開会の日時、場所
 平成23年10月24日(月曜日)
 午前10時1分開会
 第7委員会室

出席委員
 委員長 前 田 政 明           
 副委員長 新 垣 清 涼  中 川 京 貴君 
     佐喜真   淳君  仲 田 弘 毅君 
 委   員 翁 長 政 俊君  浦 崎 唯 昭君 
 委   員 池 間   淳君  仲 村 未 央さん
 委   員 崎 山 嗣 幸君  当 銘 勝 雄君 
 委   員 上 原   章   前 島 明 男君 
 委   員 比 嘉 京 子さん 玉 城   満君 
 委   員 上 里 直 司君  山 内 末 子さん

欠席委員
 委   員 渡久地   修君          

委員外議員
 委   員 玉 城 ノブ子さん         

説明のため出席した者の職、氏名
 農林水産部長  比 嘉 俊 昭君 
農林水産企画課長  久 貝 富 一君 
流通政策課長  與 座 規 克君 
農政経済課長  大 城   健君 
営農支援課長  與那嶺 宏 明君 
園芸振興課長  長 嶺   豊君 
糖業農産課長  島 尻 勝 広君 
畜産課長  波 平 克 也君 
農地水利課長  前 田 幹 男君 
森林緑地課長  謝名堂   聡君 
水産課長  島 田 和 彦君 
漁港漁場課長  増 村 光 広君 
 商工労働部長  平 良 敏 昭君 
産業政策課長  湧 川 盛 順君 
新産業振興課長  大 城 玲 子さん
商工振興課長  登 川 安 政君 
経営金融課長  金 良   実君 
企業立地推進課長  屋比久 盛 敏君 
情報産業振興課長  田 中 建 治君 
雇用政策課長  新 垣 秀 彦君 
労政能力開発課長  武 田   智君 
 文化観光スポーツ部長  平 田 大 一君 
文化スポーツ統括監  松 川   満君 
観光政策課長  嵩 原 安 伸君 
観光振興課長  神 谷 順 治君 
文化振興課長  瑞慶山 郁 子さん
 労働委員会参事監兼事務局長  平 良 宗 秀君 

本日の委員会に付した事件
 1 平成 23 年  平成22年度沖縄県一般会計決算
   第6回議会 の認定について
   認定第1号 
 2 平成 23 年 平成22年度沖縄県農業改良資金
   第6回議会 特別会計決算の認定について
   認定第2号 
 3 平成 23 年 平成22年度沖縄県小規模企業者
   第6回議会 等設備導入資金特別会計決算の
   認定第3号 認定について
 4 平成 23 年 平成22年度沖縄県中小企業振興
   第6回議会 資金特別会計決算の認定につい
   認定第4号 て
 5 平成 23 年 平成22年度沖縄県沿岸漁業改善
   第6回議会 資金特別会計決算の認定につい
   認定第9号 て
 6 平成 23 年 平成22年度沖縄県中央卸売市場
   第6回議会 事業特別会計決算の認定につい
   認定第10号 て
 7 平成 23 年 平成22年度沖縄県林業改善資金
   第6回議会 特別会計決算の認定について
   認定第11号 
 8 平成 23 年 平成22年度沖縄県中城湾港(新
   第6回議会 港地区)臨海部土地造成事業特
   認定第12号 別会計決算の認定について
 9 平成 23 年 平成22年度沖縄県自由貿易地域
   第6回議会 特別会計決算の認定について 
   認定第14号 
 10 平成 23 年 平成22年度沖縄県産業振興基金
   第6回議会 特別会計決算の認定について
   認定第15号 
3ii4
○前田政明委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 本委員会では今回から委員外議員制度を導入しており、定足数の確保が重要となりますので、審議中に定足数を欠くおそれがある場合には、退席をしないよう御協力をお願いいたします。
 なお、本日は、委員外議員制度により本委員の渡久地修委員にかわり、委員外議員として玉城ノブ子議員が出席しております。委員外議員は本日終日の御出席をお願いいたします。
 平成23年第6回議会認定第1号から同認定第4号まで、同認定第9号から同認定第12号まで、同認定第14号及び同認定第15号の決算10件を一括して議題といたします。
 なお、組織改正に伴い、本年4月から旧観光商工部が商工労働部と改称されており、また、文化観光スポーツ部が新設されております。
 本日の説明員として、農林水産部長、商工労働部長、文化観光スポーツ部長及び労働委員会事務局長の出席を求めております。
 まず初めに、農林水産部長から農林水産部関係決算の概要の説明を求めます。
 比嘉俊昭農林水産部長。
○比嘉俊昭農林水産部長 農林水産部関係の平成22年度歳入歳出決算について、その概要を御説明いたします。
 お手元にお配りしております平成22年度一般会計及び特別会計歳入歳出決算説明資料により御説明いたします。
 1ページをお開きください。
 最初に、一般会計の歳入歳出決算について御説明いたします。
 農林水産部所管の歳入は、分担金及び負担金、使用料及び手数料、国庫支出金、財産収入、2ページになりますが、寄附金、繰入金、諸収入、県債の8つの款から成っております。
 1ページに戻りまして、歳入の合計は、表頭の中ほどのD欄になりますが、予算現額569億9023万8429円に対し、調定額449億5384万3985円、収入済額437億4288万2387円、収入未済額2522万4880円で、調定額に対する収入済額の割合である収入比率は97.3%となっております。
 収入未済額について、主なものを御説明いたします。
 2ページをお開きください。
 (款)諸収入の2308万2880円でございますが、これは主に県発注の土木一式工事の談合に係る損害賠償金によるものでございます。
 3ページをお開きください。
 次に、歳出について御説明いたします。
 農林水産部所管の歳出は、表頭の中ほどのE欄になりますが、予算現額718億6427万5433円に対し、支出済額559億2616万4097円、翌年度繰越額116億2708万641円、不用額43億1103万695円となっており、予算現額に対する支出済額の割合である執行率は77.8%となっております。
 そのうち翌年度繰越額の内訳を予算科目の(項)別に申し上げますと、まず(款)農林水産業費の中の(項)農業費22億5300万3000円、(項)畜産業費3億5371万3285円、(項)農地費65億1615万1871円、4ページになりますが、(項)林業費3億6226万9652円、(項)水産業費20億3857万2233円、さらに(款)災害復旧費の(項)農林水産施設災害復旧費1億337万600円となっております。
 翌年度繰越額が発生した主な理由は、国の経済対策関連事業に係る繰り越しが42億7517万2570円、設計調整のおくれに係る繰り越しが36億2867万9919円、用地取得難などに係る繰り越しが25億3642万5055円などとなっております。
 3ページに戻りまして、次に不用額の内訳を予算科目の(項)別に申し上げます。
 (款)農林水産業費の(項)農業費7億820万3807円、(項)畜産業費10億8682万8543円、(項)農地費5億7954万3830円、4ページになりますが、(項)林業費1億7562万5662円、(項)水産業費2億6423万7277円、(款)災害復旧費の(項)農林水産施設災害復旧費14億9659万1576円となっております。
 不用額の主な理由は、災害発生が少なかったことによる災害復旧費の不用、宮崎県の口蹄疫が終息したことによる不用及び沖縄県食肉センター整備事業における入札残に伴う不用などであります。
 以上、一般会計歳入歳出決算の概要を御説明いたしました。
 5ページをお開きください。
 次に、農林水産部の所管する特別会計の決算の概要について御説明いたします。
 まず、農業改良資金特別会計について御説明いたします。
 歳入につきましては、予算現額2億2759万9000円に対し、調定額13億213万7023円、収入済額6億9325万6605円、収入未済額6億657万1418円、収入比率は
53.2%となっています。
 収入未済額の内容は、借受者の経営不振等により貸付金元利収入が未収入となったものなどでございます。
 6ページをお開きください。
 歳出につきましては、予算現額2億2759万9000円に対し、支出済額1億9542万2483円、不用額3217万
6517円で、執行率は85.9%となっております。
 不用額が生じた主な理由は、資金需要の低迷により貸付実績が事業計画を下回ったことによるものでございます。
 7ページをお開きください。
 次に、沿岸漁業改善資金特別会計について御説明いたします。
 歳入につきましては、予算現額4555万2000円に対し、調定額8億6574万920円、収入済額7億8878万7639円、収入未済額7695万3281円で、収入比率は91.1%となっております。
 収入未済額の内容は、借受者の経営不振等により貸付金元利収入が未収入となったものなどでございます。
 8ページをお開きください。
 歳出につきましては、予算現額4555万2000円に対し、支出済額877万3025円、不用額3677万8975円で、執行率は19.3%となっております。
 不用額が生じた主な理由は、資金需要の低迷により貸付実績が事業計画を下回ったことによるものでございます。
 9ページをお開きください。
 次に、中央卸売市場事業特別会計について御説明いたします。
 歳入につきましては、予算現額4億1734万4000円に対し、調定額4億57万3792円、収入済額3億8486万1753円、収入未済額1005万8009円で、収入比率は
96.1%となっております。
 収入未済額の内容は、施設使用料及び雑入における実費徴収金であります。
 10ページをお開きください。
 歳出につきましては、予算現額4億1734万4000円に対し、支出済額3億7351万3726円、翌年度繰越額
2700万円、不用額1683万274円で、執行率は89.5%となっております。
 繰り越しの理由ですが、国の経済対策により補正予算措置された事業において、年度内の執行が困難であり、十分な実施期間を確保するためであります。
 不用額が生じた理由は、光熱費等の経費節減によるものでございます。
 11ページをお開きください。
 次に、林業改善資金特別会計について御説明いたします。
 歳入につきましては、予算現額1523万4000円に対し、調定額8216万9942円、収入済額3343万6414円、収入未済額4873万3528円で、収入比率は40.7%となっております。
 収入未済額の内容は、借受者の経営不振等により貸付金元利収入が未収入となったものなどでございます。
 12ページをお開きください。
 歳出につきましては、予算現額1523万4000円に対し、支出済額5万1030円、不用額1518万2970円で、執行率は0.3%となっています。
 不用額が生じた主な理由は、貸し付け条件が整わず貸し付けに至らなかったことによるものでございます。
 以上、農林水産部関係の平成22年度一般会計及び特別会計の決算の概要を御説明いたしました。
 御審査のほどよろしくお願いします。
○前田政明委員長 農林水産部長の説明は終わりました。
 次に、商工労働部長から商工労働部関係決算の概要の説明を求めます。
 平良敏昭商工労働部長。
○平良敏昭商工労働部長 それでは続きまして、商工労働部所管の平成22年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算について、お手元にお配りしてございます平成22年度一般会計及び特別会計歳入歳出決算説明資料に基づき御説明申し上げます。なお、当該決算資料は文化観光スポーツ部へ移管された事業等の決算につきましては除いていることをあらかじめ申し添えます。
 それでは初めに、一般会計の歳入決算について御説明いたします。
 1ページをお開きください。
 一般会計歳入決算は、予算現額の合計317億7257万9304円に対し、調定額294億8195万3759円、収入済額291億8948万5537円、不納欠損額2億5326万320円、収入未済額3920万7902円で、調定額に対する収入済額の割合は99.0%となっております。
 前年度までの収入未済額として、平成20年度に発生した公共工事に係る違約金がございましたが、平成22年8月、損害賠償額の減額に関する民事調停が成立し、不納欠損処理が行われ、分割納付が開始されております。
 次に、一般会計歳出決算について御説明いたします。
 4ページをお開きください。
 一般会計歳出決算は、予算現額の合計367億2027万454円に対し、支出済額338億9243万4856円、執行率
92.3%、翌年度繰越額14億7077万2000円、不用額13億5706万3598円となっております。
 翌年度繰越額は、国の経済対策により12月及び2月に補正予算措置された事業において、関係機関との調整に時間を要するため、年度内の執行が困難であり、十分な事業実施期間を確保するために繰り越したものであります。
 次に、不用額の主なものについて(項)別に御説明いたします。
 5ページをお開きください。
 (項)労政費の不用額4億6953万1195円は、主に雇用再生特別事業基金活用事業及び緊急雇用創出事業臨時特例基金活用事業の実績減に伴う委託料、補助金の減によるものであります。
 次に、(項)職業訓練費の不用額9852万7565円は、緊急委託訓練事業等の実績減に伴う委託料の減等によるものであります。
 6ページをお開きください。
 (項)商業費の不用額3125万2569円は、海外事務所等管理運営事業等の執行残等によるものであります。
 次に、(項)工鉱業費の不用額7億5775万2269円は、新通信コスト低減化支援事業における事業者の利用縮小による減、おきなわ新産業創出投資事業における執行残等であります。
 以上が一般会計の歳入歳出決算概要であります。
 次に、特別会計の歳入歳出決算概要について御説明いたします。
 8ページをお開きください。
 小規模企業者等設備導入資金特別会計について御説明いたします。
 歳入につきましては、予算現額合計9億687万8000円、調定額98億6463万298円、収入済額24億7017万6796円、不納欠損額274万1190円、収入未済額73億9171万2312円で、調定額に対する収入済額の割合は25.0%となっております。
 収入未済の理由は、不況による企業、組合等の業績不振や倒産などにより、設備近代化資金及び高度化資金の貸付金返済が遅延しているためであります。
 9ページをお開きください。
 歳出につきましては、予算現額合計9億687万8000円、支出済額5億5067万8463円、執行率60.7%、不用額3億5619万9537円となっております。
 不用額の主な理由は、中小企業高度化資金の貸付先からの元利償還金の延滞に伴う公債費の減によるものであります。これは、資金貸付先から県に対する償還額を当該公債費として独立行政法人中小企業基盤整備機構あてに償還するものとなっており、貸付先からの償還金延滞に伴い、県から同機構への償還分が減少していることによるものであります。
 次に、10ページをお開きください。
 中小企業振興資金特別会計について御説明いたします。
 歳入につきましては、予算現額合計5億44万6000円、調定額、収入済額は同額で5億44万6000円となっております。
 11ページをお開きください。
 歳出につきましては、予算現額合計5億44万6000円、支出済額1億308万1780円、執行率20.6%、不用額3億9736万4220円となっております。
 不用額の理由は、機械類貸与資金貸付金の執行残によるものであります。
 次に、12ページをお開きください。
 中城湾港(新港地区)臨海部土地造成事業特別会計について御説明いたします。
 歳入につきましては、予算現額合計20億2045万1000円、調定額、収入済額は20億1415万8027円で同額となっております。
 13ページをお開きください。
 歳出につきましては、予算現額合計20億2045万1000円、支出済額20億1336万5460円、執行率99.6%、不用額708万5540円であります。
 不用額の理由は、主に職員の人事異動による人件費の減、測量分筆業務等委託料減による執行残によるものであります。
 次に、14ページをお開きください。
 自由貿易地域特別会計について御説明いたします。
 歳入につきましては、予算現額合計8億9701万3000円、調定額7億4317万8056円、収入済額6億7210万5935円、不納欠損額1397万7539円、収入未済額5709万4582円で、調定額に対する収入済額の割合は90.4%となっております。
 収入未済の主な理由は、経営破綻した企業の施設使用料等の滞納によるものであります。
 次に、15ページをお開きください。
 歳出につきましては、予算現額合計8億9701万3000円、支出済額2億2765万9711円、執行率25.4%、翌年度繰越額6億6180万円、不用額755万3289円となっております。
 繰越額については、国の経済対策により12月に補正予算措置された事業費であり、適正な工期の確保のため繰り越しを行っております。
 不用額の主な理由は、入居企業の減に伴う水道光熱費の減等によるものであります。
 次に、16ページをお開きください。
 産業振興基金特別会計について御説明いたします。
 歳入につきましては、予算現額合計1億4248万6000円、調定額、収入済額は1億6615万6705円で同額となっております。
 17ページをお開きください。
 歳出につきましては、予算現額合計1億4248万6000円、支出済額1億2958万1531円、執行率90.9%、不用額1290万4469円となっております。
 不用額の主な理由は、産業振興基金事業補助金の執行残によるものでございます。
 以上で商工労働部所管の平成22年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算概要説明を終わります。
 御審査のほどよろしくお願いいたします。
○前田政明委員長 商工労働部長の説明は終わりました。
 次に、文化観光スポーツ部長から文化観光スポーツ部関係決算概要の説明を求めます。
 平田大一文化観光スポーツ部長。
○平田大一文化観光スポーツ部長 説明の前に一言、先週行われました第5回世界のウチナーンチュ大会におきまして、本当に多くの支援をいただきましてありがとうございました。新しい可能性と同時に、またいろいろと課題も見えてまいりましたけれども、これからしっかり頑張っていきますので、これからもまた文化観光スポーツ行政に皆様の力をおかりしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、文化観光スポーツ部の所管する一般会計の平成22年度歳入歳出決算概要について、お手元にお配りしてございます平成22年度歳入歳出決算説明資料に基づき御説明を申し上げたいと思います。
 1ページ目をお開きください。
 まず初めに、一般会計の歳入決算について御説明申し上げます。
 一般会計歳入決算は、予算現額の合計41億8414万
2000円に対し、調定額39億9074万8528円、収入済額
39億6453万5742円、不納欠損額2467万3846円、収入未済額153万8940円で、調定額に対する収入済額の割合は99.3%となっております。
 不納欠損額の内訳は、平成20年度に発生した違約金の不納欠損で、公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき、不当な取引制限の禁止に違反するものとして認定した工事に係る損害賠償金の一部債権放棄を行ったものであります。
 収入未済額の主な内訳は、沖縄コンベンションセンター使用料の未収分、沖縄県立芸術大学の授業料、国費留学生の入学料の未収分、沖縄県立芸術大学の教員公舎賃貸借契約終了に伴い徴収すべき敷金の未収分であります。
 2ページ目から3ページ目は(目)ごとの明細ですので、説明は割愛をさせていただきます。
 次に、一般会計の歳出決算について御説明申し上げます。
 4ページをお開きください。
 一般会計歳出決算は、予算現額の合計86億8582万
4000円に対し、支出済額が81億3783万2326円、執行率93.7%、翌年度繰越額2億7760万5500円、不用額2億7038万6174円となっております。
 翌年度繰越額は、国の経済対策により補正予算措置された事業において、関係機関との調整に時間を要するため、年度内の執行が困難であり、十分な事業実施期間を確保するために翌年度へ繰り越す必要があったものであります。
 次に、不用額の主なものについて(項)別に御説明いたします。
 5ページをお開きください。
 (項)総務管理費の不用額の2073万8316円の主な内訳は、まず在住外国人等共生推進事業に係る講演会開催回数の縮小、それから海外移住記念事業に係る三役海外出張の未実施、海外留学生受入事業に係る受け入れ人数の減、財団法人自治体国際化協会負担金及び財団法人沖縄県国際交流・人材育成財団の人事異動等に伴う運営補助金の減による執行残等によるものであります。
 次に、6ページをお開きください。
 (項)観光費の不用額1億6304万8083円は、主に東日本大震災等の影響による各種観光振興関連事業の実績減に伴う委託料等の減によるものであります。
 (項)工鉱業費の不用額2649万4724円は、主に沖縄文化等コンテンツ産業創出支援事業の遅延に伴う委託料等の実績減によるものであります。
 7ページをお開きください。
 (項)大学費の不用額4428万1043円は、沖縄県立芸術大学の定数削減や非常勤講師採用者数の減による人件費の減、経費節減に伴う旅費等の実績減によるものであります。
 (項)社会教育費の不用額1014万8586円は、美術館・博物館の経費節減及び事業執行の実績減等によるものであります。
 次に、(項)保健体育費の不用額567万5422円は、国体派遣者数の減による旅費実績の減、奥武山庭球場改修工事の入札残によるものであります。
 以上が文化観光スポーツ部所管の平成22年度一般会計の歳入歳出決算の概要であります。
 よろしく御審査のほどお願い申し上げます。
○前田政明委員長 文化観光スポーツ部長の説明は終わりました。
 次に、労働委員会事務局長から労働委員会事務局関係決算の概要の説明を求めます。
 平良宗秀労働委員会参事監兼事務局長。
○平良宗秀労働委員会参事監兼事務局長 それでは、平成22年度一般会計決算における労働委員会所管の決算の概要につきまして、お手元にお配りしております平成22年度一般会計決算説明資料に基づき御説明申し上げます。
 労働委員会には歳入はございません。
 歳出決算につきましては、予算現額1億3102万8000円に対し、支出済額は1億2359万5130円で、執行率は94.3%でございます。
 支出の主な内容といたしましては、委員の報酬や費用弁償等の委員会の運営費並びに事務局職員の給与や旅費のほか、需用費や役務費等の事務局の運営費でございます。
 支出済額を性質別区分で申し上げますと、人件費が1億1861万33円で、総支出済額に対する割合は96.0%、物件費が498万5097円で4.0%となっております。
 不用額は743万2870円で、その主な内容は、人件費及び物件費の執行残による不用であります。
 以上でございます。よろしく御審査のほどお願いいたします。
○前田政明委員長 以上で説明は終わりました。
 これより質疑を行いますが、質疑及び答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、自席で起立の上、重複することがないように簡潔に発言するよう御協力をお願いいたします。
 また、質疑に際しては、あらかじめ引用する決算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で、質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
 なお、答弁に当たっては、総括的、政策的な質疑に対しては部局長が行い、それ以外はできるだけ担当課長などの補助答弁者が行うこととしたいと存じますので、委員及び執行部の皆さんの御協力をお願いいたします。
 さらに、課長など補助答弁者が答弁を行う際は、あらかじめ職、氏名を告げてください。
 それでは、これより直ちに質疑を行います。
 玉城満委員。
○玉城満委員 まずは、農林水産部関係から質疑させていただきます。
 特にことしはそうでしたけれども、台風災害で農林水産関係の皆さん、かなり参ったと思うのですが、この災害を直接担当する担当課というのはあるんでしょうか。
○比嘉俊昭農林水産部長 沖縄県全体としては、知事公室の中に防災危機管理課というのがございまして、そこから気象庁の防災の注意事項とか、あるいは警戒とか、そういったことを所管しておりまして、そこで関係部局の関係する課を集めて、先ほどお話しした防災上の注意とか警戒事項について説明を行っているところでございます。
○玉城満委員 少し提案したいんですが、僕は経済労働委員会で台風災害に遭った農家を視察するという、いつも後出しなんですね。今は気象技術もすごく進歩しておりまして、1週間、10日後には来るであろうという予測がついているわけです。そういうときに、皆さんの農林水産部として、県内の農林水産業に対する対策というのはどのようなことをなさっているんですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 先ほど関係課説明会を受けた後に、今度は農林水産部内に出先がございます。これは、北部、中部、南部、宮古、八重山もございまして、そこを通して、まずは台風が来ますよと。それから、台風が来るので、例えば施設でしたら補強をすることを事前に指導しています。これが普通の台風が来た場合の話ですが、それに加えて、やはり台風に備えるのが一番重要だということで、まず1点目は防風林をつくるということで防風林の日を定めまして、毎年、市町村ごとに防風林の日を定めて、市町村ごとに木を植えようということの普及をしているところであります。
 それから、防風林だけでは、どうしてもなかなか難しいという状況がございまして、耐候性ハウスというんですか、先ほど今帰仁あたりでいろいろ、かなり低コストで一定程度の台風に耐えられるような施設を導入したところは、やはり被害が少ないという状況がございますので、これについては引き続きしっかり耐候性ハウスを導入していく。
 それから、さとうきびなどはハウスに入らないので、台風に強い品種というのを選抜しておりまして、それを普及していくということを今考えています。
 それと、最後になりますが、共済制度も加入促進を今やっているところであります。今回は、特にハウスにつきましては、台風前のマニュアルをつくりまして、今インターネットにのせていますが、近々印刷物としても発行して普及させていきたいと考えています。
○玉城満委員 いろいろ各部署の皆さんが頑張っているとは思いますが、ことしはかなりの被害額でしたね。だから、台風前、台風後ではなくて、やはり年中通して、そういう台風を意識した施策をぜひ頑張っていただきたいと思いますので、これは要望しておきます。
 次に商工労働部関係なんですけれども、昨今、行財政改革でいろいろな事業が縮小になったり廃止になったりしているわけです。ここでちょっと聞きたいのは、知的所有権センター事業、これは平成23年度に縮小という形になっているのですが、その理由は何なんでしょうか。
○大城玲子新産業振興課長 知的所有権センター事業につきましては、流通過程において、平成22年度までに特許流通アシスタントアドバイザーの育成をしておりまして、その効果を検証して、来年度、見直しを実施するということでございます。
○玉城満委員 では、縮小ということではなくて、まだまだ拡充のおそれもあるということですか。
○大城玲子新産業振興課長 沖縄県から出ております補助金については一応縮小という形になっておりますが、国からの窓口の委託業務なども受託先が受けておりますので、その辺を効率的に実施していけないかという見直しをしたいと思っております。
○玉城満委員 僕もこの特許とか実用新案なんていうのは、結構今までかかわってきたんです。沖縄県の現状を言いますと、沖縄県の人たちが発明したんだけれども、ヤマトのほうに持っていかれているという事実が結構あるんです。これはウチナーンチュがつくっているのに何で全部持っていかれているのと。実は、そういう権利のほうがやはり歳入としては大きいわけですね。沖縄県は弁理士が多分3名でしたか、とにかく他府県に比べてすごく数が少ないんです。そんな中で、例えば農業関係も商工関係も、ただ発明をしたいとか、こういう新しい発明をしたいとかという人たちの集まりではなくて、そういう業界全体を網羅したような著作権を、沖縄県のいろいろなあらゆる業界を巻き込んだ知的所有権センター事業にしてほしいと僕は思うんですが、今後、どうでしょうか。
○平良敏昭商工労働部長 今、委員がおっしゃっている知的所有権の問題というのは、今後特に重要な分野ですので、この辺はやはり今後、特に中国マーケット、いろいろな問題等も抱えていますが、強化していくということで。昨年は、財団法人沖縄県産業振興公社と今の知的所有権センターの2カ所で、ばらばらと言ったら語弊がありますが、そういう体制もあったものですから。できるだけセットで一緒に取り組むようにということで、去年は途中から一緒に産業トータルとしてやるような仕組みも構築してきています。むしろこの辺は今後は強化されていかなければならない、このような認識を持っています。
○玉城満委員 これはすごく重要な分野だと思いますので、ぜひ縮小とは言わずに拡充していくような、そのぐらいの気持ちで頑張っていただきたいと思います。
 さて、続きまして文化観光スポーツ部でございますが、沖縄文化等コンテンツファンドについての今の進O状況、予算、委託業者、そしてコーディネーターの数を教えていただけますか。
○瑞慶山郁子文化振興課長 平成22年度の予算は、業務委託料とファンドの各種審議会の補助金、それから事務費の合計で4億3689万円でしたが、今年度はファンドは組成されておりますので、委託料と旅費ということで合計5666万1000円の予算となっております。
 続いて委託業者なんですが、財団法人沖縄県産業振興公社に委託しております。平成22年度は、事業実施体制の構築、それからコンテンツ制作のプランの発掘、コンテンツ制作プラン等へのハンズオン支援の実施、ファンドの設立などについて委託しておりました。ファンドの運営者はまた別の会社になっております。
 コーディネーターの数ですが、コーディネーターは財団法人沖縄県産業振興公社に配置している職員でハンズオンマネジャーのことかと思われますが、平成22年度は2名配置しておりまして、今年度は1名の配置となっております。
○玉城満委員 今、委託先は財団法人沖縄県産業振興公社ということでしたけれども、実質、ネットでこの事業についてあけると、大阪府の会社がこれを受けているわけです。そして、ここで僕が一番言いたいのは、国が確かに4分の3出しているかもしれません。それで沖縄県が4分の1ということで、あるヒアリングを受けた方が僕のところに何を言いに来たかというと、これは国の事業と言っていますよと。だから、私たちは国のそういうふうなを紹介する、要するに、どういうことが言いたいかといったら、これは担当が大阪府の方ですね。これは沖縄県から発信しようという事業にもかかわらず、大阪府のこっちを利用してください、ヤマトのこういう業者を利用してくださいということで、全然沖縄県の業者をあっせんしてくれないという話がちょっと耳に入った。これは聞き捨てならないと僕は思っているんですが、そういう情報は入っていますか。
○瑞慶山郁子文化振興課長 平成22年度に投資ファンドの運営者は全国公募で公募しております。それで、8団体の中から大阪府が本社の会社を選定しています。これは専門家で成る選定委員会で選定しております。もちろん国からの補助は入っておりますが、沖縄の文化、コンテンツの産業の振興という目的ですので、県外業者と県内業者のマッチングとか、そういうことは行っておりますが、県外優先とかそういうことはないと思っております。
○玉城満委員 皆さん、これは再度ヒアリングに立ち会っていただいて、しっかり中身を見ていただきたいと思います。
 これは契約したのがたしか平成22年度の3月ですね。この会社は平成22年度の2月に沖縄に開設しているんです。こんなアリバイ的な、開設してすぐ契約するなんていう、これは後から文句を言われないためにというふうにしか僕らからは見えないわけです。こういう沖縄の、せっかくこれだけの、今、もう沖縄は構築されているんですよ。文化のコンテンツを沖縄発で今発信できる力を持っている中で、どうして本土のそういう関係業者に振っていく。このコーディネーターの知り合いのところだけに振っていくというような流れを、もしこれが事実だとすればどうしますか、文化観光スポーツ部長。
○平田大一文化観光スポーツ部長 この沖縄文化等コンテンツファンドについては、沖縄県にあるいわゆる知的財産を生かした形で、それを県外、それから海外のほうにしっかりと打って出るようなものに仕上げていくというものでございます。よって、委員御指摘のこともありますが、その一方では、沖縄県の人だけの感性ではなくて、外でしっかり売れるものをつくっていくという意味では、このファンドは、むしろある意味公平な形でしっかりとここにファンディングしていこうという業者、それから民間の皆さんのお金が集まらない限り、幾ら沖縄の素材がよくても、それを売り込んでいくという力がなければ形にはならないと思っております。私はこのハンズオンマネジャーもさることながら、テクノロジーシードインキュベーション株式会社、こちらの大阪府の会社の社長にも、しっかりと厳しくやってほしいと。沖縄県の若者たちをクリエーティブなメンバーに育ててほしいと申し上げていますので、今の視点もありますが、もう一方では、世界に打って出るべきものをつくるために外の視点も必要だというところでは、こういうふうなマッチングは必要だと思っております。
○玉城満委員 僕は文化観光スポーツ部長とは意見がちょっと違うんですが、このコンテンツファンドの事業の中で、本当に沖縄県の人たちが育てられているという仕掛けがされていると言えますか。
○平田大一文化観光スポーツ部長 委員がおっしゃっている部分は半分は理解ができますが、この部分に関しましては、まさにコンテンツファンドそのものが沖縄県どころか、日本の中でもかなり特異な事例でございまして、特に国が4分の3を出すというファンドの形も、沖縄県は非常に特筆しているという気がします。正直申し上げまして、沖縄県の中でプレーヤーはいっぱいいるんですが、残念ながらそれをコーディネートする、それからアウトマネジメントするという部分は非常に今課題となっております。そういった部分では、こういった形の中で本土の業者と沖縄のアートを目指している業者、それからクリエーティブの皆さん、そういう人たちががっつりと四つになって組み合うことで新しい芽が生まれてくると感じております。
○玉城満委員 では、皆さん御存じかと思いますが、今、琉神マブヤーというのは一切公的資金が入っていませんよ。しかし、沖縄県を拠点として、あれを世界に発信しているんですよ。ヤマトで映画化されますよ。ハワイでやりますよ。今度台湾でやりますよ、中国でやりますよ。全部沖縄がセンターになっているんですよ。本当に人材がいないかということを、もう少し沖縄県の人材を、こういう事業に何で取り組んでいかないかなと僕は不思議でならない。今、人材不足というが、僕に言わせれば、実際沖縄の県産品映画が何本できているかという話なんですよ。そういう人たちがたくさんいて、プロデューサーもたくさんいるの。そういう人たちをなぜこういう事業にかませていかないのと言っているだけの話ですよ。このファンド事業に関しては、僕はもうずっとチェックし続けたいと思っていますので、ぜひ皆さん、内部でもう少し総括すべきだと思います。
 続きまして行財政改革ですが、沖縄フィルムオフィス、これが縮小、廃止に向けてということで、事業棚卸しで一応そういう判定を受けたんです。この沖縄フィルムオフィス、今後、文化観光スポーツ部としてはどういうふうに考えていますか。
○瑞慶山郁子文化振興課長 沖縄フィルムオフィスの事業は事業棚卸しで不要とされたんですが、現在は、廃止、再構築という形で今までやってきたことの実証の調査を委託して、その効果を検証しているのと、新しい運営方法とか、そういうことを検討している最中でございます。今年度いっぱいにそういう検討をして結果を出すということになっております。
○玉城満委員 この沖縄フィルムオフィスを廃止に持っていったいきさつを最初聞いたときに、僕はびっくりしたんですよ。沖縄県は、これだけ年中ロケをして、CMだけではなくて映画もテレビドラマも、いろいろなドキュメンタリーも、これだけ沖縄じゅうで撮影されているんです。ロケ地の宝庫なんですよ。こういうロケ地の宝庫なのに、これを廃止に持っていったこの事業棚卸しの委員の気持ちが僕は全然わからない。もう少し専門的立場で意見を言うんだったら、今の沖縄のこの状況、文化事情、では、これを民間に渡せばいいのではないかと言って。こういう民間のコーディネーター会社をつくるための、いざないをするための沖縄フィルムオフィスなんですよ。それをぽっとなくして、結局また、そこに力のある、そういう映画の対応ができる業者がないから、本土から来て、本土のほうで仕切ってしまうという流れをつくってしまっているんだね。だから、そういうことを意識して、民間業者を鍛えるという意味で沖縄フィルムオフィスがあるわけでしょう。そして、実質映画を撮るときには公的機関にかなり応援してもらわないといけない。そして、許可をとらないといけないというケースがたくさんあるんですよ。そこで、今検証されていますが、その間にももうどんどん撮影されている。やはりこれも1つの産業なので、これはもう少し、今検証していますということではなくて、すぐにでもこれは緊急に検討してほしいなと。今はっきり言って現場は大変ですよ。どうでしょうか。
○瑞慶山郁子文化振興課長 沖縄フィルムオフィスの活動における効果は、地域でロケが行われた映像が県外、海外に発信されることで観光客誘客や物販の促進につながりますので、またさらに地域の活性化も期待されるところです。事業棚卸しのときに効果が出ていることをちゃんと説明できなかった部分がありますが、直接経済効果として、撮影隊が滞在して地域に支払われる額をアンケートで確認したところ、平成19年で約2億円、それから平成20年で約4億円となっておりまして、そのほか映像も発信されることからPR効果、間接的な経済効果も見込まれるところであります。
 確かに沖縄フィルムオフィスが介在して公的なところの許可をとったり、それから、例えば民間業者が入ってきて、入ってはいけないところを荒らしたりというか、そういう例はないんですけれども、そういうのがないように、沖縄フィルムオフィスはそういうこともしっかりちゃんと管理して、コーディネートしているということです。それから、民間業者についても沖縄フィルムオフィスが中心となってコーディネート、マッチング、そういうことも行っております。
○玉城満委員 ぜひ沖縄フィルムオフィスに関しては再考していただきたいです。
 最後の質疑ですが、ことし4月に文化観光スポーツ部が新設されたわけですが、文化はかなり難しい題材ですね。そんな中で、文化観光スポーツ部の中で、特に文化関係の部署でよろしいですから、職員の文化化という意味で、文化活動経験者というのはどの程度の割合でおられるんですか。
○瑞慶山郁子文化振興課長 文化振興課は職員15名、非常勤1名で16名おります。文化活動は範囲は広いんですが、バンド活動をしていたり、三線とか音楽をやっている職員、それからエイサーで活動していた職員とかいろいろいますが、文化はいろいろありますので。常時やるのは業務の関係もあり、多忙で継続していくのはかなり難しいんですが、常時やっている職員というのは割合としては少ないかもしれません。
○玉城満委員 この部署に関しては、ぜひ職員の文化化が必要になってくると僕は思います。なぜかというと、いろいろな人たちが皆さんの課にお邪魔をして、こうです、ああですといったときに、そういうものに触れ合っていない人たちがすごく冷たくあしらってしまうというケースが出てくるんですよ。これは絶対出てくる。これを経験していないと。実際あったわけですから。一応僕は応援しますよ。応援するけれども、本当にうるさいと思わないで、ちゃんと話を聞いてください。
○平田大一文化観光スポーツ部長 委員には本当にいつも感謝しております。新しくできた部のミッションというのもあろうかと思います。そして今、半年たちましたけれども、やはり職員の文化化については、文化振興課は特にこれからしっかりと文化に関するセミナーであったりとか、職員のそういう内部での教育といったことも今後考えて実行していきたいと思っておりますので、これからもいろいろな御意見、叱咤激励よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
○前田政明委員長 上里直司委員。
○上里直司委員 それでは、お願いいたします。各職員の皆さんも、商工労働部長を初め、昨日までの産業まつり、どうもお疲れさまでした。県産品が一堂に会するお祭りでしたが、過去最多を更新したという記事がありました。その中でも、けさの新聞でも紹介されていましたが、かりゆしウエア、とりわけこのかりゆしスタイルレディースファッションショーが開かれて関心を集めたという報道がありました。
 過去10年ぐらいさかのぼって考えてみると、かりゆしウエアがこの10年間で随分普及したなと受けとめています。それで、平成12年からの発行枚数というか、製造枚数と、現在の製造枚数というのはどれぐらいの開きがあるのかお尋ねいたします。
○登川安政商工振興課長 かりゆしウエアの製造枚数、これは沖縄県衣類縫製品工業組合の発行する下げ札で製造枚数はデータとして把握しております。この推移でございますが、沖縄県衣類縫製品工業組合としては、平成9年から具体的に調べていまして、平成9年の最初のデータとしては4万4179枚でございます。それが、例えば平成12年のサミット、2000年サミットを機に増加傾向に転じ、平成18年までほぼ右肩上がりで38万2839枚と、過去のピークは平成18年のそういう数字になっています。その後、若干減少傾向で、平成21年まで少し、これは買いかえ需要が低下したとも考えられますが、平成21年は26万8131枚まで減少しましたが、昨年の平成22年は再度増加に転じまして、30万枚を超えて31万5199枚。平成9年の4万4000枚から平成18年の38万枚、それから現在の平成22年の31万5000枚、4万台から30万台という数字が推移しております。
○上里直司委員 そこで確認ですが、皆さんがかりゆしウエアといった場合には沖縄県衣類縫製品工業組合が製造した製品のことをいうのか、あるいはそれ以外のものも含めた製品をいうのか、どういう立場なんでしょうか。
○登川安政商工振興課長 かりゆしウエアは、沖縄らしいデザインで、沖縄県で縫製された衣類全般をかりゆしという形でとらえています。今、かりゆしウエアという商標自体は沖縄県衣類縫製品工業組合が商標登録のものを活用していますけれども、かりゆしウエア自体は、例えば民間の方で、縫製関係の企業がつくったものもすべて、沖縄県産で沖縄らしいデザインについてはかりゆしウエアという形でとらえております。
○上里直司委員 皆さんの立場からすると、かりゆしウエアを着てもらおう、または推進する立場なんですね。そうすると、確認したいんですが、沖縄県衣類縫製品工業組合のみならず、その他製造している皆さん方にも支援すべきだと考えていますか。
○登川安政商工振興課長 沖縄県の産業振興、やはり縫製業関係については幅広い業界があります。そういったことから、この衣類関係についての支援、かりゆしウエア関係については、各産業、それぞれの事業者について沖縄県としては支援していく考えでございます。
○上里直司委員 そういう考えに基づいて、平成21年度、平成22年度で皆さん事業を展開されているわけなんですけれども、沖縄県衣類縫製品工業組合以外に委託をしたり、皆さん、全体の予算または決算で幾らぐらい委託をして、事業で予算を費やしたのか。その中で、どれだけ沖縄県衣類縫製品工業組合以外に委託をされたのか。事業で執行したのか。それをお答えできますか。
○登川安政商工振興課長 かりゆしウエア事業関連では、これまで5年間の中で3件ほど事業名としては実施しております。まず1つ目が沖縄デザイン戦略構築促進事業でございますが、これは決算額ベースで、平成18年が3730万3000円、平成19年が3370万7000円、平成20年が5673万4000円の事業を実施しております。この事業はかりゆしウエアのデザイン開発とかそういった事業を実施していますが、この委託先につきましては、民間のシンクタンクのほうに企画提案公募形式で委託しております。3年間、民間のシンクタンクに委託しております。
 それから次に、かりゆしウエア市場調査事業を平成21年、平成22年に実施しておりますが、この事業はかりゆしウエアの市場関係の販売状況とか実態調査の事業でございますから、これにつきましては沖縄県衣類縫製品工業組合のほうに委託しております。金額としましては、平成21年が決算額で180万7000円、平成22年度が253万5000円でございます。
 それからもう1本、平成22年度から実施しています。これは国庫補助事業を受けた事業でございますが、かりゆしスタイルブランド力向上推進事業を実施しております。この事業の平成22年度の決算額が3731万8000円、平成23年度は、これは当初予算ベースで8572万1000円の事業でございますが、この事業は沖縄県衣類縫製品工業組合と、それと民間の株式会社沖縄海邦銀行の共同企業体に委託しております。
○上里直司委員 いや、だから、沖縄県衣類縫製品工業組合以外にその補助事業を委託をしているのかと聞いているんです。していないのではないですか。
○登川安政商工振興課長 最初の沖縄デザイン戦略構築促進事業は、沖縄県衣類縫製品工業組合以外の事業者、民間のシンクタンクのほうに委託しております。
○上里直司委員 いや、聞いているのは、かりゆしウエアを皆さん推進すると言っていて、製造枚数を今お答えされましたが、沖縄県衣類縫製品工業組合以外の製造枚数を把握されていますか。
○登川安政商工振興課長 このかりゆしウエア関係、衣類関係は、例えば町中の縫製関係の事業者とか、それから産地関係のものもありますけれども、ちょっと統計データ的に把握する手法が確立されていないものですから、今、参考値として、かりゆしウエアの製造枚数は沖縄県衣類縫製品工業組合の下げ札でもって把握しております。全体の枚数というのは把握しておりません。
○上里直司委員 把握されないんですか。皆さんは今かりゆしウエアを推進する立場ですねと聞いたら、そうだとおっしゃっているわけだから、どれだけかりゆしウエアというカテゴリーがどうその事業に反映されるのか大事なんです。私はここで何を言いたいかというと、かりゆしウエアというものは観光にも貢献しているわけなんです。しかし、そのすそ野は大分広いんです。皆さんがやろうとしているのは、そういうブランド価値を高めるのか、あるいは県内の衣類縫製業を振興するのか、これはいろいろな形で分けないといけない話なんです。県内の衣類縫製業を振興しようとすれば、当然組合があるからそこに委託をするのは、これはいいですよ。しかし、それ以外にも小さな工場だとか縫製をやっている方がかなり出てきているわけなんです。その方々にお金が回っていないのではないかと僕は思うんです。だから、私はもう1回質疑しますけれども、これ以外にやっぱりもう少し把握をすべきなんじゃないですか。どうでしょうか。
○平良敏昭商工労働部長 確かに沖縄県衣類縫製品工業組合、それからそれ以外の皆さんも多分何カ所か、あるいは個人等でもあるかもしれません。
 例えば縫製技術の向上とか、財団法人沖縄県産業振興公社でも、グローバル人材育成で本土の福島県でかなり縫製技術の高い企業に人材を派遣したり、その場合の滞在費の旅費等の一部を見るとか、いろいろな事業をやっておりますが、これは何も沖縄県衣類縫製品工業組合に限定したものではなくて、そういう企業が応募した場合には支援してということです。上里委員のおっしゃるような沖縄県衣類縫製品工業組合以外についても、どこまで掌握し切れるかという限度はあると思うんですが、できるだけ把握するように努めていきたいと思います。
 それから、直接我々が何か委託事業等をやる場合に、個別の企業に、あるいは組合に何かかりゆしウエアをつくるための補助金を与えているという。新たにデザインをつくるとか、そういうこれからのものに対しての委託ですので、その辺はぜひ御理解いただきたいと思っております。
○上里直司委員 もちろんそれは理解しているんですよ。それが理解できないから僕は質疑している。皆さんが今おっしゃったかりゆしスタイルブランド力向上推進事業、これは6200万円ぐらい当初予算を組んでいたんです。その予算の中で、研修生を募集しているんですが、この組合員の企業にしか声をかけていないんですよ。沖縄県衣類縫製品工業組合の振興のために委託事業をするんだったら、それはわかりますよ。しかし、かりゆしウエアを、また縫製技術を高めようとするのであれば、全体に呼びかけなければいけないのではないですか。これはどうなっていますか。商工労働部長が今答えた部分は財団法人沖縄県産業振興公社の部分かもしれないけれども、私が今尋ねたいのは、今年度もこのかりゆしスタイルブランド力向上推進事業を実施していますが、これは縫製業の組合の方に研修を限っていませんか。○登川安政商工振興課長 この事業は沖縄県の縫製関係の技術を向上させるという形でやって、今研修関係については工業製品的に生産をできる会社という形で、確かにこの研修生の募集関係は沖縄県縫製品工業組合を中心として実施しております。
○上里直司委員 そう考えたら、商工労働部長が今おっしゃったみたいな形でいうと、こういう事業も、幅広く縫製技術者を育成するとか、すそ野を広げていかないといけないんですよ。だから、もうちょっと対象をふやさないといけないのではないですか、どうですか。
○登川安政商工振興課長 委員のおっしゃるとおり、沖縄県の縫製業全体を振興する事業でございます。そういったことから、今年度事業については、他事業者、組合員の事業者についても含めて実施していきたいと考えております。
○上里直司委員 そうやって事業者がふえていって生産基盤も落ちついて、それだからこそ企業組合に入るとか、組合の拡大にもつながる話なんですよ。それを囲っているように、報告書を見たらそう見えるわけなんです。だから、ぜひそれは門戸を広げていただきたい。
 それで、6200万円の予算の計上が3700万円の執行率なんですよ。これだけ力を入れているはずなのに、これは途中の補正予算だったのかもしれませんけれども、なぜ予算額と決算額にこれだけの不用額が発生したのか。そこをお尋ねいたします。
○登川安政商工振興課長 平成22年度の予算額が6240万6000円、決算額が3731万8000円と不用額が2508万8000円出ております。この主な理由としては、研修関係のものが時期的に着手したのが遅かったものですから、工場関係の一番忙しい時期に重なりまして、予定の研修予定人数よりも下回ったこと。それと3月11日に発生しました東日本大震災、この研修先自体が福島県の衣類縫製事業者のほうで行ったものですから、そのために中断した事業もあって、この研修関係で約280万円減額になっております。
 それと専門家招聘研修も、これは県外へ行けない方々に対する県内の研修関係を行っていますが、この事業のほうも震災関係で3月以降の研修回数が減ったこととか講師のスケジュール、それと当初予定していた講師謝金等よりも相当額安い金額で執行できたものですから、この専門家招聘研修関係が990万円の減額となっております。
 あと、縫製機械等の賃借料があったんですが、これも追加リースを予定していたものが研修機器で対応できるということで、この縫製機械等の賃借料で約400万円の減額とか、そういった形で事業の実施自体、本体自体は実施しながら、こういった関係での不用額ということでございます。
○上里直司委員 研修を募集してもなかなか応募がないという実態があると思うんです。ここは中小企業一般的に言われている課題なんです。だから、そういう意味でもできるだけ幅広く呼びかけて技術者をふやしていくということ。この目標がないと、ただ予算の範囲内でやればいいのではないかというふうなマインドに陥りやすいはずですよ。だから、そこはぜひさっき言ったことを重ねて意識していただきたいということでお願いします。
 1点だけ聞きたいんですが、縫製機器の賃借料というのが500万円ぐらい計上されているんです。400万円減額されたといえども、500万円の金額を恐らくもうことしの事業にも費やされているはずなんですけれども、これはリース料といって、これを借りて今後どうされるんですか。組合の資産になるんですか。
○登川安政商工振興課長 この機械関係については、例えばCADの機械、それからカッティングの機械、あと縫製ミシンを入れて、研修所設営で使っております。この機械については、この事業は今年度で終了しますけれども、引き続き組合のほうが活用するという形で調整しております。
○上里直司委員 わかりました。
 それでは、含みつ糖対策についてお尋ねいたします。事業名はもう結構なんですけれども、平成22年度で随分の在庫を抱えていた含みつ糖の在庫をなくすというものにどれだけ予算を費やしたのか。総額で結構ですのでお答えいただけますか。
○島尻勝広糖業農産課長 平成22年度の沖縄黒糖多用途緊急開拓支援事業につきましては、補正で4億
2180万4000円で事業実施しております。
 平成22年度につきましては、在庫の大きい課題を抱えておりましたので、県単のほうでも、さとうきび増産体制誘導対策事業、これについては県単ですが1000万円。それと本場の本物黒糖発信事業におきまして、PRを含めて雇用促進ということで2722万円。それと先ほど言いましたように、沖縄黒糖多用途緊急開拓支援事業のほうで4億円ほど措置しております。
○上里直司委員 これは計算してみると、約4億6000万円ぐらいの事業費なんです。恐らくこれは倉庫代というのは、皆さんのところではないでしょうから、かかってはいないんですけれども、5億円近い予算が、含みつ糖、黒糖販売にお金を注いだわけなんです。過去にこれぐらいの規模の予算を出した例はありますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 含みつ糖は7つの島で製糖工場に対して経営支援は行っていますが、消費拡大という視点で4億円をかけたということはございません。平成21年は9700トンという産糖量が出まして、やはり需給とのマッチングが十分できなくて、先ほど説明がありましたように、4億円余りの予算を活用して2600トンの新たな需要開拓ということで予算措置したところでございます。
○上里直司委員 これだけ在庫を抱えていって、結局、国民の、県民の税金を使わざるを得なくなったという事態は、これは相当深刻に反省をして、総括をしなければならない課題だと思うんです。私はこの工場にも行きましたし、業界の皆さん方の話を聞きましたが、何が問題なのかというと、結局、在庫をどう処分するというか、どうさばくかということなんです。急場しのぎに倉庫を借りたという話もありますけれども、結果的には保管状況が余りにもよくなくて、劣化をしたおかげで消費者の口に入るようなものがさばけなかったということがありますので、私は、倉庫の問題は業界と沖縄県と一緒になって何か対策を考えないといけないと思うんですが、農林水産部長、その辺の考えはお持ちですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 委員おっしゃるとおり、離島から本島に行って、それから本島から東京都ということで距離的には長いということがありまして、やはり品質保持というのは重要な課題だということです。それもあるし、それから島ごとにも地域間差があるということがございまして、今度平成23年度の予算の事業の中で、これは同じ事業名で4000万円活用して、そこをやっていこうというのが1点ございます。
 それと、やはり売る場合に、一元化販売も、これからいろいろな形のニーズの対外取引販売も必要ではないかということで、今の品質保持と販売については強化していこうと考えています。
○上里直司委員 各島々の産業を支えている、生活を支えていると言っても過言ではありませんので、その販売に関しても支援をぜひお願いしたいと思っております。
 それで、畜産振興についてお尋ねをします。後ほど山内委員が質疑をするので、私は大きな話から質疑をしたいんですけれども、この畜産業、畜産というのが随分沖縄県の農業を支える中で大きなウエートを占めていると思っております。それで、畜産業の今の生産高だとか、それが今農林水産業の生産額に占める割合は、伸び率というか、そういうものがすぐわかればお答えいただけますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 平成21年の農業産出額が
892億円ございまして、その4割は畜産と。特にその中でも肉用牛、豚等が畜産の中でウエートが高いというような状況でございます。
○上里直司委員 悪名高きと言っていいのかもしれませんけれども、食肉価格安定基金の基金が召し上げられるというふうなことがあって、県議会でも、それは県内で使えるようにしようということで基金の取り崩し方という形でなりましたが、ようやくこの対策事業の実施要領が固まりました。今、皆さん方が進めている畜産振興に係る事業と、この対策事業の整合性というか、関係をどういう形で今後とらえていくのか。そこについてお尋ねいたします。
○比嘉俊昭農林水産部長 まず、畜産を全国並みに引き上げると。全国並みに引き上げるというのは、まず1つは、例えば肥育の質ですね。それから、豚でしたら産肉能力、養鶏でしたら環境に優しい施設を導入して、しっかり全国と勝負できるような畜産振興ということを考えて、そのために施設を整備していくということでございます。それと、これまで県外だけを対象にしていたのを、これから海外にも向ける必要があるのではないかということで、全国に打って出るという話と、海外に進出をしていくということを目的に105億円を活用しようということを考えていまして、1つには食肉センターをつくってHACCPーハサップ対応の施設整備をしていくということが1点目です。
 それから牛でしたら、やはり飼料、えさが高いというのがございます。もちろん牧草などについても、他県に比して3ないし4倍ぐらいの生産は周年を通して可能ですけれども、それにかわるトウモロコシとかいろいろなえさがありますので、それを引き下げるような形の施設整備を牛については考えています。それから豚については、やはり環境に優しい、ウインドレス養豚というのを考えていまして、そこをしっかり整備する必要があるだろう。それと、やはり高く売れるためには、いろいろな意味で全国の情報もしっかり把握する必要があるというか、そういう情報収集も含めて、そういった全国に持っていくような形の整備を考えています。
○上里直司委員 さっき農林水産部長の答弁がありましたえさの部分です。さとうきびの葉っぱをえさにしているという農家の話は聞くんです。これは糖業振興も兼ねて、さとうきびの多用途化ということも含めて葉っぱをえさにできるような事業、既に事業をやっている方もあるかと思うんですが、それについてぜひ推進していただきたいと思うんです。県の見解をお聞かせいただけますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 これは二通りありまして、1つは堆肥という活用の仕方があります。それから、先ほど委員おっしゃったような活用もありますので、そこはバランスよく、地域によってもいろいろありますので、両方うまく活用する仕組みは検討していきたいと考えています。
○前田政明委員長 山内末子委員。
○山内末子委員 では、文化観光スポーツ部よりお願いいたします。平成22年度のカジノ・エンターテイメント検討事業報告書が出ておりますので、そちらから質疑をさせていただきます。
 まず、平成22年度までの総予算額についてお聞かせください。
○嵩原安伸観光政策課長 平成19年度から平成22年度までの累計で総額3970万2000円となっております。
○山内末子委員 平成22年度で検討事業の報告書が出ておりますが、今後のスケジュールについてお聞かせください。
○嵩原安伸観光政策課長 まず、今年度でございますけれども、調査結果に基づきまして、現在、地域説明会を実施しております。引き続き今年度、全体で6回、それからシンポジウムを開催することにしてございます。それから、海外の事例調査、これまでも実施しておりますけれども、その結果のきちっとしたフォローをしていくということと、また、新たな海外調査も計画をしてございます。それから、引き続き平成22年度におきまして沖縄統合リゾートモデルというのを構築しております。その内容についても引き続き検証を行いつつ、カジノ・エンターテイメント、統合リゾートと言っておりますが、これに関して県民議論を広げていきたいと考えております。
○山内末子委員 今、県民世論を皆さんにしっかりとやっていくということでした。先日、第1回の説明会があったようですが、その内容につきまして、どういう内容だったのか御説明をお願いいたします。
○嵩原安伸観光政策課長 地域説明会におきましては、まず沖縄観光の現状と課題について御説明を申し上げました。それから、沖縄21世紀ビジョン基本計画(素案)の中における観光振興の基本方向と、その中における統合リゾートの位置づけ。それから統合リゾートに関しましては、国の動向でありますとか、平成22年度に再構築を行いました沖縄統合リゾートモデルの考え方、その経済波及効果、それからカジノ導入に伴う懸念事項とその対策及び海外の事例について御説明をしております。
○山内末子委員 新聞でちょっと拝見いたしますと、2つの違う意見があったようですが、どういった質問内容、意見があったのかもお聞かせください。
○嵩原安伸観光政策課長 説明会におきましては、賛成する立場、反対する立場、あるいは中立的な立場ほかの意見がございました。まず経済波及効果につきましては、新たな沖縄統合リゾートモデルの見直しにより経済効果を大きく下方修正しておりますが、修正する必要はなかったのではないかという意見がございました。それから、日本では現在カジノは犯罪であり、合法化する法律ができていない状況の中で、導入を前提とした沖縄県の説明はおかしいのではないかという意見がございました。それから海外事例につきましては、特定地域の問題事例だけではなくて、ラスベガス、あるいはシンガポールなど、きちんと対応できている事例についても説明をすべきではないかという意見がございました。それから、これは自治会の代表者の方だったんですけれども、統合リゾートの導入は沖縄県の将来に大きな影響を与えそうだと。また、民設民営ということが前提であることから、懸念事項への対応が自治会、あるいは家庭の負担になると考えられるので、地域での説明会をもっとふやしてほしいなどの意見がございました。
○山内末子委員 今まさに自治会の方の意見にあったように、皆さん方は正確な情報を県民に知らしめるというような言葉があります。これが一体正確な情報になっているかということは、実は皆さん方もまだそこは論じられていないのではないかと私は思っております。
 その中で、一つ提起をいたしますと、例えばカジノ導入に伴う懸念事項への対策ということで皆さんにお示しを示しているもの。ところが、報告書の中にあります懸念事項の中で、懸念事項ではないんですが、まだまだ検証を論じなければならないという検証があります。例えば、今の既存の観光施設への問題、あるいは観光メニューの問題、そういった既存との整合性の問題ですとか、そういう件についてはまだまだ検証が必要だとか、あるいはまたほかにもありました。立地形態についてもまだまだ検証が必要だと。沖縄県自体もまだまだ検証が必要だというような事態の中で、県民に対してどうやって正確な情報が示されるのかといいますと、そこは全く正確な情報は訴えられないのではないか。そういう懸念が発せられると思うんですが、その件についていかがでしょうか。
○嵩原安伸観光政策課長 委員御指摘のように、私どものほうでもまだまだ研究が足りないと認識はしております。ただ、こういう中で地域説明会を行うということについては県民の中で賛否両論があって、沖縄県はこういう事業費を計上してどういったことをやっているんだという声が大きくございますので、そういう声に対して、我々は今現時点でこういう調査をしていて、こういう考え方を持っていますよということをお伝えすることは非常に意義があると考えておりますので、それで実施をしております。
○山内末子委員 これは1期目の知事の公約でもありますし、沖縄県の執行部の皆さんがしっかりこれについてやっていきたいという気持ちはわかりますが、その中で、では、どうやって県民のコンセンサスを得ていくのか。今後、どういう形で、いつごろを目指してこれを決定していくのか。この件についてお聞かせください。
○嵩原安伸観光政策課長 この問題につきましては、国のほうでも国会議員の連盟、IR議連において、カジノの合法化に向けた法制の議論が進んでおりますので、法案を上程するという準備も進んでいると聞いておりますので、この辺の状況も見ながら、委員御指摘のように、まだまだ材料が不足していると考えておりますので、この辺はもうちょっとそういった国の動向なども踏まえながら検討していきたいと考えております。
○山内末子委員 国のほうでもそういった議連が出ておりますので、これまでよりも法的には急速化していくのかなと。そういう中で、皆さんがというよりも、それを推進している側の皆さんからのそういう意見が大変大きくなっていることも事実ですが、懸念をしている、反対する声があるのも事実なんです。ですから、そこを沖縄県といたしましては、中立の立場でしっかりと両方の意見を吸い上げながら、どうしていくんだという判断をしていただきたいと思います。
 この中で、私はちょっと気になったものが、地域説明会の中で、第2回、第3回、第4回、第6回の説明会の案内文書があります。その下に、なお、来年2月ごろには県民対象のカジノ・エンターテイメントシンポジウムの開催を予定しておりますが、その問い合わせ先に、どういうわけだか株式会社国建という形で地域計画部で担当の名前までありますが、これは一体どういう関係があるんですか。
○嵩原安伸観光政策課長 カジノ・エンターテイメント可能性調査ということで実施しておりますが、説明会の開催でありますとかシンポジウムの開催につきまして、実務的な力が必要ですので、その部分を、開催について委託をしているということで、そこの委託先を載せているということでございます。
○山内末子委員 その委託金は今わかりますか。
○嵩原安伸観光政策課長 今年度の委託料が895万1000円でございます。
○山内末子委員 このカジノという問題は、本当に沖縄県の観光を大きく変えていくようなそういう要素を持っている事業だと思っております。そういうことだからこそ、例えば今のような、本当に一つの企業の名前が沖縄県の説明会の中で出てくる。委託であるんだったら委託事業の名前をしっかり明記するのが筋ではないですか。そういった企業の名前を出していくと、そこに住民の皆さんたちの懸念事項ですとか、いろいろな形で不安要素が大きくなっていくんです。そういった意味で、ぜひそのようなところも検討して、しっかりとした正確な情報を県民に知らせていくことをお願いしたいと思います。
 引き続きまして、財団法人沖縄観光コンベンションビューローについてお願いをいたします。これまで委託した事業の数、総決算額をお願いいたします。平成22年度だけでよろしいです。
○神谷順治観光振興課長 財団法人沖縄観光コンベンションビューローに委託した平成22年度の総事業数は18事業、委託総額は12億2041万3000円となっております。
○山内末子委員 その財団法人沖縄観光コンベンションビューローから、またさらに委託をした委託数とかは御存じですか。
○神谷順治観光振興課長 今、その再委託の総額は手元にございません。
○山内末子委員 資料として後で提供していただきたいんですが、委員長、よろしくお願いいたします。
○前田政明委員長 では、そのようにお願いします。
○山内末子委員 それでは、総額はよろしいですから、大体何割ぐらいの形で委託が下請になっているのか。その辺を御存じであればお願いいたします。
○神谷順治観光振興課長 特に財団法人沖縄観光コンベンションビューローに委託している予算は国内外のプロモーションが一番多く、それから各印刷物など、そういったのも多いので、ちょっと正確な予算額はわかりませんが、約半分以上ではないかとは思っております。
○山内末子委員 今、文化観光スポーツ部ということで、これまでの部から特化した形で、沖縄観光をしっかりやっていこうという形で進められていると思います。その中で一番懸念されておりましたのが、やはり財団法人沖縄観光コンベンションビューローに対する沖縄県の、本当におんぶにだっこという形でこれまで進められたということ、これを今回、そういった部をしっかり設置していくことによって、主体的な形でそれが運営されていくのではないかという期待を持っております。そういう中で、実は地域に行きますと、観光メニューがたくさんあっても、地域の観光協会ですとか小さな観光のいろいろなメニューがなかなか情報も入ってこないですし、しっかりとした観光が進められていないのが地域の現状なんです。ですから、今回、こういった形でしっかりと地域に根をおろした観光を考えていくために、その辺のことを文化観光スポーツ部長、どういう考えを持っておられるのか、方向性についてお聞かせください。
○平田大一文化観光スポーツ部長 新しくできた部の役割、そして財団法人沖縄観光コンベンションビューロー自体も、会長がかわって、非常に今躍動感があふれるような組織体制になっております。あわせまして、今、財団法人沖縄観光コンベンションビューローの役割というものは、沖縄県からの予算をプラットホーム的な形で一元化しまして、県全体に広域的な役割を補完する意味で、観光行政にしっかりと寄与していくというようなミッションが彼らにはまたあると思います。これからも我々も市町村の、本当の現場の声が届くような、そういうパイプはしっかりつくっていきたい。それから同時に、そういったパイプの一つとして、しっかりとした形の財団法人沖縄観光コンベンションビューローの役割というものも、これから一緒に連携をとりながらやっていきたいと思っております。
○山内末子委員 今、くしくも財団法人沖縄観光コンベンションビューローの新しい役員の件がありましたので、少しまたお伺いいたしますが、その財団法人沖縄観光コンベンションビューローのほうから今100億円の補助金ですか、予算要求が出ているようですけれども、この件について少し御説明をお願いいたします。
○嵩原安伸観光政策課長 財団法人沖縄観光コンベンションビューローにおきましては、ことしの夏に新しい会長を選出して、副会長、それからその下に各専門委員会というのを立てております。企画部門、誘致、それから受け入れ、それぞれ専門委員会というのを設置しまして、その中で、これまでの観光の事業を検証しようということで、観光振興に当たって本当にどれだけの事業が必要か。そういったことを検証しまして、その結果、持続的な観光振興を図っていくためには、それぞれの部門でのトータルとしての金額が100億円というのが上がってきております。私どものほうでは、それぞれ各担当において、その中身を検証しながら、本当に必要な部分、あるいは必要がない部分というのを仕分け、検証しまして、これを来年の予算要求に反映していきたいと考えております。
○山内末子委員 どの程度反映させる予定ですか。
○嵩原安伸観光政策課長 誘客プロモーションでありますとか受け入れ体制の整備、それぞれ非常に重要な事業が載っておりますが、沖縄県の財政事情もございますので、この辺を前年度の実績も踏まえつつ検討している状況でございます。
○山内末子委員 財団法人沖縄観光コンベンションビューローの役目、それからやる気、元気も、大変私たちも認めているところではございますが、先ほども申し上げました。やはりそこは地域との整合性、それから地域にしっかりと経済効果の落ちるような、そういう観光政策について頑張っていただきたいと思います。
 それでは、農林水産部長にお願いいたします。先ほどありました畜産業についてですが、過去5年間の飼育数、それから関連農家、生産高の動向についてお願いいたします。
○波平克也畜産課長 肉用牛と豚と採卵鶏ということで、過去5年間ということなので、直近、今年度で今つかまっている数字を御説明します。まず頭数ですが、肉用牛に関しては、平成21年度で8万4868頭。さかのぼって平成17年度までいくと7万8000頭ぐらいということで、ほぼ8万頭前後ぐらいで推移しています。豚に関しては、正確に言えば、今年度24万9000頭という頭数ですが、5年さかのぼると大体24万頭ぐらいで、これも大体24万頭前後ぐらいで推移しています。それから採卵鶏ですが、136万2000羽ぐらいで、これは若干5年前からは減少していますが、5年前が147万3000羽ということでございます。
○山内末子委員 戸数についても伺っていたのですが、あるのでいいです。
 先ほど上里委員のほうにもありましたが、この畜産業については、県内の農業関係の4割を占めていると。ですが、なかなか頭打ちで発展性が余りないですね。この5年間、確かに頑張っていらっしゃいますが、なかなか発展性がないというのは、その課題についてどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○比嘉俊昭農林水産部長 肉用牛につきましては、やはりえさの問題が1つありますし、それから最近の国内の経済事情もあって、価格がなかなか厳しいというような状況がございます。それから豚については、やはり環境問題が非常に大きいと思います。そういう意味では、その対策が必要ではないのかということです。それから養鶏については、ひなを今現在鹿児島県あたりから導入をしているところでございますが、これを地元で卵からかえして親を出荷する、あるいはブロイラーを出すような仕組みを、やはり一貫体系の養鶏の仕組みを考える必要があるのではないかと考えております。
○山内末子委員 農家の皆さんたちの高齢化も進んでいるかと思いますが、そういった意味では、人材育成についてはどのようにやっていますでしょうか。
○比嘉俊昭農林水産部長 まず、基本的にはもうかるような仕組みを考える必要があるのではないか。そのことによって、恐らく後継者もついていくと考えております。先ほどお話ししましたように105億円を使って、基本的には全国並みの牛、豚、あるいは養鶏をすることによって、所得も上がる仕組みをつくる必要があるのではないかということで、いろいろな施設の整備とかをやっています。そこをやることによって次の展開ができるのではないか。それと同時に、並行して、特に肉用牛につきましては、飼育をする牧場とか、あるいは牧草を育成するスペースが必要ですので、そういった草地造成の基盤をしっかりする。いずれにしても、やはりいいものをつくる仕組みをつくることが後継者をつくると思うので、それを見せることによって、いろいろな仕組みを、また農家の要望に応じて施策を推進するということでございます。
○山内末子委員 全国に発信できるいいものをということですけれども、最近、いろいろとブランド牛というのがよく出ております。ブランド牛、ブランド豚。今、一体どれぐらいの数のブランド牛、ブランド豚が県内には飼育されているんでしょうか。
○比嘉俊昭農林水産部長 手元にちょっと数字はございませんが、まず石垣市、宮古島市、それから北部のほうの今帰仁村にたしかあったと思います。そういうところで、自分独自のブランドということで売り込んでいる状況です。
○山内末子委員 きのうの産業まつりで、石垣牛の皮を、本来でしたらもう捨てているというか、お金を出して農家が処分させている皮を買い取って、かばんをつくっているという業者がありました。そういう意味では、やはり今、もう肉だけではなくて、それを何とかして加工しながら、しっかりと生産に載せていくマーケットをつくっていく。その辺は観光も、それから商工とも一緒になった形で、これからいろいろ可能性はあると思いますので、そういった可能性に向けてもっと研究をしていただきたいと思うんですが、その辺の決意についてお聞かせください。
○比嘉俊昭農林水産部長 私は、直接その方にお会いして、やっぱりこれから肉だけではなくて、肉でとれた皮も付加価値分ですので、そこを売りたいというふうな話がありましたので、ここについては商工労働部も連携して、しっかりと付加価値を高めるような形を検討していきたいと思います。
○山内末子委員 最近、モズクのことをスヌイと。昔がスヌイだったんですが。今、スヌイを商品としてやっていますが、モズクについては全国展開の中で、もうモズクの名前のほうがずっと承認されておりますが、その辺について、県としてはどういう考えを持っていますでしょうか。
○比嘉俊昭農林水産部長 1業者ですか、ことしの6月からモズクの製品をスヌイという名称で県内に限って販売しているということを聞いております。一方、沖縄の方言でもスヌイイコールモズクということで紹介されているところがあります。ただ、これまでモズクということで沖縄県でも取り上げてやっていますので、これについては沖縄県もずく養殖業振興協議会というのがありますので、そことも連携しながら、消費者に混乱が生じないような形で対応は考えていきたいと思います。
○山内末子委員 今モズクについては、全国的にも展開されておりますし、いい形できておりますので、一つにまとめる必要もあるかと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 商工労働部長、一つだけ。みんなでグッジョブ運動の成果と決算額をお願いいたします。
○新垣秀彦雇用政策課長 みんなでグッジョブ運動には3本の事業がありますが、合わせてこれらの平成22年度予算額の合計は6930万円、決算額が6613万8000円となっております。
 成果につきましては、この運動は平成19年度からしておりますが、平成18年と比較しまして、平成22年は就業者数が全国で126万人減少する一方で、本県は2万5000人の雇用創出が図られている。また、完全失業率については、リーマンショック等の不況等で全国が4.1%から5.1%へ悪化する中、本県は若干ではありますが、7.7%から7.6%に改善した状況でございます。
○前田政明委員長 休憩いたします。
   午前11時55分休憩
   午後1時20分再開
○前田政明委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 仲田弘毅委員。
○仲田弘毅委員 まず、農林水産部長のほうに質疑をさせていただきます。主要施策成果に関する報告書の80ページ、県営かんがい排水事業の中で金武町の整備事業が入っておりますが、まず内容等について御説明をお願いします。
○前田幹男農地水利課長 県営かんがい排水事業の実施状況ですが、県営かんがい排水事業は、受益面積50ヘクタール以上の農地を対象にして農業用水源の開発、かんがい施設の整備や排水不良地域における排水路の新設、改良等を行っております。農業生産性の向上と農業経営の安定化を図る目的の事業であります。平成22年度は、事業費決算ベースで54億4423万8000円で、うるま市や宮古島市ほか12市町村において、36地区で約330ヘクタールの整備を行っております。平成22年度までに水源整備が2万2787ヘクタール、かんがい施設整備が1万6751ヘクタールの整備を完了しております。
○仲田弘毅委員 今、何地区かの事業が対象になっているという中で、うるま市というお話がありましたが、うるま市はどの辺のどういった事業内容か、説明をお願いします。
○前田幹男農地水利課長 旧与那城町、勝連町の地域において、与勝地区で地下ダムが整備されておりますが、その末端の畑かん施設の整備をやっているところです。
○仲田弘毅委員 おかげさまで、うるま市の中の私たち与勝地域、干ばつのときにさとうきび畑が枯れたという事態もありましたが、今、その恩典を受けて、農家の皆さんも大変喜んでいらっしゃいます。
 農林水産部長、復帰して来年の5月でもう40周年を迎えるわけですが、この新たな事業、与勝ダム事業は、これは何カ年かの継続事業でありましたけれども、立派なのが完成しておりますが、それ以外のかんがい用水設備、特に津堅島等においては昭和51年から昭和54年度前後の施工の工事でありまして、もう老朽化しているんです。そういうふうな老朽化した施設を含めて、基盤整備が、やっぱり再整備がどうしても必要だということを一般質問の中でもさせていただきました。その中において、この平成22年度予算の中に津堅島のニンジン、野菜と芋が今度含まれてまいりますけれども、その整備については、ぜひ早目にお願いしますというお願いもしました。平成25年度に対応するという答弁をいただいておりますが、そのことについて再度お願いします。
○比嘉俊昭農林水産部長 今、委員から御説明がありましたように、老朽化が進んでいるということで、一般質問でも答えましたが、平成25年度の県営かんがい排水事業で整備していくと。事業費としては27億円で、88ヘクタールの受益ができるような貯水池に新しく整備していくということを今考えております。
○仲田弘毅委員 続きまして、85ページ。これは南大東漁港の整備についてでありますが、この事業について御説明をお願いします。
○比嘉俊昭農林水産部長 南大東漁港の整備につきましては、現在、着々と整備をしていまして、平成
12年11月に一部供用開始をしまして、現在は漁船の出入り口の安全性を高めるための防波堤、それから航路のしゅんせつを行っているところでございます。その中で、南大東を今整備しているところですが、北大東においても、平成21年度から事業を進めていまして、平成26年度までには地元の漁船が利用できるような形の掘り込みをしている状況でございます。
○仲田弘毅委員 南北大東の漁港の整備について、私はことしの4月に初めて南北大東をお伺いさせていただきました。南北大東の船舶の大変厳しい状況で、港がないような状況で、乗りおりも大変だという話は聞いておりましたけれども、漁船の避難港としてのあの役割を見させていただいて、やはりこういうふうな南北の小さな村は、国、県の援助がなければ、とてもじゃないけれども、生活ができるような状況ではないなという感もいたしました。これは何年度から何年度の事業でもって、何年度の完全なる完成を予定しておりますか。
○増村光広漁港漁場課長 御案内のように、南大東漁港は、南大東島の南大東地区と北大東島の北大東地区、2つで南大東漁港と言っております。
 そのうち南大東地区につきましては、現在、平成
14年から平成23年度の長期計画で112億円の事業費で整備を今進めているところでございます。総事業費的には262億円の予算をかけておりますけれども、平成26年度までに概成をしていきたいと思っております。その暁には、60隻程度の5トン以上の船が常時安全係留できるような整備を目途としております。
 北大東地区につきましては、平成21年度から工事着手をいたしまして、73億円の事業費をかけまして、平成26年度までに掘り込みを完了して、漁船が安全な係留ができる泊地を造成する予定にしております。いずれにしましても、平成26年度をめどに整備を進めているということでございます。
○仲田弘毅委員 ぜひ予定どおりに完成をさせていただいて、南北大東はもとより、この沖縄県全体の漁民の皆さんが安心して操業ができるような体制づくり、そして緊急避難場所として活動の場にもしていただきたいと思います。
 きょうこの2点の質疑をさせていただいた意味は、さとうきびは御案内のように沖縄県の基幹産業でありますし、さとうきびはTPPでも大きな課題になっておりますが、私たちの沖縄県としては、さとうきびは、これはもう基幹産業の1つとして力を入れていかなくてはならないことだし、そのための農業基盤整備を必要とし、かんがい用水設備も必要である。この畑かんをしっかりと管理することによって、農業の生産、トータルももちろんよくなるわけですが、この単収というか、1つの単収、これはもう水があるかないかによって相当差が出てくると思うんです。今南北大東島の話がありましたので、私たちの本島地域におけるさとうきびの単収と南北大東島の単収の違いみたいなものがもし、お話できましたらお願いいたします。
○比嘉俊昭農林水産部長 今、仲田委員がおっしゃるとおり、まず南北大東島については、ため池しかなくて、雨が降らないと水がたまらないという状況です。その結果、水があれば一定程度の単収がとれるのですが、水がなければなかなかとれにくいということで、点滴かんがいを使って、できるだけ水を有効利用することでやっています。いずれにしても水が足らない状況です。
 一方、委員からも先ほどありましたように、与勝地区とか地下ダムがございまして、そういうところは、やはり通常の単収よりかなり高いと。特に宮古島が地下ダムを整備したおかげで、これまで20万トンだったのが30万トン台まで上げて、そういう意味では、タイムリーに水をまけてやることが重要だというになると思います。
○仲田弘毅委員 今答弁をいただけなかったんですが、南北大東島のさとうきびの単収は多分五、六トンぐらいだと私は聞いた記憶があります。しかし、我々うるま市の地下ダムの恩典を受けているところは単収15トン、16トンになる。これだけの開きがある。それでも南北大東の両村では2000万農家がいらっしゃるということは、ちゃんと近代化農業をしっかりやっていらっしゃる。太平洋の中の孤島の一角でも日本人として一生懸命頑張っているし、与那国島、波照間島でも、換金産業の一環として子育ての中で一生懸命国土、県土を守っていらっしゃる方々がいる。そのためにも、我々はやっぱり農業というものを、第1次産業をしっかり守っていく必要がある。このことを言いたいがために農林水産部ももっともっと力を入れて、ともに頑張りたいという質疑をさせていただきました。
 次に、主要施策の成果に関する報告書の103ページ、グローバル市場展開強化事業でありますが、この事業は、前に商工労働部のほうでハブ空港、ハブ貨物の大きな展開をやっていますけれども、その事業との兼ね合いはどうなっておりますか。
○湧川盛順産業政策課長 この事業は、まず香港、上海に営業スタッフを配置するというものと、もう一つは、北京、成都、タイ、シンガポール等に委託駐在員を配置する事業でございます。今御質疑のありました国際航空物流ハブ活用推進事業は、実はこれは企画部の事業でございますが、その事業と一緒に連携しながら、今の営業スタッフ、それと委託駐在員が事業の展開に取り組んでいるところでございます。
○仲田弘毅委員 その中で、商工労働部はもともと観光商工労働部と言われておりまして、観光もすると思うんですが、この事業効果の中に、観光誘客についての成果があったという報告でありますが、そのことはどういうふうな事業になりますか。
○湧川盛順産業政策課長 観光との関連では、例えば今の国際航空物流ハブ活用推進事業の中で、誘客のための海外メディアに向けたプロモーション事業というのがございます。そのことについても一緒に応援してやっているところですし、それから、例えば北京からの直行便の誘致というんですか、そういったことにも一緒に取り組んでいるところでございます。
○仲田弘毅委員 この事業の中に物産の販路拡大ということもありますし、それから、我々はせんだって台湾の親善交流で台湾を訪問させていただきましたが、そこにも財団法人沖縄県産業振興公社、沖縄県の出先がありまして、一生懸命頑張っております。沖縄県の物産をお互いの東南アジア圏域にまたがって、頑張って取り組んでいただきたい。これは文化観光スポーツ部の所轄と表裏一体で、僕は前から各部署横断的な事業展開が絶対に必要ですよということをお願いしておりますので、今後とも頑張っていただきたいと思います。
 次に、文化観光スポーツ部長のところについて、121ページ。これは戦略特化型観光客誘致重点事業の一環でありますが、クルーズ船の誘致等の事業、これの説明をお願いします。
○神谷順治観光振興課長 戦略特化型観光客誘致重点事業の中に5つの事業がございますが、その1つにクルーズ船誘致促進事業というのがございます。このクルーズ船の誘致なんですが、現在台北からスタークルーズ船というのが定期的に来ております。沖縄県としては、そういった既存の定期スタークルーズほか、ロイヤルカリビアン社とかフォースタークルーズ社など、スタークルーズ以外のクルーズ船の沖縄県の誘致拡大に向けて今現在、そういったプロモーション等も行っているところでございます。
○仲田弘毅委員 このクルーズは先ほど説明がありましたスタークルーズのリーゼネラルマネジャーさんにお会いして、いろいろな意見交換をしていただいて、沖縄県の観光に対して何か御要望はありませんかというお話の中で出てきたのがCIQの問題。従来、入国審査に関しては海外臨検という方法もあったらしいんですが、これが今中止になっているんですが、そのことについて御説明をいただけますか。
○神谷順治観光振興課長 法務省のCIQのほうから話がありまして、これまでは海外に行って沖縄に来るときに一緒に乗って船内で検査をしたんですが、指紋とか顔写真とかを撮るんですが、この機器がトラブルになると。それがどうも対応できないかもしれないということで、現在その改修がある程度見込めるまでは中止というか、延期にしているという話は聞いております。
○仲田弘毅委員 この臨検、CIQで不平があるということは、これは観光立県としての沖縄県のイメージを相当損なうことにつながっていくと思うんです。ですから、迅速に早目に入国審査ができるということは、それはある程度相手に好印象を与えるわけですが、こういった不平が出るということは、それに対する対応策をしっかりとやっていただきたい。
 海外からのお客さんはトータル的に28万人余り、過去最高を記録しているわけですが、残念ながら海上遊走、つまり、クルーズ船等を含めて人数は減ってきている。沖縄県全体で1000万人観光を目標としているわけですから、空路も海路もしっかり対応していく必要があると思うんです。文化観光スポーツ部長、ひとつ決意のほどはどうですか。
○平田大一文化観光スポーツ部長 もう近々の課題として、他部局とまたがる部分がありますけれども、しっかり連携をとって対応できるように積極的に頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
○前田政明委員長 池間淳委員。
○池間淳委員 農業といえば、先ほど仲田委員からさとうきびというふうなことを話したんですが、芋も忘れてはいけないのではないかなと思っております。薩摩が芋を持っていったけれども、これを取り戻さないといけない。芋に害虫がいるんですが、それを防除して、これが壊滅できるようなことをやらなければ、やっぱり沖縄の芋が復活できないのではないかなと思うんですが、その事業について農林水産部では取り組んでいます。その成果といいますか、結果、進O状況はどうなっているのかをお聞かせ願いたいと思います。
○比嘉俊昭農林水産部長 ゾウムシ類の駆除につきましては、まず久米島においてアリモドキゾウムシの根絶事業を平成13年度から実施をしているところでございますが、その結果、アリモドキゾウムシについては、平成22年8月から国の確認調査を実施しまして、一部地域を除いて、平成23年9月に駆除確認を終了しております。一部地域につきましては、急峻な岩場で人の出入りが困難な地域で発生していることから、これは特別地区ということで設けまして、駆除作業をしながら根絶に向けて取り組んでいるところでございます。
 それからイモゾウムシについては、平成23年度から島全体のトラップ調査と寄主植物の発生パターン、それから分布状況を把握するための調査を実施して、アリモドキゾウムシの根絶を防除拡大していこうと考えております。
○池間淳委員 アリモドキゾウムシの媒介者は飛んでもいるんです。イモゾウムシというのはどういう種類の虫なのか。
○比嘉俊昭農林水産部長 アリモドキゾウムシについては、今委員からお話があったように飛んで被害を与える。それからイモゾウムシについては飛ばないで、どちらかというと歩行しながら被害を与えるというような虫でございます。
○池間淳委員 アリモドキゾウムシは一部地域では根絶できているが、まだ久米島一帯では根絶してないのですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 アリモドキゾウムシにつきましては、ほぼ根絶しておりますが、一部だけ、ちょっと山手のほうがなかなか人が入らない場所がありまして、そこの一部地域だけ野生虫が発見されたものですから、そこは特別地域を設けて、今現在防除しているところでございます。
○池間淳委員 イモゾウムシについてはどのぐらいの進O率ですか。
○與那嶺宏明営農支援課長 イモゾウムシについては誘引剤、密度抑圧に必要な性フェロモンの開発がまだ進んでいなくて、今、その研究開発に取り組んでいる最中です。今回のトラップはライトトラップといいまして、ライトで引きつけるということで、距離とか課題がまだ残っていまして、これの調査をしてから根絶のほうに移っていきたいと考えています。
○池間淳委員 アリモドキゾウムシが根絶されてもイモゾウムシができなければ、芋を輸出するとかそういうことはできないわけですから、それを早くやってもらいたいなと思っているんです。この予算の確保はどうなっているんですか。皆さんが根絶をしたいということはもう何年も前からも計画をされている、久米島でやっているわけですから。今から調査をしてというふうなことでは、今まで何をやっていたのかと言いたいぐらいなんですよ。ですから、そこにおいては何が足りなかったのか。予算が足りなかったのか、技術が足りなかったのか、あるいは、その技術をなぜ今まで取り入れることができなかったのか。それについてお答えください。
○比嘉俊昭農林水産部長 アリモドキゾウムシについては、誘引物質が開発されまして、そのために早期の防除が今できている状況です。ただ、不妊虫の大量増殖技術がまだ確立されていなくて、一定程度はできますが、島全体の大量の虫を養う技術が必要だと。その確立を今やっています。
 それからイモゾウムシについては、やっていないのではなくて誘引して誘殺する仕組みを並行してやっていますが、まだ肝心の誘引物質が開発されていない状況があります。それから大量に人工飼料をつくる技術が、まだ確立されていないというような状況でございます。
○池間淳委員 ぜひ、さとうきびと芋で育ってきた一人として。食料にしてきた芋ですから。それを薩摩とは言わずに、沖縄県では何芋と言っているんですか。皆さんは統一したことが決められておりますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 今現在、まず1つは「いもの日」を定めまして、11月16日を「いいいむの日」ということで「いもの日」を定めております。これについては協議会をつくりまして、現在、嘉手納町、読谷村、ことしは八重瀬町のほうで啓蒙普及しようということで取り組んでいるところでございますが、その委員の中にいろいろ話をしますと、まず1点目は、読谷紅とか地域の特産の名前がいろいろあるようです。ですから、聞いたら、琉球芋という総称もいいんでしょうが、個別で売っているものが、全体的な名前をつけることによって、自分たちではなかなかPRできないのではないかというようなこともございます。ただ、県としては、やはり琉球というイメージができるような名前をつけたほうがいいのではないかと今提案しています。全体としては琉球をイメージできるような名前にして、中の地域で例えば読谷紅とか地域は地域でやってもらって、全体としての商標は必要ではないかということで提案しているところです。
○池間淳委員 読谷村は紅芋、嘉手納町では野国芋と呼んでいますが、これは今農林水産部長が説明しているとおり、琉球あるいは沖縄県を代表するような名前にしていただきたい。それは提案をしているということなんですが、いつごろ決まりますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 まず、その提案を受けてアンケート調査を今入れているところです。そうしますと、大体の人がやっぱり沖縄をイメージした芋の名前が必要ではないかという提案もございます。まだ一部地域しかアンケート調査をしていませんので、我々としては全県的なアンケート調査を入れまして、調査結果を踏まえて名前の提案まではしていきたいと考えています。
○池間淳委員 いつごろまでにやりますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 何回か我々もいろいろ提案しているんですが、今おっしゃるように読谷村は読谷の名前が必要だということで、なかなかコンセンサスが得られていない状況があります。ただ、これは議会でも取り上げられて、やっぱり早目につけたほうが戦略上としてはいいのではないかという話もありますので、改めて年度内に会議を持ちまして、どういうスケジュールでいくのかの確認をしたいと思っています。
○池間淳委員 年度内にはその委員会を開いてやるということですから、ぜひ早目にやっていただきたいと思っています。やっぱり芋を今でもサツマイモと言っている人が皆さんの中でも多いと思うんですよ。薩摩ではないわけですから、薩摩は100年おくれていますからね。そういうことがないように、やっぱり琉球紅芋とか、琉球野国芋とかいろいろ工夫はあるはずですから、これをきちんと決めて統一して、芋は沖縄県だということを日本全国に示していただきたいと思います。
 それから、文化観光スポーツ部長にお願いします。しまくとぅばの日、浦崎唯昭委員が一生懸命やって、9月18日はもうしまくとぅばの日になっているわけなんですが、その継承、あるいは普及についてどういう努力をなされているんですか。どういう事業展開をして、その成果はあるのかどうかを聞かせていただきたい。
○端慶山郁子文化振興課長 しまくとぅばについては、前から文化振興課でやっていたしまくとぅば体験事業というのと、それから、今年度教育庁の管轄から移ってまいりましたしまくとぅば表記検討事業というのが来ております。しまくとぅば体験事業では、例えば市町村の文化協会とか、市町村を通してワークショップだったり、子供たちや地域の人に体験事業をしたり、何回か講座を開いて体験事業をやっています。今年度のしまくとぅば表記検討事業は、これは表記検討というか、今年度は普及を推進するための事業をやっていこうと考えておりまして、しまくとぅば普及推進委員会というのをこれから立ち上げて、できることをやっていこうと考えております。
○池間淳委員 方言がどういうふうにすればなじまれるかということが一番大事なんです。僕も方言をよく学校でも言って、我々のころは方言札といって、赤、黄色、緑というのがあって、いつも赤だったけれども、今は青になっていますが。やはりこの方言を大事にしていく。文化を大事にしていくということはきちんといろいろな事業を展開しながら頑張っていただきたいと思います。
 そこで、平田文化観光スポーツ部長が頑張って、この琉球の歴史をすばらしい現代的な劇にして普及に努めて、「肝高の阿麻和利」だとか「翔べ!尚巴志」、それから八重山では「オヤケアカハチ」をやっているんですが、これはみんな方言でやっていますよね。
○平田大一文化観光スポーツ部長 実は「肝高の阿麻和利」も、うるま市、当初はまだ勝連町ですから、勝連町内の島の言葉を使ってやろうということになりましたが、7つの字区があってそれぞれがすべて言葉が違う。どこの言葉でやるんだという議論になりまして。結局、子供たちにとってもまずは入り口まで連れていこうということで、基本的にはそれぞれの地域はそれぞれの地域の言葉を随所に入れながら、今はおおむね標準語での舞台構成となっております。
○池間淳委員 標準語では、やはりその雰囲気をあらわせないのはあるはずなんです。そこで、ぜひ、今随所に方言を取り入れているということなんですが、それをできたら方言で劇ができるように頑張っていただければ。幾ら事業を展開するよりも、この芝居に参加したら、二、三百名ぐらいが1回のこの劇に中学生とか高校生が入るわけでしょう。この皆さん方はやっぱり方言にも興味を持つだろうし、しまくとぅばのありがたさもわかってくるだろうと思うんです。これからはヤマトグチではなくて沖縄のしまくとぅばの日も設定しているわけですから、しまくとぅばを大事にしようというふうなことで、ぜひ取り上げていただく。
 といいますのは、今、「肝高の阿麻和利」をうるま市で、これは勝連町で発祥しているんですが、そこの言葉が幾つもあって云々というふうなことを説明していたんですが。やはりしまくとぅばの日は、その地域の言葉を大事にしていこうということが始まりなんです。どこの言葉をどうする、1つにまとめるということではなくて、各地域の言葉を大事にしていくということですから、「肝高の阿麻和利」には中部の方言をきちんと取り入れてやっていただく。また「翔べ!尚巴志」は首里、南部を中心にした歴史なんですが、これは首里を初め南部の言葉を取り入れる。「オヤケアカハチ」は八重山ですね。
 そこで宮古だけがないんですよ。平田文化観光スポーツ部長はわかると思うんですが、宮古には仲宗根豊見親というのがおりましたよね。また人頭税を廃止した農民の皆さん方、これは劇もやったけれども、そういうことを宮古は宮古できちっとやって。その地域の言葉を劇に入れて、地域の子供たちに使ってもらうということになれば、やはり普及の大きな貢献にもなるのではないかと思うんです。その点についてひとつ。
○平田大一文化観光スポーツ部長 実は私も八重山出身でございまして、20年ぐらい前から、詩の朗読の舞台というものに関しましては自分の島の言葉を使ったものをやりました。裏返して言えば、私も含めて若い世代はウチナーグチというか、しまくとぅばに対して非常にあこがれがあります。ですから、そういった部分を今の子供たちにもうちょっと近づけた間隔でやってあげたいと思っております。あわせましてシンポジウム、それからウチナーグチ漫才等を、この間、9月18日に、しまくとぅばの日にかかわるところで見る中で非常に大きな可能性を感じました。
 ですから、今、委員がおっしゃるとおり、宮古島にも例えばシギラの伝説であったりとか、もちろん仲宗根豊見親を初め数々の、博愛精神をもとにした船の物語とか、素材はいっぱいあると聞いております。実際今も新しい舞台づくりの動きもあるというふうに聞いております。ぜひこれからは、そういった舞台で培った子供たちの興味関心がある中で、しまくとぅばに触れる機会をつくっていくということも、頑張ってやっていきたいと思っております。
○池間淳委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 劇にそういうものを取り入れていけば、まず歴史を学ぶ。そして中高校生の歴史を学ぶ気持ちとそれから方言に関心を持つ、しまくとぅばに関心を持つ。これは非常に大事なことだと思っています。そこで、劇を沖縄県として何らかの形で表彰して、沖縄県知事賞だとか、あるいは教育長賞だとかということをやっていけば、それに携わる中高校生の皆さん方は歴史も非常に勉強するでしょうし。それから言葉についても、しまくとぅばももっと大事にしていくのではないかなと。やっぱり県知事賞ぐらいに値するものではないかなと思うんですが、いかがですが。やってもらいたいと思うんですが。
○平田大一文化観光スポーツ部長 評価をしていただいていることに、まずはありがたいと思います。というのは、子供たちが頑張っている姿は、この12年間、特に「肝高の阿麻和利」はそうですが、年間約20回の公演をやってきているわけです。観客動員数は12万人を超えている。そしてつい先月ですが、9月にはティファニー財団から賞をいただきました。アメリカからの賞でございます。いわく、そういう面でいうならば、県内の我々が思う以上に県外のファン層が多いということも考えてみますと、大きなマグネットを持ったコンテンツの一つであるというふうに感じております。
 そういった観点から、実は文化資源活用型観光戦略モデル事業というのがありまして、沖縄県において人を引きつける大きな磁力を持ったマグネットコンテンツとして、現代版組踊を初めさまざまな文化事業に光を当てる作業を今やっております。ぜひそういった中で、子供たちを初めとして県内で頑張っている団体の皆さんすべてにエールを送るような形で光を当てていきたいと思っております。ぜひこれからも支援をよろしくお願いします。
○池間淳委員 検討するかどうかですよ。僕は表彰に値すべきだと思っていますから。
○平田大一文化観光スポーツ部長 私自身が答えるのが非常に心苦しいんですが、文化観光スポーツ部長という立場というよりは、つい3月まではかかわっていた一人でございますので。そういった部分の認識を県庁内部でしっかり持つだけの研究をこれからやっていきたいと思っております。ぜひ検討をしたいと思っております。
○池間淳委員 自分を褒めることはできないかもしれないですが、僕らがこういう認識で質疑しているわけです。これはぜひ沖縄県の歴史を発信する。子供たちがやるんですよ。これは表彰に値すると私は思っていますからぜひ検討して、県知事賞を与えればもっともっと子供たちも興味を持ちながら頑張っていくと思います。ひとつしまくとぅばを普及する、歴史を発信する。そのためには県知事賞ありというふうなことで頑張っていただきたい。
 終わります。
○前田政明委員長 佐喜真淳委員。
○佐喜真淳委員 早速ではございますが、農林水産部にお伺いいたします。
 まず、環太平洋戦略的経済連携協定の件ですが、政府は参加の意向というか、参加に対して前向きともとれるような意見が出ているようでございます。まずは沖縄県の第1次産業、農業、林業あるいは漁業を含めて携わる農林水産部長としてTPPをどのように考えているのか。沖縄県としての方針というものがあるのであれば、まずそのあたりから御説明をお願いできますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 野田総理の所信表明の中で、日本のTPP交渉参加についてしっかり議論し、できるだけ早い時期に結論を出すということで、11月のAPECまでには結論を出すことが予想されているところでございます。TPPについては原則としてすべての品目で関税を撤廃することが前提となっていることから、国内の農林水産業に大きな影響が出ることが懸念されております。沖縄県についても同様でございます。
○佐喜真淳委員 多大な影響を及ぼすということでございますが、新聞報道の中で10月21日金曜日にもTPP参加阻止宣言、いわゆる大会が開催されました。約1100名の関係者の方々が参加されたということでございますし、当然そこは慎重にしながらも、やはり第1次産業を守る上から参加しないでほしいという決意の宣言だったと私は思っております。
 そこで、農林水産部長にお伺いしたいのは、第1次産業、農業、林業あるいは漁業を含めて、TPPに参加した場合、沖縄県の第1次産業に影響する金額、あるいは従事している方々への影響というのはどういうふうに推測されているのか。数字の持ち合わせがあるのかどうかの説明をお願いできますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 国内の影響は出ていまして、国産農産物については4兆5000億円という数字が出ていますし、雇用でも約350万人減少する。そういう国の試算に基づいて沖縄県を試算しますと、直接影響額が580億円、直接経費も含めて波及効果は1422億円の影響が出るものと考えています。それから雇用につきましても、これは農林水産業関連産業を含めますと、約2万9000人の影響が出るものではないかと試算しているところでございます。
○佐喜真淳委員 今の農林水産部長の影響額並びに人口の影響といいますか、影響される方々の人数も出てまいりましたが、11月のAPECまで、国の方針というお話がございました。この短い期間で沖縄県としてはどういうふうな形で政府に対して要望していくのか、そのあたりはどういうふうに考えておられるのか、御説明をお願いできますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 先ほど委員から話がございましたように、JAが先週、TPPに対する影響とかいろんな意味で方針を立てて、県のほうも一緒に連携してTPPの概要についての内容を広く県民に知ってもらうということで取り組んでいる状況でございます。
 それからJAにつきましては、11月に向けて署名活動などもあるし、全国大会もやると聞いています。県としては全国知事会を通しまして緊急に、平成23年10月19日に全国知事会のほうで関係省庁に対して国民的な合意を得た上で判断してほしいというような要望もしていますので、引き続きTPPについては国の動向を見ながら適切に対応していきたいと考えております。
○佐喜真淳委員 農林水産部長、先ほど冒頭にどういう影響があるか。金額的な影響の質疑が出たと。いうなれば、参加しては困る、プラスにはならないと。沖縄県の農業、林業、あるいは漁業を含めて、皆さんが携わっている部署に関しては少なくともTPPに関してはやってはいけないという判断ですよね。判断であるならば、11月というのは短期間しかないものですから、逆に皆さんのほうでしっかりと政府に当たる。沖縄県の林業、漁業、農業を守る上からしてもそこは強い姿勢で臨んでほしいんですが、もう一度決意のほどをお願いできますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 先ほど話したように農林水産業については影響が大きい状況でございますので、これまでも国に対して知事を先頭に要請をしたところでございます。それから、これについては一県だけではなくて全国的な規模で動かざるを得ないと考えていまして、それで先ほどの平成23年10月19日に緊急に県としても、これについて厳しいという状況なので参加を申し送りしてほしいという状況も踏まえています。引き続きこれについては、JA、市町村とか関係機関とも連携して適切に対応したいと考えております。
○佐喜真淳委員 ぜひ強い姿勢で臨んでいただきたい。我々自民党としてもしっかりと、TPPに参加することによって及ぼす影響というものを考えながら政府に対して、あるいは党本部に対しても要請をしていきたいと思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 一方でもう一つ、ここは多分商工労働部とも関連すると思うんですが、県産農産物の海外販路拡大の中で、今、TPPの話をしたんですが、商工労働部のほうでは販路拡大のために動いていると思います。そこで、どういう品目というか、どういう県の農産物を海外に販路拡大しようと思っているのか。今までの実績を含めて御説明をお願いできますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 沖縄県産の農林水産物につきましては、これまで香港、シンガポールを中心に紅芋、ゴーヤー、マグロ、モズク、それからアグーなども現地バイヤー等と連携して販路拡大を図っておりまして、そういう状況を引き続き実施するということで進めているところでございます。平成21年の統計を見ますと、マグロは74トン、平成22年が467トン、それから豚肉が約5トンが9.6トン、牛肉などが約2トン程度が出荷されている状況でございます。
○佐喜真淳委員 いろいろと実績を含めて御説明をいただきましたが、先ほどTPPの話もされました。そうすると、ここから出す側もある意味戦略的なことも考えなければいけない。一方で商工労働部のほうではしっかりと海外販路拡大というものを視野に入れながら今取り組んでいると思います。実際、商工労働部と農林水産部の連携というのは、TPPも含めて、農業に対しての販路拡大も含めて今後どういうふうな方向で進んでいく予定なのか。商工労働部の立場でどういうふうに考えているかの御説明をお願いできますか。
○平良敏昭商工労働部長 今後、沖縄県として、ANAの国際物流ハブ事業をどう有効に活用して本県の農林水産物、あるいはそれ以外の2次産品、健康食品とかをどう売っていくかということで、今は企画部を中心に国際物流ハブ事業をやっているわけです。これはなぜ企画部でやっているかといいますと、商工労働部、農林水産部、あるいは今でいえば文化観光スポーツ部が県として一体としてやらなければならないということで実はこの事業を始めております。そういうことで特に商工労働部と農林水産部、観光というものはどうしても一緒にセットでやらないといけません。沖縄県トータルで売り込もうということで、当然ながら商工労働部、文化観光スポーツ部、農林水産部はこれまで以上に連携して海外展開というものをやっていかないといけないと考えております。ただ、TPPとの関係では、今の交渉国が沖縄県から輸出するようなところは余り入っていないということで、海外販路拡大戦略事業とTPPがダイレクトに結びつくことは余りないのかなと今は思っています。
○佐喜真淳委員 ぜひ、商工労働部長がおっしゃるように、企画部、農林水産部、商工労働部、あるいは文化観光スポーツ部という分野もあるでしょう。一方で国が進めているTPPの問題も総合的に判断しながら、沖縄県にとって権益は何なのかということを含めて戦略的にぜひ考えていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 あとは商工労働部ですが、企業訪問等特別誘致活動事業というのがございまして、皆様の概要を見ておりましたが、そこで今日まで企業が何社来て、あるいは、特別自由貿易地域に今何%来ているのか。そのあたりの御説明をお願いできますか。
○屋比久盛敏企業立地推進課長 現在、特別自由貿易地域、それから那覇自由貿易地域は合わせて46社の企業が立地しておりまして、雇用者数は1032人となっています。
 計画に対するパーセントという話でございましたが、第3次沖縄県産業振興計画におきまして、平成23年度までは立地企業の目標数は75社でございます。現在30社でございますので、パーセントとしては40%でございます。
○佐喜真淳委員 もう少しかみ砕いて質疑させていただきたいんですが、当然ここは雇用にも影響してくるだろうし、沖縄の産業に対しても影響する。しっかりと目標値が達成されればの話ですが、今46社という御説明の中で、撤退した企業もございますか。
○屋比久盛敏企業立地推進課長 当然、この間の長い期間に経済変動がございましたので撤退した企業はございます。
○佐喜真淳委員 何社ですか。
○屋比久盛敏企業立地推進課長 去年までの実績ですが、那覇自由貿易地域は昭和63年からで34社が撤退しました。それから、特別自由貿易地域は平成11年から平成22年までの間に14社が撤退しております。
○佐喜真淳委員 トータルで約48社。何をお聞きしたいかというと、私は、皆さんが特別自由貿易地域、あるいは那覇自由貿易地域をつくったにもかかわらず、ここに企業が張りつかない原因があると思うんです。その原因というものをしっかりと分析しない限りは次の展望がないと思うんです。そこで商工労働部長にお伺いしたいのは、この理由は何なんですか。撤退した理由と、ここになかなか腰を据えて企業が育成できない理由というものはあるんですか。
○屋比久盛敏企業立地推進課長 まず撤退なんですが、撤退した企業は当然経済環境が悪くなりまして、立地した後、売り上げが落ちていったと。それで未収金等々を残していきます。それが経済状況が主だということの撤退でございます。
 それから、うちの特別自由貿易地域を中心に立地する条件としまして、企業アンケート調査を毎年やっておりますが、その中では、主に国内外の交通アクセス、専門知識を持つ人材の確保、物流コストなどが主なものとして挙げられております。
○佐喜真淳委員 では、その問題の改善策というものはされているんですか。
○屋比久盛敏企業立地推進課長 我々も、何度もそういう課題が出てまいりますので、例えば物流コストに関しましては、特別自由貿易地域から那覇港に持っていくまでのコンテナ補助。それからことしにおきましてはドア・ツー・ドアということで、特別自由貿易地域の工場から、那覇自由貿易地域も含めてですが、例えば本土の納入先までを対象にしまして補助を出しているというようなことも行っております。さらに今後としましては、当然人材の確保等がございますので、それに取り組むとともに現在見直しております優遇税制制度の抜本的な改正を図っていって、さらなる企業の立地につなげたいと考えております。
○佐喜真淳委員 確かに皆さんは補助あるいは企業立地に対する助成金等々の事業もございます。ただ、実績ベースから見るとなかなか上がってないんですよね。助成事業にしても平成20年にゼロ、平成21年にゼロ、平成22年でようやく1件、1100万円程度が企業立地促進事業の中で助成されているんですね。ことし、平成23年度からネットワーク強化事業ということでされていますけれども、そもそも特別自由貿易地域をつくってそこに企業を張りつけて、沖縄県に企業が立地する拠点にするはずだったんです。しかし、そこがうまくいかなくて、ことしで切れる沖縄振興特別措置法、次年度以降、新たに企業の張りつけには規制緩和も含めてやらなければいけないということも含めて、反省の中で分析。分析をしながら次に生かすという形のシミュレーションがあってもいいと思うんです。ですから、今年度で切れる沖縄振興特別措置法、あるいは新たな振興計画の中でどういうふうな位置づけで今取り組まれているのか。具体的な策がありましたら教えてもらえますか。
○平良敏昭商工労働部長 この間、撤退する企業も特別自由貿易地域で10数社あったということで。やはり平成11年に特別自由貿易地域を指定して、ある面、沖縄県が本格的に県外企業誘致に動いたのは初めてのケースということで。なかなかそういう経験がない中で、一生懸命とにかく誘致しようということ等がかなり前面に出て。一方で沖縄県に来ようとした企業の中にも財務基盤が非常に弱い。少しの経済変動、あるいは自分たちのマーケティング、商売のやり方がうまくいかなくてすぐおかしくなったというようなケースもあって。必ずしも制度がどうのこうの以前の問題も、私自身も8年ぐらいそこを担当しましたのでよく反省として記憶しております。
 そういうことで、今回の次の10年においては、その辺の経緯も踏まえてもう少し企業が使いやすいような仕組み。しかもメリットがあるような仕組みで今国のほうにも要望しております。例えば法人税の所得控除においても、現行は35%で新規の企業、なおかつ専らその地域内でのみ事業を行うこと。そういう使い勝手の非常に悪い現実がありますからこの辺も是正して、それに合うような企業を誘致したいということで、今そういう方向で取り組んでおります。
○佐喜真淳委員 約10年以上皆さんは取り組んでいますし、例えばそこの反省材料というか、分析を含めてやると。今、タイのほうで日本企業が大打撃を受けてほぼ全滅だと言われています。もし皆さんが分析してしっかりとわかっているのであれば、逆にアプローチをかけることが考えられると思うんです。沖縄県がしっかりと自立するためにこういう企業誘致戦略を持って、かつ今までの時間的なプロセスをしっかりと分析しているのであれば、逆にそれを武器として戦略的に取り組めたはずなんです。ですから、今からでも遅くはないと思いますから、ぜひそういう視点を持ちながら、しっかりとこの時代時代、タイミングを逃すことなく努力していただきたいと思います。
 文化観光スポーツ部長に聞きますが、まず、世界のウチナーンチュ大会お疲れさまでした。大分盛会裏に終わったと思いますし、過去最大の5000人以上の方々が来た。冒頭御説明があったように課題も見えてきた。今後の取り組みというか可能性も見えてきたというお話でございます。まず、今回のウチナーンチュ大会に初めて文化観光スポーツ部長として取り組んだ感想と今後の取り組み方、反省を含めて感想を述べていただけますか。
○平田大一文化観光スポーツ部長 約5000名余りの県系人の方が見えて、そして県外からは、県人会によるとトータルで約6000名の県人会関係の方が見えたことになります。3万1000人の方がグランドフィナーレに皆さん駆けつけまして、これまで小さな、小さいといっても沖縄県では一番大きかったんですが、展示棟でやっていたその部分から、セルラースタジアム那覇という大きな会場に移りましたので、一緒に感動が共有できる輪がまず広がったと。それから、今回の大きなテーマはネクストゼネレーション、次の世代をいかにどうつなげていくかということ。そしてもう一つは県民に多く参加してもらうこと。3つ目はウチナーンチュという部分における新しいコンセプトづくり。つまり沖縄県で生まれた人だけではなくて、沖縄県のDNAを持つ人、それから沖縄県を愛する人も含めてみんながウチナーンチュなんだというような大きなコンセプトをしっかりと共有できたと。そういう面では新しい局面、新しい部分が見えてきたなという気がしております。
 課題に関しましては、今までの5000人規模が1万
5000人規模のスタジアムになりましたので、それに関する部分での受け入れの仕方等々、対応の仕方にもさまざま課題が出てまいりました。これはまた次の大会へ向けてしっかりとそういうものもつなげていきたいと思っております。
○佐喜真淳委員 まさに1世、2世の時代から、3世、4世あるいは5世という次の世代に向けて。5年に一回の大会をいかにまた発展し継続していくかというのは大きなテーマだと思います。我々は政治的用語で、選挙が終わると翌日からもう選挙運動という話がございまして、終わった時期でこのような話をするのはあれですが、熱が熱いうちにしっかりと分析をしながら次の開催に向けて取り組んでいく。そういうことも大変重要だと思いますので、ぜひ今後とも継続していきながら、ウチナーンチュが世界に羽ばたけるような環境づくりのため、次の大会を成功させるために頑張っていただきたいと思います。
○前田政明委員長 浦崎唯昭委員。
○浦崎唯昭委員 ハイサイ、クタンレーネーミソウラニ。ジンミススムヤーニ、ワッタアヤシジムチカラ、ヤクニンノニナヤマタ。行政の立場からいいウチナーをツクラヤーサイ。
 文化観光スポーツ部長にお伺いします。このたびは、前新透さん、この方が菊池寛賞を受賞されたということで、文化を担当する文化観光スポーツ部長としても、また、恐らく同じ島の先輩としても大変喜びにあふれていることだろうと推測いたします。1万7700語余りの本をつくり、それが認められて菊池寛賞ということで、私たち沖縄県民にとりましても大変喜んでいるところです。同時に、今、ユネスコがもう発表されましたように、2009年に言葉の危機が言われております。これは奄美語、ウチナー語、それから国頭、宮古、八重山、もっとあったでしょうか、6語の言語が将来に不安があるということでございます。
 前新先生は「うつぐみ」の心が大好きだそうでございます。まさに助け合う心だそうでございますが、地元としてこれがこれからの方言に与える意味。そして今後、文化が、しまくとぅばが発展していかなければならない中でどうとらえていかれるのか。私が聞いているところによりますと、ハワイにおきましては、英語とハワイ語というのがあるそうですね。ニュージーランドにおきましても、この間、社説に載っておりましたが、地元の言葉と英語と話されているということです。しまくとぅばも、まさにそういう形でこれからしっかりと継承していかなければ、沖縄県の基礎である文化もなくなっていくということはせんだって本会議でも申し上げましたが、今回質疑したいのは文化観光スポーツ部長にです。
 前新さんの功績というのは、私はこれからもますますしまくとぅばを普及していく。そして奄美以南のしまくとぅばが危機に瀕しているという中でその危機を救う。そのためにも大変大事な決意だと思うのですが、それをお伺いしたいと思います。
○平田大一文化観光スポーツ部長 委員も言っていましたように、前新先生は実は私の父の教え子ということで、また、その息子さんであります前新透先生に私は教えられたということでは、とても親身になって本当にお祝いのメッセージをさせてもらったところでございます。あわせまして、本当に前新先生のようなああいう地道な活動があって、それでこのような賞をいただくぐらいの本当に取り組み。もちろん賞は一つの結果であり、菊池寛賞をいただかなくても、各地域で前新先生のような方々がきっと大勢いらっしゃるだろうというふうに推測されます。
 これから我々は、しまくとぅばに関してこれはもう本気でやっぱりやっていかなければいけないという思いを文化観光スポーツ部長になって本当に痛感しております。来年から始まります新しい主要施策の中にもしまくとぅば向上プロジェクトというものをしっかり位置づけて、どういう施策になっていくのかこれからまた検討していかなければいけません。ぜひ県における大きな柱の一つとしてしまくとぅばの普及啓発、そして運動のうねりをもっとつくっていきたいと真剣に考えております。
○浦崎唯昭委員 決意をお伺いいたしました。喜んでおります。1万7700語の辞典で、今私が申し上げました危機に瀕しているしまくとぅばが抜き出ているのが与那国です。この6カ所のユネスコが発表されました場所で同じような辞典が、その地域にたくさんいらっしゃるということですが、私の周辺でもそういう方々をたくさん知っていますので、ぜひみんなであやかって、同じような辞典が地域地域にできれば大変いいことではないのかなと思います。私も期待しておりますので、よろしくお願いします。
 それから、しまくとぅばと一緒にもう一つ大事なのは、せんだって、松川文化スポーツ統括監にも知事の周辺からお話があったと思うんですが、沖縄の伝統料理も文化としてしっかりとつないでいかなければならないことではないのかなと思っております。私たちが幼少のころは、ターイユシンジ、クーイユシンジ、イラブーシンジということで、風邪を引くと薬ではないんですよ。ターイユシンジを飲むと治るよと言ったんですよね。これはやっぱり沖縄の伝統、歴史、食文化がつないできて、熱も下がる、病気も治るという料理が連綿として続けられ、今日の沖縄の伝統料理、食事がつないできているのではないのかなと思っているんです。しかしながら、こういう時代になりまして、文化である沖縄の料理がだんだんだんだん少なくなっている。
 ある意味では若い方々はほとんどわからない。そのことについて、これも今後どうしたらいいのかを真剣に考えていかないと大変大きな問題になるのではないのかなと心配するんです。文化スポーツ統括監でいいよ、もしお考えがあるのであれば、わかる範囲でいいですから。沖縄の伝統料理を今のままでいいと私は思っておりません。それをどのようにしていったほうがいいのかはこれから行政でも真剣に考えていかなければならないのではないのかなと思うんです。松川文化スポーツ統括監のわかる範囲でいいですから、よろしくお願いします。
○松川満文化スポーツ統括監 御指名ありがとうございます。せんだって、浦崎委員から知事を通して貴重な本をお預かりしまして、それも勉強しているところでございます。今、まさに私は担当部長が3名関係していると思っているんですね。伝統料理ということで食材を使ってという意味で農林水産部ですし、商工労働部長もそういった意味では大いに関係していると思います。文化という点でも大事な素材だと思います。沖縄でこんな大事な文化とも言えるものを力を合わせて関係部がもっともっと盛り上げていかなければならないかと思います。御貴重な提案だと思います。ありがとうございます。
○浦崎唯昭委員 わかりました。ぜひそういう立場で、これから文化としても料理を若い子供たち、学生たちが勉強できるような場所がまたあわせてできるように願っております。
 商工労働部長、6月定例議会で技能士の五輪、その他について質問させていただきました。そのときには終わりの中でちょっと激しい言葉になったようで反省いたしております。そういう中にありまして、なぜそのことについて再質疑するかといいますと、2月定例会の予算特別委員会で勝目観光商工部長からできるだけ積極的に取り組んでいきたいということをいただいていたんですよ。しかしながら、6月議会ではもうにべもなく答弁をされたものですから、皆様方の打ち合わせがどうなっていたのかなということで少し私も激しい言葉でお話を申し上げました。私は、できるだけ積極的に取り組んでいく中でいろんなことが見えてくると思うんですが、商工労働部長は2万5000平方メートルの問題とかお金の問題とかで、そういう形の中でこの問題を考えるということに対して私は反発したのであります。その後に課長を初め皆さんとお話を申し上げましたら、いや、商工労働部長もそういう意味で言ったのではないということのお話をされておりました。研究をして、そして技能五輪、職業能力開発行政を応援していきたいというようなお話をいただいております。私は何もすぐやれということではないんですが、ぜひそのような方向の中で、改めて答弁いただけたらありがたいと思っているんですが。
○平良敏昭商工労働部長 6月議会でああいう答弁をしたわけですが、前部長がどういう経緯でそういう答弁になったのか、必ずしも十分部内で調整がされていないままにそういう答弁になったと思うんです。いずれにしましても、沖縄県の技能五輪の中心的なものがやはりいろんな課題が、金属とか機械とか主にそういう分野が中心になっているものですから、沖縄県でどういう受け入れ体制があるのかを含めて、やはりその辺をきちんと整理しないといけないという課題があって、6月にはああいう答弁をしたわけです。
 今後、県内の製造業等がもう少し活性化して。もう一つは、大きなある面コンベンション的な意味合いもありますので、全体のコンベンションの中で費用対効果等を含めて優先順位を決めていく。特に準備が3年ぐらい、専門の担当執務をつくらないといけないとか、5億円ぐらいの経費がかかるという問題もありますので。そういう問題も全体のプロジェクト、コンベンション等の誘致の中でどちらが優先されるべきかというものを含めて検討しないといけないということから、ああいう趣旨の答弁をしたわけです。
○浦崎唯昭委員 せんだって皆さんのほうから資料をいただきましたし、また、前に私も聞いておったんですが、厚生労働省から、平成22年に各都道府県の職業能力関連の主管課に技能五輪の全国大会の依頼があるんですよね。厚生労働省と一緒にやりませんかと。そういう意味では、これに対して真剣に検討する中で、今のような広さの問題とかお金の問題とかはまた別の形で、判断するときには私たちも応援しますし、また政府と一緒になってやる部分はあろうかと思います。入り口でそういう話になるからこれはそういう話になるんであって、技能士に活力を与える、技能士が果たしてきた役割、その辺を考える。
 それから同時に、観光行政の中でも大きなプラスになるというその辺のことから考えていっての判断をしていただけるとありがたいなと思う。今、職業能力開発協会の技能士、せんだっても1万8000名余の方々がいらっしゃるというお話を申し上げましたが、その方々も期待を持って全国の技能労働者との交流ができることを楽しみにしている。そういう意味では、できないのではなくて、やる方向で検討する中でこういう形でできなかったということだったらわかります。検討もしないでそういう話になるということに対して私は6月議会で反発しましたが、政府も一緒に共催できませんかということでの依頼もあるようです。ぜひそういう立場から、技能労働者の大会等を含めて今後の可能性についてもう1度検討していただくようにお願いいたします。いかがですか。
○平良敏昭商工労働部長 中止を私が決定したとかそういう意味ではなくて、厳しい課題がありますので、そういう問題を整理しながらという趣旨で6月の議会では答弁したつもりです。引き続きこれについては、どういう方法であれば可能なのか。あるいはそれが全国大会となった場合にほかの県との関係はどうなのか。いろいろ問題等を引き続き担当課のほうで整理しながら検討、研究していくことになると思います。
○浦崎唯昭委員 武田労政能力開発課長、自主的に進められるようですけれども、今の商工労働部長の話を受けて、今やっている状況等を説明してください。
○武田智労政能力開発課長 先ほど商工労働部長がおっしゃったように、技能五輪全国大会の誘致については、会場の問題とか機材の確保、あと予算規模、運営体制等さまざまな課題があることは確かです。今後、引き続き開催県の情報とかを収集して検討していきたいと考えております。
○浦崎唯昭委員 技能士の関係者は、せんだって技能フェスティバルというのがございました。商工労働部長もお忙しくてお見えになっていないようですが、私は、そういう意味では次の機会には副知事に出席いただけるようにお願いをし、みんなに激励をしてもらいたいなと思っております。それらを含めて頑張りましょう。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○前田政明委員長 翁長政俊委員。
○翁長政俊委員 まず最初に農林水産部長、TPPの問題が今、国の大変重要課題に上っているんですが、沖縄県における影響については佐喜真委員からも質疑があったと聞いております。そこで、産業別に、このTPPが実施されると一番影響を受ける分野というのは想定できますか。どういう業種に大きな影響が出るということを想定していますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 農林水産部は、農林水産省のほうでその影響額をはじいております。それに基づきまして、農業分野についてはそれに沿った形ではじいて先ほどの数字になっているところであります。ほかの分野については、これは新聞等の話ですが、さっき言った医療の問題とか、あるいは土木の問題とか、私は所管が農林水産部ですので、その程度の情報でしか持ち合わせていません。
○翁長政俊委員 このTPPの問題でいわゆる影響額というのがはじかれているのは私も承知しています。しかし、もっと具体的に県民にわかるように説明をしないと。離島においては、農業においてはさとうきびが基幹産業として成り立っていますが、これはかなりの政府からの補助金も含めて農業というものができています。これがTPPによってどういう形に変わっていくかというものがきちんと県民が理解できるような説明がないんですよ。農林水産部長として、どういう形に変わると思いますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 今のTPPがもし仮に入ってきた場合ですが、さとうきびについては外国もそれから沖縄県においても品質差はないということからすると、100%入ってくるというような想定をしております。これは国の調査なんですが、一部、よほど品質がいいものでないとなかなか太刀打ちできないだろうということで、これも90%程度は厳しいと。ということで、これは品目ごとに想定してはじき出したところでございます。いずれにしても、沖縄県の場合はさとうきびが中心ですので、かなり打撃が大きい。それと畜産もしかりです。肉用牛しかり、また豚しかりで、やはり被害は大きいと考えております。
○翁長政俊委員 これに対する個別具体的な戦略みたいなものは持っておいでになりますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 まずは国の保護をしっかりする必要があるということで、県としては、何度も国に要請をしたんですが、まずは農業でこれだけの被害が出るので参加を申し送ってほしいというような要望をしています。それから、安心できるような仕組みというのは、外国では補助金を手厚くしたり、いろんな方法があると思います。そういう意味では、そういうものをやはり本来は国がしっかり対処法を出してもらって、その上でどうこうという話をしないとなかなか納得が難しいのではないか。そういう説明をぜひ国のほうに求めていきたいと考えております。
○翁長政俊委員 私は、皆さんの対策の仕方で弱いのではないかと思うのは、TPPは国の交渉だから国に任せておくのではなくて、国がどういう対策をさとうきびに対してとってくるのか。県側は基幹産業と言っているんですから、この基幹産業を守り育てていくためには、特に離島を中心としてどういう対策でなければならないのかというプランがしっかりとしたものがないといけないと思うんですよ。TPP交渉が始まってから考えますでは話にならないんだよ。こうなったときにどうなるという対策が必要ですから、これは事前にTPPを受ける、要するに戦略みたいなものをしっかり持つべきだと思いますが、農林水産部長の認識はどうですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 これは国もそういう戦略についてはまだ十分出して―一部政府のほうでこういう形でどうか、あるいはこれについてはこういう影響が出ますよという話はしていますが、具体的な国全体としてどうあるべきという議論がされていないという状況があります。県としては、基本的にはやはり影響がもろに確実にくるというのは間違いありませんので、ここはまずは参加してもらわないような形のほうがいいのではないか。その間にどういう対策が打てるかというのを、国は各県からもいろんな情報を収集して、そこを踏まえて考える必要があるのではないかと思っています。
○翁長政俊委員 国が考えるのではなくて、さとうきびについては沖縄単独県、九州にもありますが、基本的には沖縄県に位置する産業ですから、さとうきびについては個別具体的なものは沖縄県が主体的に考えてもいいと思うんです。オールジャパンでやるものについてはオールジャパンで結構ですよ。ですが、さとうきびが持っている離島での農産物の位置づけというのは他の作物とは全然違う。だから、ここの部分をしっかり踏まえてやらないことには、来てから考えるのではなくて、戦略というものはきちっと持っていて、それに対応するということをぜひやってもらいたいと思っているのですが、どうですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 委員おっしゃるとおり、国境に近いという面で、さとうきびがそこにあることで島が守られているということは十分承知しています。ただ、農産物全体がどうあるべきかという議論については、これは米から始まりまして、いろんな作物があります。その中の一つとして砂糖があるわけです。そういう意味では全体の戦略上の中で考える必要があるのではないかと思っています。これは九州も、例えば鹿児島県がさとうきびをつくっていますので、そこら辺の関係とか、あるいはテンサイなどは北海道ですので、そういう意味ではどういう形が使いいいのかというのはこれから議論します。ただ、基本的には国として食料自給はどうあるべきかということをまず考える必要があるのではないかと考えています。
○翁長政俊委員 余りやる気が見えないね、農林水産部長。もう少し踏み込んで、さとうきびについては沖縄県が主体的にやっていくぐらいの気概がないと、私は農業を守れないと思いますよ。そこはもっと立ち位置をしっかり認識する必要があると思います。これで終わります。
 もう一つ、商工労働部長。先島の格安航空券の運航が始まっておりますが、スカイマーク株式会社が参入しましたね。これは人だけを運ぶという運航形態になっているようですが、実際そうなんですか。
○平良敏昭商工労働部長 スカイマーク株式会社は貨物を扱っていない。つまり旅行客のかばんの荷物は扱っているようですが、いわゆる一般的な貨物は扱っていないようでございます。
○翁長政俊委員 問題なのは、JTA、全日本空輸株式会社、スカイマーク株式会社ということで競合が始まっておりますが、本当に島民にとっては格安航空券がかなりの経済的な恩典になっておりまして、これは大変多とするところなんです。しかしながら、先ほど出たように農産物、これは要するに離島から空輸で運ぶものを一切乗せないという話になりますと、これは競合が始まって生き残ったのがどの会社になるかわかりませんが、県としてはこういった問題が激化していって離島の島産品が運べないということになると、これはゆゆしき問題だろうと思うんです。こうなってくると、貨物だけの航空便を飛ばすということも考えておいでになられますか。
○平良敏昭商工労働部長 私も2年前、企画部でそういう担当をしておりました。沖縄21世紀ビジョンの中でも当然、沖縄−本土間、あるいは特に沖縄本島と各離島の航空賃が高い。したがって、離島の人たちが非常に不便。経費の面でもやっているということで、これをいかに安くする仕組みを構築するか。もう一つは、今言った貨物類をどうやって安くすることによってさらに県産品の県外への販路拡大になっていくかというのが大きなテーマなわけです。ですから、今おっしゃるようなことがもし事実であれば、これは企画部が基本的には所管しているわけですが、農林水産部とも連携して企画部とも意見交換して、適正なあり方を議論していきたいと考えております。
○翁長政俊委員 要するにこれは利益企業ですから、人だけを運ぶものと貨物も乗せて運ぶものとでは全然運航形態が違うわけです。そうなってくると、航空便で運んで鮮度の高いものを届けていくという今の農業の形態も含めて、農業の根本がもしかしたら変わるかもしれないという大変大きな出来事なんです。人だけを運ぶという問題ですから。だから、ここは県がしっかりとして離島対策の一つとして、ここの部分は商工労働部、農林水産部も絡みますので、いわゆる貨物航空を出していくぐらいの計画を持っていないと、私はうまくいかないだろうと思っているんです。農産物という意味では、農林水産部長、どうですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 まず、宮古、八重山から沖縄本島に出す運賃と、それから沖縄本島から本土に出す運賃というのは、ほぼ大体同じ程度の費用がかかるという意味では、やはり離島というものはかなり輸送コストはかかると考えています。そういう意味では、輸送手段もさることながら、今現在、新しい振興計画の中で、離島から送っても鹿児島県の運賃ということを新たな中で要求していますので、ぜひそれが実現できるように我々としては頑張っていきたいと考えています。
○翁長政俊委員 商工労働部長、もう1点。求職問題について質疑いたしますが、若年層の職業意識がかなり低いと。そこの部分がよく識者によって指摘されますが、これに対しての対策というのはとっておられますか。
○新垣秀彦雇用政策課長 高校生、大学生を中心にした若年者に対する就職支援等につきましては、インターンシップで例えば高校生を100名、大学生を200名、県外に運んで就業意識を高めていく。もしくはほかに若年者ジョブトレーニング、それと今、高校、大学に就職を支援する専任のコーディネーター、パワフルサポーターというのがおりますが、それを48名配置して、就職の指導から就職のマッチングまでの事業等をする支援等を行っております。
○翁長政俊委員 幾つか問題がありまして、いわゆる職業意識の低さ、さらには働く意欲の低下、そして低賃金の問題。こういった問題が沖縄県の経済の中においての労働問題というものにかかわっているわけです。失業率が高いというベースの中には沖縄県の低賃金があるのではないのか。一つとってみると、今、求職活動の中においても、県が進めているリーディング産業と言われるITやさらには観光産業、そこは若者たちがこれに意欲を持って就職しようと思っていない。そこに問題が今指摘されているわけです。では、なぜリーディング産業に若い人たちがつこうという意欲がないのか。ここは何が原因になっていると思いますか。
○新垣秀彦雇用政策課長 確かに委員のおっしゃる若年者の就業率、就職率、失業率が高いというところには、当然若者の働く意識がちょっと弱いという点と、あとは就職してもすぐ離職してしまうという職場環境が整っていない。これについては当然本人のやる気とは別に企業の人材育成であったり、賃金の問題、さまざまあります。それについては県としても企業のマッチングを高めるために、特にIT産業等についてもコールセンターの育成事業であるとか企業説明会において観光ホテル業、IT関係の企業に来ていただいて、学生等、求職者等とマッチングできるような機会を持っております。
○平良敏昭商工労働部長 若年者の本県の問題は、高校を卒業してもすぐ就職まで至らず、一たん専門学校に行かないといけないとか、学校の先生とかからいろんな報告等があるわけです。その辺はキャリア教育というものを中学校、小学校高学年あたりからきちんとやる必要があるなと思うわけです。若年者に限らず離職した理由、職場をやめた理由が、家庭の都合というのがよく言われるんですが、やはり上司、経営者への不満とかあるいは企業の将来性不安、給与への不満、勤務時間への不満とか、こういうのが何だかんだで30%、3分の1ぐらいになっているわけですね。その辺が単に若年者の意識だけではなくて、双方がかなり密接に関係しているというところもあろうかと思います。ですから、この辺を今後経営者の皆さんも理解しながら、特に就職した皆さんをきちんと人材育成して、そこで生きがいを持ってできるような仕組みを構築することが必要だと思うし、今後はみんなでグッジョブ運動の中で特に強力にやっていこうと思っています。
○翁長政俊委員 商工労働部長、私が言っているのは、県がリーディング産業と位置づけている観光と情報産業に若者たちが就職したいと思っていないんだよ。これは要するにギャップがあるんだよ。この現実をきちっと認識して、どういう対策をとっているかと聞いているわけですよ。本来、リーディング産業であれば花形の就職口であって、ここに勤めたいと思うのが普通なんだよ。県がやろうとしている政策と実態の求職の状態というのがいわゆるミスマッチになっているのではないのかと。ここは県の政策にも問題があるのではないですかと聞いているんです。
○平良敏昭商工労働部長 昨年の雇用動向調査の結果、厚生労働省の沖縄県の部分ですが、コールセンター関係も、そこに就職している皆さんはトータルとして60%ぐらいは、満足度を示しているわけですね。ですから、約2万人近い、1万五、六千人ぐらいの方々がコールセンターで働いていると思いますが、トータルとしては60%が満足度はあるということで。もちろん他の産業に比べますと若干低いんですが、トータルで大体平均すると、産業全体の満足度が一応70%ぐらいあって、コールセンターが若干、10%低いですが。では、なぜ若い人たちが観光やコールセンターに就職したくないのかというところで似ている部分が、確かに全国的な給与の実態を見ても、宿泊業が一番産業の中で賃金が低いという統計実態があります。ただ、それは短期間であったりいろんなケース、労働形態もありますので一概にトータルで低いとは言いにくいんですが、給与面、土日、交替制勤務とかそういうところの影響等があって、就職について若干ちゅうちょがあるのかなと考えております。
○翁長政俊委員 ここは大事な部分ですからもっと調査を入れて、きちんとしたデータをとるべきではないですか。
○新垣秀彦雇用政策課長 IT関係のコールセンター等の事業所とも意見交換を持ちながら、どうやってコールセンターとIT企業の事業内容を高校生、大学生に伝えていくかという視点で足りない分、当然企業にとっても足りない分、キャリアアップをどうしていくかとか。そのあたりは県としてもお願いしながら、また学校現場を預かる就職を指導する先生も含めて、ITなり観光なりの情報提供を努めていきたいと思います。
○翁長政俊委員 一般論を言っているわけではなくて、具体的に今沖縄県の若い人たちが働く実態を調べてみると大変厳しいんですよ。コールセンターにしろ、観光にしろ非正規が多い。ここが一番問題なんだよ。そうすると、要するに給与が低くなる。このデータは持っておられますか。いわゆる沖縄県の企業、特にITと観光でいいですよ。企業の年間売り上げ高の何%を人件費に払っているというデータはありますか。
○平良敏昭商工労働部長 第1次、第2次、第3次とちょっと掘り下げたものは間違いなくあると思うんですが、これをITだとかまで掘り下げたデータがあるかどうかは今詳細に把握していません。できるだけ近い資料を調査して提供したいと思います。
○翁長政俊委員 おかしいね。私は2007年のものを持っているんですよ。総売り上げ高に占める人件費の割合は、全国は13.51%、県内は9.58%なのよ。100万円稼いだら、13万円は全国は給料として払っているが、沖縄県は9万円しか払っていないというデータなんですよ。これの直近のやつがあるはずなんだよ。これがないと労働政策にならないだろう。
○平良敏昭商工労働部長 今はそのデータを持ち合わせておりませんので後で提供したいと思います。おっしゃるように労働分配で沖縄県は低いという実態がございます。そこは一つの問題だと認識し、具体的なデータは今手元に持っておりませんので何%とは言えませんが、そういう実態はあります。
○翁長政俊委員 では、職業別の新規、いわゆる求人倍率の中の情報関連と産業関連の数字は持っていますか。
○新垣秀彦雇用政策課長 済みません、このデータについて、情報の場合、このくくりの中で情報産業というのがなくて、その他サービスであるとか情報処理の技術者とかで分かれています。今手元に求人数だけのがあるんですが、求人倍率はないので、後で情報提供したいと思います。
○翁長政俊委員 あるのはあるんですか。データが手元にないというだけなの、あるのはあるの。
○新垣秀彦雇用政策課長 情報とかITという総くくりがなくて、その中でコールセンターならサービス業とかと分かれているものですから、ないです。
○翁長政俊委員 こういう労働行政をやっていると、何の部分に何が足りないのかというのがわからないんだよ。ITがどうなっているのか、観光がどうなっているのかと個別具体的なものをきちっと持っておく。そのデータの中で行政の政策が組み上がっていくのであって、大まかなくくりのものを持っているんだが、個別のデータがないというのでは話にならないですよ。これはぜひ、次年度からでもいいからきちっとデータをとって、どういう産業形態になっているかをきちっとやることが重要だと思っています。
 企画部でも私は質疑したんですが、ITと観光は伸びているという。要するに求人もかなり確保したと言っているんだが、今の結論から言うと、いわゆるパイは大きくなったが、そこの中で働いている労働者、雇用者は低賃金のままで、ずっとこれが売りになって今の産業が成り立っているということになると、沖縄県で働く若い人たちが仕事として満足度を持って幸福度を味わえるような労働環境ではないということなんですよ。そこは県がきちっと変えていくという努力をやらないと変わらないと思いますよ。商工労働部長、ここはぜひ決意だけ聞かせてください。
○平良敏昭商工労働部長 そういう問題もあるということは当然頭にあります。実態はきちんと委員御指摘のところは押さえないといけませんが、では、給与を上げるという具体的な行政としての取り組みができるかというと、それはなかなか難しいところもあります。どういう方向で対応するのか、我々はいろんな取り組みの中で正規の採用もお願いしているし、そういう取り組みをしております。この辺は観光産業とも連携しながら対応していきたいと考えております。
○前田政明委員長 崎山嗣幸委員。
○崎山嗣幸委員 では、農林水産部長に伺います。TPPの交渉参加について。政府が11月のAPECまでに態度を決めるということでありますが、先ほど農林水産部長の答弁で、農業、漁業の損失額として直接影響額が580億円、関連産業への波及が1420億円、雇用に2万9000人ですか。全国と同様、完全撤廃されたら同じ被害を受けるということの説明でありました。知事が全国知事会で国の動向を見て適切に要求するという言葉で答弁していました。何かトーンが弱いような感じがするんですが、これは知事会でもいいし、県として、知事として明確にTPP参加に反対するということの意思表示と、今の言葉とトーンが違うのか同じなのかを明確にしてくれませんか。
○比嘉俊昭農林水産部長 農林水産関係については、これまで各省庁に要請する際に、TPPについては影響が大きいので農林水産業の立場からは参加しないようにということでやってきています。引き続きこれについてはそういう方向で要請していきたいと考えています。
○崎山嗣幸委員 これは農業とか漁業だけではなくて、県としては全産業にわたってTPP参加は反対ということで受けとめていいですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 9月の質問の中にもありましたが、これは農業だけではなくて医療もありますし、土木もあります。またその他の部分もありますので、そこのところは私のほうでは何とも言えないです。ただ、農林水産部については、こちらとしては影響が出るということでしっかり数字もはじき出していますので、ここについては農林水産部の立場としては参加しないようにということで考えております。
○崎山嗣幸委員 これなんだよ、部局ごとにね。農林水産部は反対だけれども、ほかの部局はわからないという話では。農林水産部長に私が聞いているのは、知事の姿勢も立場も今聞いたわけであって、これは他の部署はわかりませんという見解なのか。知事としてはそういう意味で知事会には意思表明、ニュアンス、トーンが弱いという意味で、そこら辺で弱いんですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 去る10月19日、全国知事会の中でも、まずはTPPそのものの内容がまずわからない。要するに影響というのがわからないし、それはしっかり影響も含めて国民に知らせる必要があるのではないのか。同時に、いろんな意見を聞いた上で国としては判断する必要があるのではないかということを全国知事会のほうでも言っています。そういう意味では、まずは影響というものを国民も知っていない部分があるので、そこをしっかりやっていただいて、その上で判断してもらう。ただ、先行的に農業については数字が出ていますので、そこを言っているということであって、やはり全体としてしっかり国民の合意を得る必要があると思います。
○崎山嗣幸委員 先ほどありましたように沖縄県の農業、さとうきびとか畜産とかというのはまさに農家が廃業を余儀なくされるのではないかとか、離島経済も破壊されるのではないかということで深刻だと。それ以外にも、土木とか医療とかの関連産業に波及するということは明確なので、ここははっきりと県としては反対ということを農林漁業だけではなくて主張すべきではないかと思います。
 政府が農業、漁業の競争力を高めるということで農業再生計画というものをまとめて、このTPP参加をにらみながら基本方針と行動計画を立てようとしておりますが、これが組み立てられたら、今言われている沖縄県の農業、漁業は守れるのかということなんです。このことへの農林水産部長の見解を伺います。
○比嘉俊昭農林水産部長 まだ新聞報道でしかうちのほうも承知していませんで、農林水産業を成長産業にするとか、人材の確保と土地利用型農業の規模拡大とか、その中で20ヘクタールから30ヘクタールに規模を拡大する。あるいは6次産業ということで進めていきたいという話は新聞報道で聞いていますが、具体的にでは、それがどうこうというのは各県は知らされていない状況があります。その辺の情報についてはこれからしっかり情報収集に努めていきたいと考えています。
○崎山嗣幸委員 では次に行きますが、平成22年の農業センサスで、就業者数について聞きます。全国的にも5年比で22.4%が減少して、高齢化とそれから担い手不足が進行しているということで農業センサスに出ているということがありますが、沖縄県の就業者の実態はいかがになっているか伺います。
○比嘉俊昭農林水産部長 就業人口で申し上げますと、これは販売農家ですが、平成7年が4万303人で、平成22年が2万2638人となっております。
○崎山嗣幸委員 平成22年の県の新規の就農者の状況なんですが、新規の就業者の減少とか、農家は高齢化が多いということも含めて顕著だと思います。新規の就業者の対策というのか、効果というのか、平成22年はどんな効果が出ているのかを伺いたいと思います。
○比嘉俊昭農林水産部長 これは県のほうで調査した数字ですが、平成17年までは大体100名程度だったのが、平成18年から平成20年にかけては200名から270名程度に増加をしております。一つには、後継者育成基金とかあるいは先ほどあった基盤整備とかもろもろやりまして、一定程度所得が上げられるという手法が見えてきたのではないのかと。特にマンゴーとかちょっと付加価値の高いものがかなり影響している。それと菊などもそうですし、そういう意味では、そういった付加価値の高い農業が展開されたことによって、やればできるというような一定程度が見えてきたのかなということの中でふえてきたのではないのかと思っています。
○崎山嗣幸委員 では次に行きます。那覇市の農業ですが、耕地面積も少なくて、那覇市の農業の実態は少ないと思います。那覇市の農業の中の就業者、それから作物の種類と農家の所得なんですが、どの規模なのかを把握しているのかどうか。那覇市の実態とそれから那覇市の農業の課題は何なのかを示してくれませんか。
○比嘉俊昭農林水産部長 まず、那覇市は農業振興地域ではないというのが1点ございます。ということは補助事業などの対象にならない地域ということです。そういうことで、那覇市の人が農業をしたい場合はそれ以外のところ、例えば豊見城市とか南風原町とかに行けば、土地を借りて農業をしたい場合は可能です。現在、那覇市の場合、恐らくみずから農業、要するに補助を受けないで農業をやっている方ではないかと思うんですが、これは人口ではなくて経営体数で135経営体あると統計上は出ています。
○崎山嗣幸委員 問題は、県の首都圏の農業についてどうあるべきなのかについて私は聞きたいんです。今おっしゃるように、農業をしたければ、那覇市は耕地面積がないから南風原町とか豊見城市に行きなさいと言っているんですが、こういう農業の形態ということが県の考えなのか。今の実態がやっぱり幾らかは、真和志とか首里とか小禄にありますね。そういう形態は今言われていることだと思いますが、これから首都圏における農業のあり方というのか、なくてもいいとおっしゃるのか。ここを含めてある程度一定の耕地面積が年々減っていると私は思うんです。どう守っていくのかということもあるんですが、基本的な考え方として、首都圏における農業を守ろうということなのか、あるいは外でやりなさいということなのか、基本的な考え方を聞かせてもらいたいと。
○比嘉俊昭農林水産部長 那覇市が一番人口が多いですし、そういう意味では一定程度の土地が集約されれば、ファーマーズマーケットではないんですが、直接農家がファーマーズを持っていってやる手法は必要ではないか。ただ、今法律上は農業振興地域になっていないものですからその支援が受けられないということはあります。ただ、都市型農業ということで、農地を一定程度貸すことについては農地法上たしかあったように記憶していますので、そういう形のやり方はあるのかなという感じはします。
○崎山嗣幸委員 では、これは課題にして、次の機会にまた議論を深めさせてもらいたいと思います。
 水産に行きます。水産もとる漁業からつくる漁業へ転換をしてということです。養殖漁業が重視されているということで、皆さんの統計でも、モズクとか、アーラミーバイ、クルマエビ、タマン、そして海ブドウということになっております。この間の統計資料から見ると、モズクも一たん平成22年は6500トンに減少して、平成23年から1万2700トンに回復傾向だということでデータを見せてもらいました。海ブドウも平成14年が90トンから平成22年に280トンで、今後伸びるというデータを見ました。それからクルマエビなんですが、平成17年の650トンから平成21年は570トンでクルマエビは減少したと言っています。一連の養殖漁業に対する技術の研究とか開発とか事業化への課題ですが、これは今、順調に伸びていくものとか、あるいは厳しいものとかがあるんですが、ここの要因とか原因、課題は何かについて農林水産部長のほうから見解をお願いします。
○比嘉俊昭農林水産部長 世界的にも資源が少ない状況の中では、養殖技術についてはやはり今後とも必要ではないかということで考えています。モズクについては、今一つには新種、これは恩納村のほうで開発したんですが、新しいモズク、小さいちょっと太めのものと細めのものをつくっておりまして、そういうことで、要するにニーズに合わせた形の品種改良がされています。ただ、課題があったのは、なかなか生モズクとしての消費が少なかったということが課題だと思います。平成22年度から平成23年にかけて、これは大手のスーパーと連携して生モズクを直接料理に使うということをやっていまして、それが一定程度評価されまして、消費回復につながっているような状況がございます。
 それから海ブドウについては、実はこれは養殖技術が十分ではなくて、最近、養殖技術が確立され普及したということで、今の数字で200トン余りの生産が確保されている状況がございます。ただ、これについても、やはり県外に出す場合の品質の課題がまだございまして、いかにつぶれない形で出すことが重要だという、これも平成23年の事業から仕組んでいて、これは試験場と連携して取り組んでいるような状況がです。
 それから、ヤイトハタについては、実はこれは最初の死亡率、要するに卵からかえって病気があるということで、これは予防接種みたいなワクチンができ、死亡率が少なくなって、海外にも今出したところですが、そういう意味では、着実にワクチンとか栽培の方法が確立しつつあります。あとは販売をいかに取り組むかということになると思いますので、販売の商品開発もやる必要があると考えております。
○崎山嗣幸委員 そうですね、海ブドウも平成21年も7億円と言われていますので急速に伸びていると感じます。この海ブドウの協議会が結成されているということで、協議会のほうから販売促進とかあるいはブランド化とか生産基盤の設備への支援ということがありますが、ここは具体的にこの協議会への支援体制が進んだのかどうかを聞きたい。それからクルマエビなんですが、減少というのは、今農林水産部長がおっしゃった、いろんな病害虫の原因があるのか。あるいは、これから深層水を使えば解決するのではないかという話もあったりするんですが、クルマエビが減少した原因をつかんでいるのかどうか、お答え願います。
○比嘉俊昭農林水産部長 これについて一つは病気がございました。稚魚の段階で病気があるということで、深層水を使って病気にかからないような仕組みで稚魚を育てる。それから、さっきの経済不況などがあって価格が低落したというような状況がございます。そういう意味では、これも売り方は少し工夫が必要かと感じております。
 それから、今のモズクの販売協議会については、販売対策の支援などについての予算化をしておりまして、それに対して関係機関が連携して販売、それから、品質の基準を統一することに対して支援を行っております。
○崎山嗣幸委員 ぜひ支援体制は努めてもらいたいと思います。
 それから、5月の新聞の報道でしたか、水産海洋研究センターの石垣支所で全国でも珍しく大型ハタ類のタマカイの人工授精に成功して、養殖の稚魚を大量生産できるということで。この間、5月から順調に成長して、今後期待できるものかどうかということを伺いたいです。
 それからもう1点は、これは最近、糸モズクの新品種について恩納村漁協が開発したということで、社民・護憲も視察に行きました。確かに恩納村漁協の糸モズクの新品種については、これは恩納1号と言われておりますが、これも開発できれば、2倍の大きさですごく歯ごたえがするということを言われているようであります。このことも含めて、県全体の生産高の伸びを一層高めるものなのか。研究、開発、両方進んでいるような気がするんですが、この辺の特徴としてこれから期待されるものなのかどうかについて農林水産部長の見解をお願いします。
○比嘉俊昭農林水産部長 新聞で報道されたのはタマカイという魚らしいんですが、体長が2メートルで、大きくなると400キログラムになるようです。世界でも最大級のハタだと言われています。主にサンゴ礁域で生息している。これについては自然交配といいますか、自然で交配できるような仕組みが一番ベストなんですが、なかなか交配できるところまで成熟に至っていなくて時間がかかるということです。いろいろ実験した結果、これは平成13年から取り組んでいますが、平成22年度に初めて種苗生産に成功したということであります。ですから、そういう意味で、まだ種苗でやっと初期段階に今来てはいますが、先ほど言ったように体長が2メートル、あるいは400キログラムになる魚でございますので、やはりしっかり育てれば水産業に対しては大きな期待があるのではないかと思っております。その課題としては、現在、人工授精の技術の安定化ということ。それから最適飼育条件の解明などについて研究を進めているところであります。
 それから、先ほどの件については水産課長からお答えさせていただきます。
○島田和彦水産課長 恩納村での糸モズクの一つの品種をこのたび開発して、通常、御存じかもしれませんが、糸モズクというのは、太モズクと違いまして余り沖縄県には出回っていないものです。主に本土のほうに送るものでして、品種の開発によって収穫期間がある程度長くとれるようになったというメリットもございます。そういう面も含めて、モズクの生産量自体をアップするものになるだろうと。ただ、今委員のお話もございましたように量は乱高下しております。生産の量、要するにモズクというのは天気によって随分収穫が変わってきます。その辺を今試験場のほうで品種開発に取り組んでいるところでございます。
 それともう一つは、マーケットの拡大ということが非常に重要かと思っております。たくさんつくっても売れなければまた単価がダウンして、またつくらなくなるという悪循環に陥っております。今我々が考えているのは、皆さんがよく食べられると思いますが、酢の物ではなくて、生という食べ方をアピールしております。まだきちんとした集計はとれていませんが、去年に比べて2割程度は首都圏でも注文等がふえるだろうというような情報は得ております。そういう意味で、モズクについては販路拡大に向けて一生懸命取り組みたいと思っております。
○崎山嗣幸委員 本部町の栽培漁業センター、それから恩納村漁協も勉強しにいったんですが、長い時間をかけて研究員と普及員が研究、開発、事業化に持っていくということに対する努力と研究に対して私たちは評価をします。ただ、見ると、この技術員とか普及員の体制が年々減っているのではないかということを聞かされたんです。研究員とか普及員の皆さんはこれから強化していくという立場なのか。これは少なくとも済むということなのかどうか、農林水産部長としてはいかがでしょうか。
 400キログラムにもなる養殖事業を成功させて、これが目に見えて何万匹と成功して、モズクが養殖事業の大半を占めていますが、それ以外の養殖事業も展開すると、沖縄県のつくる漁業が私はもっと成長すると思うんです。そういった意味では、研究なさる研究員とかあるいは普及員が欠員になったり、あるいは不補充の状態のままであって、5年のスパンで随分と減っているというような感じを受けたんです。この辺は農林水産部長としては総務部のほうに、もしよければ体制強化だということで求めるのか、あるいは現行でいけると思うのか、見解をお願いします。
○比嘉俊昭農林水産部長 試験研究については所管は企画部になっておりまして、普及員は農林水産部になっております。やっぱり新しい事業なり研究をやるためには人がしっかりやらないといけませんので、そういう意味では人材の確保は重要だと考えています。ただ、行革の中で効率化を求められている状況もございます。これは選択と集中という話になるかと思いますが、いずれにしましても、一定の人数の確保というのは重要だと考えています。引き続きこれについては関係局とも調整をしたいと考えています。
○前田政明委員長 休憩します。
   午後3時39分休憩
   午後4時03分再開
○前田政明委員長 再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 当銘勝雄委員。
○当銘勝雄委員 たくさんの質疑通告みたいなものを出しておりましたが、全部できないかもしれません。順序も別々にしていきたいと思います。
 まず最初に農林水産部長に聞きます。10月5日に報道された豊見城市の農地への産業廃棄物の投棄について、これはさきに環境生活部長にも聞いておりますが、農林水産部長はこの不法投棄についての認識はありますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 10月5日に新聞報道で産業廃棄物が不法投棄されるという記事がございまして、これは豊見城市の農業委員会に照会したところ、農地法違反であるということは判明しております。
○当銘勝雄委員 新聞では市民が告発したとなっているんですが、環境生活部のほうでは陳情で受けたということです。これは農林水産部にもありますか。
○大城健農政経済課長 農林水産部としては受けてございません。
○当銘勝雄委員 この内容は、先ほど農林水産部長は農地法違反であるというふうに言っておりましたが、もう少し内容について説明してもらえますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 4カ所が対象だということで調査をしましたら、4カ所のうち2カ所については農地ではないというのが確認をされています。1カ所については農地、それからあと1カ所については、農地なのか、あるいは転用許可をされたのかを含めて、あと1カ所については農業委員会を通して調査中でございます。
○当銘勝雄委員 農地でなくても、例えば農業振興地域内にあるということもありますよね。それはどうでしょうか。
○大城健農政経済課長 農業振興地域ではございません。1カ所は土地改良事業の非農用地設定がされておりまして、農業振興地域から除外されております。
○当銘勝雄委員 農業振興地域から除外されていても、この地域はやはり農業振興地域になるのではないですか。
○大城健農政経済課長 農業振興地域ではございません。農地というのは現況農地、それから地目農地がございます。農地法でいう農地というのは、このように現況農地、あるいは地目農地、これを農地ということで、農地法の範疇で扱っております。
○当銘勝雄委員 先ほど農林水産部長のほうから2カ所は農地ではない、1カ所が農地とありました。この農地はどこのほうですか。地区、字。
○大城健農政経済課長 まず1カ所が豊見城市の金良、地番としては饒波になりますが、金良の非農用地設定区域でございます。そこは3筆ございまして所有者が2人ということで、箇所としましては4カ所のうちの1カ所はここでございます。
○当銘勝雄委員 それは農地だということですね。
○大城健農政経済課長 現在、農地のままであります。
○当銘勝雄委員 それから、先ほど土地改良地区から除外したという、農振地区から除外したというところがありましたが、それはどこですか。
○大城健農政経済課長 除外したといいましても、農業振興地域からは除外するんですが、まだ転用はされておりませんので農地の状態ではあります。
○当銘勝雄委員 それを確認したかったんです。基本的にはこれも農地だと。転用ができなければそれは農地なんですよね。そういうことで。
 そこで、土地改良してその地域もあるということなんです。これはちゃんと土地改良して換地処分までも終えて地主に渡っているんですか、どうなんですか。
○大城健農政経済課長 非農用地設定をしましたら、区画整理のような形で区画をつくりまして、そこの土地改良区のメンバーの皆さんに配分していくものと考えております。
 換地処分されております。
○当銘勝雄委員 そうすると、これは地主が特定しているということですよね。それがまだだったら、土地改良区としても僕は問題があると思うんです。土地改良区は関係ないと見ていいですか。
○大城健農政経済課長 非農用地区域を設定するときは、目的としましては宅地にするとかということでつくりますので、最後の転用までセットでやるべきだと考えております。
○当銘勝雄委員 そうですよね。転用目的がこれは第4条転用にするのかな、廃棄物をやるとなると転用目的が違ってくるわけですよね。ですから、そういう意味でこれもおかしいのではないかと思うわけです。
 そこで、農地法違反と思われるところがあるわけなんですね。今後は農林水産部としてはどういうような措置をとっていくのかを聞かせてください。
○比嘉俊昭農林水産部長 これは市の農業委員会から確認しまして、1カ所は撤去したということで、また10月21日に現場確認をしたところ原状回復されていると。これは1カ所の農地のほうです。あと1カ所については、農地なのか、それからそうなのかということを含めて今調整中であります。
○当銘勝雄委員 原状回復をしたというんですが、原状回復というのが本当に上辺だけの原状回復なのかね。実は僕はきのう、金良については見てきました。確かに上辺は何もないというよりも、ユンボみたいなものでかちゃかちゃとして土を動かしている、そういう状況ですよね。しかし、中については、まだそこまで掘り下げないとわからないのではないかと思うわけです。原状回復されているならばいいとしても、原状回復されたらそれでいいとなるんですか、どうなんですか。
○大城健農政経済課長 私どもも先週の金曜日に見に行ったところで、委員がおっしゃるとおり原状回復と、形上は原状回復されております。しかし、農業を振興する立場としては、作物とかが植えられていくのかを市の農業委員会と連携していかないといけないということ。非農用地設定区域というのもありまして、今後どういう形で利用していくのかを市の農業委員会と十分意見交換をしながら対応していきたいと考えております。
○当銘勝雄委員 新聞は10月5日になっているんですが、農林水産部がこの問題を知ったのはいつなんですか。
○大城健農政経済課長 私どもが知ったのは、新聞報道があった10月5日その日でございます。
○当銘勝雄委員 法律では、毎月農業委員会、この農業委員会というのは市の農業委員会だと思いますが、農業委員会は少なくとも月に2回は巡回をして調査してとなっているんですよね。それは間違いないですか。
○大城健農政経済課長 農地パトロールは当然ながらやるべきであります。豊見城市の農業委員会に問い合わせてみたところ、当該農地が土地改良区の端に位置しておりまして、農地パトロールの際に調査対象から漏らしていたというようなことを私どもは聞いたんです。だから、そういった見落としがあったのかなということで聞いております。
○当銘勝雄委員 農政経済課長、あれだけのものをまかれたら見えないといけないですよ。あれは大きな道からもすぐ見えるところですよ。だから、巡回パトロールはやっていたのかなと。それは市の農業委員会がもちろんやるわけですが、県も南部農林土木事務所とかあるいは農業改良普及センターとかが一緒に回られるんですか、どうなんですか。
○大城健農政経済課長 基本的には各市町村の農業委員会が当然パトロールを強化してわかって、それから違反があれば県に上げてしかるべきだと思うんです。県としては、農政経済課が直轄的に見ているというようなことなので、農業改良普及センターとかと今後連携を強めていかないと、そういった見落としが出てくる可能性がないとも限りませんので、今後、連携をしていく必要があるのかなと考えております。
○当銘勝雄委員 さて、そういうことで、これから厳重な調査をしないといけないと思うんですが、そこら辺はどうですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 違反を早期に発見することが大事だと思いますので、そういうことで市町村とも連携してパトロールの強化をしていきたいと考えています。
○当銘勝雄委員 パトロール強化ではなくて、今起きていることに対する調査。これは調査が済んだということなんですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 今の現状把握がまず1つはできたと。それからあと1カ所は、まだ農地なのか、そうでないのかという確認がございますので、引き続きそこについては農業委員会と連携して調査をしていきたいと考えております。
○当銘勝雄委員 調査の結果、不法投棄をしたものに対する法的対応はちゃんとやるということですか。
○大城健農政経済課長 農地法を私どもは扱っているわけですが、農地法第45条の違反事案が確認された場合は、県で定めております農振法、農地法違反事案処理要領というのが昭和56年12月に施行されて、ことし、平成23年4月に改正されております。この要領に基づいて見た場合、本事案につきましては、農業委員会から違反者に対する違反行為の中止や復旧指導等を行うこととなっております。当該地につきましては豊見城市の農業委員会のほうから指導をしておりまして、それに基づいて投棄物をすべて撤去したということになっております。そういう意味では、処理要領の中では、そこでとりあえず原状回復していますので、今後は原状回復したものを、農業振興上、農業でいくのか。それと一方では非農用地区域として設定しておりますので、所有者の目的として転用するのかも見きわめながら、農業をするのでしたら、当然農業振興のための取り組みをしていかなければいけないと考えております。
○当銘勝雄委員 今の答弁を聞くと、農地法違反であるということが1つはあるんだが、原状回復ができているというふうに今答弁しているんです。僕は原状回復というのは上辺だけではないですよとさっき言ったでしょう。中まで見ないと原状回復かどうかがわからない。ただ、転用する可能性があるから、例えば宅地化するのであれば、それは中までほじくらなくてもいいかもしれないですが、まだ転用がちゃんと申請されていないわけでしょう。その中で次へのことをいい方向に解釈されたら、それは困るんです。ですから、現時点での法的措置をとるということに僕はなると思うんです。今は不法投棄者に対するものね。
 それからもう一つは、この地主も、結局、転用ならば自分の目的で転用するわけでしょう、他にはできないわけですよね。それを目的外に使用させたということになるわけなんだよね。これに対する法的措置はどうするんでしょうか。
○大城健農政経済課長 先ほど申し上げましたように原状回復、委員がおっしゃる原状回復と言えるかどうかという話もあるんですが、とりあえず今は投棄物は全部撤廃されまして原状回復と見ているわけです。これがまた再発すると次に大きな問題が起きるということは当然のことでございます。ただ、この捨てられているものが産業廃棄物等の管理もございますので、環境部門、それから保健所等との連携もまた非常に大事なことになりまして、連携してやっていかないといけないと考えております。
○当銘勝雄委員 向こうは向こうでやっぱり廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づいて対応しますよ。皆さんは少なくとも農業振興地域の整備に関する法律、農地法に基づいて対応するということですから、向こうから情報を得るのはいいでしょうが、基本的にはそれでやらないと。向こうから聞いてどうということにならないですよ。農業振興地域の整備に関する法律は農業振興地域の整備に関する法律、農地法は農地法ですよ。そういうことでやってください。もう時間がないからほかに行きます。
 農林水産部長、TPPの問題です。現政府は11月までには何とかするとかというような言い方をしているんです。さっきありましたように大変な問題が起きると。元農林水産大臣も必死になって今やっているんですよ。ですから、先ほども質疑がありましたように、県としてもこれはそのまま、はい、とにかく政府が今やる方向にやってはだめですよと、すべてつぶれますよというだけではおさまらない。これは基本的に県民への周知もどんどん図ってください。
 農林水産部は農林水産部かもしれませんが、しかし、そのためには例えば商工労働部長も、あるいはほかの関係部長も、農業、商工、関係する例えば労働もありますよね、それから土木もありますよね、医療もありますよ。関係部長会議みたいなものをつくってでも、きちんと対応しないと大変なことになりますよ。
 政府が言っているのは、例えば農業については6次産業化を進めるとか、あるいは規模を拡大して、例えば20ヘクタールを30ヘクタールに持っていって、それで対応する。絶対対応できるものではないですよ。あるいは、農業者戸別所得補償制度を導入するとかと言っているんですが、これはまやかしであって、できないですよ。それはぜひやってもらいたい。これはもう答弁は要らない、次に行きます。
 文化観光スポーツ部長、これまでも私は国場川下流の漫湖の有効利用を必ずやるべきだと。これだけの広大な水面というのはそうたくさんないんですよ。ところが、なかなか問題があります。例えば湿地帯があるとか、あるいは那覇市自体が非常に土地が低いので例えば明治橋に水門をつくって水をためるとか、これもできない。しゅんせつによってはいろんな使い方ができるんです。ですから、今、土木建築部のほうでは国場川のしゅんせつ工事をやっているので、それを使って、この水面をやはり観光に利用していくという、そういうような発想があっていいのではないのかと。新しい文化観光スポーツ部長はどうでしょうか。
○嵩原安伸観光政策課長 国場川の周辺エリアについては、エコツアーの一環として環境団体がモデルコースの中に入れて自然観察会とかバードウオッチングとかをやっております。また、地元の市町村あるいは関係団体を中心にしてハーリーの競争だとかカヌーのフェスティバルを盛んにやっておりますので、まずは地元とも意見交換しながら、どういったことができるのか。地元の意向を確認しながら我々としても見ていきたいなと考えております。
○前田政明委員長 仲村未央委員。
○仲村未央委員 今回、失業率、グッジョブ運動一本で通告をしてありますので、よろしくお願いいたします。
 知事の公約の非常に印象深い本当に大きな公約が失業率の全国平均4%台、あるいは平均化ということで、2期目は全国平均化を目指します、達成しますということを掲げて当選されたわけです。そういう中で、公約達成に向けての目標、数値等々、何を掲げて今達成を図ろうとしているのか。そこをお尋ねいたします。
○新垣秀彦雇用政策課長 グッジョブ運動の最初のときには、4万人の雇用を拡大して4%というところで、実際的には2万5000人の就業者の増加のみであったというところです。その仕切り直しをしまして、新たに平成23年度からのグッジョブ運動につきましては、これまでの4年間の成果を検証した結果、当然大きい全国並みという目標はあるが、もっと基本的に行っていくべきものがあるだろう。それをもっと再確認すべきではないか。例えば今、沖縄県が4月から雇用労政課を労政能力開発課と雇用政策課に分けて強化したということを踏まえて、その中でグッジョブ運動を柱として、雇用の場の創出や拡大、雇用の安定維持、求職者支援、雇用環境の改善、キャリア教育の推進、そういうのを一つ一つ数字的なものを積み上げていかなければ、本当に全国並みにはならないのではないかという検証会議の結果を踏まえ。我々としても今、新たな沖縄振興計画の中でのフレーム等の数字を整理しながら、完全失業率の全国並みについてちょっと数字の整理をしているところです。ただ、おおむね年間約1万人ぐらいの就業者の増加が必要だと見積もっております。
○仲村未央委員 となると、4万人の雇用の創出に対して年間1万人。これを年度ごとに積み上げていくということになるんでしょうか。
○新垣秀彦雇用政策課長 ただ、平成23年度の8月までの動きを見ていますと、3月11日の震災等の影響で、県外に向けた就職とか、県内での県外からの求職者の数が若干落ち込んでいる。そういうことを踏まえると、平成23年度以降1万人をちょっと超えるぐらいの数字が必要だという見方になっております。
○仲村未央委員 それで、毎年商工労働部のほうがこのように出していらっしゃる。これは去年も非常にいいですねということで、ほかの部もやったらいかがでしょうかということを言ったんですが、どこもやっていないようなんです。これを見ていますと、非常にいいんですが、実績は全部載っているんです。ただ、実績の前提となる目標数値がどの事業にも一切書かれていないんです。だから、もともとどの目標を達成するためにこの事業に対して予算がついたのか。それから、費用対効果をどういうふうに検証するのかというところが全く見えないんです。年間1万人となると、皆さんが出していらっしゃる指標の中で、施策の概要の中で50ページにもわたる雇用の創出にかかわる事業が今あるわけです。1ページ1項目ですから恐らく50項目だと思います。そういう中で、目標を掲げた事業がそもそもあるのかどうか。この事業に関しては、雇用をこれによって、例えば新規就業者を何千人、何百人、あるいは失業者からのリカバーで何人とか。そういうことを掲げた目標を設定した事業があるのかお尋ねします。
○新垣秀彦雇用政策課長 お手元の商工労働部の施策の概要ですけれども、確かにおっしゃるとおり、結果としてしか今数字は入っておりませんが、もちろん当初の計画の数字というのは計画されております。ただ、それが実際的に雇用が何人というところで、例えば、インターンシップが100名とか、大学生200名とか、コールセンター何名とかありますが、最終的に就業の目的というところと、今申し上げた1万人というところが整合はしておりません。
○仲村未央委員 一番聞きたいところはそこでして、全国平均化を目指しますという公約があって、それに沿って各事業に目標達成が設定されるはずなんです。それで、年度ごとにどれだけそれを積み上げていこうか。それで1万人という数字は出た。4万人というもとがある。これを一つ一つの事業がどういうふうに積み重なって1万人なんだというところがつながっているのかどうだかが見えないんです。だから、事業がいろいろやられても、結果としてこうでしたという結果の公表をもって、これが本当に達成できている状況なのかということを検証する視点を我々が持ち得ないわけです。そこについて今具体的に何か目標を掲げて、それが何%なんだということを言える事業があればお尋ねしたいと思います。
○新垣秀彦雇用政策課長 今の商工労働部の、特に雇用に関する沖縄県職業安定計画の中で数字等の積み上げはあるんですが、それを沖縄県トータルとして、商工労働部はもちろん、文化観光スポーツ部、農林水産部と合わせて、そのあたりの数字の積み上げが今手元になくて。我々は沖縄県職業安定計画の中で雇用施策のみについての数字を今積み上げている。今、企画部が次の振興計画で各部局に対して、産業の振興の結果として雇用がどれだけかという調査をしておりますので、それを我々はもらって再度数字を検証したいと思っています。
○仲村未央委員 商工労働部長、これは要望として申し上げますが、今言う各政策目標に対する年度ごとの目標設定がいかなるものかということを明らかにしないと、やはり決算としてどこがポイントなのかというところが非常にわかりにくい。まず目標設定を明確にして、それに対して何%ぐらいの達成指標があるのか。特に失業率に関しては非常に大きな公約ですので、検証できるような公表をぜひお願いしたいと思います。
 それから、グッジョブ運動の中でも出てくるんですが、本県の構造的な失業問題の改善ということがあるんですが、構造的な問題ととらえているのはどういったことでしょうか。
○新垣秀彦雇用政策課長 沖縄県の雇用の問題については、当然働く場が少ないとか転職や離職率が高いということがあります。構造上の問題として、例えば労働力人口そのものがふえているというところと、本土から遠隔地にあって労働市場、要するに、働く場が遠くに行かなければない。だけれども、沖縄県内で就職をしたい。そういうところが構造上の問題かと思います。
○仲村未央委員 皆さんは沖縄総合事務局が2010年7月に行った沖縄県雇用構造特性調査報告書、これをごらんになっていますか。
○新垣秀彦雇用政策課長 雇用の調査については、委員の今おっしゃる沖縄総合事務局等の調査もしくはNIACがこれまでやってきた調査があります。そういう調査をもとに、3月に前雇用労政課が沖縄雇用関係調査研究事業というところで報告書を取りまとめております。
○仲村未央委員 持っていらっしゃることだと思いますが、ちょっと長いんですが、読み上げます。
 ここで出てくる統計データから見える課題として、構造的な分析がなされているんですが、こんなことを書いてあるんです。本県は第3次産業の占める割合が高い産業構造となっており、これらの産業では、ほかの産業に比べ臨時雇用率が高く、不安定な就労形態での雇用の割合が高くなる。加えて、賃金水準が大企業に比べて低い中小企業に雇用される労働者の割合が全国よりも高い。これらのことから、本県の労働市場は転職などが多いため勤続年数が伸びにくく、かつ企業規模から見ても低賃金になりやすい労働市場となっている。不安定、低賃金な労働市場であるがゆえに、たとえ就職者であっても失業のリスクが高く、仮に就業したとしても、転職などにより再び失業者に移行しやすいことが考えられる。また、勤続年数の短さから企業内教育による能力開発機会が少ないことが低賃金、失業のリスクを高めていると考えられる。この構造的な要因の分析について沖縄県としてもどういう認識なのか。こういったアプローチがあるのかどうだかお尋ねいたします。
○新垣秀彦雇用政策課長 県としましても、働く人の求職支援はもちろんのこと、その働く人の企業での雇用の場の改善であるとか、そこでの人材育成というのをもちろん重要視しておりまして、県の事業の中でも企業人材活性化事業というところで、企業の人材育成のあり方であるとか、雇用関係の改善を求めるようなモデル事業もしております。
○仲村未央委員 一つ一つ聞きます。まず、そもそも第3次産業のサービス産業が占める割合が高いことが、ほかの産業よりも非正規雇用が高い原因になっていると分析されているわけです。こういう視点は持っていますか。
○新垣秀彦雇用政策課長 確かに沖縄県が就業者がふえるときには、夏場の観光シーズンにふえて、9月、10月と若干減っていく。それはサービス産業等で一時的な雇用が出て、その後雇用の需要がなくなれば減っていくというのが統計上からうかがえています。
○仲村未央委員 いや、ですから、沖縄県が、先ほども翁長委員とのやりとりの中で、リーディング産業と言われているそのものがサービス産業、第3次産業なんです。ここで構造分析に指摘されていることは、第3次産業の割合の高さそのものが不安定雇用を生み出す背景にあると言っているわけです。これについて皆さんが掲げている労働政策の中で、どこに持っていこうかというときの基本的な、産業構造の中ですよ。第3次産業に持っていこうか、あるいはこのことによって失業が改善されるかというこのアプローチがここで指摘されることと、皆さんが持っている労働政策とかみ合っているのかどうかというのを聞きたいわけです。
○新垣秀彦雇用政策課長 おっしゃるとおり、第3次産業は沖縄県は特に高いということで、県としても、第3次産業の人材育成をどうするか。要するに、使い捨ての人材にならないような第3次産業への人材育成という視点で、昨年からいろいろ勉強会なりコンサルタント等と相談しながら、沖縄県の第3次産業の人材育成というのを一応勉強しているところです。
○仲村未央委員 それからあと、規模と賃金のことです。賃金水準が大企業に比べて低い中小企業に雇用される労働者の割合が全国よりも高いから賃金が低いんだと言っているんです。規模と賃金の関係、こういったことを皆さんは検証したことがあるのか。
○平良敏昭商工労働部長 中小企業と大企業の関係、先ほど申し上げた沖縄県内トータルとしての労働分配率をずっと追いかけてデータを見ますと、全国が大体70%から60%の後半台ぐらいで推移しているわけです。最近はやはり不況ということで若干下がっていますが、沖縄県が最近60%から62%ぐらいの間で、経年的に見てみますと、大体5ポイントから7ポイントぐらいの差があるわけです。ただ、労働分配率というのは、一方で付加価値が減れば当然労働分配率が上がるという関係になりますので、必ずしも正確な反映ではありません。しかし、統計的に見ますと、沖縄県はずっと低い。中小企業としてはどうしてもそうなるケースがあるのかと思っております。
 ただ、その辺ももう少し縮めていけるように、それは産業構造、先ほど沖縄県の構造性の話がありました。確かに第3次産業が統計的にも賃金は低目にある。これは勤務形態がいろいろ影響していると思います。ただ、IT産業といいましても、コールセンターからソフトウエア業、コンテンツ。特にコンテンツとソフトウエア業は正規の率も大体7割ぐらいいくわけです。そういう意味では、第3次産業がすべて低賃金という意味ではなくて、この辺は私どももIT産業の高度化とか、そういう付加価値の高い産業形態に持っていこうということで今努力しております。それと製造業は沖縄県内企業の高度化も含めて、その辺を積極的にやっていくということを考えております。
○仲村未央委員 商工労働部長が今労働分配率のこともおっしゃったんですが、先ほど来、この数字がよくわかりませんので、改めてお尋ねします。労働分配率、非正規雇用率、それから労働組合の組織率。こういったものの全国的な中で沖縄県の位置というのがどうなっているのか。基本的な数字をお尋ねいたします。
○武田智労政能力開発課長 労働分配率ですが、生産活動によって得られた付加価値に占める労働者の賃金総額の割合ということで、幾つかのやり方があるようです。一般的に使用されているデータは財務省の法人企業統計調査。それでやりますと、全国が74.7%。本県は67%でして、全国よりは5.2%下回っている状況にあります。
 あと、組合の組織率ですが、これは平成20年の労働組合基礎調査報告によりますと、これは推計になりますが、全国の推定組織率は18.5%。本県の場合は11.1%となっていまして、約7.4%下回っているという状況にあります。
○仲村未央委員 非正規雇用率。
○新垣秀彦雇用政策課長 平成19年の就業構造基本調査によると、沖縄県内の雇用者の総数53万1700人のうち、非正規雇用が20万7500人で、割合は40.8%です。
○仲村未央委員 今挙げていただいた数字の、それぞれの全国との差をおっしゃったんですが、平均に対してそれぞれは全国の中の位置のどの位置にあるんですか。
○新垣秀彦雇用政策課長 全国について申し上げなかったんですけれども、先ほどの非正規雇用率が沖縄県が40.8%、全国が35.6%です。
○仲村未央委員 高いとかどの位置にあるのかということを聞いているんです、数値も。
○新垣秀彦雇用政策課長 非正規の占める割合については全国最下位の状況です。
○武田智労政能力開発課長 労働分配率と組合の組織率については、全国のデータがあるのかどうか、確認がとれていませんので、これについてはこの場では答弁できない状況です。
○仲村未央委員 不思議なのは、こういった全国一雇用が深刻だということを十分に認識して、まさに知事選の争点に掲げるぐらい大きな政策目標になっているはずなのに、こういった数値が一体全国レベルの中でどの位置につけているのか。どういう意味がある数字なのかということを皆さんがすらすら答えないこと自体が非常に疑問なんです。
 先ほど沖縄総合事務局の調査でも出ているのが失業者の再生産なんです。一たん就職しても、低賃金ゆえにまたやめてしまう。この再生産が起こっていることが構造的な問題ではないのと。だから、就職期間が非常に短くなって、キャリア形成に支障を来していると指摘がなされているわけです。これについて皆さんはどういう分析をし、今挙げてもらった数値を通じて何が沖縄県にとって必要な施策だと整理してきているのかお尋ねいたします。
○新垣秀彦雇用政策課長 もちろん若年者が1年目、2年目、3年目での離職が早い。もしくは若年者に限らず、勤めても離職が早いという状況については、当然雇う企業の側の雇用環境という問題もあろうかと思いますので、その改善。また、就業者を支援する取り組みの強化。そういうのを一層取り組んでいきたいと考えています。
○仲村未央委員 皆さんのいろいろな資料を見ても、グッジョブ運動も非常にぽわんとしているような印象を私は持っているんです。だから、こういうことを聞いているんです。いつでも出てくるのが雇用の場の不足、求人と求職のミスマッチ、若年者等の就業意識の低さ、この3本柱をよく聞くんです。これでは、私は失業の背景要因の分析が非常に甘いと見ているわけです。この甘さがあるから、政策目標がはっきりしない。目標設定がよくわからない。だから、幾らそういうグッジョブ運動ということを掲げたって、効果が出ているのか出ていないのか、検証が非常にあいまいなところに立っている。これが大問題だと思っているんですが、商工労働部長、いかがですか。
○平良敏昭商工労働部長 確かに雇用のデータが、労働行政をやっている側と県と都道府県別にデータがなかなかとれないという問題がありますが。今、委員の指摘もある面おっしゃるとおりの部分もいっぱいあります。そういう点では、我々が沖縄県内の雇用の実態を何らかの統計的手法なりも含めて、もう少し取り組む必要があるかなというのは、私も正直にこの間の取り組みを見ても若干感じているところです。
 ただ言えることは、産業の高度化を図っていかないといけないというのがまず大前提になりまして、沖縄県内中小企業の強化を図りながら。もう一つは、成長産業と、今一生懸命誘致しているIT産業、基盤産業を含めて。IT産業の高度化も含めて、その辺をとることによって、正規雇用の場をできるだけふやしていくというところがまず一番離職率を少なくするということです。その辺は、経済政策の展開もできるだけそういう方向でやっていきたいとは思っています。
○仲村未央委員 そういった背景の分析、数字が持つ意味、これが本当に県民と共有されて、使用者の側、あるいは労働者の側と共有されて、初めて私は目標達成がなると思うんです。だから、ここら辺、知事が新たに掲げた全国中位の所得ということも含めて、これは全部関連してくる問題ですから、少なくとも公約に掲げたレベルと皆さんがやっている一つ一つの事業がリンクして見えるような。県民から見て、これは、ああ、いい政策だな、あるいは効果が出ているのか出ていないのか判断できるぐらいの分析と情報提供をぜひ努めていただきたいと思います。
○前田政明委員長 玉城ノブ子議員。
○玉城ノブ子議員 まず最初に、農林水産部のほうにお伺いをいたします。
 パパイヤ台農5号の問題ですが、これの強制伐採数と農家戸数、被害金額、損失補償についてまず最初に伺います。
○長嶺豊園芸振興課長 台農5号の伐採本数、農家戸数、被害金額等についてお答えいたします。
 まず、伐採本数と農家戸数につきましては、10月
18日現在、本数が7034本、対象農家戸数が83戸ということでございます。そのうち、伐採済みの農家は
86戸で、伐採本数が6956本という状況でございます。
 それから被害金額につきましては、生産者の団体でありますJA沖縄中央会のほうで数パターンの試算をしていると聞いておりまして、おおむね4000万円程度と聞いております。
 損失の補償につきましては、国はカルタヘナ法に基づいて今回伐採ということでございますが、この法律には補償の規定はないということで説明をしております。県としては、台農5号が国内に入ったということで、まず国に対しては、早急に原因究明をしてください。それから検査技術を確立してください。それから、このようなことが起こらないように、国内防止対策についての強化をと。あと伐採処理に伴う補償について要請をしてきたところであります。引き続き国の対応を見極めた上で適切な対応を考えていきたいと思います。
○玉城ノブ子議員 遺伝子組み換えの台農5号の問題については、これは農家には何の落ち度もないわけですね。落ち度もないことで、結局、国の防疫体制、チェック体制ができていなかったということが遺伝子組み換えが沖縄県に入ってくる大きな要因になっているわけです。そういう意味での国の責任というのは非常に重大だと私は思うんです。そのことに対する、カルタヘナ法で補償の制度がないということは、これは到底納得のいかないことなんです。県としては国に対して再度補償の問題についてきちんと要求すべきではないですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 委員が今述べたとおり、カルタヘナ法が制定されて。ただ、そのときに、遺伝子組み換えであるという判定方法が確立されていないというのが極めて大きいということです。まずは先ほど説明がありましたように、原因究明をしっかりやってもらうということと、国内の侵入防止対策の強化。それから伐採で農家が損害をこうむっているわけですから、これについてはしっかり補償してほしい。こういうことは話しまして、県としては、カルタヘナ法の法律そのものを見直していけないかということを今要望しているところでございます。
○玉城ノブ子議員 昨年の10月にカルタヘナ議定書第5回締約国会議で、未承認の遺伝子組み換え作物によって被害が生じた場合に、損害を与えた企業に補償を求めることが決まったということが報道されております。そのことについては皆さん知っていらっしゃるでしょうか。
○比嘉俊昭農林水産部長 2010年10月15日に、これは名古屋で開催されたカルタヘナ議定書第5回締約国会議において、カルタヘナ議定書の責任と救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書の中で、事業者に対して損害の評価、適当な対応をとること等を義務づけるとともに、損害を引き起こした事業者の特定、損害の評価、事業者がとるべき措置等の決定、国内法において損害を処置するための規則及び手続を定めることなどが規定されるということが新聞で報道されていまして、承知をしております。
○玉城ノブ子議員 私は、国への損失補償については、そのことも踏まえた上で、しっかりと農家の皆さん方に補償ができるようにしていくべきだと考えますが、どうでしょうか。
○比嘉俊昭農林水産部長 カルタヘナ議定書は、これは40カ国が締約をすることになっていますが、まだ批准書とか受諾書が提出されていないということで。まずはカルタヘナ議定書の締結をして、それから批准ということになるんです。締結自体の署名は40カ国のうち35カ国でされていますが、批准書や受託書が出されていないということで、まだ効力が発揮されていない状況でございます。いずれにしても、県としてはこれはこれで、そういうことで国にはもちろん要望します。先ほど話しましたように、カルタヘナ法ができて、要するに、遺伝子組み換えが確立されていないということが非常に大きな国としての課題だと思います。そこをしっかり国の責任でもってやってほしいということを強く要望してまいります。
○玉城ノブ子議員 政府は遺伝子組み換えハワイ産パパイヤレインボーを12月にも輸入を認める予定だと報道されておりますが。その内容についてお願いいたします。
○長嶺豊園芸振興課長 ハワイ産の遺伝子組み換えパパイヤ。これはレインボーという品種ですが、これにつきましてはカルタヘナ法、食品衛生法による安全性、それから環境への影響が評価が終わりまして。それから国内における遺伝子組み換えの食品表示の改正を受けまして、基準等が施行されますことし12月1日から国内への輸入が可能になるということで聞いております。
 あと、この品種につきましては、輸入の栽培も可能になりますが、開発企業が特許を持っているということで、栽培に当たってはその辺の許可等が必要になるということでございます。
○玉城ノブ子議員 遺伝子組み換えハワイ産のパパイヤレインボーが沖縄県に入ってくるということになりますと、遺伝子組み換えパパイヤと遺伝子組み換えでないパパイヤが自然交配することによって、すべてが遺伝子組み換えパパイヤへ変わるのではないでしょうか。そうなると、遺伝子組み換え食品と遺伝子組み換えでない食品の差別化はどうなるんでしょうか。県の認識を伺います。
○比嘉俊昭農林水産部長 今のパパイヤレインボーというのが遺伝子組み換えが入ってくる。許可を得たということですが、パパイヤに発生するパパイア奇形葉モザイクウイルスというのが、沖縄県の場合、そういうウイルスが発生するんです。このレインボーはその感染が高いということで、入っても、感染する。要するに被害を受けて、栽培がかなり難しいということを聞いています。それから、栽培に当たっては、先ほど話があったように、開発企業が承認しないと栽培ができないという状況でございます。そういうことで、県としては、まず生産者にレインボーの特性でこういう状況なので、栽培しても感染されて被害が大きいということをまず説明をしっかりやるということ。それからこれは遺伝子組み換えですよということをしっかり農家にも説明をして、できれば栽培を控えてもらうような形の対応は考えたいと思います。
○玉城ノブ子議員 沖縄県のパパイヤの作物は安心安全で栄養や健康にもよくて、本県の食文化として広く県民に認識をされているわけです。しかし、消費者の間では遺伝子組み換えパパイヤに対する健康への不安や疑問が非常にあります。遺伝子組み換えパパイヤが輸入されるということになると、沖縄県のパパイヤ作物にも大きな打撃を与えることになるということで、農家の皆さんの間から非常に大きな不安の声が広がっているわけです。これに対して県はどう認識されておりますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 まず、先ほど来ありましたように、遺伝子組み換えパパイヤについてはそういう特性があるということで、栽培を控えてもらうということが1点あります。それから、平成23年8月31日に遺伝子組み換え食品に関する品質表示基準というのが改正されまして、パパイヤを主な原料とする加工品についてもしっかり表示をすることになっていてます。これはパパイヤの1個ごとに、これは遺伝子組み換えパパイヤですよということの表示がされるようになっています。消費者に対しては、買う場合には、そこの辺の周知をしっかりやってするということ。それから生産者に対しては、先ほどの遺伝子組み換えパパイヤ、レインボーについては、先ほどの品質特性でなかなかなじまないということも含めて紹介をしながら、しっかり対応していきたいと考えています。
○玉城ノブ子議員 表示をしっかりするということなんですが、これだけではこの問題というのは、私は解決できないだろうと考えるんです。沖縄県のパパイヤ作物に対する消費者のニーズというのは非常に高いです。ところが、これが遺伝子組み換えのパパイヤが沖縄県に入ってくるということになると。たとえきちんと表示がされるということであっても、消費者にとっては、遺伝子組み換えに対する抵抗というのが非常に強いわけです。ですから、農家の皆さんにとっては、今まで安心安全、栄養価も高いということで出荷していた遺伝子組み換えではないパパイヤの評価について、消費者の間からパパイヤの消費離れが出てくるのではないかということで、大変不安の声というのはあるわけです。私は、これは県として遺伝子組み換えパパイヤについての政策的な規制ができないのかどうか。それをやる必要があるのではないかと思うんです。
○比嘉俊昭農林水産部長 先ほど説明したように、レインボーについては、遺伝子的に病害に弱いということでありますので、そこをしっかり生産農家に対して知ってもらうということ。それから遺伝子組み換え、これは栽培の規制ということになると思いますが、それを含めて、これは他府県の状況も参考にしながら、どのような対応をしたほうが適切にできるかどうか検討させていただきたいと思います。
○玉城ノブ子議員 私はぜひそういうふうに政策的に規制をしていただきたいと申し上げておきたいと思います。
 それと、沖縄県に安心安全な野菜用のパパイヤを沖縄県外に出荷する。そのことについての支援策を県としてもっと重視して取り組んでいくということが必要ではないかと思いますが、どうでしょうか。
○比嘉俊昭農林水産部長 パパイヤについては、古くから庭先で栽培されていまして、特にパパイヤについては、ビタミン、カロチン、それから鉄分とか、いろいろな形の機能性があると紹介をされているところでございます。県としては、野菜用パパイヤについてはしっかり沖縄県内外にPRしていきたい。現在、いろいろ食べ方の紹介をするフードアドバイザーを今雇用している状況もあるし、その中でレシピの紹介なり、それから料理の紹介なりをやっていまして。それからインターネットの中でも、料理の仕方とか、あるいはその中に機能性、こういうものがありますよとか、そういったのを紹介しています。それからパパイヤの特集を含めて冊子の紹介もしております。引き続きパパイヤの生産振興、それから販売についてはしっかり対応していきたいと考えています。
○玉城ノブ子議員 あと、糸満市真栄平南地区と真壁南地区の冠水被害についてお伺いいたします。
 この件については、農家の皆さんは冠水被害が起きてからこの13年間に非常に大きな被害を受けてきているわけなんです。この冠水被害は台風だけではなくて、大雨が降ったら冠水被害が起きてしまうということで。農家の皆さんは、次にまた大雨が降ったらどうなるかということで、もう本当に夜もおちおち寝ていられない。こういう状況にあるんですが、これについて、私はもちろん抜本対策、これは必要です。4年前にもこの抜本対策についても申し上げてきましたが、この抜本対策がこの4年間ほとんど進んでいないという現状があります。その抜本対策と同時に、緊急対策が今必要であります。この緊急対策について具体的に皆さん方はどのようなことを考えておられるのかお伺いします。
○比嘉俊昭農林水産部長 真壁南地区、真栄平南地区の緊急対策としましては、排水施設の機能が低下しているということもありまして、まずは沈砂池における土砂、雑物を11月には実施したい。それからクラガーに、のみ口のほうですけれども、10月26日に調査へ入ります。その中で、どういう形のほうがいいかということを地元を含めて話し合いをしたいと思っております。それを受けて、そこの農家の方々からものみ口の改修、拡幅をやってほしいという要望がございましたので、できましたら平成23年度中にはのみ口の確保ができるようにしたいと考えております。それから、現在もやっていますが、上流のほう、1基ため池を整備したところでございます。ピッチを少し早めて1基、2基とふやしていきたいと考えております。
○玉城ノブ子議員 真壁南地区と真栄平南地区、両方ともドリーネのところで詰まっているというのがあります。これは、緊急対策としてそこののみ口のほうの拡幅をやってほしいということの要求が農家の皆さん方から上がっております。これは緊急を要しておりますので、年度内にぜひやってほしいと思います。先ほど年度内にやりたいということがありましたので。それと、抜本対策についてはどういうふうに考えていますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 9月補正予算で900万円を確保していますので、その中で、まずは真栄平南地区の沈砂池を拡幅したい。今考えていますのは、現在0.8ヘクタールですが、計画では、我々が考えていますのは2ヘクタールふやせば、今2万立米ぐらいの水をのみ込む形になります。4倍程度にふやすような方向で、まずはそこを広げていけば、水が入ってきても、そこで一定程度ためることが可能ではないかということで、その作業を進めていて、平成24年度に事業採択をして早いうちに着工したいと考えております。
 それから、それと並行して、基幹の排水のルート。今は一定程度ため池のところを大きくして水をためる手法。それからあと一つは、並行して今のクラガーのところから、どのルートから海岸方に抜けていくのかという調査を、この900万円の中でルートを選定します。そのルートを選定して、どのルートが一番いいかという地元の意見を踏まえてやって、それを確認した上で、今度はドリーネのトンネルをあけるような形の手法を今検討しています。平成23年度の予算の中でルートを選定して、平成24年からできましたら概略設計などを含めて調査して、できるだけ早い時期に事業を再開できるように取り組んでいきたいと考えています。
○玉城ノブ子議員 これは調査から改善に至るまでの間、直接利害関係になっている農家の話さん、被害を受けている農家の皆さん方もぜひ一緒に検討委員会の中に入ってもらって。改善がちゃんと進んでいるのかどうか、定期的にチェックできるような、そういう体制もぜひとっていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
○比嘉俊昭農林水産部長 現在、糸満市土地改良区被災農家、あるいは糸満市が設置する糸満市南部冠水地域対策委員会というのを立ち上げてやっています。そこと連携してしっかり要望を聞きながら、先ほどのルートに当たっては、やはり地元の意向を踏まえた形で選定をしないと、なかなか進まない状況があると思いますので、そこら辺はしっかり対応していきます。
○玉城ノブ子議員 商工労働部のほうなんですが、特別自由貿易地域について。第3次沖縄県産業振興計画の中における特別自由貿易地域への企業誘致数、目標数は何社でしょうか。企業立地数と目標に対する比率も答弁願います。
○屋比久盛敏企業立地推進課長 まず、第3次沖縄県産業振興計画における立地企業数の目標が75社です。それに対しまして、現在30社が立地しておりまして、達成率としては40%でございます。また、出荷額の目標につきましては、586億3500万円に対しまして43億900万円、達成率7.3%です。それから、雇用者数につきましては、2505人の目標値に対して482名、達成率として19.2%となっております。
○玉城ノブ子議員 これは、先ほど従業員の雇用誘致数、雇用者数、19.2%の比率だということで答弁を伺いました。まず、特別自由貿易地域の全体面積と分譲地面積、そして民間が購入した面積と比率についてお答え願います。
○屋比久盛敏企業立地推進課長 特別自由貿易地域の分譲の全体面積としましては89.7ヘクタールです。そして、実際に分譲された面積としましては15.6ヘクタールで、比率としましては17.4%です。それから、民間が購入した面積としましては1.9ヘクタール、比率にしまして2.1%ということになっております。
○玉城ノブ子議員 沖縄県中城湾港(新港地区)臨海部土地造成事業特別会計の平成22年度決算の公債費の返還は幾らする予定でしょうか。
○屋比久盛敏企業立地推進課長 平成22年度決算でございますので、既に支払った金額としまして19億
7030万4118円でございます。
○玉城ノブ子議員 金融業務特別地区について、業者数、雇用数、地区の優遇制度を活用した企業数は何社でしょうか。
○田中建治情報産業振興課長 平成23年9月末現在、証券会社、金融系のコールセンターなど10社が金融業務特別地区に進出し、約550名の雇用が創出されております。
○玉城ノブ子議員 金融業務特別地区の優遇制度を活用した企業数は。
○田中建治情報産業振興課長 平成22年度において金融業務特別地区の優遇制度を活用した企業数は3社となっております。
○玉城ノブ子議員 沖縄振興計画総点検の中で、特別自由貿易についてどのような総括がなされているんでしょうか。
○屋比久盛敏企業立地推進課長 今、現物は持っておりませんが、その中におきましては、現在の立地企業数のこれまでの推移とかございまして、同じように、どのぐらいの目標値に対して立地したかという数字。それから今後の課題としまして、誘致促進のための話を書いてあったかと思います。
○玉城ノブ子議員 この中で経済特別地区と言われている中で、特別自由貿易地域、情報通信産業特別地区、それから金融業務特別地区、この3つが対象要件が厳しくて思うような優遇制度が受けられる、企業にとって魅力ある状況になっていないということがこの総括の中にも出ているわけです。ですから、これについて、今言ったように、優遇制度を活用した企業は非常に少ないという状況が出ているわけですので、今の皆さんが言っている高度成長型の重工業の誘致を目指したが、これがだめだったということがその中でも明確になっているのではないかと思います。私たちは、沖縄県の産業振興を図るということでこの事業を皆さん方進めてきたんです。ところが、用地を企業に売却して起債を返済する計画だったけれども、用地売却が思うように進んでいないというのが現状だと思います。私たちはこの点についてずっと指摘をしてきましたが、これについて商工労働部長、どうでしょう。
○平良敏昭商工労働部長 確かに第3次沖縄県産業振興計画の目標値から言うと、非常に低いということはそのとおりなんです。ただ、今後沖縄県が雇用をふやしていこうとする、産業の振興を図っていこうとする場合に、工業用地というのは中城しかないわけです。糸満市にも若干残っております。そこは今後の沖縄県の産業をリードしていけるような、そういう企業を、県内企業も含めて、あるいは県外からも安定的に雇用を確保するような企業を誘致していくということで。今回新たな計画では、委員が今申し上げた使い勝手の問題、税制等の問題についてきちんと整理して、内閣府を通して財務省と今調整を進めている。そういうことで、次の新たな計画においては、その辺の課題を何とか解決しながら、産業の立地を進めていきたいと考えております。
○玉城ノブ子議員 もう時間がありませんので、ちょっとカジノの問題についてお聞きしたいんですけれども、カジノ地域説明会を開催しているということですが、その説明会の内容について伺います。
○嵩原安伸観光政策課長 地域説明会におきましては、沖縄観光の現状と課題。沖縄21世紀ビジョン基本計画(素案)における観光振興の基本方向。その中における統合リゾートの位置づけ。統合リゾートをめぐる国の動向。それから平成22年度、昨年度に再構築を行いました沖縄統合リゾートモデルの考え方とその経済波及効果。カジノ導入に伴う懸念事項とその対策及び海外の事例などについて説明を行ったところでございます。
○玉城ノブ子議員 この説明会に参加した皆さんは、カジノを推進するための説明会だったのではないかという声が上がっているんですが、どうですか。
○嵩原安伸観光政策課長 冒頭においても説明会の趣旨を説明しておりますが、カジノを推進するための説明会ということではなくて、県が現在実施をしている調査研究についての進捗状況でありますとか、あるいは国の動向が今どうなっているのかということです。カジノエンターテイメントの導入というのは、沖縄観光にとっての影響というのが大きい案件でございますので、これを県民の皆さんに早い段階で知っていただいてという趣旨で開催しております。この件については説明会の冒頭でもしっかり説明会の趣旨について説明をしているつもりでございます。
○玉城ノブ子議員 皆さんは国会でのカジノ議連の動向があるということで、そういうことを言っているようですが、しかし今、カジノは賭博法で禁止されているんですね。禁止されている法律について、皆さん方がこれを準備するための説明会を開くというのは、これは法律そのものに違反するのではないですか。
○平田大一文化観光スポーツ部長 カジノの問題につきましては、今はIRリゾートという呼び方になっています。1つは、参加している自治会長からこういう意見がありまして、統合リゾートの導入は沖縄県の将来に大きな影響を与えそうである。民設民営が前提であることから、懸念事項の対応が自治会や家庭の負担になることと考えられるので、地域での説明会をもっとふやしてほしいという意見がありました。恐らくこの意見を踏まえて考えてみますと、大事なことは無関心が一番危ないと逆に思っております。ですから、関心を持ってもらうために我々はしっかりとこれからも、推進にしろ反対にしろ、そういうさまざまな意見がある中で、今ある研究調査してきたものをしっかり伝えていきたいと思っております。今後、まだあと約6回ほどこういう会合があります。公開制になっておりますので、大勢の県民の方に参加してもらいたいと思っております。
○玉城ノブ子議員 私は、そういう皆さん方がやっている説明会の中身というのは、推進ともとれるような中身になっているわけです。そのことについて、私はこの説明会はやめるべきだと思いますが、どうでしょうか。
○平田大一文化観光スポーツ部長 本当にさまざまな意見があるなというのを第1回目の会合に出る中でも非常に感じました。ただ、カジノ区域整備推進法が今上程されるかどうかということで、カジノ問題は非常に加速化しておりますので。先ほどのTPPの話ではないですが、国の動向を見ながらと同時に、こちらのほうもしっかりとした事前の勉強会、意見交換会というのはしっかりやっていきたいというのが一応趣旨でございます。決して推進だけの話ではありませんので、ぜひそこの会合の中に参加してもらって、さまざまな意見を出してもらえたらありがたいと思っております。
○前田政明委員長 上原章委員。
○上原章委員 御苦労さまでございます。初めに農林水産部にお聞きします。
 一般会計及び特別会計歳入歳出決算説明資料の3ページ、執行率についてなんですが、予算現額718億円の中で支出済額が559億円、繰越が116億円、不用額は43億円、執行率が77.8%なんですが、過去3年間の執行率を教えてもらえますか。
○久貝富一農林水産企画課長 これは農林水産業費ですが、まず平成20年度が85.7%、それから平成21年度が77.8%、今年度、平成22年度が79.6%の推移となっております。
○上原章委員 農林水産部長、繰越額、不用額は決して大きくない額だと思うんです。毎回、私はこの執行額がなぜ改善されないのかといつも思うんです。先ほどいろいろ説明の中で、設計調整費、また用地取得等、いろいろ理由はあるにしても、毎年のことですので、前期繰り越しの150億円も入れて、平成22年度皆さん頑張っていただいたと思うんですが。確認したいのは、その年の一つ一つの事業が20%余り執行できないというのは手が足りない、要するに、マンパワーが間に合わないのか。それとも全部事業として手がけたが、結果的にこれだけのものが残ったのか、教えてもらえますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 執行率の繰り越しが一番多いのは、国の経済対策、これが連続してありまして、平成22年度は116億円のうち43億円程度は経済対策があったということで、設計とか用地取得については、相手のあることでなかなか進まなかったというのが現状でございます。
 それから不用額については、ことし、平成23年度はかなり被害がございましたが、やはり台風が少なかったということで、15億円の不用額が出た。それと、口蹄疫が去年いろいろありましたが、早目に収束をしたということで、これが7億円程度の不用。それから、いろいろ公共事業との関係の中で、入札残等があって不用が出たということでございます。今の繰り越しについては、設計とか用地取得については毎年度そういう状況にございますので、それは計画段階からしっかり取り組むように、今農林水産部の中に公共事業推進会議を設けていますので、この中でしっかり管理をやっていきたいと思っています。
○上原章委員 農林水産部長、現場ではとにかく土木建築部もそうなんですが、前倒しで本当はやってほしいんだけれども、新しい年度がスタートして、そういった発注というのが後々になっていくような、そういう感じをしているわけです。ですから、農林水産部の中に、いつも7割、8割、2割等は残るんだみたいなことがあると、これはなかなか改善しないと思うんです。ですから、農林水産部を挙げて執行率は、これは高めるぞと。とにかく前倒しで設計段階からどんどん、事業として予算を組むわけですから、その意識はしっかり高めてほしいんですが、いかがですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 これは本庁、それから執行する、出先も含めて共通認識のもとに、執行率を上げる形で対策会議を適宜やっていきたいと思います。
○上原章委員 あと、主要施策の成果に関する報告書の78ページにある農でグッジョブ推進事業、これを私は読まさせてもらいました。農家の担い手の育成、確保が非常に大事だということで取り組んでいただいていますが、この事業を通して具体的に就農につながった実績というのを教えてもらえますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 いろいろな今の担い手育成については、ハード、ソフトを含めて対応しているところでございます。必ずしもこれでということではございませんが、農業の部分でもグッジョブ運動を展開して担い手を育成する必要があるということで、この事業を仕組んでいるというところでございます。まず就農相談をやりまして、135戸の農家が相談に来ています。沖縄県立農業大学校において実践教育ということもやっています。それから就農希望の53名が就農に対する講座を受けることになっています。農地を持たない新規就農者の農地に対して、チャレンジ農場ということで、これは地元の農業委員会と連携してやりますが、農地をこちらのほうで借りて、そこで農業できる仕組みを今3カ所程度仕組んでおります。そういうことで、これも含めましてトータルで担い手育成ということをやっています。平成22年度は全体では240名程度の新規就農者を育成しているところでございます。
○上原章委員 その中に後継者育成事業ということで、1年間受け入れ農家が研修という形で受け入れている事業があると思うんですが、この中身を教えてもらえますか。
○與那嶺宏明営農支援課長 農家が研修生を受け入れる事業は、県が直接ではなくて、沖縄県農業後継者育成基金協会の事業としてやっています。就農希望者が技術的な研修を行う場合、指導農業士や先進農家のほうで受け入れています。その辺のところで沖縄県農業後継者育成基金協会のほうでも支援しております。具体的には、例えば野菜をつくりたいという場合、指導農業士等を紹介して、指導農業士が受け入れて、教える場合。時間的に指導農業士の負担がありますので、その辺のところを沖縄県農業後継者育成基金協会が支援しているということです。
○上原章委員 県は予算を出していないんですか。
○與那嶺宏明営農支援課長 沖縄県農業後継者育成基金協会に対して県は補助金を支出しております。
○上原章委員 これは具体的に平成22年度の実績とかありますか。
○與那嶺宏明営農支援課長 今、沖縄県農業後継者育成基金協会の事業について手持ちを持っていませんので、後でお示ししたいと思います。
○上原章委員 私のほうでちょっと確認したら、農業を目指している方々は、農家で1年間研修を受けて、月々2万円生活費をいただいて、農家には3万円という形でいろいろ補助が出ているそうです。この方々はとにかく本当に農業をしたいんだということで、就農を目指していくんですが、1年間研修を終えた後に、具体的な就農を目指して施設資金の貸し付けが利用できるようになると聞いています。就農施設等の資金の貸し付け内容を教えてもらえますか。
○與那嶺宏明営農支援課長 研修を終わったメンバーで就農を始める場合に、就農施設等資金というのがございます。この資金は、例えばハウスを整備したいとか、あるいはトラクターを購入したいとか、そういうときに新規に始めるメンバーに無利子で資金を貸し付ける制度です。上限は2800万円までの資金を貸し付けることができます。
○上原章委員 これは、県何分の1、市町村何分の1、あと個人幾らというのはありますか。
○與那嶺宏明営農支援課長 この資金の原資は、国が3分の2、県が3分の1を支出している貸付金でございます。
○上原章委員 この方々はこの貸付金が一つの原資となって就農の道に入ろうとするわけです。まず一つ確認したいのは、申込みをして審査に通って、本人におりてくるこの期間というのはどのぐらいですか。
○與那嶺宏明営農支援課長 まず、今の施設等資金を借り受ける場合に、県の就農認定者になります。そのメンバーが研修を終えて、施設等資金を借りたいということで、これはまた農業改良普及センターでの事前審査とか、あるいは農業協同組合での事前審査がございます。それを経て県のほうに申請が上がってきます。トータルで早くて3カ月はかかると思います。
○上原章委員 私は何名か身近にいるんですが、半年から1年かかるそうなんです。その間、この方々は生活する糧がないんです。せっかく1年間研修して、土地をお借りして、その間、自分で野菜をつくったりして何とか生活をやりくりしようとしても、出荷をすると、この貸付対象から外されるそうなんですが、そうですか。
○與那嶺宏明営農支援課長 先ほど説明したとおり、認定就農者になる場合に就農計画というのを提出します。その就農計画でいつ就農しますというのが入っています。それにそぐわなければ、別に借りられないとかそういうことはありません。
○上原章委員 では、この貸し付けを申し込んで、そのお金がおりてくる間は、この方々は自分の技術というか、農業作物をつくって生活の糧にするということは問題ないわけですね。
○與那嶺宏明営農支援課長 就農計画の中で、例えば平成23年10月に就農しますと。資金はいつ借りますと明記されています。それにそぐわなければ構わないということです。
○上原章委員 ですから、この方々がこの貸し付けを受ける条件としての新規就農者という概念は、貸し付けを受けるまでは生産者としてやっちゃいけないということはないわけですかと聞いているんです。
○與那嶺宏明営農支援課長 就農1年未満であれば貸し付け可能です。
 先ほどもお答えしたように、就農して生産物があったとしても、就農1年未満の新規就農者であれば、資金を借りることができます。
○上原章委員 これはもし審査が1年以上かかって、その間、この方々は生活を守るために頑張ってきた場合はどうなるんですか。
○與那嶺宏明営農支援課長 先ほども説明しましたように、就農計画の中で、研修して、就農支援資金、施設等資金を借りますという計画がございます。それについてずれがなければ可能だということです。
○上原章委員 ちょっと原点へ戻しますけれども、半年から1年かかるというのはちょっと長過ぎないですか。これは理由は何なんですか。
○與那嶺宏明営農支援課長 就農希望者が経営計画を立てます。すごい無理な計画を立ててくる方もいらっしゃるんです。そういうところの事前審査に農業改良普及センターなり、あるいは農業協同組合なりでかかっていると聞いています。
○上原章委員 いろいろ無理な計画があるにしても、それはまた的確な指導をすればいいわけであって、余りにも待たし過ぎではないかなと思うので、ぜひこれは現場を検証していただきたい。本当に何でこれが時間がかかるのか。この方々は早く農業を自分たちの技術で頑張りたいと。それを待っているわけですから、その辺の審査をしっかりもう少し早めるのが大事ではないですか。
○與那嶺宏明営農支援課長 半年とか1年というのはちょっと長いと思っていますので、農業協同組合、あるいは農業改良普及センターと調整しながら検討してまいります。
○上原章委員 もう1点、では、いよいよハウスを建てましたと。この方々は一生懸命作物をつくって、また、返済もしながら頑張ると思うんです。作物は、事業計画の当初、例えばゴーヤーをつくります、マンゴーをつくりますと決めているわけですが、途中でいろいろな暴落とか環境の変化で作物を変えたい。これは問題ないですか。
○與那嶺宏明営農支援課長 当初計画で、例えばゴーヤーをつくって計画を立てた。後でサヤインゲンとかキュウリに変えた。そういうようなことだと思います。それについては事前に計画の変更をするか、それとも変えてから後で農業改良普及センターにこういうふうに変えたいんですが、よいですかということで相談があれば大丈夫です。
○上原章委員 それを聞いて安心しました。現場から、これが壁となって結構途中でリタイヤしたり、山原ではハウス墓場とか言われるような感じで、本当にせっかく建てたハウスが、こういった条件の変更ができないということで、途中で断念するようなケースもあると聞いていますので。今お答えになったことが本当に間違いないか、私も現場で確認しますが、営農支援課としてもよく調べてほしいです。どうですか。
○與那嶺宏明営農支援課長 今の作物の変更については間違いないです。それから、例えば事前にできない場合少し困るのですが、それでも事後報告していただければいいと思います。
○上原章委員 ちょっと時間もありませんが、商工労働部に確認したいのが、同じく主要施策の成果に関する報告書の中で、98ページの県単融資制度。これは県が3分の1、金融機関が3分の2ということで、当初貸付枠154億円準備していただいているんですが、実績が618件、38億円。これは154億円のうちの38億円が実績ということですか。
○金良実経営金融課長 そのとおりです。金融機関の持ち分も含めたものに対しての実績となっております。
○上原章委員 618件の貸付実績、申し込み総額はわかりますか、件数。
○金良実経営金融課長 県の制度融資はすべて沖縄県信用保証協会の保証つきになっておりますので、沖縄県信用保証協会を通して確認しております。申し込み件数が752件、金額で50億9600万円になっております。
○上原章委員 これはあくまでも審査、銀行として沖縄県信用保証協会に行った件数だと思うんです。私が言うのは窓口の相談に来た件数というのは幾らですか。
○金良実経営金融課長 確かに委員のおっしゃるとおり、沖縄県信用保証協会に行く前の段階で金融機関のほうで事前の要求を満たさないとか、明らかにこれだとだめだというものもあるかと思うんですが、今の段階でそこまでの把握はできておりません。
○上原章委員 ぜひそういったのを把握していただいて。今回154億円のうちの38億円しか実績がないというのは、それだけ現場が、借りたいという人がいないのか、その辺の分析はどうなんですか。
○金良実経営金融課長 昨今の状況を見ますと、平成21年12月4日から中小企業金融円滑化法による条件変更が認められておりまして、新たな融資というよりも、条件変更の案件が非常に多くなってきております。実績で申し上げますと1万1571件で3404億円。これは県の制度融資だけではなくて、民間企業からのプロパー資金、そういったものを含めたもろもろの金額となっております。それと、景気対応緊急保証制度で資金需要がある程度満たされているという部分もあって、設備投資意欲でありますとか運転資金のほうも少し落ちついてきているのかという部分はあります。
○上原章委員 県単融資と銀行で直接相談に行く融資とどう違うんですか。差別化というか、内容は一緒なんですか。
○金良実経営金融課長 県の制度融資は、先ほども申し上げたんですが、すべて沖縄県信用保証協会の保証がついております。言いかえますと、中小企業者がもし経営が厳しくなって返済ができないという場合には、沖縄県信用保証協会が代位弁済をとります。そういった意味では、金融機関から見ますと、リスクが軽減される。審査の段階で若干前広といいますか、弾力化ができる。それと、県の制度融資の場合、すべて固定資金として金利も低く設定されております。
○上原章委員 最終的に銀行で審査をして、沖縄県信用保証協会で最終的な決定があるわけです。今、本当にこういう厳しい経済状況の中で、多くの中小企業の方々が資金繰りで非常に悩んでいるんです。特に銀行の審査はそれなりの基準がありますので、県がこれだけこうやって資金繰りの支援のための資金を準備しているわけですから、もう少し銀行よりも条件の緩和。例えば融資期間を長くするとか据え置き期間も長くするとか。県が本当に中小企業の皆さんのための支援、要するに銀行に行っても、沖縄県信用保証協会を通すのはみんな一緒なんです。だから、県が今組んでいるこういう資金繰りの制度というのは、もっともっと関係者と相談をして、使い勝手のいい仕組みをつくるべきではないですか。
○金良実経営金融課長 委員の御指摘のとおり、我々のほうもぜひそういった形で進めたいという思いはあります。今現在、県の制度融資を扱っています地方銀行、信用金庫、商工組合中央金庫等含めて5金融機関、それとあっせん団体になっております財団法人沖縄県産業振興公社、沖縄県商工会議所連合会、沖縄県商工会連合会、あと沖縄県信用保証協会も含めて、我々県と一緒になって研究会を立ち上げておりますので、そこで年4回くらい意見交換を持っております。それと、毎年1300件程度の企業にアンケートをとっておりまして、関係団体等の協力もあって、90%という高い回収率も上げております。そういった中でも我々は検討しています。実際今年度の実績として、運転資金を5年から7年に延長、設備資金については7年から10年に延長、すべての資金ではないんですが、ある程度の資金でそういった措置もやっています。それと、金利についても0.2%から0.1%と低減しています。信用保証料についても県のほうで補てんをしたりということで、よりよい資金が中小企業者のほうに円滑に供給されるように、今後も努力していきたいと思っております。
○上原章委員 終わります。
○前田政明委員長 前島明男委員。
○前島明男委員 まず、台風に強い農業のあり方ということで、一般質問の中でもさせていただきました。それはいろいろあるんですが、私は、防風林のことについて農林水産部長にお尋ねをしたいと思います。
 南北大東島を例にとりますと、防風林のあるなしでは随分と違う。平均して大体30%ぐらいの台風の影響を抑えることができるということが言われておりますが、今盛んに防風林の事業をやっております。杉の間伐材を利用したさくもつくっておりますし、その内側にまた防風林を、小さな苗を植えて事業をやっているんですが、これが効果を発揮するまでには相当の年月が必要だと思うんです。5年かかるか、10年かかるかわかりませんが。そういった意味では、それはそれで事業として必要なんですが、私は緊急といいますか、即効果を発揮できるのは、アルミ製の暴風さくといいますか、私が北海道へ出張したときに、あれは、苫小牧の港でしたか、函館の港でしたか、そこで公園の植栽を保護するのに穴のあいたステンレスでつくった暴風さくがあったんです。そういうのも、これはもう即できるわけですから、何年も待つ必要はないので、それと併用してやっていったらどうかと思うんですが、農林水産部長のお考えをお聞きしたいと思います。
○比嘉俊昭農林水産部長 暴風対策については、施設でしたら台風に強い施設を導入するということで進めています。それから施設以外のところで作物を植える場合は防風林の設置ということで、これについては2つの考え方で今進めているんです。1つは、まずさとうきびでしたら、台風に強い品種を今それぞれ導入しているところです。それとあわせて、防風林の設置については、先ほども話したんですが、防風林を定めて毎年やっている。ただ、防風林は先ほど委員がおっしゃったように、成木になるのに10年とか、あるいは20年かかるという話もあります。できるだけ早い樹種を今選定して普及していこうということを考えています。
 それから、委員、今おっしゃった暴風壁というんですか、これは漁港あたりでは波を防ぐためということで現在立ってはおります。ただ、これについては費用がかかるということで、我々として今考えられるのは、例えば、ハウスをつくった場合、植栽ができないところとかそういったところに並行して、それをつくればパイプハウスでもいいのかという中身の話もあります。そこは恐らく効果が高いところ、あるいは防風林が植えられないところをやったほうがいいのではないかということで、モデルケースを少し仕組んでみようかと検討しております。
○前島明男委員 金は多少高くつくかもしれませんが、どうしてもこれが必要だと。海岸に近いところとか、そういった場所によっても変わってくると思うんですが。そういったものも併用してやっていければいいのではないかということでの提案でございます。
 質疑を変えます。先ほど池間委員も話をされましたが、芋について。まさか池間委員が芋で育った時代だとは私は思ってもみませんでしたが、私も小・中学校は朝昼晩、芋で育てられた年代なんです。芋のよさについてはもう御存じだと思うので申し上げませんが。鹿児島県のサツマイモだとか、あるいは四国の鳴戸金時だとか、いろいろな芋があります。そういった芋に負けないような品種改良をしてすばらしい芋をつくり上げて、それを全国に販売できるような、そういう芋の新しい品種をつくっていただきたいと思うんですが、農林水産部長、いかがでしょうか。
○比嘉俊昭農林水産部長 芋の品種改良については、青果用、加工用、飼料用ということで、これまで沖縄県農業研究センターのほうで取り組んでいまして、現在17品種を育成しております。その中で、特に食味のよいということで、これは、青果用としては沖夢紫、加工用としては美ら恋紅、それから茎や葉を利用が可能だということで、青果用でカンタということで今品種改良しています。先ほど委員おっしゃられたとおり、他府県に負けない品種改良というのをこれからも取り組んでいきたいと思います。
○前島明男委員 芋につきましては、沖縄県が先進県といいますか、中国から野國総管が芋を持ってきて、それを普及させたというところもありますので、芋だけは絶対全国どこにも負けてほしくないという気持ちがございます。
 そして、ネーミングについてですが、私が個人的にも薩摩に対抗する気持ちもありますので、うるま。これも昔からうるまの島ということで、親しみのあるネーミングだと思うんです。ですから、農林水産部長、先ほどの池間委員の質疑の中でお答えになっておられましたが、総体的なネーミングも一応検討するということですので、私は、うるま金時だとか、うるま紅芋だとか、あるいはうるまキートンとか、うるまを冠して地域地域のおいしい芋の名称をつければいいのではないかと思います。うるまということに関して、農林水産部長、どういう感想をお持ちか。
○比嘉俊昭農林水産部長 それぞれ思いがありますし、地域も、さっき言った読谷紅とか、地域は地域で思いがあります。そういう意味では、それもあるし。それからメーカーによっては、例えば読谷紅とか、その名称で売り込んだほうが定着しているので売りやすいという状況もございます。ただ、県としては、地域は地域でそれでいいんでしょうが、全国展開、あるいは海外展開ということであれば、1つは共通した認識のもとに、それから地域のカラーはカラーで出してもらうのがいいのではないか。例えば紅芋琉球とか、何かそういう言葉で、そこに地域の名前を上に出して、後ろには全体的な名前ということも一つは必要かということを考えています。これについては、先ほどありましたように、協議会の中で議論をして、そういう方向でできるようなことも含めて対応していきたいと考えています。
○前島明男委員 サツマイモというのが今はもう芋の総称みたいになっていますので、どうも私は気にさわるんです。ですから、琉球芋でも何芋でもいいんですが、総称として、これは沖縄の芋ですよということが即わかるような、そういう芋の総称を決めていただいて。そしてそれに何とか芋、紅芋とか何とか芋とつければいいのではないかと思いますので、今後、また委員会か何かあるでしょうから、その中で御検討いただきたいと思います。
 それに関連して、イモゾウムシ、あるいはアリモドキゾウムシ、その対策も非常に力を入れて進んでいるようなんですが、予算的な問題ですね。本当に現在の予算で駆除対策が十分なのか。できるんであれば、直近の3年ぐらいのイモゾウムシ、あるいはアリモドキゾウムシ対策の予算、それを教えていただくとありがたいんですが。
○與那嶺宏明営農支援課長 イモゾウムシの対策予算ですが、平成21年度が2億9457万2000円。平成22年度が2億9377万円。平成23年度は予算ですが、2億9458万4000円でございます。
○前島明男委員 本当に横ばいですね。2億9000万円台で横ばいなんですが、それで皆さん方、研究費用として十分だとお考えですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 アリモドキゾウムシは、まず一つは、不妊虫の大量増殖技術がまだ確立されていないということで、その調査研究を今やっております。それからイモゾウムシについては、これは誘因物質ですが、フェロモンが開発されていないということで、その研究をしております。それと同時に、不妊虫を大量増殖するための開発をやっているところでございます。それが確立すれば、恐らく施設を増大しないといけない。その予算では足りません。そういう意味では、まずは研究をしっかり確立して、その上で予算の増額を考えております。
○前島明男委員 では、今の予算で研究費としては足りているということで理解していいんですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 現状の中では、十分とは言えませんが、それで研究はやっていけると思います。
○前島明男委員 これまでも非常に力を入れてこられたと思うんですが、もっともっと力を入れてスピードアップして、早くこの害虫を駆除してほしい。一日も早く沖縄県のおいしい芋を県内だけではなくて、県外にもどんどん出荷できるようなそういう体制をとっていただきたいと思っております。これは要望です。
 次に質疑を変えます。モズクのことをちょっとお尋ねしたいと思うんです。これは太モズク、たしか私の知るところでは、全国の生産量の中で沖縄県が99%を占めているんだと私は理解しているんです。沖縄県の特産品の中の特産品と言っても過言ではないと思うんですが、一時期はたしか2万5000トンぐらい生産したときもあったのではないですか。最大生産量、一番最盛期は幾らになっていますか。
○島田和彦水産課長 過去、平成15年あたりまでのデータしか今持ち合わせておりませんが、平成19年に2万2200トンという数字がございます。もしかしたら過去ずっと前にもっと生産したのかと覚えております。
○前島明男委員 それが現在ではたしかもう6000トン台ですか、6000トンか6500トンぐらいまで落ちていますね。たしか最盛期の4分の1ぐらいまで落ちていると思うんですが、現在はどうなっていますか。
○島田和彦水産課長 委員のおっしゃったとおり、平成22年度に6500トンぐらいになっています。ただ、今期、平成23年につきましては1万2500トンぐらいになっております。来期といいますか、今度の冬にかけては1万9000トン以上計画をしているということを聞いております。
○前島明男委員 平成22年度、あるいは平成23年度のキロ当たりの単価は幾らになっていますか。
○島田和彦水産課長 先ほど申しましたように、平成22年度が一番少なかったです。そのときの単価は、詳しい数字はわかりませんが、たしか80円台だったかと。今現在においては、モズク等が在庫がはけてかなり単価が上がっていまして、今年度あたりは百十四、五円ぐらいには回復しているのかと思っております。
○前島明男委員 私の知るところでは、一時期はキロ当たり300円とか、あるいは三百二、三十円とか、そういう時期もあったわけです。それが豊漁とか、またいろいろな関係で、あるいは業者に買いたたかれて漁民が、勝連あたりでもそうですが、何百トン、あるいは何千トンと海に行って、モズクを浜に投げ捨てたということもあったんです。ですから、そういう業者にたたかれないような方法も考えてほしいと思いますが、比嘉農林水産部長、何かありませんか。
○比嘉俊昭農林水産部長 先ほど少し説明しましたが、1つには、酢につけた加工ではなくて、生として売る手法が、保存しなくてしっかり出すという仕組みになるのではないかということで。今現在、生モズクを量販店、これはユーザーとマッチングをしてやること。要するに、売り手側と結びつけて売り方をしっかりやれば、恐らくそういう意味では、在庫がかなり減るのではないかということもあります。それから、今現在考えているのはほかの利用。例えば養殖の飼料の添加剤とか、あるいは医薬品への応用。直接食べるものと新たな付加価値の高いものを仕向ける必要があるのではないかということで、それも今並行してやっています。そういう意味では、かなり違った形の展開ができるのではないかと思っています。
○前島明男委員 最後に、漁民は生産意欲旺盛です。先ほどお話ししましたように、2万トンでも3万トンでもつくるだけの意欲も能力もありますので、ぜひ県の農林水産部のほうでもその辺に力を入れていただきたいと要望して、終わります。ありがとうございました。
○前田政明委員長 比嘉京子委員。
○比嘉京子委員 通告した順番ではなくて、まず1番目に企画部と農林水産部の分担についてお聞きしたいと思います。何度かお聞きしているし、それから今回企画部にも同じテーマをお聞きしているんですが、まず研究部門と普及部門が違う機関といいますか、違う部署にあるということのメリット、デメリットについてお聞きします。
○比嘉俊昭農林水産部長 これは企画部のほうでも話があったと思いますが、企画部にもう一元化されたということは、一つには、いろいろな意味で共同研究がやりやすくなったということ。それから研究予算をプールにすることで、予算の弾力的な運用などができたこともメリットでございます。一方、農林水産部の中にあったほうが、普及の部分と研究の部分のマッチングが可能ではないのかという意見もございます。そういう意味では、いろいろメリットもありますし、デメリットもあると理解しております。
○比嘉京子委員 両方あるというお考えの中で、例えば農家にとってのメリットと逆に言うとデメリットを考えますと。例えば研究部門が出した研究成果といいますか、技術的な成果も含めてですが、そういうものを普及する、実践していくまでにロス的な時間がないだろうか。例えば栽培というのは時間と時期の戦いですね。そういうことを考えると、農家にとって、研究成果がスムーズにおりてくるということは、一元化されてからではないかという推測のもとに質疑したいんですが、最短でどれぐらい、または最長でどれぐらいで実践部門のほうにおりてくるんですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 これは物にもよるのですが、物によるというのは、研究課題がたくさんあった場合は当然長らくかかります。大体3年程度で成果を出すという仕組みになっておりまして、それでできなければ引き続いてということになると思います。それでは、研究課題の設定が大変重要になってくると思います。一応、関係機関からとった課題を、研究が必要だということで3年程度。ないしは物によって、これはいろいろパターンを設けていまして、3年で現場に移せるものであれば3年と。それから引き続いてあと1年ぐらい必要であれば、引き続き調査するということになっています。そういう意味で、成果の中身によって移す。ただ、移す場合は、当然現場の農家に移しながらやりますので、そういう面では、一応、連携はとれていると考えています。
 成果が出たら、まず農業改良普及センターを通して、篤農家なり、それから現場にモデル展示として打ちます。それが1回で一定程度その成果に基づいてそういう研究として発揮できれば1年か2年ぐらい、最短で1年ですね。そうではなくて、落としてみても、研究レベルと、それから現場と少し違うところが出てきます。そういう場合は2年程度、また補完的な形で実証展示をするような形になると思います。
○比嘉京子委員 少し議論がかみ合っていかないんですが。例えば同じ部署であるならば、研究部門と普及部門が一緒にあることによって、成果が生まれたら、単純に考えて、多くの過程を通らないでもすぐに営農支援ですか、そこのほうにおりていくんではないかと考えるわけです。そうすると、企画部で開発していて、研究していて、それから企画部長を通るかどうかわかりませんが、企画部から通ってきて、農林水産部に来て、農林水産部の中で営農支援にいくという過程を考えたときに。それは表裏一体でやることですから、ある意味で現場で課題が上がったものを研究機関にフィードバックするでしょうし、上がってきたものをおろしていくという。この互換の関係を考えたときに、これは沖縄県のあり方というのは、どうも違うのではないかと私は思っているのです。それで成果は成果としてあるかもしれませんが、本当に農家にとってどうあるべきかということを私は考える時期ではないかと思うんです。農林水産部長、いかがですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 メリットの反面、デメリットというのは、委員、今おっしゃるように、一つには現場に密着していないところが多々あると思います。それと、農林水産部の施策と研究成果がマッチングしていないと、一部そういうのが見受けられます。そういう意味では、改善するところは改善はしていますが、可能であれば農林水産部にあったほうがいいと考えております。
○比嘉京子委員 まさに研究成果が時間のロス。タイムラグを経ないでしっかりと早目におりてくるということは、植えつけの時期とかを逸すると1年間待つとか、そういうことも考えられるわけです。そういうのは、一元的に見ていくこと。逆に言うと、人、物、金の一元的な弾力性ということのほうが、むしろ農林水産部としての責任の持ち方としてはあるべき姿ではないかと思います。ぜひ近々検討をお願いしたいと思います。
 次に特殊病害虫。先ほどからイモゾウムシのお話が出ていますが、平成22年度で国庫補助事業として、指定試験事業でこれらの病害虫の防除費というのがあったと思うんです。その実績、これは病害虫のみならず、ほかの育種関係もあったと思うんですが、それがどういう動向になっているのかをお聞きしたいと思います。
○與那嶺宏明営農支援課長 病害虫の指定試験の関係のことだと思うんですが、それについては平成23年度から廃止になっております。その中で、資金等を全国のプールの事業の中から見合う分を、提案公募型ですので提案しながら予算を確保している状況です。
 委員御質疑の件は、所管は企画部の予算となっています。聞いている範疇で答えますと、レギュレタリ開発事業という事業名があるようで、その中でイモゾウムシ等の研究を行っていると聞いております。
○比嘉京子委員 平成22年度までの指定試験事業というのは、あれは仕分けでカットされたんですか。
○與那嶺宏明営農支援課長 指定試験については国の範疇であります。研究については企画部のほうで所管しておりまして、営農支援課としてはちょっと答えにくいんですが、国の事業の中で割り振りが変わったと聞いております。
○比嘉京子委員 では、平成23年度以降の話になるんですけれども、ミバエもそうだと思うんですが、一般的には根絶されましたというと、何ら対策をとらないでいいのかと一般的に思われると思うんです。ですが専門的にお聞きすると、再侵入防止策をするのと、それをずっとし続けないといけないんだと。それと同時に、新たにどんどん生態が変わっていくらしいんです。それも生態に向けた変化をやらないといけない。そういうことを考えると、今までやってきたことが継続されないということは、ある意味でやってきたことが水の泡になりかねないわけです。再度侵入になる可能性があるということですね。どうですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 今、指定試験については競争的試験に変わったということで、これについては研究そのものはやると聞いております。ただ、予算措置がたしか人件費ではなかったかと思うんです。研究そのものは終わらなくて3年継続ということで、引き続きこれは、沖縄県の場合は他県と違う特殊な研究をやっているということで。実は、これはたしか平成23年度予算要求のときに要請した経緯がございます。
 一方、今の特殊病害虫特別防除事業については、これは先ほど委員から話もあったように、再侵入防止ということでは、予算額そのものはこれで維持しないと、入ってきた場合に対応できないということがあります。それから、ウリミバエなどについては、長くずっと飼っていると家畜化して野外との競争ができないということがありまして。これは台湾あたりから野生種を導入して、それでもってまた活力をつけるという仕組みもございますので、それについては、事業仕分けとは別のものとして、我々としてはしっかり確保するということでやっていきたいと考えております。
○比嘉京子委員 今の説明からすると、平成23年度以降のものは長いスパンではなくて、受託事業ですか、3年継続だと言っているわけです。そうすると、では、平成25年以降どうするんだと。これは永遠にやらなければいけないわけですね。そのことについての見通しはいかがなんですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 済みません。ちょっと説明が足りなかったようです。一つは、技術会議というのがございまして、技術会議から流れてくるのは研究費のみになります。これが試験場で使う予算ということで、先ほど指定試験であったのが競争試験に変わった。これは研究のことでございます。一方、再侵入防止については、これは内閣府の一括計上の予算になっていまして、引き続きそのとおりいくと我々としては考えております。
○比嘉京子委員 県単で県が平成23年度に出している費用からすると、国の平成22年度の予算にすると、どれぐらいの割合に落ちたということですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 研究については企画部のほうが総括していまして、企画部のほうで予算化ということになります。こちらのほうは、どちらかというと事業の執行という感じになっていましてそこにくると、農林水産省、内閣府という中でいきます。そういう意味では、先ほど指定試験が競争試験に変わったというのは、これはさとうきびもしかり、パインアップルもしかり。そこがいろいろ変わりまして、3年事業でとっていって、また3年後エントリーして。また研究内容によって試験を確保するということで、研究と事業と別物になっています。研究について、我々は細かいことについては掌握していない状況です。
○比嘉京子委員 これは、今の話からしても、企画部と農林水産部が一体化していないことによる不都合を非常に感じるわけなんです。といいますのは、研究はあそこでやっているので、あそこに研究資金がいくんだ。そうすると、3年単位で当たるか当たらないかわからない国の予算を頼りにして、このことを継続していくのかという話になるわけです。一方では、今、台湾から導入して新たな野生種に対抗するようなものをつくっていこうという研究部門と、それから再侵入を防ごうという部門は別なんだというお話になるわけですから、そこら辺から見ましても非常に違和感を感じてます。そういう意味からも、ぜひ一元化ということも含めて、話が違うところへいっちゃったんですが、平成25年度以降からの再侵入についてもきちんと継続を確保していく。これからも私は注視をしてまいりたいと思います。
 次に移りたいと思います。先ほどから担い手育成のお話がありましたが、私は共済掛金について少しだけ質疑したいと思います。
 我々が台風被害を視察に行きまして、非常に無力感に襲われます。ひどいなとか大変だなって思うんですが、結局、全然支援体制というのが我々の中からは何も生み出せないわけなんです。そういうことを考えると、農業をやっていられないだろうなと私さえも思うわけです。そういうことがないようにするためにも、台風に対する補償、補てんをしていかないと、生活が続かないわけなんです。そのことについて以前も何度か質疑してきたのですが、私は、全国の中で台風被害が沖縄県が一律ではないということを踏まえると、共済掛金を全国一律的に扱ってはいけないんではないかという考えを持っているんです。それを全国一律に今扱っている実態はないですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 台風については、これは農林水産省が所管をしていますが、一律になっております。それで、平成24年度以降の新しい制度の中では、沖縄県の場合は2倍から3倍程度の被害は他府県より大きいということで、これについては、そのために掛金率が2倍から3倍高くなっているという状況がございます。現在、国に対して掛金を全国並みになるような形で、掛金の高いところの支援を国にお願いしているところでございます。
○比嘉京子委員 ある意味で県独自というのは難しいんですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 施設園芸については、県のほうでも対応はしている状況で、ただ、予算がやはり限られています。県としては、これは施設園芸だけでなくて、さとうきびも含めて、その分の掛金率が高い分の差を埋めてほしいということで国に要請しているところでございます。
○比嘉京子委員 皆さんの平成22年度決算を見てみますと、不用額の主なところに災害復旧費を使わなかったということで、使う率が7.2%ぐらいだったということで載っているわけなんです。そのことを考えますと、そこら辺から農家に対して何らかのあり方が検討できないんだろうかと思うんですが、いかがですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 これについては、去年は被害はなかったんですが、ことしは相当程度被害が出ている状況がございまして、被害を予測して被害額を出すというのはなかなか難しいです。ただ、考え方としては、10年間ないし15年間の中で一番被害が高かったとか、あるいは10年間の平均をとったとか、そういうことで算定をしております。その中で、どうしてもない場合は、その起伏がありますが、来たときに即対応できるような形で対応するのも、被害への仕組み方ではないかということで、そういう算定の方法で予算化をしているところでございます。
○比嘉京子委員 そういうことではなくて、国に要望することもいいことですが、沖縄県が台風襲来の全国的に一番多いところであるということを考えると、この仕組み自体は全国一律でいいわけないです。そのことをどれだけ沖縄県が声を出しているかということも問われるわけですから、ぜひここは要望するなり、現実的にしていくということをお願いしたいと思います。
 最後に、クルーズ船について、文化観光スポーツ部のほうに聞きたいと思います。平成22年度のクルーズ船の実績、それから今後の増加見通しについてお聞きします。
○神谷順治観光振興課長 平成22年のクルーズ船の寄港回数と乗客数についてですが、実績としまして、寄港回数は102回、乗客数は20万3915名となっております。今後の増加見込み、本年の見込みとしましては、震災による全国的な寄港キャンセルとか、あるいはまた台風等もありましたが、ほぼ昨年並みの同程度になると見込んでおります。
○比嘉京子委員 人数というのはおわかりですか。
○神谷順治観光振興課長 先ほど申し上げましたが、乗客数は実績としまして20万3915名。今年度もほぼ同数と見込んでおります。
○比嘉京子委員 滞在時間と1人当たりの消費額はおわかりですか。
○神谷順治観光振興課長 滞在時間ですが、朝着岸して、その日の夜に出ていく、また石垣などに行くということです。
○比嘉京子委員 1人当たりの。
○神谷順治観光振興課長 済みません。1人当たりの消費額は今手元に情報がございません。把握しておりません。
○比嘉京子委員 福岡の調べですが、3万4000円とか3万3000円とかという数字が出ているんです。そのときにですが、半日しかいないという状況の中で、一番の問題点とこれからの課題は何だと思いますか。
○神谷順治観光振興課長 課題につきましては、まず入国審査の手続でございます。下船まで約1時間以上も要する場合もあることから、これまで海外のクルーズ船からも簡素化の要望がなされております。県では平成21年1月に政府に対して、入国審査の簡素化及び体制の充実強化を要請しており、ことし7月にも福岡入国管理局那覇支局に対して改めて協力を依頼したところでございます。
○比嘉京子委員 文化観光スポーツ部長、その見通しはどうですか。
○神谷順治観光振興課長 実は、来年の7月なんですが、ロイヤルカリビアンという大きな船が来ます。これは、乗客数が3000人、それから従業員というか、乗組員が2000人で、合計5000名、13万トンが来ます。ことしの7月、先ほど話したように要請したのは、こういった大型の船が来るときには、今の現状では大変厳しい状況が続いておりますのに、なおかつそういった状況になりますと、もっと時間がかかると思いますということで。例えば、人員体制を福岡とか、もしくは東京から応援していただきたいということ。この船は、神戸、福岡、長崎、そして沖縄に来る予定でございますので、そういった各県とも連携しながら、国に対して要請していきたいということを検討しております。
○比嘉京子委員 短時間の停滞の中で、ここでCIQを何時間も待たせるということは、お金を落としていくチャンスを失うようなものですね。それを考えると、1人当たり3万円としても、1億円以上のお金が1日で落ちるということを考えると、これはもっと真剣に取り組んでいってほしいと思います。
○前田政明委員長 新垣清涼委員。
○新垣清涼委員 まず農林水産部にお尋ねします。県産農産物付加価値向上推進事業についてですが、その事業内容と成果について説明をお願いします。
○與座規克流通政策課長 農産物付加価値向上事業につきましては、平成22年度から平成24年度までの3年事業として計画しております。ことしは2年目ということです。その中で現在取り組んでいますのは、加工につきましては3モデルを展開しようということで、一つは地域内の展開モデルということです。それを県産農産物の商品開発と人材育成ということで、地域でやっている方々の資質向上とか、割と身近なところでできるところの加工品を開発しようということです。
 それからもう一つは県内展開型ということで、食品加工業者と連携しながら、今年度は学校給食とかリゾートホテル等の加工品の開発モデルを検討しようということで取り組んでおります。平成22年度につきましては、学校給食とリゾートホテルの関係者との意見交換ということで、地域と、それから素材とかその辺を検討いたしまして、現在はそれにあわせて加工品の試作を行っているという状況でございます。
 それからもう一つは全国展開型モデルということで、平成22年度につきましては、県外メーカーに対しまして、素材としての県産農産物の関心の有無とか、関心のある具体的な農産物。それからモデル事業の参加の可能性などのアンケート等をやっております。特にその中で関心を示してきたメーカーについてはヒアリングを少し行っております。現在アンケートの中では、マンゴーやシークヮーサーとか紅芋とか、沖縄県の特徴的な素材が高いニーズがあるということになっております。現在、こういう3つのモデルをつくっていこうということで展開しているところでございます。
○新垣清涼委員 全国展開としては、マンゴーだとかシークヮーサーにいろいろ関心を示している企業があるということですが、今後の課題、あるいは今後の展開としてどのように考えておられますか。
○比嘉俊昭農林水産部長 先ほど3つのモデルということで言われましたが、まず1点目は、県内で加工品を開発することによって、域内の活性化を図ることにしまして、今、農村漁村などで、例えば道の駅あたりでそういう企業化をしているところがございます。そういうことを今最終的なターゲットとしています。それから県内モデルは、今、紅芋を使ってペーストと言われていますので、県内の大手と連携して商品をふやすことによって、観光客がお土産を持っていくような仕組みを考えています。それから県外については、量をたくさん消費してもらうためには、県外の大手とも連携してプレミアムではないんですが、そういった海外展開もできるような商品づくりも必要であるということで考えております。そういった3つのパターンで売り込みをかけていくということを最終的には考えています。
○新垣清涼委員 県の自立という意味でも、自主財源の確保というのは大事なことだと思うんです。そういう意味では、産業の振興というのはとても大事だろう。私はウチナーンチュを応援する立場から、1次産業としての農水産業、そこら辺の振興にぜひ取り組んでいただきたいということで、この問題を少しお尋ねしているわけです。そこで商工労働部、中小企業支援、農商工連携プロデューサー育成事業というのがあります。そことの関係、農との連携でうまくいった事業がありましたら紹介していただきたいんですが。
○湧川盛順産業政策課長 農商工連携プロデューサー育成事業につきましては、プロデューサーとしての応募者。これは、農業者、食品加工業者もしくは沖縄県漁業協同組合連合会の職員等11名が受講生として応募しておりまして、その中で、プロデューサーに向けて座学とか、あと先進事例の研修、それからおのおのが課題を設定した上での商品開発の実地研修等を行って、農商工連携のプロデューサーとして育成しているところです。具体的にどういうものが成功事例として挙げられるかと申しますと、先日新聞でも少し公表されましたが、宜野湾大山田いもブランド化プロジェクトというのがございまして、その中で、11名の研修生の中の1人として大山田いも生産組合の方がいらっしゃいます。その方が宜野湾市、沖縄ダルク、株式会社沖縄ホーメル、それから宜野湾商工会議所、その方々とチームをつくって、商品開発に向けて研究会を続けます。その成果として、大山田いも生産組合と株式会社沖縄ホーメルが田芋と田芋の茎のところ、これはムジというんですけれども、そのムジを使ってムジ汁をレトルトパックにしたものをママいもスープとして先日発売しております。そのほかにも幾つか成功した事例がございます。
○新垣清涼委員 ぜひそういった県産品を使った農産物から加工して販売まで、うんと支援をしていただきたいと思っています。
 それから、農でグッジョブ推進事業の中でいろいろと認定就農者への支援が先ほどの質疑の中でわかりました。そこで、沖縄県林業・木材産業改善資金貸付事業というのがあると思うんですが、その件について説明、それから平成22年度の実績がありましたらお願いします。
○謝名堂聡森林緑地課長 沖縄県林業・木材産業改善資金につきましては、林業・木材産業の経営の改善、林業労働力災害の防止等に対する無利子の融資制度でございます。貸付原資は、国のほうが3分の2、県のほうが3分の1を原資にして貸し付けております。貸付限度額は、個人が1500万円、それから会社が3000万円、団体のほうが5000万円となっております。昨年度につきましては、キノコ生産者のほうで1500万円の貸し付けについて調整をしておりましたが、担保融資ですとか計画の段階で若干調整がつかなかったため貸し付けには至らないという状況で、今継続して県と調整をしている状況でございます。
○新垣清涼委員 その貸し付け条件として、担保とか保証人はどうなっていますか。
○謝名堂聡森林緑地課長 担保につきましては、貸し付けの額に対する額を担保として一応は要求するということでございます。保証人のほうも条件となっています。
○新垣清涼委員 平成22年度のキノコ生産業者の相談の中で、たしか1年ぐらい前から皆さんの担当と相談をして積み上げてきたわけです。ところが、事業計画書を出したが、今説明にありましたように、何かちょっと合わないところがあって保留しているという状態だと思うんです。その業者さんというか、その方からお話を聞くと、事業計画書を出してから1500万円の限度額に相当する担保を出してほしいとか、あるいは年収500万円をもらっている人を3人、要するに1500万円を保証人につけてくれとか、そういうことが出てきて、もう困っているという話なんです。ですから、それは皆さんは審査する側ですから、それがどうのこうのとは言いません。
 ただ、このやりとりの中で、1年間積み上げてきたのに、その途中でどうしてそういった担保の問題だとか保証人の問題を先に示して、それがうまくいくような。これは支援する事業だと思うので、支援するために相手が借り入れをして、その事業がうまくいくように指導ができなかったのか。非常に残念なんです。
 そういう意味で、今回相談があったものですから、それを取り上げているんです。だから、本当に利用者が、県民が利用しやすいものになっているのか。先ほどの上原委員とのやりとりの中でも、利用する側が立ちどまらざるを得ないような状況というのはよくないのではないかということなんです。この件についてはこれで終わります。
 各部長、繰り越しがありますね。これは各部あると思うんですが、その繰り越しをする大きな要因として何があるんですか。
○比嘉俊昭農林水産部長 平成22年度は国の経済対策の関連事業がございまして、43億円。これは補正とかいろいろありまして、そういう状況です。それと計画設計、あるいは用地取得が難航したために繰り越されている状況でございます。
○平良敏昭商工労働部長 商工労働部関係の繰り越しは、農林水産部長が今申し上げた国の緊急経済対策で12月補正、それから2月補正ということで、事業の期間が短くて次年度に繰り越したという内容でございます。
○平田大一文化観光スポーツ部長 我が文化観光スポーツ部のほうなんですが、主に震災がありまして、ちょうど予定をしていた3月のプロモーション活動。それから予定していたキャラバンが実行できなかったということが大きな要因になっております。
○新垣清涼委員 先ほどのやりとりで大体理解はしているんですが。震災関係にしても、今回は多分10月ぐらいから発注して、あるいはいろいろ計画して、3月に納品予定だったものが震災の関係で納品できなくなった、あるいは運搬できなくなったということがあるでしょう。でも、それはそれで仕方ないとしても、やはり事業の組み方として、皆さんは年度当初に事業計画をちゃんと出されているわけです。であるならば、一時期事業の前倒しだということで、前半に半分以上はやろうという運動があったわけじゃないですか。その経済効果を考えた場合、それだけの予算を次年度に繰り越ししているということは、それだけの金額が県民に回っていかないわけです。それは沖縄県経済の発展に非常にマイナスだと僕は思っているんです。そういう意味で、次年度からでも前倒しで取り組みしていただきたいんですが、それぞれの部長の答弁をお願いします。
○比嘉俊昭農林水産部長 委員から今御指摘があります工事の早期発注というのは重要ではございます。今現在、公共事業推進会議というのを持っていまして、出先、本庁を含めてしっかり体制を強化していきたいと考えております。
○平良敏昭商工労働部長 昨年度商工労働部は14億
7000万円余り繰り越しているわけですが、むしろ12月補正であっても2月補正であっても、せっかく国の緊急経済対策があったものですから、むしろ積極的に予算をとりにいったということで、逆にそこはぜひ理解してほしい。もちろん早期執行については、通常の当初予算を含めて、委員のおっしゃるような取り組みはすべきだと認識しております。
○平田大一文化観光スポーツ部長 我が文化観光スポーツ部も、この繰越額がないようには、もちろんしていきたいと思います。内容に関しまして、一つの理由があって、繰り越しの中では、ウチナーンチュ大会等ができなかった、キャラバン等が繰り越しされているわけです。そういった面で言うと、お金の動きの部分をPDCAではありませんが、文化観光スポーツ部の中でもしっかりその動きをチェックしていきたいと思っております。
○新垣清涼委員 商工労働部長、これだけの事業が、確かに国の経済対策で後からメニューが来たからということなんですが、皆さんは今ごろですか、ちょうど来年度の事業計画をされますね。そうするときに、これもやりたいなというのはあると思うんですよ、これもやりたいというのは。ですから、もし予算が確保できたときには、次はこれだなというのがあるとするならば、来たときにぱっと飛びついて、その事業を出していく。そういうためには、もう既にそういうある程度の準備計画というのは、計画段階でよく言われるのは、計画をしっかり立てれば、もうその事業は半分成功しているようなものだということをよく言われます。そういう意味で、さっきの答弁ではないですが、もっと前向きな答弁をしていただきたいと思うんです。それで、これだけの事業が年度内にできたとしたらば、失業率もかなり改善できたのではないかと思うんです。そういう意味でお尋ねしているわけです。どうでしょうか。
○平良敏昭商工労働部長 委員のおっしゃる趣旨もよく理解しているつもりです。ただ、昨年7事業を緊急補正で対応して、そのうちの5つの事業が2月補正ということで。そういうこともありまして、結果としてこうなった。それがいいというわけではなくて、できるだけ早期着手。補正等でとったものも、そういうあらかじめの準備等も含めて対応してまいりたいと考えております。
○新垣清涼委員 今、それぞれの部のお話だと思うのですが、それは庁議の中で全体としてそういう取り組みをぜひしていただきたいと思うんです。
 カジノについてちょっとお尋ねします。カジノは、皆さん、その成果を説明会という形で各地で行う予定で、既に1回終わられたということです。たしか知事は、1期目はカジノ推進だったが、2期目に向けては、県民のコンセンサスを得て取り組むということです。その確認をしたい。
○平田大一文化観光スポーツ部長 委員おっしゃるとおり、知事の姿勢というものは、基本は県民の合意がなければ誘致はしないと。その一方で、観光地としての競争力を高めるためにやれる体制は整えておく必要はあるのではないか。このような姿勢は一貫していると思います。
○新垣清涼委員 文化観光スポーツ部長、カジノは今合法ですか。
○平田大一文化観光スポーツ部長 現時点では、カジノは日本の法律では禁止されているということは、そのとおりだと思います。私どもそれをもちろん踏まえた上で、また県民の声の中にも、カジノに対する根強い反対の声もあるというのも十分承知しております。ただ、そういったことを踏まえた上で、県民の合意など、一定の条件がなければ、導入の判断はしないと知事は言っているわけでございまして、そういう意味で言いますと、まさに……。
○新垣清涼委員 私は、違法なものについて、例えば国会議員の議員連盟とか沖縄県の議員の皆さんがそれを推進する議員連盟をつくるのは、私は構わないと思うんです、あるいは民間が。でも、行政は法律に基づいて法律に沿った事業を進めるのが基本だと思うんです。そういう意味では、僕は大変間違っているのではないかと思うんです。だから、ほかの団体がやる分にはいいだろうと思っています。そこら辺の見解をお願いします。
○平田大一文化観光スポーツ部長 今、県が行っているのは、昨年まで行ってきた調査の内容の説明というものを通して、もちろん動向を見ながらではございますが、コンセンサスを得るための情報提供という形でやらせてもらっております。
○新垣清涼委員 たしか説明会にはこの冊子をお使いになっていると思うんですが、それは間違いないですか。
○平田大一文化観光スポーツ部長 その冊子とともに、今回、地域説明会資料という形で資料も同時に配っております。
○新垣清涼委員 この冊子を中を広げて見ると、カジノはすばらしい、カジノができるともうかるというのがあって、わずかに1ページちょっとですが、懸念事項に対する基本的な考え方というのがちょっとあります。この冊子からすると、カジノはいいんだというのをほとんど示しているわけです。そうではなくて、プラスマイナス両方出して、そして県民には同じように情報提供してやっていただかないと、それが片手落ちになるのではないかと思います。これからあと何回か予定されていると思うんですが、その辺の心構えをお願いします。
○平田大一文化観光スポーツ部長 委員おっしゃるとおり、県民の合意があるかないか、沖縄県らしいイメージの整合性等、これから非常に大事なポイントになってくると思います。もちろんその部分はしっかりと踏まえた上で、メリット、デメリットを含めてしっかりと話をしていきたいと思っております。
○新垣清涼委員 私は、カジノじゃなくても、エンターテイメントという事業はとても大事だと思うんです。そういう意味で、カジノをなくしても、エンターテイメントの活用で沖縄県は生き延びていけると思うんですが、文化観光スポーツ部長、どうですか。
○平田大一文化観光スポーツ部長 委員のおっしゃるとおり、その可能性も十分あり得ると考えております。ただ今回、合法化の流れがもし進んだ際は、では、県民はどうするのかという避けては通れない問題があるのも確かでございます。そういった面で言うならば、プロセスを大事にしたいと思っております。ぜひカジノにかわる沖縄県の魅力についての議論も含めて、この中で意見交換できたらと思っております。
○新垣清涼委員 文化観光スポーツ部長が現場で、そういった沖縄県の文化を道具にしてという言い方はちょっとおかしいかもしれませんが、沖縄県はそういう文化を発信するためにエンターテイメントを進めてこられたわけです。そういう意味では、私はその可能性があるものをもっと探ってほしいと思うんです。何でわざわざ負のものが大きくついてくるようなものに先に取り組むのかという思いがしてなりません。文化観光スポーツ部長が得意とするエンターテイメント。そこをもっと広げる努力をしていただきたいと思うんですが、もう一度決意をお願いします。
○平田大一文化観光スポーツ部長 短目に話すようにしますが、カジノにつきましてはこれから議論していきたいと思います。特に統合リゾート導入について、県民議論が進むことが沖縄県らしい観光のあり方について深まることだと認識しております。そういった意味で、公開性がございますので、多くの意見をぜひ出してもらいたいと考えております。
○前田政明委員長 以上で農林水産部長、商工労働部長、文化観光スポーツ部長及び労働委員会事務局長に対する質疑を終結いたします。説明員の皆さん、長時間、大変御苦労さまでした。
 次回は明10月25日火曜日午前10時から委員会を開きます。
 本日の委員会はこれをもって散会いたします。
   午後7時2分散会
 
 
 
 
 
 
 
 
沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。
 
  委員長  前 田 政 明