたところであります。
その後、竹富町において整備計画案の公告縦覧が行われ、令和5年12月15日に県は法定協議に同意し、12月18日の竹富町による整備計画変更の決定公告をもって手続が完了しました。
与那国農業振興地域整備計画の見直しについては、町の基礎調査を経て、県との予備調整が始まるところです。
県としましては、引き続き与那国町と連携し、対応してまいります。」に修正しております。
続きまして、新規陳情3件について説明いたします。
82ページを御覧ください。
陳情第13号太平洋クロマグロの知事管理区における漁法別枠設置に関する陳情につきましては、処理方針を読み上げて説明いたします。
国際的な水産資源である太平洋クロマグロについては、国際機関である中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)主導で、漁獲可能量による資源管理が行われており、我が国の漁獲可能量についても、同機関において決定されております。
本県のクロマグロ漁業はおよそ95%がはえ縄による漁獲であり、その比率は都道府県別の漁獲割当が始まる以前から今日まで、大きな変化はありません。
現在、クロマグロ資源の回復に伴い、漁法を問わず放流が増加している状況ですが、国としても資源回復に見合った漁獲枠は確保できておらず、国にも増枠へ向けて取り組んでいただいているところであります。
十分な漁獲枠が確保できていない現状で、漁獲枠を細分化して管理を行うことは、枠ごとの超過リスクも高まり、適正な漁獲管理が難しくなると考えております。
県としましては、漁法別の漁獲枠設定のためには、水産業界としての意見集約が必要であると考えており、水産関係団体と連携し、漁獲枠の管理方法について検討を続けるとともに、引き続き国への漁獲枠の増枠を求めてまいります。
次に、84ページを御覧ください。
陳情第21号沖縄の離島における黒糖製造事業者の経営継続とサトウキビ農業を守るための政策支援に関する陳情につきましては、処理方針を読み上げて説明いたします。
85ページを御覧ください。
記の1につきましては、含蜜糖は小規模離島で生産されており、サトウキビ以外の農作物の代替性に乏しく、地域の農業・経済を支える重要な基幹産業となっております。
一方、気象災害等による原料の豊凶変動、それに伴う含蜜糖製造量の増減幅が大きく、市場への安定供給が難しいため、生産者や製糖事業者の経営が不安定な状況となっております。
県としましては、含蜜糖地域の製糖事業者の経営安定及びサトウキビ生産者の所得確保を図るため、製糖事業者の経営状況の把握に取り組むとともに、一括交付金を活用した含蜜糖生産条件不利補正対策事業の所要額の確保に努めてまいります。
また、インボイス制度導入については、国や農業団体等と連携し、製糖事業者に不利益が生じないよう、経営安定に向けた支援に取り組んでまいります。
次に、86ページを御覧ください。
陳情第22号沖縄の離島におけるサトウキビ農業と黒糖製造事業者の経営安定に関する陳情につきまして、処理方針を読み上げて説明いたします。
87ページを御覧ください。
記の1につきましては、陳情第21号に同じとしております。
以上、農林水産部所管の請願・陳情案件について説明いたしました。
御審査のほど、よろしくお願い申し上げます。
○大浜一郎委員長 農林水産部長等の説明は終わりました。
これより、請願等に対する質疑を行います。
なお、質疑に際しては、委員自らタブレットの発表者となり、請願等の番号を述べた上で該当するページを表示し、質疑を行うよう御協力をよろしくお願いいたします。
質疑はありませんか。
新垣新委員。
○新垣新委員 まず今日の午前中、農協関係者の要望もお聞きしました。
請願第1号、新規ですけど、関連して質疑します。
改めて3億円の飼料代なんですけど、やはり現場とのかけ離れた支援額が、差が大きいんですけど、その件に関して増額すべきじゃないかなと思うのですけれども、部長の見解を求めます。
○金城靖畜産課長 お答えします。
令和6年度当初は3億円程度の予算を要求しております。
県としましては、畜産農家の経営状況、餌が高止まりしていることから大変苦しいものと理解しております。県としましては、国の動向とか、畜産経営安定対策の状況、または畜産物の価格も、午前中にありましたけど、上がっているものもあれば、下がっているものもある。その辺も見極めながら、どのような支援が可能か対応してまいりたいと考えております。
○新垣新委員 これは分かるんですけれど、もう生きるか死ぬかなんですよ。借金に借金を重ねて、もう借り切れないという状況も、もう代表質問、一般質問で我々は述べているんですね。そこら辺がやっぱり慎重過ぎるなというのが正直な思いで、どうにか救済策としてまず飼料、助けてあげてほしいんですよ。そこら辺の検討課題というのを急ぐべきだと思うんです。もう大きな声も出せない、もう元気もなくなっているんです。もう1年前からずっとこんな議論で、廃業している農家もいるんですよ。もう沖縄ブランドが死にかけているんですよ。それでもこういう国とか市町村とか言って、まずは県独自の努力をしてほしいということなんですよ。どうですか部長、これ部長ですよ、もう。何回も同じことをやって疲れ果ててきている私は。糸満市の畜産業者も倒産しているんですよ。沖縄ブランドは死ぬというレベルですよ、もう。どうなんですか部長、慎重過ぎる。
○前門尚美農林水産部長 ただいま委員のほうからもありましたように、飼料高騰ですとか、子牛の価格の低迷による畜産農家の経営状況は大変厳しい状況にあることは承知しております。改めて、家畜保健衛生所職員ですとか普及センター職員を通して、現状を詳細に確認しているところです。また、知事は13日、そして本日19日に現地視察ということで、現場の声を聞いております。
現場の声の中から一部紹介しますと、飼料費の拡充の話ですとか、やはり生産コスト全体に占める飼料費の割合が大きいですとか、また国と県とのすみ分けの部分の補塡はあるんですけれども、それ以外に行き届かないところの支援も必要だ、みたいな声があったと聞いております。
私も16日に今帰仁の競り、そしてまた17日に南部の家畜競りを見せてもらい、また生産者の意見を聞かせてもらったところですけれども、大変厳しい状況です。委員おっしゃる支援も含めて、知事、副知事も含めて早急に検討していきたいと思います。
○新垣新委員 我々もずっと訴えて。財政調整基金も早く出して、まずこれ飼料代、借金に借金を重ねている経営状況も直さないと、家も取られるというぐらいの危機感、悲鳴なんですね。そこに関して、これはいつまでに大体結論が出るの。もう国とか市町村と言わないで県独自でと私は聞いているの。どうですか部長、いつまでにですか。沖縄ブランドが生きるか死ぬかですよ。
○前門尚美農林水産部長 委員のおっしゃる支援も含めて、今求められている支援、そして県として対応できる支援について、早急に知事、三役を含めて検討していきたいと考えております。
○新垣新委員 誰一人取り残さないという言葉について、部長は応えられますか。信じていいんですか。こんな遅い、のんびりして――鹿児島とか、宮崎とかに聞いたら、県独自の支援をやっているんですよ、同じ九州で。何で沖縄県こんなに慎重過ぎるのかというのが、悲しいんですよ。廃業していく、ブランドが消えていくということに、早めのメスとか、カンフル剤を打てないのかということなんですよ、私が言いたいのは。言葉が慎重過ぎて悲しさを感じるわけ。そこら辺、意見交換じゃなくて、僕は現場の子牛とかを見たらヨーガリーヒーガリーですよ。だから子牛価格も牛の価格も下がっているんですよ。糸満市では和牛業者が多いですから。だからそこも含めて糸満市だけではなくて、全体を踏まえた早い財政調整基金の活用を、私はこれ100億円は使うべきだと思っていますよ。餌代も、この経営の借金を持続させないためにも。今やればやるほど借金を積んでいくという答えがはっきり出ているんですよ。それは分かりますか、部長。改めて伺いますよ。やればやるほど借金を重ねていくということを分かっていますか、部長。
○前門尚美農林水産部長 委員おっしゃった意見も踏まえ、そしてまた現場の意見も、知事のほうがまた現地のほうで視察とか意見交換をしておりますので、早急に知事を含めて検討をしていきたいと考えております。
○新垣新委員 ぜひ早急に答えを出していただきますよう期待をして――沖縄県は本当に困っている人を助けるんだなと、本当に信じたいと、私は早めの決断を求めたいと思います。ちまちました形ではなくて県独自の努力ですよ、市町村とか国とか言わないでですね。お金はあるんですから、460億円余りの財政調整基金が。ぜひ助けていただきますようお願いします。
最後に新規の82ページ、クロマグロの件です。
捕っていい時期、捕ってはいけない時期という形で、もうそろそろシーズンを迎えるんですけど、この設置に対する問題等において、近隣の台湾とかとの調整等はどうなっていますか、伺います。日台漁業協定です。
○平安名盛正水産課長 お答えします。
日台漁業取決めにつきましては、3月13日から16日まで台湾のほうで開催されました。ただ残念なことに、今回はルールの改正には至らず、2019年ルールで継続して進めていくということが協議の結果となっております。
○新垣新委員 この2019年ルールになると、またお互いに操業の取り合いになって、事故等が心配、危惧はあるんですけど、EEZを含めて、境界内を含めて、そういった事故等、それと網とかですね、その問題の兼ね合いはどう考えていますか。
○平安名盛正水産課長 お答えします。
日台漁業取決め、八重山北方三角水域におきましては、台湾のはえ縄が日本側の操業海域に流れることで、縄が絡んだりとかということで、沖縄の漁業者が非常に慎重になっているということについては認識しております。
○新垣新委員 そこでトラブルとかは過去に多いと思うんですけど、どう思いますか。
○平安名盛正水産課長 八重山北方三角水域における事故等につきましては、実際あることはあるんですが、この協議の中では、国としては公にはなかなかされていません。ただ、台湾側としては異常潮流ということで、たまたまはえ縄が日本側の水域に流れているというような見解で説明していると聞いております。
○新垣新委員 最後に、この問題等ですね、お互いが円満な形で漁獲ができるようにぜひ調整していただいて、いい形でお互いの経済が、また食糧ができるように頑張っていただきますよう、強く求めて私の質疑は終わります。頑張ってください。
以上です。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
仲村未央委員。
○仲村未央委員 新規の、午前中の参考人の招致があった件ですけれども、先ほどの参考人の資料は皆さん、手元にありますか。それの3ページのほう、3と書いてあるページの配合飼料価格の推移と支援状況という右下のほうのグラフがありますよね。それで見ていくと、国の支援、県の支援もどんどん減るような状況ですよね。実際には農家さんの負担というのは、この資料に基づけばより増えていくという状況がある中で、支援のほうはどんどん減っていくというような立てつけになるんですけど、これはもう十分に激変というのが収まったという理屈でそういう支援が減っているんですか。
○金城靖畜産課長 お答えします。
国は配合飼料価格の高止まりが続いていますので、それに関してはもう生産費はこの程度だろう、これであまり動かないだろうと。あとは経営安定対策ですね、例えば肉用子牛補給金制度、そういうもので補塡していく考えということで聞いています。
しかしながら、本県はやっぱり日本本土と、全国的にも違いますので、今回行っている沖縄和牛子牛価格差補給金とか、沖縄県独自のそういうのは必要だと思います。餌に関しても、やはり今回の意見交換会で非常に意見が多かったものですから、何らかの支援策は対応していかないといけないかなと考えております。
○仲村未央委員 その生産費が落ち着くだろうと言っても、実際先ほどの参考人の話だと、とても落ち着く状況ではなくて、むしろ非常に、10万円超えをして、厳しい中にあるというような認識だったですよね。県としてはどういう認識なんですか。沖縄県が特にどの辺りで全国の状況と違うのかという部分を示せますか。
○金城靖畜産課長 お答えします。
今正確には示せませんけれども、やはり飼料費ですね、午前中もあったと思うんですけど、県外からの運搬費、飼料代、またできた畜産物の移出費用ですか、そういうものとかもありまして、やはり沖縄県独自の生産費はかかっている思います。また、畜産物につきましても価格転嫁は進みつつありますけれども、まだ完全には価格転嫁はできていないと思います。だから、価格転嫁が完全に、経営が成り立つまでは何らかの支援が必要なのかなと考えております。
○仲村未央委員 もし生産コストで沖縄県が特に他県と比べて独自のコスト高が構造的にあるということであれば、それは大ざっぱな話ではなくて具体的に、どれくらい全国の状況とは違う状況にあるんだということを数字で示して、もし必要な要請があるのであれば、そこは県としてもしっかり国に対しても上げていかないと、先ほどの状況だともう離農はとどまるところを知らないということで、次々と負のスパイラルの状況に陥っているという、まさに悲鳴でしたよね。
ですので、今言うように輸送のコストのことなのか何なのかという――どの部分がほかの県とも比して圧倒的にコスト高の構造にあるんだということを、何かまとめるつもりがあるのか、そこはどうなんですか。何か具体的に国や、しかるべき要請レベルに上げていく必要というのはいかがでしょうか。
○金城靖畜産課長 お答えします。
今飼料費、例えば中城湾港にはサイロを造って、外交船を直接入れて飼料費を安くして、それでしたらトンで700円でしたか、安くするということで造りましたけど、コロナ禍とかいろんな状況がありまして、そこに入る外交船じゃなくて、もっと大きくなってしまったものですから、結局また九州に行って来るという形とか――数年で相当変わるものですから、その辺をやっぱり計算しながらどのような支援というか、どのぐらいの差があるのかは今の状況で計算し直して、いろいろやっていく必要があると思います。それが出た上でいろんな対策を練っていきたいなと考えております。
○仲村未央委員 1つの理由ではないとは思いますけれども、特段コストを押し上げる背景が具体的にあるのであれば、そこはやっぱりしっかりと背景も含めて要求すべき何かがあるのかというのはしっかりしてほしいなと。これは個人のレベルの農家さん、生産者のレベルをはるかに超えた今負担感になっているというのが先ほどの話ですので。
それから、先ほどの参考人のお話の中で畜産経営モデルという、県のほうが示している何かモデルがあって、この最終利益についてこれぐらいを出せるということのモデルを皆さん持っていらっしゃるということだったんですよね。それは何のためにそれをつくっているのか、それからこれは例えば飼料費が幾らという想定でそのモデルを作成しているのか。今これがもう実際には全く今の数字だと、現実とは全くかみ合わないというようなことだったんですよ。それは何のためにそもそもつくるのか、これは幾らのときのモデルとして持っているのか、お尋ねいたします。
○金城靖畜産課長 お答えいたします。
畜産経営技術指標ということで、大体10年スパンでつくっていて、前回が3年前だったと思うんですよ。そのときがやはり子牛自体が70万円とか、飼料高になる前で、子牛の価格低落も起こる前でした。経営指標ですから、例えば今使うんでしたら、子牛は70万円では売れない、50万円ですよと。じゃそれを50万円に置き換えて、予算も当時はトン6万円だとしたら、今は8万円、9万円に置き換えてやると、こういう状況だねということで、このとおりにやりなさいではなくて、これをモデルにして自分で計算してくださいということ。それは家畜保健衛生所とか、普及センターでもありますので、私の規模とか、私の経営実態、それに照らし合わせながら、自分の経営、こういう状況なんだというのは客観的に見ることができますので、そういう使い方をしてくださいという指標です。
○仲村未央委員 だから、そういう使い方をしてくださいという、その指標に照らすと、400万円もうかるどころか、1500万円赤字だというような説明だったわけです、今の現状のことではね。そうなると、そこがむしろ支援をする際の必要性――つまり今の状況でやっていたらどんどん赤字になってしまうということは、それこそモデルに当てはめれば一目瞭然なわけで、このかけ離れた状況をどう支援していくかということの一つの基準というか、それを見るときに、農家さんの経営の厳しさを見るに、そのモデルが基本的にはかけ離れた現状にあるということであれば、やっぱり支援の規模というのもおのずとそこから出てくるのかなという感じはするんですけど、それはそういう意味で県が農業支援、その畜産支援を考えるときに、このモデルというのはどういうふうに皆さんは逆に使っているのか、活用しているのか。
○金城靖畜産課長 お答えします。
やっぱり農家個々でも違いますし、例えば子牛が40万円でしか売れない人もいれば、今でも60万円、70万円で売っている方もいます。やっぱりそのモデル的にタイプ別に変えてありますけれども、やっぱり相対的に大きな話をしないと――餌がこれだけ上がっていると、餌の補助はこのぐらい必要です、また子牛の補給金はこのぐらい発動されています、それで差し引いてどのぐらいなのかという、支援のときには大まかなものを出してやらないといけないので、経営指標のそういうものも参考にしながら、今後の支援策は対応していきたいと考えております。
○仲村未央委員 それと食肉センターの支援の必要も先ほど出ていましたね。頭数がもちろん上がらなければ、経営が軌道に乗らないという分岐点みたいなものも示されていましたけれども、皆さんは現状をどう把握しているのか。そして先ほどの陳情処理方針ですと、「稼働率向上のため、家畜の増頭に向けた畜産農家への生産支援に取り組んでまいります」となっているんですが、この家畜の増頭がそもそもできない今の状況が食肉センターを厳しくさせているわけですよね。だから、悠長な問題ではないので、どのような支援を、食肉センターに直接経営支援をするのか。途端に今増頭できるような状況だったら、物事は解決するんですけれども、できないから非常に困っているわけですよね。だから、そこら辺は一体県としては、増頭するにしてもいつまでに何頭増頭させようという支援の在り方を検討しているのか。それが見通しがないほどのレベルの増頭数であるならば、当面の食肉センターへの支援というのをどう考えているのかというのはお答えできますか。
○金城靖畜産課長 午前中にもあったように食肉センター、本来なら、整備当初は大里の食肉センターで30万頭、名護で15万頭で、45万頭でした。でも今は30万頭切るか切らないかになっています。そうなると両方で潰したら赤字になるんじゃないかということで、双方の食肉センターがどういう在り方がいいのか――午前中はちょっと協業とかも出ていましたけれども、どのような在り方がいいのか。例えば1か所にまとめてこっちは補助的にやるのかとか、方法はいっぱいあります。そういう話合いを始めようということで今テーブルについて、方向が決まれば、それに対しての支援をまた考えないといけないなと思っています。今のところはまず在り方ですね。食肉センター同士でありますので、その辺をちょっと一緒に入って検討しながら、支援策を考えていきたいなと考えております。
○仲村未央委員 じゃ、先ほど中川委員から質疑があったように、皆さんは合併とか、2つを1つに合わせようという方向を、まず解決策の一つとして考えているということですか。
○金城靖畜産課長 そういうことではなくて、それも方法の一つであるというか、2つで頭数をどう割るのかとか、いろいろあるとは思いますけれども、その話合いが今始まったところです。双方の食肉センターがどう持っていきたいかがない限りは支援の仕方が難しいのかなと思いまして、それを見ながら支援を考えていきたいと考えています。
○仲村未央委員 私が聞いているのは、双方の食肉センターがどう持っていきたいかじゃなくて、県の畜産振興の立場から、この増頭がない限り食肉センターは立ち行かないわけですよね、経営モデルとしてはね。受入れ頭数が減ったら採算が取れないわけだから。もともと問題の一番大きな背景にある生産がおぼつかない、それでどんどん頭数も減って、農家も減って、という今の状況をどう改善させるかと連動している問題ですよね。だから、食肉センターが最初にどうあるかという話ではなくて、今の家畜の増頭、どう増やすかということについて見通しはあるんですかと。皆さんの陳情処理方針が家畜の増頭に向けた畜産農家への生産支援に取り組んでまいりますとなっているから、それはいつまでにどれぐらい増やそうという支援の仕方を想定して、食肉センターの改善を図ろうということなのか。でも、とても今の頭数の減り方だと非常にこれ厳しいなというふうに見えるもんだから。それが途端に改善するということでなければ、当面食肉センターの支援というのをどう考えているのかという、この2つを聞きたいわけです。
○金城靖畜産課長 増頭につきましては、種豚の導入の補助事業とか、そういう多産系の豚を入れて増頭を目指していますけど、今歯止めができている程度です。これも事業を続けながら、いろんな補助事業を導入しながら、増頭に向けてはやっていきたいと思います。
食肉センターへの支援としましては、似たような県外のそういう食肉センターを調査しながら、直接支援ができるのかも、その方法とかもいろいろ調べながら、今後どのような支援策ができるか、対応策を考えていきたいと思います。
○仲村未央委員 何かとても悠長に聞こえるんですよ。午前中のを皆さんも聞いていたと思うんですよね。もう今日、明日、もう本当にせっぱ詰まって廃業寸前ですよと。これ以上離農者が増えると、本当に沖縄の畜産業自体が壊滅的な状況になりかねないというぐらいの危機感をさっき示されているわけだから、これから考えていきますというような形だと、何だか非常にかみ合っているのかな、現状の認識は一致しているのかなと非常に気になるんですよね、今の答弁だとね。だから、もう少し具体的な数字とか何かないのか、支援の在り方にしても、さっきから言う増頭の見通しについてもですね。それはもう少し踏み込んだ答弁はないですか。
○金城靖畜産課長 お答えします。
やはり委員がおっしゃるように、ちょっと見通しがつかないというか。まずは今餌ですね。餌があると増えた豚も買えるしということで、まずは餌で何かできないかなということで、飼料が今非常に困っているということで。養豚農家からは、飼料があれば増頭もできますし増産もできますということで、取りあえず一番の策は餌の何らかの支援かなとは考えています。
それに伴い優良種豚の導入とか、そういうのをやりながら、豚の増頭をしながら、また食肉センターの在り方も考えながら、畜産振興を図っていけたらなと考えております。
○仲村未央委員 ぜひそこはもう少し具体的な、どのような危機認識を持っているのかということが分かるような数字などを示していただければなと思っております。
それから、先ほど今出た優良種豚のことも再三出ていましたけれども、補助要件に該当しないような今のやりようについても、非常に半年ぐらいのタイムラグがあって合理的ではないという指摘が先ほど出ていましたでしょ。それについては改善できますか。5か月ぐらいと言っていたかな、成長するまで時間がかかる――3か月だったかな。それぐらいかかるのに、先にあるものについては使えないという話をしていましたでしょ。補助の縛りがあるんじゃないんですか。その要件の緩和が必要だというようなお話だったと思うんですけれども、そこはすぐ改善できることはやっぱりやったほうがいいんじゃないかと思ったんですが、いかがでしょうか。
○金城靖畜産課長 お答えします。
養豚生産性向上対策事業は令和5年度に6月補正の緊急対策で組んだものです。ですから、ちょっと走りながらというものがありました。来年度はまだ予算要求はしていないんですけれども、先ほどの処理方針にもありましたとおり、国の事業とちょっとダブるところもありますので、その辺は省きながら、これは沖縄県独自でしかできないような項目は、養豚農家と話ししながら、改定しながらまた対策を練っていきたいなと考えております。
○仲村未央委員 要は補助要件に該当しないというものの改善についてはできそうですか。
○金城靖畜産課長 やはり去年はちょっと走りながらでできなかったものもあります。5か月間しかできなかったから、例えば自分の持った豚には種つけできなかったとかいうのも出てきていますので、これを継続すると、この辺のまた改善点が出てくると思いますので、改善しながら農家の希望に沿えるようなことにしていきたいとは考えています。
○仲村未央委員 ぜひ部長のほうも、先ほど現場を見られたということですけれども、午前中のお話だと本当に鬼気迫るような状況でしたので。もし特段、沖縄の経営コストに関して、生産コストに関して構造的な部分があるのであれば、ここをもっと分かりやすく、我々も含めて説明を聞きたいですし。それをやっぱり数値化したり、示していくことの中でしか、どれが適切な、必要な支援なのかという規模感が全く今かけ離れているわけですよ。皆さんの実際の予算の規模と向こうが必要とするものがちぐはぐなものだから、判断が非常に難しいわけですね。だから、どうなのかというところが分かるような取組を強くお願いしたいんですけれども、そこはいかがでしょうか。
○前門尚美農林水産部長 今現場のほうとの意見交換もそうなんですけれども、実際に指標というか、数値も見ながら、競りの価格動向も見ながらやっているんですけれども、飼料費の激変緩和と言っているんですけど、やっぱり高止まりしていて厳しい、飼料の拡充ですとか、あとちょっと競りを見て思ったんですけど、個人的なものもちょっと入るんですけれども、やはり伊是名、伊平屋は1泊するとか、粟国もどうしても輸送のときに痩せるものですから、ここでしばらく飼い慣らしをして競りに出す、そして八重山、競り市場がないところはどうしても持ってくるということで、飼料のほうもまた移入に関してコストがかかる等々、やはり他県と比べてかかっている部分というのがございます。その部分を数値化というか、見える形で定性的な部分、また定量的な部分を少し整理して、どういった形で、優先順位もつけながら、早急に対応してまいりたいと思います。
○仲村未央委員 お願いします。
以上です。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
西銘啓史郎委員。
○西銘啓史郎委員 よろしくお願いします。
細かい話は別として、部長、今日の午前中の請願者の話を聞いていて、僕が思ったのが、以前もちょっと話したことがあると思うんですけど、医者と患者の例えで言うと、皆さんがもし医者だとすると、患者さんはもうとにかく出血多量で大変な状況でお願いをしているけれども、皆さんはちょっと検討しましょうねと言って熱冷ましをあげているように感じるわけです。ですから、名医者になってほしいというか、患者の声を聞いて、その処方に何ができるか、もちろん国が動かなければできないのであれば、県の単独のものも含めて何かしないと、恐らく患者さんはどんどん亡くなっていきますよ。それがひいては沖縄の産業、さっき言った沖縄のブランドの喪失につながるということは、経済にとってもマイナスですから、ここの細かい話はあえてしませんけど、ちょっと先ほどの見たかどうか――知事の提案説明要旨、要は所信表明のところでも、令和6年度の施策の概要についてという第1の経済分野に関してのところは45行を使っているんですね。第2の平和分野に関しては81行を使っているんですよ。だから、どう見ても経済より平和の81行の部分を読むと、平和に力を入れているのかなと。この資料はたしか企画部が作ったと聞いていますけど、その中の第1の経済分野の農林水産業の振興は26行ありました。その中で畜産のところは、先ほども読み上げたんですけど、たったの2行ですよ。その2行が、畜産課長の思いが全て入っているかどうかは別としても、要は僕ももう一回読み直してみて、あれ畜産ってこういうふうな見られ方というか、これを作ったのはもちろん企画部かもしれませんけれど、皆さんの思いがどれだけ入っているかは僕はよく分かりません。
ですから、申し上げたいのは、ぜひ部長、患者さんをよく見ていただいて、いろんな患者さんがいらっしゃると思うので、そこには統括監や部長や課長や、多くの専門の方がいらっしゃるわけですから、ちゃんとした処方をして生き返らせてください。僕はそれだけです。
以上です。
○前門尚美農林水産部長 本県の農林水産業の中で畜産は、かなり大きな位置を占めております。また離島地域――農大を卒業して、離島で畜産を始める畜産農家の方もいます。今若い方がかなり厳しいという声も、実際に会ってみて聞いております。そういうものに対して、委員おっしゃる意見も含めて大変重く受け止めております。早急に検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○西銘啓史郎委員 部長、検討段階じゃないですよ。早く手術しないと。もう出血多量なのに、飲み薬をあげているようなものだと言いましたけど、僕はそういうふうに感じます。ですから、検討ではなくて実行しましょう。
お願いします。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
大城憲幸委員。
○大城憲幸委員 今の請願第1号。私は賛同者でもありますから、ここは主に指摘だけにとどめます。
まず配合飼料の件は先ほど来あるように、しっかり所要額の確保を部長を中心に頑張っていただきたいなと思っていますので、もう委員も、皆さんも、一番効果的なものは配合飼料というのは分かっているようですから、ぜひお願いをします。
それで、食肉センターの部分でも出てきた、どうやって増頭するの、あるいはどうやって生産基盤を維持するのというのは非常に悩ましい話なんですけれども、その中で唯一というか、養豚振興協議会の皆さんも本当に一番認めているのは、この令和5年にやった養豚生産性向上対策事業の7000万円の予算なんですよね。これは非常に効果的だと。ただ、ちょっと資金を準備できない部分があるとかという課題は残るけれども、これはぜひ継続して――更新は3年ぐらいはかかりますので、せめて3年ぐらい続けてくれれば、ある程度今の生産基盤で能力が非常に向上できるというような感覚を持っているのだけれども、残念ながら令和5年で終わって、6年は今計上されていないわけですね。だからそこについては、皆さんは国がやっている養豚経営安定対策補完事業で補助があるからということです。それから、高能力種豚を導入すると非常に豚が大きくなりますので、今の分娩ストールではサイズが合わない。それを改築するには改築料が必要だけど、今の養豚農家は投資できない。それは皆さんの処理方針ではクラスター事業でやりなさいと言っているんですけど、クラスター事業は半額ですから、そこはまた持ち切れないという話になるわけです。処理方針にも関係者と議論していきますという文言が入っていますから、そこは信じたいと思いますし、担当の中ではきちっとそういう課題は把握していると思いますので、そこは先ほどあったこの屠場の維持のためにも、あるいは生産基盤を維持するためにも――本会議でもやりましたけれども、今度沖縄そばの小麦を地産地消でやるというのは上等ですけど、ソーキも県産じゃないといけませんから。そばを県産にしたけど、ソーキが全部外国産になっていましたよとなりかねないものですから、今はね。そこはしっかり支援していただきたいなと思っています。
ちょっと1点だけ。
国のクラスター事業を活用するのは上等なんですけれども、例えば沖縄県でも省庁予算の事業というは補助率が低いから取れないとかと言って、なかなか大きくは増やせないわけですよ。それと一緒で、さらに沖縄の畜産農家というのは――県外の農家は体力があるから5割補助で十分やれるけれども、やれないという声は多いわけですから。そこにやっぱり上乗せするような方法というのも具体的に検討できるのではないかなと思うんですけれども、その辺については部内、課内で議論したことというのはないんですか、お願いします。
○金城靖畜産課長 お答えします。
クラスター事業はですね、確かに国は補助が2分の1ですけれども、市町村が上乗せすれば、その分また県も上乗せとか、そういうのがありますので、その辺については、実施する農家がいる市町村と話しをしながら、もうちょっと補助率を上げられないかなとか、そういうのは考えております。
○大城憲幸委員 今言うように、せっかく農家が認めている高能力種豚の導入についてはぜひと言っているわけですから、そこは関係団体としっかり議論をして、現実的なものにしていただきたいと思います。要望いたしますし、私も畜産課長も4月からはいませんので、部長、ぜひその辺は頑張っていただきたい。よろしくお願いをします。
すみません、あと1点だけ。
新規の黒糖の部分を少し教えていただきたい。84ページ、陳情第21号で、今回は竹富町長とJAから同様のものが出ています。
それで、もう黒糖の在庫はある程度整理できたのか、直近の状況を簡潔に教えてもらえますか。
○金城吉治糖業農産課長 お答えします。
黒糖の在庫につきましては、令和3年12月末時点の工場段階の保管量5090トンに対しまして、令和5年12月末時点の工場段階の保管量は1741トンということで、大分減少しているというような状況になっております。
○大城憲幸委員 1741トンというのはある程度適正な数字、落ち着いたと考えていいんですか、お願いします。
○金城吉治糖業農産課長 この1741トンにつきましては、ちょっと落ち着いているということになります。JAが5工場を運営しており、残り3工場を民間の事業者が運営している状況ですが、民間の事業者につきましては、在庫量がほぼゼロに近い状態になっているという状況でございます。
○大城憲幸委員 この84ページの陳情書の中にある2段落目で、黒糖は市場において安価な輸入黒糖とか、再製糖との厳しい価格競争にあるというような表現があります。私の認識では数年前に消費者庁と相談をして、この辺の沖縄の黒糖の表示を厳密化することによって、こういう輸入物とか、調製糖との差別化を図って、これである程度解決できるのではないかという議論が前にあったんですけれども、その辺の経過と、直近の状況はどう考えていますか。
○金城吉治糖業農産課長 お答えします。
確かに消費者庁のほうに要請いたしまして、黒糖について表示のほうを明確化、サトウキビから絞ったものを固めたものが黒糖というふうに明確化されましたけれども、一方で輸入糖につきましては含蜜糖という分類で輸入されている状況になっています。国内では加工糖との競合がありますけれども、海外からのものにつきましては、一応含蜜糖ということでそのまま黒糖という形の表記になって輸入されてきていますので、そういった意味で競合しているという状況にはなっています。
○大城憲幸委員 そういう意味では、沖縄黒糖というブランディングというか、差別化というのは、今後県としてはどう考えているのか。ある程度こうしていこうという方向性があるんですか。
○金城吉治糖業農産課長 ただ一方で、原産地表示のほうで輸入糖と含蜜糖の差別化が図られるような状況になっていますので、例えば黒糖焼酎のほうでも、輸入黒糖の使用量が多いと輸入黒糖という形になります。国内産の黒糖の使用量が多いときに国内産黒糖ということで表示ができますので、そういった差別化は可能だというふうに考えております。
○大城憲幸委員 この議論は案外何十年もやっているんですね。後で陳情の処理方針であるように、やっぱり製造量の増減幅が大きくて、足りないときには一部の商社が大もうけしたとかという話を聞くし、余ったときには定期的に何年かに1回は余って、国にお願いして、国の支援をもらって売りさばくみたいなことが何度も繰り返されているようですから。もうちょっと何か県として何とかならないものなのかなと考えますので、ちょっとまた調査研究も含めてお願いします。
そのまま85ページの陳情の趣旨と処理方針のところを確認しますけれども、いわゆる含蜜糖生産条件不利補正対策事業で、一括交付金で差額は埋めているわけですよね。ところが陳情者が言っているのは、それが十分じゃないと、予算が確保できていないということで、そのままでは立ち行かなくなりますよという話なんですよ。それに対して皆さんはその状況を把握することに取り組むというふうになっているんですけれども、この陳情者の趣旨に対して、皆さんとしてはまだどれぐらいマイナスなのかというのは把握できていないの。その多くの工場が今、このままでは立ち行かなくなるよという現状についてどう考えているんですか、お願いします。
○金城吉治糖業農産課長 お答えします。
陳情者からありますように、各工場の経営につきましては近年赤字が続いているという状況で、大変厳しい状況になっているというふうに認識しております。その理由につきましては、今般の生産資材や、輸送費、保管料等の高騰ですね、そういったものや働き方改革への対応に係る人員増に伴う人件費の増加ということに要因があるというふうに考えております。
そういった状況も踏まえまして、県としましては、物価高騰やこういった働き方の昨今の社会情勢に起因した工場経営の影響を低減するため、農林水産省が所管している類似の事業、国内産糖交付金に準じた算定方法について、研究をしていきたいというふうに考えているところです。
○大城憲幸委員 厳しいという声は何年か前からあると思うんですけれども、具体的な数字はこの陳情団体が今幾らぐらいやっているけれども、もう幾らぐらい必要だよと、そういう数字というのはやり取りをしていると思うんだけれども、その辺についてはどう考えているのか。
○金城吉治糖業農産課長 令和4年・5年期で申し上げますと、全工場のトータルの数字になりますけれども、約2億8000万円の赤字というふうな形になっている状況と認識しております。
○大城憲幸委員 まあ陳情趣旨からすると、この2億8000万円を一括交付金の補正対象にしてくれということに読めるんだけれども、皆さんはその所要額の確保に努めてまいりますと言っているけれども、そういう努力をするという認識でいいんですか。お願いします。
○金城吉治糖業農産課長 各工場の経営状況を精査した上で、必要額についてどういった対応ができるかについて、また検討していきたいと考えております。
○大城憲幸委員 まとめますけれども、もうこの数年厳しいという話が続いています。そんな中で2024年問題と言われる働き方改革も出てくる、いろんな燃料費、エネルギー代も上がっていく。それで、今この陳情趣旨にあるように今のままではもう離島はもたないよという、そこまでせっぱ詰まった内容に見えるんですよね。だから、そこは畜産の議論にも少し似ているところはあるけれども、少しやっぱりこの1次産業、冒頭にお話もありましたけれども、特に離島ではサトウキビしかないというところもあるわけですから、そこは少し危機感を持ってしっかり取り組んでいただきたいなと思います。
以上です。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
玉城武光委員。
○玉城武光委員 新規の陳情第13号。太平洋クロマグロの知事管理区における漁法別枠設置に関する陳情。石垣市議会から出ているんですが、この処理方針の中にクロマグロの漁業はおよそ95%がはえ縄による漁獲であると。割当てが以前と大きな変化はないということなんですが、その割当てをトン数と、石垣市議会が陳情している知事管理区分についての当初の配分が少ないんじゃないかと。この枠組みは変えたほうがいいんじゃないかということの陳情なんですが、それに対しては、これはできないという処理方針になりますが、5月から7月にかけてこのクロマグロの漁獲は決まっていて、それを超えたらみんな放流するのか。そこの枠組みをちょっと教えて。
○平安名盛正水産課長 お答えします。
本県のマグロはえ縄漁業では、その他の漁法による漁獲実績については、国による総量管理が行われ、漁期中に採捕停止がなかった平成27年から平成30年までの4年間では、はえ縄で479トン、その他の漁法というのが一本釣りだとか、ひき縄とかになっているんですけど、20.4トンであります。
また、都道府県別の漁獲割当てが開始されまして、漁期中の採捕停止がかかった平成31年から令和5年までの5年間では、はえ縄で841.4トン、その他の漁法で40.4トンとなっております。その他の漁法の漁獲比率でいきますと、平成27年から平成30年までの平均で4%、平成31年から令和5年度までの平均が5%で、都道府県別の漁獲割当てが開始される前後でも、それほど大きな違いはないと認識しております。
その中で今回の漁法別の枠をつくってほしいという要請につきましては、まずは漁業団体の中でそのルールをどうするかということを話し合っていただいて、その結果をもって、県としては国のほうにどういう対応ができるかということについて、調整していきたいと考えているところでございます。
○玉城武光委員 それでね、県として、国に漁業の枠の増を幾ら求めていますか。
○平安名盛正水産課長 平成30年以降、水産関係団体とともに毎年国に対しては、我が国の漁獲可能量の増枠や、近年の漁獲実績に応じた本県の漁獲枠の配分増については要請を行っておりますが、前回からこれまでの増枠とか、漁獲実績に応じた配分増ということではなくて、これまでの実績で一番捕れた数量として220トンがありますので、その数量を沖縄のほうに配分していただきたいということで実際に要請を行っております。
○玉城武光委員 実際に220トンを要請しているわけね。
沖縄県は220トン以上は漁獲しているのしていないの、実績として。
○平安名盛正水産課長 お答えします。
令和4年の実績で186.8トンで、放流したのが118トンで、トータルとしてはもう300トン近く上がっております。
令和5年度が実績で151.3トン、放流実績が92トンで、放流したものも合わせると約250トン近くを上げております。
○玉城武光委員 放流したものは漁獲には入れないんでしょ。放流するんだから。じゃ、放流したものが幾らだったの。
○平安名盛正水産課長 令和4年度で118トン、令和5年度で92トンを放流しています。
○玉城武光委員 今漁獲枠が設定されていて、クロマグロの資源も回復しつつあるんだよね。だから、回復しつつあるのにこの枠をかけている。枠をもっと広げていただかないと、資源は回復しているのに漁業者の皆さんができない状況、声が上がっているわけだから、引き続き県として、国のほうに漁獲枠の拡大を要請をしていただきたいです。
○平安名盛正水産課長 クロマグロの漁獲割当てにつきましては、中西部太平洋マグロ類委員会――WCPFCのほうで決定されることとなっておりますので、それが毎年例年12月に開催されます。それを見込んでですね、県としましても漁業団体と連携しながら、引き続き要請を続けていきたいと思っております。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
山内末子委員。
○山内末子委員 すみません、新規請願第1号のほうですけど、いろいろ皆さんからもありました、午前中もありました、本当に窮状の極みと言うんですかね、本当に苦しい状況ということで。先ほど西銘委員のほうから、もう検討という段階じゃないでしょと。知事が現場も視察しておりますし、それから、関係者との意見交換も行っております。
その中で関係者の皆さんからはやっぱり一番に飼料費の援助をしてほしいと。予算を鑑みてみますと、もう28億円という――今皆さんが立てている予算の10倍近く差があるわけですね。 そういう観点からもやっぱり具体的にじゃ、何をどうするんだというところを、ある意味多少でも示していかないと、これ本当に大きな、我々沖縄県の失政につながっていくんじゃないかという、とても危機感を持っております。その予算という枠組みのところも、もう少し部長、検討ではない、カンフル剤をどうするのか、緊急的な措置をどうするのかというところの少し今持っているものをお聞かせいただきたいと思います。
○前門尚美農林水産部長 知事の13日、また本日の現場視察、そして意見交換会、そしてまた現場の家畜保健衛生所等の職員を通じた状況確認、そしてまた自分のほうは競り市場でちょっと意見交換をさせていただいたんですけど、その内容について県として早急に実行してまいりたいと思います。そのためには、また数値等を具体的に少し上げて、何がまた優先順位なのかという、いろんな声がありますので、優先順位とか、求められている支援、そして県として対応できる支援についてということで早急に実行してまいりたいと思います。
○山内末子委員 この間の、ウクライナから始まった飼料費の問題、それから燃料費の高騰。この二、三年のうちに、ある意味大きな事故に遭っていると思うんですよね。でも、その前を見てみますと、その前からやっぱり現状的には厳しい状況がずっと続いているわけじゃないですか。そういう意味では、緊急的に今、短期的にやるべきことと、本当に根本的に畜産振興をどうしていくのかというのは、様々な分野からしっかりと対応していかないといけないということも踏まえて、大きな観点で、これからもしかしたら農林水産部のほうの事業の見直しも必要になってくるんじゃないかというふうにも思います。そういう観点からぜひお願いします。
○前門尚美農林水産部長 まず短期的に行う支援、そして中長期的には、例えば草地の造成とか、あとは、美百合をはじめ、県産種雄牛がありますので、それによる沖縄ブランドをつくって、購買者に来ていただく仕組みですとか。短期と中長期の支援ということで、少し段階的に踏まえて、総合的に関係機関を含め、また生産者の声も丁寧に聞きながら、進めてまいりたいと思います。
○山内末子委員 豚については、私たち沖縄県の文化でもありますし、鳴き声以外は全て――県内ではそういう意味で本当に文化として振興させていただきたいと思いますけれども、和牛についても全国でも4位でしたか。そういう観点からすると行政がもっと支援をしていく、もっと力を入れていけば、この分野というのはさらに大きな、後継者育成も含めて、もっと可能性は高い分野だと思うんですよ。その可能性をやっぱりもっと引き出していく政策、そこが確実に必要になっているというのは、皆さん共有しておりますので、そういった観点からもぜひしっかりとした振興策を講じていただきたいと思います。部長、ぜひ頑張ってください。
○前門尚美農林水産部長 今委員がおっしゃるように、沖縄県としましても、農業産出額の約2割を占める肉用牛、そして畜産全体では約半数ということで、大変重要な産業というふうに考えております。
緊急的な飼料費の補助に加えて、また価格安定対策、そして生産基盤の整備とか、あと優良種雄牛の造成などを含めて、引き続き様々な支援策について取り組んでまいりたいと思います。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
中川京貴委員。
○中川京貴委員 すみません、9ページをお願いします。請願第1号。
4の食肉加工施設への緊急支援についてです。ここは県が出資して、食肉センターができたと思うんですが、その経緯についてお聞かせください。
○金城靖畜産課長 お答えします。
大里の食肉センターにつきましては、強い農業づくり交付金と緊急対策事業ですね、当時の交付金がありまして、それにより多分90から95%補助で建設した経緯があります。併設する牛の屠畜場につきましては、BSEが出たときには国の農畜産業振興機構の事業等を使いながら改築して、現在に至っております。
○中川京貴委員 これは去る委員会でも質疑させていただいたんですが、例の、たしか平成十五、六年でしたかね。BSEが出たときに、国の高率補助で53億から55億円くらいかけて新しくした施設だと思いますけれども。それに沿ってやはり牛の屠畜、豚の屠畜、ヤギの屠畜に備えて、職員も増やしてきたと思っているんですよ。
しかしながら、昨今こういった事情の中で、経営が厳しいという中で、県の努力によって牛の価格差額補助、また豚に対する支援等を受けておりますが、食肉センターにおいては物価高騰――電気については電力の補助金が出ていたそうなんですが、県からの支援が入っていないというような、先ほど委員会の質疑で答えていましたが、実際入っているんですか入っていないんですか。
○金城靖畜産課長 建設費については県費は入っておりますけれども、運営費については今のところ入っておりません。
○中川京貴委員 先ほどの説明では、牛の屠畜が今2万円なんですけれども、それが牛を屠畜すればするほど1億円以上の赤字になっていると。6万円にしないと経営が成り立たないというぐらい厳しい状況になっているそうなんですよ。その件について部長、どう考えますか。
○金城靖畜産課長 お答えします。
やはり県食肉センターの屠畜料ですね、委員がおっしゃるように、今2万円なんですけど、6万円に上げないと難しいと。ですけど、6万円に上げるとやはり農家に対して負担が出てくるでしょうということであります。改定につきましては、相談は最近あります。この上げることによって農家に負担が行かないように、もし上げるのでしたら、段階的に上げるのかとか、上げながら農家の生産支援策により農家の負担を抑える方法があるのかとか、まずは幾ら上げるのかとか、その辺から決まらないと、支援策も決まりませんので、今その辺の話合いも始めたところでございます。
○中川京貴委員 部長、玉城県政の中で、県産品とか、また豚とか牛――石垣牛、山城牛、そういった地元の牛の県産品を始動していこうという中で、本当に2万円の屠畜代が6万円になって、段階的に確かに上げたとしても、それが経営、運営が成り立つと思いますか。
部長の見解をお伺いしたい。
○前門尚美農林水産部長 委員おっしゃるように、例えば食肉センターの屠畜料を上げた場合、なかなか価格転嫁できない状況で屠畜料が改定されると、かなり経営的に厳しいというふうに認識しております。
先ほど畜産課長のほうからもありましたように、食肉センターの関係者と少し意見交換をさせていただいて、安定的な食肉流通が図られるような観点ですとか、あと牛のほうはそういう屠畜料を上げることによって生産に影響が出ますので、それが出ないようにどういった観点でやっていけばいいかということで今調整を行っているところです。
○中川京貴委員 こういう種の仕事はですね、北部食肉センター、南部もそうなんですけど、公共性があると思っているんですよ。この皆さん方が辞めたら県は直営でセンターを造れますか。例えばこの企業がもうやらないと、もう赤字では運営ができないんだと、なった場合は、県は単独で造れるんですか。
○金城靖畜産課長 県独自で運営するのはいろんな問題があると思います。ですけど、委員がおっしゃるように、県の食肉センターがもし倒れると、県の畜産業自体がちょっと危ない状況になりますので、そのようなことがないように名護食肉センター、県食肉センターと協議しながら、農家に負担がかからず、さらにかつ食肉センターの経営が健全にできるように、今打合せをしているところですので、その辺もいろんな観点から調整しながらやっていきたいとは考えています。
○中川京貴委員 これを立ち上げたときから県が関与しているんですよ、株主としてですね。公共性があるから恐らく県は支援金を出しながら、県の施設として運営してきたはずなんですよね。ぜひ、そういったところを、やっぱり自分たちの公共性のある会社だという気持ちを持って、続けられるようにしていただきたいと思います。部長、最後にいかかでしょうか。
○前門尚美農林水産部長 やはり生産して、その生産物を出荷するという食肉流通の流れがないと、どちらも双方流れないと駄目になってしまいますので、何が支援できるかというのは、今意見交換の途中ではありますけれども、早急に対応してまいりたいと思っております。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
島袋大委員。
○島袋大委員 ずっと椅子に座っているんですけど、後から来た人がしゃべったものですから1点だけ。
今日請願第1号について農協から聞きましたけど、教えてほしいんですけれども。どう考えても僕には結果が出ないんだけれども、この事業を含めて食肉センターは農協の方々が委託という形になっていると思うけれども、競り市場に関しても農協の皆さん方が入っている。飼料購入にも農協が入る、借入れするときも農協から借入れするという形なんですよね。
その中で今回請願を受けて、要は飼料高騰でも県は令和6年度で3億円、今日求めているのは28億円だったら落ち着きますよという話なんだけれども。皆さん方の事業、ほぼ農協が担って受けている中で、この予算折衝の、予算づくりに関して、農協と皆さん方の議論はないんですか。ここが僕にとってかなり何か引っかかっているんだけど、ここをちょっと教えてください。
○金城靖畜産課長 配合飼料の予算に関しては、農協は事業を受けるほうなので、実際に上がった額とかそういうのは提供してもらいます。その中でこの額は決めて予算化はしております。その段階での話は農協だけではなくて、県酪農農業協同組合、配合飼料価格安定基金協会、その辺とは調整して事業化はしております。
○島袋大委員 このJA農協やJA中央会も含めて、畜産関係を含めて、酪農、繁殖和牛農家も含めて、現場に入って意見交換をしているそうですけど、県のほうも今知事が今日は宮古に行っているみたいな話を聞くんですけど、まあ現場に行くというのは大事だと思っていますよ。今まで皆さん方が意見交換をした中でのこういう声が現場はあるよねということでのすり合わせというのは、今までないんですか。なかったらなかったでいいんだけど。
○金城靖畜産課長 お答えします。
JAの畜産部とはこのような意見が出ているよとか、そういうのは話合いをしています。
○島袋大委員 そうなったら先方が求めている額とほぼ近くなるべきなんだけれども、その開きがあるんだけれども。
今回これから終わった後に議論すると思うんですけど、これがもし請願が通った場合、我々が困るのは、要するに農家の皆さん方は――その次はJAなんですよ。予算をつけるのは県なんだけれども、JAの請願が経済労働委員会で通ったと。通ったらこういう事業が前に進むと農家の皆さん方は感じるんですよね、当然のごとく。これは、ただ単に陳情が通ったからといって予算化できるのかといったら、我々議員は何をやっているのかという話になるんだよ。だから、ここのすり合わせを農林水産部と――部長が先ほど申しているように、今回は部長は踏み込んで答弁をしていると僕は思いますよ。今まで知事も副知事も名前が出なかったけれども、知事、副知事の意見も聞きながら、いろんな面でやっていきたいです、結論を出していきたいですと言うから、何らかの形はやってくれるだろうと思っているんだけれども。この処理方針も含めて、さあ我々はそうなった場合に、県とのすり合わせはどんなふうにしたほうがいいの。我々もこれ議会終わりますよ。もう最後。まあ採択してもらえれば議論しますというふうにしか言えないとは思うけど、どうぞ。
○前門尚美農林水産部長 請願が議会の意思として採択されれば、尊重いたします。それを踏まえて知事、副知事を含めて早急に検討して、また進めてまいりたいと考えております。
○大浜一郎委員長 ほかに質疑はありませんか。
(「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○大浜一郎委員長 質疑なしと認めます。
以上で、農林水産部関係の請願等に対する質疑を終結いたします。
説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
休憩いたします。
(休憩中に、執行部退席)
○大浜一郎委員長 再開いたします。
以上で、予定の議題は全て終了いたしました。
次回は、3月21日木曜日午前10時から委員会を開きます。
委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
本日の委員会は、これをもって散会いたします。
沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。
委 員 長 大 浜 一 郎