開会の日時、場所
平成21年10月20日(火曜日)
午前10時1分開会
第7委員会室
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出席委員
委員長 比 嘉 京 子さん
副委員長 前 田 政 明君
委 員 吉 元 義 彦君 新 垣 良 俊君
照 屋 守 之君 辻 野 ヒロ子さん
嶺 井 光君 新 垣 哲 司君
仲 村 未 央さん 崎 山 嗣 幸君
新 里 米 吉君 渡久地 修君
上 原 章君 前 島 明 男君
新 垣 清 涼君 玉 城 満君
山 内 末 子さん
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説明のため出席した者の職、氏名
病院事業局長 知 念 清君
病院事業統括監 小 川 和 美君
県立病院課長 新 屋 勉君
県立病院課経営企画監 桃 原 幹 雄君
県立病院課医療企画監 安慶田 英 樹君
県立病院課看護企画監 嘉手苅 常さん
県立病院課総務企画監 武 田 智君
県立病院課整備企画監 大 城 新 光君
県立病院課副参事 幸 地 東君
北部病院長 大 城 清君
中部病院長 平安山 英 盛君
南部医療センター・こども医療センター院長 大久保 和明君
精和病院長 新 垣 米 子さん
宮古病院副院長 上 原 哲 夫君
八重山病院長 伊 江 朝 次君
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本日の委員会に付託された事件
1 平成21年第5回議会認定第21号 平成20年度沖縄県病院事業会計決算の認定について
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○比嘉京子委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
平成21年第5回議会認定第21号を議題といたします。
本日の説明員として、病院事業局長の出席を求めております。
ただいま議題となっております平成21年第5回議会認定第21号については、既に説明は終わっておりますので、これより直ちに病院事業局長に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、自席で起立の上、重複することがないよう簡潔に発言するよう御協力をお願いいたします。
また、質疑に際しては、あらかじめ引用する決算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
なお、答弁に当たっては、総括的、政策的な質疑は部局長が行い、それ以外はできるだけ担当課長が行うこととしたいと存じますので、各委員及び執行部の皆様の御協力をお願い申し上げます。
さらに、課長等補助答弁者が答弁を行う際は、あらかじめ職氏名を告げてください。
それでは、これより質疑を行います。
崎山嗣幸委員。
○崎山嗣幸委員 きょうのトップバッターでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
最初に、自治体病院の役割について聞かせてもらいたいと思いますが、御承知のように、平成20年は県立病院の経営形態をめぐって、県立病院のあり方検討委員会あるいは県議会での議論、各地域でのシンポジウム等が行われ、結果的に現行形態で経営再建計画が打ち出されております。自治体病院の使命は、地域における基幹病院として県民医療を守ることだと私は思っております。今回、経営再建計画で県立病院の再生がかかっておりますけれども、この病院事業局の一層の一踏ん張りに私も期待をしておりますので、まずは自治体病院の役割から聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○知念清病院事業局長 それでは、お答えいたしたいと思います。
自治体病院の役割、それから公的医療の堅持についてということですけれども、公的病院の役割というものは地域において提供されることが必要な医療のうち、採算性の面から民間医療機関による提供が困難な医療、地域特性、医療機能を踏まえた医療の提供、公的医療機関として担う必要のある医療等を提供することにあると考えております。そのために、県立病院は、救急医療、高度特殊医療、離島・僻地医療等を担うとともに、臨床研修等を実施することにより地域医療の確保に大きな役割を果たしているところであります。
現在、病院事業は地方公営企業法の全部適用下で運営されており、その運営責任を負っている病院事業局としては、地方公営企業法の全部適用の中で諸問題の解決に取り組む責務があると考えております。そして、去る4月の第1回経営改革会議において経営再建計画実行宣言を行い、病院事業に携わるすべての職員が不退転の決意をもって経営再建に取り組むことを確認したところであります。
○崎山嗣幸委員 病院事業局長の答弁で、これから公的医療に向かっての再建策、地方公営企業法の全部適用の中で諸問題の解決に向かっていくという不退転の決意を聞かせていただきました。
一般会計の中でありますが、平成20年度の病院の経営状況と、今言われた再建計画についてお伺いしますが、沖縄県病院事業会計決算書を見ると、医業収益はふえて医業外収益が減っており、累積欠損金が平成20年度末で238億円余ということで、まだまだ厳しい状況というのが分析をされているようでありますが、この経営状況と経営再建計画の進状況をまずは伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○知念清病院事業局長 前にも報告はさせていただきましたけれども、病院事業は経営状況が著しく改善しております。そのメーンは、費用の削減による収支の大幅な改善。患者数は約3万人減少いたしましたけれども、診療単価の増額がありまして、医業収益においては大体前年並みを確保いたしました。しかし、費用の削減が非常に大幅に出たものですから、その点、大幅な収支改善につながったと考えております。それによりまして、9年ぶりに不良債務が解消いたしました。平成19年度が10.2%、約38億円あったものが、平成20年度は0%、むしろマイナス4%というふうなところまでいっております。そして、さらに現金ベースでは、単年度でありますけれども、約3.1億円の黒字に転換いたしました。平成20年度は、県立病院の経営基調が、平成10年度以降続いてきた経営悪化の傾向から経営改善の方向へと転換して、経営再建のスタートの地点に立ったと言えると思います。
○崎山嗣幸委員 病院事業局長の答弁で、平成20年度3億円の黒字ということで、頑張った成果が出ておりますが、それと38億円の不良債権がゼロになったという報告でありますが、それ以外の経営再建計画の中で特に、特徴的に今言われた以外にも経営再建計画の中で平成20年度に進したのがおありでしょうか。平成20年度は今言われた範囲での努力の経過なのか、ほかにもないのかどうかをまずはお聞きしたいと思います。
○知念清病院事業局長 私たちが計画しております経営再建計画というのは、平成21年度、ことしから始まるわけであります。そして、平成23年度までに経常収支を黒字化するという方向性を持って取り組んでおりまして、その始まる以前の状況で、既にそういう現場及び病院事業局の努力によって新しい一歩を踏み出すための準備ができた。実際にはこれからが本番で、この3カ年間は一生懸命頑張って目的を達する時期に来ていると考えております。
○崎山嗣幸委員 よくわかりました。3年計画の中で、今言われる課題というか、達成目標に向かって、平成20年、準備段階で、不良債権と、最初お話がありました一般会計の努力の出発点があったということで聞きましたが、これから従来言われております3年で頑張っていかれる100億円の資金不足だとか、あるいは経営収支の黒字化の達成に向かって、一般会計からの繰り入れをして、これを解消していくということの方向でありますが、ある面では3年間そこに向かっていくという意味で、平成20年度の今の経過はいい方向でスタートを切ったということで御理解してよろしいでしょうか。
○知念清病院事業局長 平成20年に、既に私たちの再建計画の出発以前からいい方向に向かっておりますけれども、現時点、平成21年度に入ってからもその傾向は続いております。私たちとしては、3年後は確実に経常収支の黒字化を達成できるものと確信しております。
○崎山嗣幸委員 病院事業局長の力強い決意に、私たち議員もみんな協力をして、県立病院の健全化に向かって一層頑張れる状況を、私も含めて認識をしましたので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
それから、今お話をされました、再建計画に向かって順調にスタートするということがありましたけれども、先ほどお話をしました一般会計からの繰り入れの推移でありますが、この間の繰り入れの推移から3年間また新たに84億3300万円ですか、この推移についてまずはお聞かせ願いたいと思います。
○知念清病院事業局長 一般会計からの繰り入れなんですけれども、平成18年度が約68億円の繰り入れがございました。平成19年度が71億円、そして平成20年度が69億円ということでありましたけれども、それに臨時交付金-政策のための地域医療活性化の14億円が入りまして、実際的には83億円の繰り入れということにはなっております。これを平成21年度から平成23年度までは定額84億3300万円をずっと3カ年間、一般会計から繰り入れてもらうということになっております。
○崎山嗣幸委員 今ありましたように、一般会計からの繰り入れというのが、平成18年度、平成19年度、平成20年度ということで、また臨時的に増額されて、84億円で3年間へ向かっていくということになっておりますので、この間指摘をされた全国の自治体病院が厳しい赤字経営の中において、これから再建するというのは並大抵のことではないと思いますが、しっかり一般会計からの繰り入れに向けて頑張っていただきたいと思います。
それから、7対1看護体制の導入のことでありますが、7対1看護体制の導入への意欲も病院側として相当見せておりますが、この7対1看護体制を導入することに対する意義と見通しについてお聞かせを願いたいと思います。
○知念清病院事業局長 急性期病院を運営いたします県立病院といたしましては、今後7対1看護体制というのはぜひともとらねばならない看護体制であると認識しております。ただ、7対1看護体制を実施するためには人件費がやっぱりかかります。それで、その人件費の増による収益への影響。今、3カ年間で大変厳しいんですけれども、約100億円の運転資金不足も解消して、そして経常収支を黒字にするという中では、どうしてもそれに抵触しないような形で7対1看護体制も考えていかねばならないと考えておりまして、それで人件費をふやしたことによって収益へどういう影響を及ぼすか。
それからもう一つは、看護師そのものが非常に少ないんです。沖縄県にも、全国的にも看護師不足であります。それをいかに集めるか。
そしてもう一つは、定数の問題です。現在の定数の中ではなかなか数をふやせない。精和病院を除く5県立病院の急性期病院を7対1看護体制にするためには約270人の看護師が必要と言われております。ですから、できるところから少しずつやっていこうと。少しずつというのではなくて、できるだけ早く7対1看護体制に向けて計画を進めているわけですけれども、ことしの4月から看護体制検討チームというのを設置いたしまして、そして7対1看護体制の実施に向けていろいろ検討会を持っております。一番最初には、少なくとも平成22年4月からは、南部医療センター・こども医療センターで7対1看護体制を実験実施したいと考えております。
○崎山嗣幸委員 答弁にありましたように、7対1看護体制については、看護師職員の業務の緩和にもなると思いますが、先ほどお話がありましたように、定数をふやして収益を図る、そういうことが極めて定数増との関係があると思いますが、今ほど実施実験をしたいという意欲でありますので、7対1看護体制の持っている意義がありますので、ぜひ諸問題を解決してから、この7対1看護体制の導入に向かって御尽力をお願いしたいと思います。
それから、この7対1看護体制を導入してから、定数増をして収益を図るというこのシミュレーションといいますか、どれぐらい収益増になるかについて御検討なさったのかどうかをお願いしたいと思います。
○知念清病院事業局長 これにつきましては、前の議会でもお話し申し上げましたけれども、この270名すべてを正職員で採用した場合に、看護師の平均年齢で違います。看護師平均年齢は約40歳なんですが、それでまいりますと、全病院270名を正職員で採用した場合には7億9254万6079円の赤字になると言われております。ただ、これは平均でありまして、新卒の看護師さんを採用いたしますと1242万1458円のマイナスで済むと。そして、病院によっても違いまして、例えば南部医療センター・こども医療センターですと、今足りない人数が50人でありますが、その人たちを新卒で採用した場合には5084万6850円の黒字になると、人件費と7対1看護体制によって得られる収益増をやりますと、南部医療センター・こども医療センターでは約5000万円の増。そして、中部病院の場合は78人の増が必要でありまして、しかし中部病院でも2741万3790円のプラスになると言われております。あとの病院、例えば北部病院、宮古病院、八重山病院はマイナスになります。ですから、中部病院、南部医療センター・こども医療センターについては7対1看護体制にしても採算がとれるものと考えております。
○崎山嗣幸委員 270名の定数を確保することは至難のわざだと思いますが、できないことではないと思いますので、しっかり定数の確保をして、今話をされました収益増に向かって、達成できるようにぜひ一踏ん張りをお願いしたいと思います。
では、最後になりますが、未収金がまだ平成20年の中においても、前年度に比べて2.8%ふえて、17億円の未収金があるということでありますが、この未収金は債権サービス業者に委託をしているということで記されておりますが、この委託をしてから、前年度から2.8%減っているという意味では成果がまだ上がっていないのか、これからなのかお聞かせ願いたいと思います。
この監査の所見の中で、債権サービス業者の問題点として、一応、新規発生の抑制と債務者の実態に応じ適切な債務管理を行うということで指摘されておりますが、気になることは外部のほうが取り立てをするわけでありますが、この債権を徴収するときに患者は払えないという事情があって滞納していると思いますので、これを脅迫的に患者をおどしたり、あるいは強引な取り立てというのが民間で事件になったりすることも懸念されるので、公務員ではないという面でのそういう徴収、債権取り立てが若干気にはなりますが、こういった債権サービス会社との契約というのか、取り立て等についてどうなっているのか。あるいは、今言われているように17億円取らなければいけない。しかし、取り方はやはりそれなりに慎重を期さなければいけない。私は少し難しいような感じがするんですが、普通は公務員なら法律にのっとって、差し押さえも含めていろいろな徴収の方法でしっかりやるんですが、そこはとても困難な感じがするんですが、この辺の成果は、一応はまだ未収金があるということでありますが、これからの展開として、この委託されている側との関係をどう考えておられるのか、若干気になっていることがありますのでお答えをお願いします。
○知念清病院事業局長 いわゆるこの債権取り立て業者というか、未収金を取り立てている業者は民間ではありますけれども、法務大臣の許可を得て行われているちゃんとした会社でありまして、那覇市のほうでも、市営住宅であるとか、あるいは那覇市立病院あたりでもその業者を、サービサーと言うんですけれども、それを利用して実際に実績を上げております。
病院の中で未収金の回収業務を一生懸命行ったわけですけれども、どうも回収率が悪い。ですから、民間のそういうことを専門にやっている、法的に認められている、そういう方たちにお願いすれば、より有効にできるのではないかということでお願いしているわけであります。
実際に、平成19年度から始めまして、平成20年7月からは、最初は3年間、そして5万円でした。5万円以上の未収金で3年間、病院が一生懸命回収しようとした未収金をサービサーという方たちに回収をお願いしたわけですけれども、そういうのではやはり回収率が非常に悪いということから、未収金を回収しようというのであれば早期にそういう専門家に頼んだほうがよかろうということで、7月からは北部病院で試験的にやりまして、それまでの回収成績よりも成績が上がったものですから、平成21年度からは全県立病院で早期回収もお願いすると。もちろん、3年たった5万円以上のものもお願いしますけれども、早期回収についても、未収になった2カ月後からは金額にかかわらずすぐに回収を始めるという方向をとったばかりでありまして、その成果は、まだ1年たっておりませんので出ておりませんが、確実によくなるものと考えております。
○崎山嗣幸委員 北部病院で導入をして、一部の中でこのサービス業者で成果が上がったというお答えでありますので、全病院に拡大をしていくということをお聞きしました。目的は、やはりそういう未収金の回収でありますが、税金とか、市営住宅、県営住宅とかの徴収も含めて、他のところで信頼されているからということではなくて、病院と市営住宅とか、税金とかというのは性質が違うところもあるので、患者さんの未収金の徴収についてはこれから問題が発生しないとも限らないので、私は細心の注意を払って、徴収体制を実効力あらしめることについてやっていかないと、これが勢い病院経営再建という目的に走って強引にやってくると、またそれなりの問題も起こると思いますので、ここは未収金の取り立てもしっかりやらなきゃいけないが、患者への配慮を忘れてはならないということも含めて、私は皆さんに御要望を申し上げて、しっかり平成21年、また平成22年、平成23年と頑張っていただきたいということで御要望を申し上げて、私は終わります。
○比嘉京子委員長 仲村未央委員。
○仲村未央委員 知念病院事業局長、きょうは私20分ありますので、ぜひじっくり構えていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
それでは、きのう監査委員への質疑がありまして、実績等々については監査のほうからも視点の中での見方もございました。それで出てきた数字の中では、前年度比、入院・外来の数が、業務予定量で1.7%の減、2万7000人余りの減。それから、実績では2%減、3万人余の減ということで、そういう状況が浮き彫りになっております。これに対して、医師や看護師、スタッフの不足で休床を余儀なくされている状況というのが、非常に病院経営、運営に支障を来しているのではないかと私は見えるわけです。その点について、スタッフ不足で休床を余儀なくされているベッド数、現状はどうなっているのかお尋ねをいたします。
○知念清病院事業局長 休憩をお願いします。
○比嘉京子委員長 休憩いたします。
(休憩中に、病院事業局長が質疑の内容を確認。)
○比嘉京子委員長 再開いたします。
知念病院事業局長。
○知念清病院事業局長 県立病院の医療スタッフの状況については、9月1日現在で医師の不足数が5人、看護師の不足数が57人となっておりました。そのために、南部医療センター・こども医療センターの小児精神科及び八重山病院の耳鼻咽喉科が診療休止、それから北部病院の産婦人科及び宮古病院の眼科で診療制限をしているほか、中部病院で52床、南部医療センター・こども医療センターで59床を休床しております。一番大きいのが看護師不足ですけれども、これらのことが原因で外来患者数や入院患者数の減少につながって、病院経営に大きな影響を与えておると考えております。
○仲村未央委員 そのとおりでしょう、そう思います。それで、こういったスタッフが足りないという背景には、ふやしたくてもふやせない、定数そのものが足りないという状況があろうかと思います。現在、県立病院で働いている職員、これは非正規も含めて一体何人の人たちがスタッフとして働いているのか、まずそのトータルの数をお聞きしたいと思います。
○小川和美病院事業統括監 正職員、それから非正規職員すべて含めて約三千四、五十人でございます。
○仲村未央委員 これに対して定数は何人なのか。そして、これはいつ以来の数字というか、枠なのか、それについてお尋ねいたします。三千四、五十人に対して実際の定数というのは何人になっているのか。
○小川和美病院事業統括監 現在の条例定数は2314人でございますが、条例の本則では2294人でございまして、この2314人という数字は平成21年度、今年度までの暫定的な数字でございます。
○仲村未央委員 いつ以来の。
○小川和美病院事業統括監 手元の資料で言いますと、平成9年度から2294人という数字でございます。
○仲村未央委員 今の枠も10年以上前の数字として、今でもこの定数枠が動いていないということですけれども、先ほどは崎山委員のほうから7対1看護体制導入に向けての件等がありましたけれども、この2294人という数字、先ほど3000人余りが現在は働いている、実際の定数は2294人であるということになると、10対1看護体制の現状体制で数がそもそも足りているのか、定数内で10対1看護体制が適正にできるような数になっているのか、それについてお尋ねいたします。
○小川和美病院事業統括監 先ほど条例定数の2294人を平成9年と答えましたが、誤りでございまして平成元年以来でございます。
それから、この現在の定数の中で10対1看護体制の看護師を確保できるかという問題でございますが、この正職員の枠の中での10対1看護体制の確保はできません。不足しておりますので、臨時的任用職員や嘱託職員という形で確保している状況でございます。
○仲村未央委員 10対1看護体制で、定数で不足している看護師にすると何人不足しているんですか。10対1看護体制でやった場合の、今の定数に対して何人足りていないのか。
○知念清病院事業局長 先ほど申し上げたと思いますが、全部を急性期医療にすると270名増にしないといけないということです。
○仲村未央委員 非常に驚くわけなんですが、先ほどの定数枠、これも平成9年ではなくて平成元年からということで答弁がありましたので、もう20年を超えて、20年以上前の数字で今病院事業をやっていると。現状を見ると、やはり医師とか看護師はもちろんでしょうけれども、例えば臨床心理士とか、新たな専門職に対しても今ニーズが非常に高い状況であろうかと思います。という意味では、これでは本当に到底対応できないと見えるんです。こういった中で、数も足りない、休床もせざるを得ないというような中での働き方、これについて実態をお聞きしたいんですが、時間外労働というのは実際どうなっているんでしょうか。医師の皆さんの時間外労働というのは、最長何時間に及んでいるのかお尋ねをいたします。
○武田智県立病院課総務企画監 医師の時間外勤務時間数ですけれども、全体で15万2646時間です。これは対象人員が290名です。1人当たりの時間外労働時間数は、年間で526.4時間となっております。
○仲村未央委員 年間で今お示しいただいて、1人当たり520時間余りということでしょうか。すぐに計算ができないんですけれども、例えば労働基準法でいうと、月60時間を超える時間外労働というのは是正勧告の対象であるとなっているかと思います。また、月80時間を超える場合は、これは過労死の危険性が高くなると言われるほどの状況であろうかと思いますが、今の県立病院の状況というのはこういった基準に照らしていかがでしょうか。
○小川和美病院事業統括監 特に、県立病院の医師の勤務状況につきましては、先ほど時間数もありましたけれども、診療科によっては非常に早急に是正をしなければいけないような勤務状況になっていると思っています。
○仲村未央委員 その深刻度合いを数値で示していただければと思ったんですが、そもそもこういった法定時間を超える労働というのは違法ですよ。そういった必要がある場合というのは、労働基準法第36条に従って、いわゆる三六協定を、これは公共であろうが民間であろうが、事業所と労働組合がしっかりと結ばなければならないというのが労働基準法の定めであります。これについて、県立病院はこの三六協定を締結していらっしゃるんでしょうか。
○知念清病院事業局長 労働基準法第32条に定める労働時間を超えて職員が労働をする場合には三六協定を結ばなくちゃいけないということになっておりますが、現時点においては、沖縄県の県立病院では三六協定は締結されておりません。しかし、現在、病院事業局としては、今年度内に締結に向けて取り組みを進めているところでありまして、県立南部医療センター・こども医療センターに対しては那覇労働基準監督署から、また中部病院においても沖縄労働基準監督署から是正勧告が出されております。ですから、それに沿ってことし中にはその締結に向けて取り組んでいきたいと考えております。
○仲村未央委員 今、病院事業局長の御答弁の中で、まさに労働基準監督署から是正の勧告がなされているということですよ。これは本当に深刻な状況ですし、また対応を急いで迫られていると思いますので、まず業務の内容も含めて、職員との共通理解の中で、業務の時間外労働というものに対応していける合法的な取り組みをお願いしたいと思います。
それから、この時間外労働の問題も含めて、本当に医師不足が深刻だなと思うわけですけれども、もう一つ気になるのが、沖縄は、特に中部病院を中核として、医師の臨床研修体制、これについても全国から評価が非常に高いと見ております。ただ、この研修医の実際の今の待遇はどのようなものかということが非常に気になるんです。今の研修医の待遇、処遇というのはどういう状況でしょうか。
○知念清病院事業局長 先ほども申し上げましたけれども、今、医師不足、看護師不足というスタッフ不足で非常に悩んでおります。これが過重労働にもつながっているということで、医師の確保をいろいろな手段を用いて努力しているわけでありますけれども、その1つとして今回から医師確保を強化するという観点から、研修医の正職員化ということについても考えていきたい、それによって改善、定着率の向上を図りたいと考えております。
○仲村未央委員 研修医の正職員化を考えていきたいということですけれども、現状は、いわゆる正規職員ではないという、これは後期研修医も含めてそうなんでしょうか。
○知念清病院事業局長 そういうことであります。
○仲村未央委員 きょうは院長もいらっしゃっているようですので、ぜひ中部病院長にお聞きしたいんですが、今の研修医の身分、待遇の問題ですけれども、これまで中部病院の研修体制というのは非常に高い評価をいただいていると私も感じておりますけれども、沖縄のような離島県で、特に今他都道府県では、研修医については前期、後期問わず正職員化ということで、競争率を高めて医師を確保しようと各都道府県とも必死な戦いの中にあると考えるわけですが、今のままの状況でこの研修体制を今後も維持できるのか、そこら辺、課題があればぜひ院長にお尋ねをいたしたいと思います。
○平安山英盛中部病院長 まず、研修医の給料の面ですけれども、30万円プラス、当直4回までということでこれまでやってまいりましたけれども、当直回数が多いのに支払いがなされていないのではないかということで、当直8回までにしようと、それ以上はなるべく当直をしないようにと進めているところです。10月1日から、当直回数を4回から8回に変えました。
正職員の問題では、当院は正職員化すると当院の研修制度がつぶれます。正職員化については、私たちは異なった意見を持っております。というのは、正職員化すると定数の中に含まれますので、研修医の数が限られてくる。今までの24名-これは自治医も含めてですけれども、その定数が確保されないと私たちは見ています。そうすると、全部ローテーションしていくわけですから、離島もローテーションしていくわけですから、定数の枠内でとなると数を削りなさいとか、後期研修医の数を削りなさいとかということになっていくと思うんです。そういう点で、この研修制度が維持できるかということに不安を持っております。もちろん研修医の身分の保障は別の方法で、給料をもっと上げるとかする方法があると思うので、その検討をしていただけたらなと思っております。
○仲村未央委員 今の件ですけれども、今の定数を前提としたときの現状に対する御意見だったかと思うんですけれども、この定数が、我々としてもぜひ定数は拡大させるべきだという、先ほどの病院事業局長からのお話からるる非常に強く感じておりますが、この定数枠をもっと広げて、必要な医師数、先ほど県立病院では今スタッフが3000人も動いているんですということがありましたけれども、その定数が十分にとられるということがもし前提にあった場合には、今の件はいかがなんでしょうか。
○平安山英盛中部病院長 定数でずっと縛られてきましたので、定数の枠から離れて考える院長というのはなかなかいないんです。そういうことで、いつも定数ということが頭に入ってきますけれども、では、定数の枠を外したらどれだけの医師が中部病院にいるかといいますと、正規職員が88名です。それから、臨時的任用職員、嘱託職員、これは研修医を除いて全部含めたら100名を超えます。研修医が90名おります。ですから、中部病院には200名ぐらいいるわけです。
そうすると、その枠が全部正規職員となると、看護師の7対1看護体制はどのようにしてとるのか、ほかのソーシャルワーカーとか、臨床工学技士とかいろいろなところがある、それもどうするのかということになってきますので、本当に全部定数枠を取っ払って自由にやりなさいということは、また経営上も成り立たないんです。そういうことでございます。
○知念清病院事業局長 今、平安山院長から反論が出まして少し困っておりますけれども、嘱託研修医を正職員に対する処遇の改善を検討しているという中で発言をしたのでありまして、そのすべてを正職員化するというわけではありません。考えているのは5年目、6年目とか、研修生の後期、あるいはおっしゃったように、そういう5年目、6年目の方たちというのはちゃんと定着してくれる可能性も高いということも含めまして、そういう人たちをどのように待遇改善、そしてそれに伴ってふえてくる定員数を沖縄県職員定数条例の中で考えていこうと。
先ほどから平安山院長は、2294人とか、2314人とか決められた数に確かに頭を縛られて、この中で人をふやしたり、減らしたりというふうな考えで今の発言だったと思います。私たちは、必要であれば沖縄県職員定数条例で人をふやすということも踏まえて考えておるつもりであります。
○仲村未央委員 現状の定数を無視して語れないという現場の責任者の、院長の声を聞いて、ある意味、もう本当にせつなくなるぐらい人が足りないんだなと感じるわけですけれども、今、沖縄県職員定数条例の見直しに向けての検討に入っていらっしゃるということですが、私は一般行政職の定数と病院事業局の定数というのは切り離して考えるべきだと思うんです。少なければ少ないほど人件費が抑えられていいだろうというような考え方だけでは、むしろ病院経営というのは動いていない。スタッフが手厚いことによって診療報酬が加算されるということがあろうかと思いますけれども、この沖縄県職員定数条例の検討に当たって、一般行政職と病院事業局の定数というのは、基本的には単独の方向を目指すべきではないかと思うんですが。
○知念清病院事業局長 全くおっしゃるとおりと考えております。産業には、資本集約型の産業と労働集約型の産業がございますけれども、やはり医療というのは労働集約型の産業である、十分な人がいないと事業が成り立たないと思います。ですから、一般の職種とは違うと考えておりまして、今まで県の行財政改革プランの中に組み込まれておりました関係上、どうしても平成21年度以内に5%カット、そういう枠に縛られておりました。でも、平成18年度の地方公営企業法の全部適用になって、2294人という数から2314人に病院事業は20名ほどふやしていただいたんです。けれども、これは4年間の時限措置でありまして、平成22年度からは2294人に戻るということになっておりまして、これをちょうどいい機会に見直しをしようということであります。必要なスタッフの数というのはそろえないといけないので、そういう数に縛られていくのはよくないのではないかと。それで現在、沖縄県職員定数条例の改正に関しては知事部局で進めている新たな行政改革プラン策定の作業とも関連しますので、必要であれば来年2月の議会に条例改正案が提案できるよう、関係部局とも協議していきたいと考えております。
○仲村未央委員 今の切り離して考えるべきだということに対しては、そのとおりだとおっしゃっていますので、私もそう思います。そもそも定数に対するもとの考え方が違う。事業というものを成り立たせるためには必要な数をそろえなければ、それこそ運営に、ストレートに体制の何対1という数が診療報酬に影響するという点からすると、これは当然に病院事業局としての必要な数をそろえていくべき、これは病院事業局長の考えと本当に一致をしております。
そういう中で、今2月議会に沖縄県職員定数条例を提案の方向ということでしたが、これは先行実施と言われた先ほどの南部医療センター・こども医療センターと中部病院、ここをにらんでの沖縄県職員定数条例の提案ということになるんでしょうか。
○知念清病院事業局長 もちろんそれも含まれております。
○仲村未央委員 それでは、ぜひ2月議会に向けての沖縄県職員定数条例を頑張っていただきたいと思うんですが、これは全庁的なプランにしっかりと乗っているのか、特に定数の問題になってくると医療全般を担う福祉保健部との調整もあろうかと思いますが、何よりも総務部との調整というのは非常に求められると思うんです。そこら辺は、知事なり、病院事業局長なりしっかりとリーダーシップをとられて、沖縄県職員定数条例の改正に向けて、提案に向けて動いていこうという全庁的な取り組みに今なっていますか。
○知念清病院事業局長 そういう方向に持っていきたい、持っていくように努力したい。そして、関係部局、おっしゃった総務部とか福祉保健部も含めまして、私たちの考えていることを強く述べて、御理解いただけるようにしたいと考えております。
○仲村未央委員 抵抗がすごいんでしょうか。つまり、病院事業局長の意欲はよく伝わるんですけれども、庁内全体で定数そもそもの独立する、単独で持っていくという考え方に対する共通理解があるのか。もともと数に対するとらえ方が、人間が必要だというその根本にある経営に対する考え方が、一般行政職と病院事業局では違うんだということの共通認識がないと、ただ数がふえるということに対して今非常にナーバスになる問題ですよ。全国的にも行財政改革だと言われる中で、なかなか今までは定数そのものはさわれないんだとか、これはもう全体を含んでの定数なんだから切り離せないんだというところが去年までの議論だったんです。半年前ぐらいまでは、絶対できないんだというのが、福祉保健部も含めてずっと一辺倒の答弁だったんです。
そこから、今の沖縄県職員定数条例は改正できるという認識までは来たかと思うんですが、改正するにしても切り離しが前提である、しかもふえることによって経営にもプラスの影響が出るということに対する共通認識がないと、総務部含めて全庁の壁というのは非常に厳しいものがあるかなと思うんですが、そこの調整の内容についてお尋ねいたします。
○小川和美病院事業統括監 関係部局との調整の現状ですけれども、まず1点目の病院事業の定数を県全体の一括条例の中で決めるかあるいは分離するかという問題につきましては、これはほかの都道府県にも事例があるわけですけれども、ある意味では条例のつくり方のテクニカルな問題でありますので、一括か、分離かということについてはそう大きな議論があるわけではありません。
2点目の病院事業全体の定数の考え方を、知事部局のような一般行政職の定数の考え方とどうするかという問題ですけれども、ここが一番大きな課題になっているわけですが、これまでは全体としての公務員の数を削減していくという大きな方向の中で、病院事業の定数についてもなかなか診療報酬の体系に合わせたような見直しができてきませんでした。私たちが今部局にいろいろお願いをしているのは、病院事業の定数の考え方というのは、少なければいいという問題ではないんだ、診療報酬体系という前提があって、それに整合するような定数を当てはめていくことが、経営上も、運営上も有利なんだということを一生懸命説明しているところであります。何とかそういう方向で、全庁的な合意形成を図っていきたいなと思っているところでございます。
○仲村未央委員 これは議会の側も決議をしまして、文教厚生委員会の議論の中でも、特に7対1看護体制の早急な定数の拡大、これについては全会一致で要求を当局にいたしているところでもありますので、今の内部での御議論をぜひ強く進めていただきたいということを、議会の側からの要望でもありますし、また、そこは一緒に頑張っていきたいと考えております。ぜひ頑張ってください。
次に、きょうは現場の先生方がいらっしゃっていますので、この件についてもぜひ触れておきたいんですけれども、小児救急の小児救急電話相談事業があります。これは長々と言われながら、沖縄県だけがこの小児救急電話相談事業を導入していないということがあります。いわゆる小児救急電話相談事業というのは、子供が夜間や休日に急な熱を出したりといった状況の中で、保護者の方が速やかに♯8000番を押せば連絡がとれて、アドバイスをいただけるという事業で、国の助成もある事業でありますけれども、これについて、沖縄県は導入していない、47都道府県のうち何で沖縄県だけそれがないのかお尋ねをいたします。
どういうことなのかというのは、これは恐らく福祉保健部の管轄になろうかと思いますので、小児救急電話相談事業の必要性を病院事業局としてはどう考えているかということについてお尋ねをいたします。
○安慶田英樹県立病院課医療企画監 小児救急電話相談事業は福祉保健部の事業なんですけれども、病院事業局は必要と考えておりまして、前回の医療再生計画の中の必要な項目ということで要望を出しております。病院事業局は必要と認識しております。
○仲村未央委員 南部医療センター・こども医療センターの院長にぜひお尋ねしたいんですが、このほどの、特に新型インフルエンザの議論があったときに、救急が非常にパンクしていると。先日の文教厚生委員会での院長の御答弁も、通常の救急、そして新型インフルエンザへの対応、これが本当に危機的な状況なんだということをおっしゃっていました。今まさに2波も含めて、1波よりも非常に患者の拡大も予想されるという中にあって、小児救急をお持ちの南部医療センター・こども医療センターの状況というか、小児救急電話相談事業があったらというようなことがもしあれば、ぜひそこら辺の御意見を伺っておきたいんです、お願いいたします。
○大久保和明南部医療センター・こども医療センター院長 ただいまの御質疑でございますけれども、確かに新型インフルエンザがはやったときに、うちの救急室のほうは大変パニック状態になりました。これはいろいろ理由があると思います。小児病院という名前があるために患者が集中したということと、事前に軽症患者の新型インフルエンザを民間の病院なりほかの病院がカバーするという体制がとれていなかった状態。新型インフルエンザということで、我々の病院が政策的にも感染症の対応病院ということで対応しなさいということになっていたものですから、その流れで患者が来たこともあるかと思います。
それと同時に、電話対応が非常に多くございました。現場のほうが、それに対応するために、実際の患者を診る業務ではなくて、電話対応のほうに看護師とか医師がとられるという状態になって、そういう状況をかんがみますと、やっぱり小児救急電話相談事業というのは必要だろうと思っています。
ただ、歴史的に沖縄では救急医療というのは県立病院がちゃんと確保するという状況があって、住民の方も県立病院に行けばいつでも診てもらえる、そういう状況があるものですから、こういう状況がないときには小児救急電話相談事業の必要性というのを県民の方が、内地の方と比べて必要性を感じていなかったのかもしれないとは思っています。それだけ県立病院というか、沖縄の救急医療が完備されていたということもあると思います。ただ、こういう状況がありますと、やっぱり小児救急電話相談事業というのはあるべきだろうと思います。
○仲村未央委員 このたびのような突発的な救急が必要な事態というのは、当然これからもたびたび予想もされることでありますし、何より民間地域の連携の中で体制をとっていくということは、常にこれは県立病院も含めて、地域の連携というのは強く求められているのではないかと思うんです。
この新型インフルエンザの対応についても、聞くところによると中部病院の周辺地域においては、比較的直接民間に、地域の診療所を含めて身近なところですぐ対応ができるといった連携がとられていると聞かれるんです。今、南部医療センター・こども医療センターにおいては、民間の医師が土曜日、日曜日とかに県立病院に来てサポートするということはあっても、実際には、県立病院側の体制としては、スタッフも含めて、土曜日、日曜日も含めて、その対応が求められている状況と聞かれるんですが、そこら辺の地域の連携の面からもこの小児救急電話相談事業の整備も非常に重要ではないかと思いますが、病院事業局長いかがでしょうか。
○知念清病院事業局長 沖縄県だけが小児救急電話相談事業をやっていないと、私はそのお話をしたときに十分な緊急医療体制ができている、そのためによその都道府県に比べてややその取り組みがおくれているというふうな話もしておりました。しかし、それはそれ、これはこれ、ちゃんと小児救急電話相談事業というのは福祉保健部で考えていただきたいとは話してあります。最終的に、この取り組みについては福祉保健部の仕事になると考えております。
○仲村未央委員 わかりました。私は質疑の中でも申し上げましたが、特に沖縄県職員定数条例の改正に向けて、設置に向けて、単独条例を2月議会に提案されるという病院事業局長のおっしゃったこと、これをぜひ実行に移していただきたい。もう待ったなしの状況であると感じておりますので、最後にもう一度決意をお伺いして、以上で質疑を終わりたいと思います。
○知念清病院事業局長 先ほど申し上げましたけれども、沖縄県職員定数条例については、各部局との話し合いを持って、そしてちゃんと必要な人数が病院事業に確保できるような形にしたい。そのためには、条例改正についても各部局と話し合って、議会の場で御承認いただけるような形に持っていきたいと考えております。
○比嘉京子委員長 渡久地修委員。
○渡久地修委員 私は、県立病院を守り発展させていきたい、充実させたいという立場から、沖縄県病院事業会計決算審査意見書、沖縄県病院事業会計決算書について、3点にわたって質問させていただきたいと思います。
まず、その前提ですけれども、さきに行われた衆議院選挙、これまでの構造改革路線、市場万能主義路線、そういったもので医療とか福祉をどんどん切り捨てていくという路線に対して、国民がきっぱりとしたノーの審判を下したというのがあの選挙の一番大きな意義があると思うんですよ。そういう立場から、私たちはこれまでの医療をどんどん切り縮めていくという路線から転換して、医療を守っていく、福祉を充実させるという立場に立つべきだろうと思います。そういう立場で質疑したいと思います。
1つは、沖縄県病院事業会計決算審査意見書の5ページ、これまでも議論がありました医師等医療スタッフ確保について、私はこの医療スタッフ確保、病院事業局長は本会議でも5人不足していると言っていました。この5人というのは、診療科が閉鎖されているとかで診療ができないという最低限必要な人数であって、慢性的な不足というのはもっとあると思うんです。ですから、慢性的な不足というのが何名、安定的に運営していくためにあと何名必要なのか。そして、この医師の確保というのは県立病院の皆さん方の最重要課題であると同時に、県政の重要課題の一つだと私は思うんですけれども、その数と認識をお聞かせください。
○知念清病院事業局長 議会の場でお答えしました5名医師不足と言いましたのは、不足した医師の欠員によって、診療に対して地域の方々に御迷惑をかけているという数を出したわけであります。しかしながら、医師の数が本当に十分な医療をするために必要な数、過剰労働にもならないような、そして診療制限もしないような数というとおっしゃるとおりもっと私はあると思います。現場のほうでもっとふやしてくれという要望は十分あります。現在のところ、各病院にアンケートを求めまして、どういう診療科に何名欲しいんだというふうなアンケートをとって、その正確な数を出したいと思っております。現在、調査中であります。
○渡久地修委員 調査中ということで、人数は今わからないということでいいんですか。
○知念清病院事業局長 はい。
○渡久地修委員 それで、慢性的に医師不足をしていて、平成20年度、これまでお医者さんがやめていった数、そしてその理由を教えてください。
○知念清病院事業局長 医師が退職した理由はいろいろございます。平成19年度で見ますと、医局人事、要するに、ローテーションで県立病院を回っている人が大学の都合で出ていくというのがあります。それが11人で27.5%、他病院への転出というのがやはり11人で27.5%、開業が4人で10%、留学研修等が2人で5%、その他12名で、平成19年度の退職は計40人でありました。平成20年度になりますと、医局人事がやはり28.6%、この医局人事の場合には出ていきますが、かわりの人が来ますので実質的な欠員にはなりません。他病院への転出、これが実は本人に退職理由というのを出ていくときに書かせるので、この中には医局人事がかなりまざっていると思います。これが15人で42.8%、開業1人、留学研修等6名で17.1%、その他が3名で8.6%で、計35人。ですから、平成19年度が40名、平成20年度が35名ということであります。
○渡久地修委員 平成19年度に40名退職なさって、そのうち11名が医局ということですから、それを差し引いても約30名近くの方がやめていくという点では、皆さん方が頑張っても頑張っても毎年こういうのが繰り返されると、安定的な確保という点では本当に大変な苦労が要ると思うんですよ。この医師不足は全国的な問題で、今までの政府が、お医者さんを減らせば医療費が安くなるという政策をとってきたというのもあるんですけれども、それはどんどん改善させていかなければいけないと思うんですが、今、私たち県議会で、そして県の病院事業局で、この医師不足をどのように解消していくかというのはとても大きな問題だと思うんです。
先ほど来議論されていましたけれども、研修医の正規採用の問題の議論、あるいは定数増の議論とかいろいろありますけれども、本当に安定して確保していくために、今、皆さん方がやろうとしている、これからどうしてもやらなければならないということがあったら教えてください。
○知念清病院事業局長 医師不足の対策としていろいろなことを行っております。私の個人的な意見ではございますけれども、医師確保に対する努力については、私は全国的にも劣らないといいますか、全国以上の努力をしていると実は考えております。少し長くなりますが、これまでの確保の方策ですけれども、県立病院においては臨床研修制度を充実させることによって医師の定着を図る、それから各病院及び関係職員などによる県内外の大学や民間医療機関等々へ働きかけをしております。それから、病院事業局、各病院のホームページ、人的ネットワーク等の活用による医師の確保に今まで取り組んでまいりました。
それから、私たちの病院事業局だけではなくて、福祉保健部のほうでも、離島・僻地医師確保対策検討委員会の報告に基づいて、医師修学資金等貸与事業によって専門医養成を行っておりますし、さらに沖縄県離島・へき地ドクターバンク等支援事業ということも行っております。新聞にも出ましたけれども、今年度からは女性医師バンク事業を県医師会と一緒になって新たに医師確保に向けて立ち上げております。
病院事業局の事業といたしましては、福祉保健部と連携、協力しながら、専門医派遣事業という国からの特別な補助をいただいております。そして、さらにことしの10月からは、今月からですけれども、離島・地域医療確保モデル事業を行っておりまして、こういういろいろな方面から一つのアプローチではなくて、福祉保健部、病院事業局、あらゆるところから国のほうにもお願いをして、いろんな手段を用いて医師の確保に努めております。私は、そういう医師確保に対しては他の都道府県よりずっと努力しているつもりであります。
○渡久地修委員 努力はだれも否定していないと思います。ただ、現実に5名不足して診療が閉鎖されている問題とかがありますので、本当にこれは病院事業局も福祉保健部も、県知事を先頭に全庁挙げて取り組むべき最重要課題の1つだと思っています。南部医療センター・こども医療センターの子供の診療科のお医者さんがやめて、私はその親から本当に大変困っているという要請を受けたんですけれども、そういう意味では思い切った対策をとる必要があると思うんです。
それで、私はこれからあさっての企画部、総務部とか、福祉保健部のときにも質疑をして提案したいと思うんですけれども、思い切った対策をとる必要があると思うんです。沖縄県に33の基金があるんですよ。その基金を調べてみると、もう役割を終えたのもあるのではないかなというのもあって、それは別のところで聞くんですけれども、これらのものも活用して、原資はさておいて、例えば、仮称沖縄県医師安定確保基金、こういったのを創設して、10億円なら10億円、20億円なら20億円を創設して、これも取り崩しであれば、毎年1億円ずつでも医師確保のためのさまざまなものに使っていくというようなことも、思い切って、今沖縄県全体として取り組むべきではないかと思って、これは総務部とか、企画部、福祉保健部にも提案したいと思うんですけれども、この医師確保安定基金、唐突ですけれども、病院事業局長、もしこれについて見解がありましたらお聞かせください。
○知念清病院事業局長 初めてこういうお話を伺って、少しびっくりしております。ただ、私たちとしてはそういうふうな皆様方からの支援ということに対しては大変感謝しております。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
○渡久地修委員 ぜひ、皆さん方でもこれを検討していただきたいと思います。
2点目に、沖縄県病院事業会計決算書の35ページにあります企業債なんですけれども、調べてみましたら一番高いので利息が7.5%、6%以上とか非常に高いのがあります。これまで努力をして、借りかえなどもやっていますけれども、これまで借りかえをやって成果を上げた実績と、現在5%以上の企業債の残高と、利息が幾らになるのか教えてください。
○大城新光県立病院課整備企画監 平成19年度に県で7%以上の残債がございましたけれども、元金総額12億9759万3482円、平成20年度に金利6%から7%の残債、元金総額25億2274万6194円、合計といたしまして38億2033万9676円の元金を繰り上げ償還いたしました。その繰り上げ償還した結果、利息の節減効果ですけれども、平成20年度から平成32年度の償還期間で総額10億8204万7026円の節減効果が出ております。現在の5%以上の金額ですけれども、未済償還残額が16億1780万2017円となっております。
○渡久地修委員 これを借りかえして返済したら、利息の削減効果というのは幾らになるのでしょうか。
○大城新光県立病院課整備企画監 先ほどの元金に対しまして、未償還残高が44億6468万9109円になります。それに対して借りかえを想定いたしますと、未償還残高利息が1億4001万3628円となっております。利息の節減効果を差し引きいたしますと3億2367万5481円の節減効果がございます。
○渡久地修委員 この3億2000万円の節減効果があるんですけれども、実際には国の制度とかいろんな壁があると思うんですけれども、今この借りかえをやる上で壁になっているものがある―これは全くできないのか、可能性があるのかどうなのかお答えください。
○小川和美病院事業統括監 例えば、5%を超える金利の高い部分の残高の繰り上げ償還につきましては、平成19年と平成20年の2カ年間の時限的な措置として、公的資金補償金免除繰り上げ償還という国の制度が設けられまして、それを活用しまして、先ほど申し上げました38億円を繰り上げ償還したわけでございます。こういう特例的な措置がなければ、いわゆる政府系の資金については繰り上げ償還という制度がございません。したがいまして、相当な削減効果が期待できるわけですけれども、制度がない以上、これを繰り上げ償還する方法がないというのが現状でございます。
○渡久地修委員 休憩をお願いします。
○比嘉京子委員長 休憩いたします。
(休憩中に、渡久地委員が制度の有無について確認。)
○比嘉京子委員長 再開いたします。
小川和美病院事業統括監。
○小川和美病院事業統括監 若干、誤解を与えるような答弁があったかもしれません。この繰り上げ償還をしますと、これから3年間の新規貸し付けが停止されるという条件がついておりまして、したがいまして、これから3年間病院事業としては、宮古病院、新宮古病院、いろいろな新病院の案件がありますので、この制度を活用できないというのが正確なところでございます。
○渡久地修委員 今、答弁があったように制度としてはあるんだけれども、これを今活用すると新規の借り入れができないから、今度の宮古病院の建設とかに支障を来すからやらないという選択ですよ。ですから、私はこういう制度自体も、先ほど言ったように国民は医療福祉に対してもっと充実させろというのが選挙の結果でもあるので、こういった制度自体を変えるべきだと。借りかえができるようにしなさいということを、県としても、病院事業局としても僕は政府に求めるべきだと思いますけれども、その辺の見解を教えてください。できないじゃなくて、これができるように条件を変えてくれ、制度を変えてくれという要望をやってください。
○小川和美病院事業統括監 病院事業の高金利の残高の部分については、本県のみではなくて、全国の公立病院の共通した課題でもありますので、しかるべき場所で提起する機会を見つけていきたいと思います。
○渡久地修委員 ぜひ制度、壁があるからできないとあきらめないで、政府のこういう条件自体を変えさせていくということも病院経営を守る上で非常に大事ですので、それを私たちは、私たちで政治の場で、衆議院議員を通してとか政府要請などで頑張っていきたいと思いますので、皆さんも頑張っていただきたい。
もう一点、沖縄県病院事業会計決算審査意見書にある未収金についてですけれども、前年度、幾らの、何件の未収金が新たに発生したのか、その辺を教えてください。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 平成20年度のいわゆる個人負担分に係る未収金でございますので、その分の、その当年度で発生した現年度分の金額は4億2900万円、御質疑の件数は1万2957件となっております。
○渡久地修委員 この沖縄県病院事業会計決算審査意見書を見ると、これを債権回収サービス業に委託しているということなんですけれども、私はこの取り立ての問題よりも、いかに未収金を発生させないかというのがとても大事だと思うんですよ。そういう意味ではいろんな病院が努力していますけれども、相談窓口で生活保護につなぐ問題とか、国民健康保険料の減免とかこういった努力を本当にやられているのか。これからこの未収金はふえてくると私は思いますよ、今の失業の状況とかからいくと。そういうような体制をどのように皆さん方がとっておられるのか、それをお聞かせください。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 まず、相談にいらっしゃる患者に、いかに適切な御相談にあずかれるかということがポイントになると思っております。未収金の相談業務につきましては、まず未収金の担当課、それから地域医療連携室、それぞれにおきまして、例えば分割の納付相談とか、今御指摘になりました利用可能な社会保障制度の紹介等と、もちろんそれに加えまして経済的な相談の部分、そういったことをしております。
例えば、地域医療連携室の部分ですと、今体制の御質疑ございましたので、医師、看護師、メディカルソーシャルワーカー、もちろん事務職も含めまして現行の体制で51人となっております。御指摘のありますように、それは院内の連携の中で強化できますけれども、患者の御相談につきましては市町村とかという形で、外の部分の行政の機関との連携協力というのは非常に重要でございますので、その部分は特に注意しながら取り組んでいるところでございます。
○渡久地修委員 こちらに、ことし出された平成20年7月10日、厚生労働省の医療機関の未収金問題に関する検討会報告書というのがあります。これはもう全国的な問題になっています。この未収金回収は債権回収の議論をするよりも、いかに発生させないかという検討をすることが有用であるという指摘がなされているということで、生活困窮については一部負担金減免、生活保護の適用などそういった相談をきめ細かくやる必要があるということが基本的な考え方としてやられています。そして再発防止でも、そういう意味では市町村との連携をやりながら、生活保護、一部負担金減免、無料低額診療事業等の周知とかというのがあるんですけれども、市町村とか生活保護との連携が本当にうまくいっているかどうか、もう一度お願いします。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 先ほど院内の体制のことについて御説明いたしまして、それを含めた件数で御説明いたしますと、6つの病院の合計でございまして、御相談にあずかった件数は約1万1000件でございます。そのうち、お話を申し上げました地域医療連携室の部分で経済的な相談ということで受けたものが2900件でございます。ただ、あいにくでございますけれども、その部分が生活保護にどのようにつながったかというところまでの把握はしておりませんので、その分の件数はお話しできません。ただ、やはり従来にも増してメディカルソーシャルワーカー等を通じた市町村の担当課、それから担当職員との連携というのは非常に緊密に取り組んでいるところでございます。
○渡久地修委員 もう時間がないので、ぜひこれを参考に生活保護など他機関との連携を密にして、これをこれからも取り上げていきたいと思います。
そして、その中で言われた無料低額診療、これはうちの小池晃さんが政府に出した質問主意書の中で、政府の回答は、これは重要であると役割を評価している。そして、今後、検討会の報告、指摘や社会情勢の変化を踏まえて慎重に検討していきたいということでやっていますけれども、この無料低額診療事業は全国で236カ所がやっていますが、沖縄はゼロなんです。だから、私は県立病院も含めて無料低額診療事業の導入を含めて検討していくことが大事だと思いますけれども、ぜひ研究していただきたいと思います。それだけ答弁をお願いします。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 御指摘のとおり、各種の市町村を絡めた制度、それから、今回、いろいろ国をめぐる新たな検討、取り組みがされている部分については承知しておりますので、御指摘の部分も踏まえまして、できるところから取り組んでまいりたいと考えております。
○比嘉京子委員長 前田政明委員。
○前田政明委員 県立病院を守る取り組みとしては、非常に激動の時代だったのではないかなと思います。そういう面で、経営健全化を含めて頑張っておられると思いますけれども、改めてそういう方向について、県立病院のあり方を含めて現在の状況について病院事業局長の御見解を伺います。
○知念清病院事業局長 先ほどもお答えいたしましたけれども、やはり公的医療機関が果たすべき役割、それを私たちはしっかりと全力を尽くして、地域の住民及び県民の皆様方に満足のできる医療ができるように、それを果たしていきたい。内容的に言えば、救急医療が中心になりますけれども、救急医療、高度特殊医療、離島・僻地医療、それから臨床研修事業、そういうことをすることによって、医師の確保、医療の充実をやっていきたいと思っております。
先ほども申し上げましたように、4月1日には第1回経営改革会議において経営再建計画実行宣言を行いまして、病院事業に携わるすべての職員が不退転の決意を持って経営再建に取り組むことを確認したところであります。
○前田政明委員 アドバイザーを採用されているんですけれども、その役割についてお願いします。
○知念清病院事業局長 それでは、沖縄県の病院事業アドバイザーの方についてお答えします。病院事業全般に対してさまざまな視点から提言や助言を得る必要があるために、沖縄県病院事業アドバイザーを委嘱しております。アドバイザーの方が、病院事業の再生ということに対してのエキスパート、特に夕張市の再生に尽力されました方でございますけれども、そういう人たちに来ていただいて、病院事業の検証、評価を通して、ここはこうしたらよかろうというふうなアドバイスをいただいているということであります。
○前田政明委員 時間がないので急ぎます。この間、県立病院を地方公営企業法の全部適用で守ると、独立行政法人化すべきではないという大きな運動がありました。そういう面で、3年間様子を見てということでありますけれども、この間、皆さんとして大きな努力をしてきていると思いますけれども、私は地方公営企業法の全部適用を守っていただきたいと思うんですが、今は地方公営企業法の全部適用で頑張っている病院事業局長として、この3年間、経営改善を含めて十分に公的な役割を果たす病院の再建といいますか、そういう面でどうなんだろうかと。
本当は、地方公営企業法の全部適用でやっていきますという決意表明があればいいんですけれども、そうはいかないと思いますから、そこのところ、この間取り組んでみて、いろいろな協力も得て、病院事業の再建を含めて頑張っている中で、職員との話し合いとか、いろいろなプロジェクトチームをつくっておりますけれども、そういう思いも含めて、そういう流れの中で地方公営企業法の全部適用を守るという方向にどうなのかということを聞きたいんですけれども、そうでなくてもこの3年間の展望について、もう少し踏み込んでお願いします。
○知念清病院事業局長 この経営再建計画、地方公営企業法というのは、御存じのとおり常に経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉の増進を図らなければならないという大原則がございます。ですから、経済性と公共の福祉を図る、この2つが車の両輪のようにうまくかみ合わないと、安定、持続的な医療の提供はできないと考えております。今、一番の問題点は、このままでいくと医療は経営的に成り立たない状況にまで陥っているということで、経営再建に力点を置いておりますけれども、本来は常に公共の福祉の増進を図るように運営されねばならないということに視点を置いたことを忘れてはいけないと思います。経営中心で、働く者、あるいは患者を忘れるような医療にはしたくない。
その中で、経営再建もちゃんと果たすことによって、今は急場でありまして、まず経営、そうしないと公的医療機関としての任務を果たすことができないということがありますので、いろいろそういう苦しい中で公共の福祉、あるいは働く者の条件整備ということも考えながら頑張っていきたいと考えております。
○前田政明委員 各論に入る前に、病院事業局長、やはり現場で経営健全化を含めて、努めて独立行政法人化ではなくて地方公営企業法の全部適用の中で公的な医療ができるようにという意味で、さまざまな予算措置を含めて、医療器材も新しくなった、そういう面では条件整備はできてきている。あと、ガイドラインを使っての3年間で不良債務をなくするためのいろんな方向をやっているということですけれども、そういう意味で病院事業局長として、改めて職員の皆さんの意識改革とよく言われていますけれども、この辺は大体どんなものなんでしょうか。
○知念清病院事業局長 私は、病院の経営体質を改善するためには、現場の一人一人がその気になって、本当にやるんだと、やらなくてはいけないんだという気にならない限りうまくいかないと思います。ですから、私たちも一生懸命頑張りますけれども、現場の一人一人がそういう気持ちになって、自分がその中心になって働くんだ、そういう気を養っていただく、そういう気分を現場から醸成していくと。そして、私たち病院事業局が考えていることと現場とがうまくミックスしていけば、私は、今それに一生懸命努力しているところでありますけれども、少しずつそれが浸透していって、いい方向に向かっていると感じております。ですから、みんなでやる、特に現場がやる気を出すという方向、そういう気分を醸成していくのが最も大事であると考えております。
○前田政明委員 ただいまの病院事業局長の決意を受けて、それぞれ院長もおられますので、この間努力されてきたこととか、またこの間の医療器機の整備の問題とか、先ほど来他の委員からありましたいろんな医療体制の問題とかありますけれども、皆さんがこの間取り組んできた経過と申しますか、その思いと、また今後の課題などがありましたら、先に出していただければと思います。すべての院長、お願いいたします。
○大城清北部病院長 今、我々のところで職員一緒になって頑張っていることは、まずクリニカルパスの作成、DPC解析による医療の質の向上、そういったことをみんなで意識してやっている最中です。あと、課題は言っていいかどうかわかりませんが、イントラネット、あるいはインターネットの環境に乏しいなと、新しい情報の仕入れが難しい状況に少し頭を痛めています。
○平安山英盛中部病院長 僕らが取り組んできたことは、診療材料費とか経費縮減の努力をしてまいりました。平成20年度は、経費、材料費の縮減で医業収益は減ったのに収支はよくなっております。今後の課題としては、やはりスタッフの確保、特に看護師の7対1看護体制をどうしても獲得していきたいなと思っております。
○大久保和明南部医療センター・こども医療センター院長 南部医療センター・こども医療センターで取り組んでいるのは職員の意識改革です。それ以外にないと思っております。先ほど独立行政法人化とか地方公営企業法の全部適用の話があったんですけれども、運営形態を独立行政法人化にしても、職員の意識が変わらない限りそれだけでうまくいくとは考えておりません。地方公営企業法の全部適用で今後うまくやっていけるのかどうかというのは、先ほどから話がありました沖縄県職員定数条例を打破できるかどうか、その1点にかかっているのではないかと私は考えております。
○上原哲夫宮古病院副院長 当院長は、経営目標というか、その意識づけにつきまして、院長が毎年、各科の診療科長を呼びまして、ヒアリングをして、意識づけをして、経営に関して積極的に参加してもらうようにしております。それから、脳神経外科が不在でしたけれども、本土から脳神経外科のドクターが参りまして、その先生が来たことと、中部病院から産婦人科を応援してもらっていまして、そういうドクターがいるかいないかによって、各科によっても1億円から2億円ぐらいの収入の差が出てくるということで、ドクターの確保が非常に重要だと思っていますけれども、来年はまた脳外科医がいなくなるとか、眼科医がことし欠員になりましたので、そういう欠員の課題も抱えています。
いずれにしましても、経営状況としましては、平成18年度から徐々に改善していまして、今年度も目標を5000万円ほど上に、目標よりも超えていますので、ことしもいい結果で頑張っていけるのではないかと思っています。
○伊江朝次八重山病院長 八重山病院としては、先ほど宮古病院も述べましたけれども、一に人材確保です。これは例年、この委員会で述べているとおりでありまして、本当に先の先まで見通したような安定確保がいまだもって十分にできていない、これが一番大事でございます。経営はずっと人材が確保できていれば、いわゆる現金は確保できるというふうな状況ができますので、一にも二にもこれだと思っております。
それから、職員の意識改革でございますけれども、やはり長年公務員をしてきているというふうな状況がありまして、僕はまだ十分にそういった意味では納税者としての意識、自分たちが納税した税金で病院が建てられているという観点から、やっぱりもっとそういうことを大事にしていかなきゃいけないのではないのかなと思っておりまして、もう少し改革は必要だと思っております。
○新垣米子精和病院長 現在、精神科医療は入院中心主義から地域へと移行しております。昨年7月から急性期病棟の本格稼働が始まりました。それから、経費の削減によりまして、昨年度はその前年度に比較して1億5000万円ぐらいの増収になっております。現在、経営改善に努めていますことは、毎月経営対策委員会を開きまして、各セクションから改善策を出していただいて、その実績とその報告などがなされております。
それから、今後やるべきことなんですけれども、県立病院のあり方基本構想にも示されましたように、精和病院はまだまだ長期入院者がおりますけれども、急性期のほうへ変えていく、変換していくということが必須であります。それで、まだこれは詰めていませんけれども、救急病棟に改築していければと考えております。
現在、すぐなせることは、オーダーリングシステムをつくることです。まだ院内のそういうふうなシステムができておりませんので、非常に非効率的なやり方がまだされているということがあります。
それから、入院中心主義から地域へということですので、リハビリテーションでありますとか、外来部門では訪問看護の充実に向けていきたいと思っております。
○前田政明委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。病院事業局長、公立病院改革ガイドラインで、医師の確保だとかそういうものに全く触れられていないということをこれまで述べていますけれども、病床利用率が70%で、3年連続の場合には、いわゆる診療所化するとか、独立行政法人化するとかいう内容があります。大変衝撃的なんですけれども、これに対してはどうなんでしょうか。例えば、これを見ますと、宮古病院、八重山病院の利用率を見たら、今度の決算でしかわかりませんけれども70%を切っております。公立病院改革ガイドラインというのは2007年の骨太でやられていまして、そういう面では、新自由主義政策のもとで最も破綻している。新たな政治の流れの中では、これそのものが見直されると思うんですけれども、ただ、公立病院改革ガイドラインに基づく方向になっているものですから、そこのところについて皆さんの見解をお聞きしたいと思います。
○知念清病院事業局長 公立病院改革ガイドラインの中で、経常収支であるとか、病床利用率であるとか、在院日数とか、そういうのがいろいろ出ておりますけれども、70%以下の病床利用率というのは縮小するか、あるいは診療所に変えるかというふうなのが出ておりました。ただ、宮古病院、八重山病院につきましては、実は精神科も含んだ病床利用率ということで、それを除きますと80%を超す病床利用率となっているので、私は何ら問題ないと考えております。
○前田政明委員 それを進めるということではなくて、私が言いたかったのは、公立病院改革ガイドラインというのは極めて公的病院を縮小するという内容になっているものですから、それはやはり見直さないといけないということです。
それと、7対1看護体制の問題ですけれども、これはかなり変化がありました。私たち、それぞれ島根県も行きましたし、野党議員が中心となってシンポジウムをやりました。そういう面では、できないと言っていたのができるんだと変わってきて、あとは定数なんですけれども、私に対する答弁の中で、看護体制検討チームを設置し、看護師確保や病床規模の見直しというのが入っているものですから、先ほどの公立病院改革ガイドラインの方向は病床を縮減する、すなわち医療費を抑える、医師不足をそのまま固定化するということで、今の医師の養成とか公的病院の充実というのは公立病院改革ガイドラインにはないんですね、切り捨てですから。採算が合わなければ売りなさい、独立行政法人化しなさい、こういう乱暴なものなんですけれども、そういう面では、病床規模を見直して7対1看護体制にするという方向は、私は救急医療体制を含めて、これはあってはならないと思いますけれども、そこのところは皆さんどんな考えなんでしょうか。
○小川和美病院事業統括監 7対1看護体制の移行を検討するわけですけれども、その検討課題というのはいろいろあるわけですが、例えば今の県立病院の病床を前提として、そこに7対1看護体制を導入するときに幾らの看護師の増員が必要なのか、それを実際に確保できるのかどうかという問題。それから、今の看護師の数で7対1看護体制に移行するとすれば、どれだけ病床数が少なくなるのか、そういういろいろな観点から検討をしていまして、速やかに実行できる看護師の確保が現実的にどうなのか、あるいはそれでどれだけの病床数になるのか、そういうことをいろいろシミュレーションをしながら検討しているということでございまして、病床数の削減を前提として7対1看護体制を検討しているというわけではございません。
○前田政明委員 それはぜひそういう立場でやっていただきたいと思います。
沖縄県病院事業会計決算書を見ているんですけれども、私は前も言いましたけれども、医師の1日当たりの診療収入というのがありますけれども、これは医師だけではなくて、やはりチームとして看護師の体制とかそういうのがなければ非常に不十分になると思うんですけれども、この医師1人当たりの診療収入がずっと減ってきている、この原因は何ですか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 御案内のとおり、病院の診療を受診される患者の数が減っております。縮減傾向、低減傾向なんですけれども、その辺は診療単価の増加はあるものの、やはり診療収入、医業収益の部分というのはなかなか伸びない状況がございます。
一方、スタッフの部分、つまり分母に相当する部分というのは変わらずでございますので、相対的に1人当たりということで計算をいたしますと、その部分が小さくなってくるという傾向が出てくるものでございます。
○前田政明委員 これは正確な答弁ではないですよ。前も聞きましたけれども、この制度の仕組みが変わって、研修医も入るようになってしまったのではないんですか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 総務省がつくっております地方公営企業年鑑の統計の数値のとり方で、年度のほうは失念してございますけれども、研修医もいわゆるスタッフとして組み込む部分がございます。そうしますと、当県の場合には研修医の数が他都道府県に比べて多くなりますので、例えば医師1人当たりの診療収入ということで見てみますと、他都道府県より低目になるということは御指摘のとおりでございます。
○前田政明委員 きのう代表監査委員も、その辺で少ないというような表現をするものですから、しかしそうですかと、看護師不足で、病床も使われていないのではないんですかと。そういう状況をもとにして、こういう数字だけでやるのは少し筋が違うのではないかと言ったんですけれども、これは医療現場の院長、どなたかどうなんでしょうか。そういう面では、代表監査委員さえ、ただ表面的な数字を見て、何か頑張っていないというような感じで言うものですから、それはおかしいのではないんですかと。あなた方の見方は少し公平ではありませんよと言いました。これは、そんなに体制がない中で起こるべくして起こっている問題であって、そういう面では医師が頑張っている、それで研修医が多い、その研修医が、沖縄を含めて現在の全国的な医師不足と比べて、県立病院を中心とする奮闘によって頑張っている。それが数字的にはこうなってしまうと、非常に現場の士気に影響するのではないかと思うんですけれども、病院事業局長どうですか。そして、院長の皆さん、どなたか1人代表してお答えください。
○知念清病院事業局長 何度も申し上げましたけれども、私は、沖縄県の県立病院の医師は大変よく頑張っている、どこに出しても恥ずかしくないような医療提供をしていると思っております。ですから、そういうふうな形で評価をされて、そして現場の者がやる気をなくす、そういうふうなことがあるということについては、非常に厳しい状況の中で、長い超勤をしながらやっている人に対して、そういうような評価というのは、インセンティブを落とす非常に大きな原因になるので、そういう発言をされるときにはよく分析をして、内容をつかんだ後でやっぱり発言をしていただきたいなと思います。
○平安山英盛中部病院長 医師の1人当たりの収入については、私は前に嘉陽宗儀議員が県議会で、沖縄県の医師は頑張っているのではないかという質問がありまして、そのときに調べてみたんですけれども、その当時は1日50万円以上の収入があったんです。順次調べていきましたら、平成13年ぐらいから急に下がっていきまして、全国平均以下になって、ここにもございますけれども、今では22万円から23万円ぐらいです。これはどうしてかということを僕らは尋ねましたけれども、そのときに研修医の数も入っているんだと、以前は入っていないということでした。指導医であるスタッフたちは、昼飯も食べないで働きながら、研修医を指導しながら働いていて、さらにこのような数字を示されたのではモチベーションがわかないのではないかということで抗議したことがございます。そういう点での評価の仕方は、やはり現場の士気を落とすのではないかということで再考してもらいたいんですけれども、これは全国的な評価の仕方みたいなもので、研修医を多く抱えて、頑張れば頑張るほど低く評価されるのではたまったものではないなと院長としては思います。
○前田政明委員 医業収益でも、私は頑張っていると思うんですよ。全国平均よりずっと高いし、要は医業外収益が少ないだけで病院は頑張っているんですよ。これは一般会計からの繰り入れが1病床当たり半分しかない、それが根本的な赤字の原因だと私は思います。ただ、きのうショックだったのは、代表監査委員がこの数字だけを見て、沖縄の頑張りが足りない、1人当たり云々と言うものですから、これは全国的な指標として出ますよね。そういう面での課題は、やっぱり抜本的な沖縄県職員定数条例を改めていくことですよ。そういう面で、そこはぜひ頑張っていただきたいと思います。
あとは、宮古病院のことなんですけれども、私ども共産党県議団、平成15年の台風被害のときにもうちの宮里政秋先輩を含めて現場調査に行きました。私ども、あそこへ行きまして、そのときに病院が壊滅的な状況になっているのを見て、後でまた写真も送ってもらいましたけれども、そういう面では拠点病院を一日も早く直さないと本当に大変なことになる、そういう面で宮古病院の建て直しというのが出てきたと思うんです。それは早急に急がなければいけない。そういう面では、検討委員会を含めてきている中で、宮古病院については、私は急いで地元の意見も酌みながらしっかりと進めることが緊急の求めではないかと思いますけれども、その辺の状況はどうでしょうか。
○知念清病院事業局長 全くおっしゃるとおりでありまして、平成12年度の旧県立那覇病院と宮古病院の建物の老朽度の検査をいたしましたときに、建物の老朽化が非常に進んでいる、だから10年以内には建てかえたほうがよかろうと。いずれの病院も建物が相当ぼろぼろになっているということがありまして、その中でも旧県立那覇病院のほうがより老朽化が進んでいると。というのは、あれは沖縄祖国復帰直後にできた建物ということもあって、旧県立那覇病院が現在の南部医療センター・こども医療センターにかわったわけですけれども、そのときに既に宮古病院も同じようなことを指摘されておりましたので、私たちとしては、今後早急に建てかえて、安心して診療のできる、また治療の受けられる建物にしていきたいと考えております。一部、旧耐震基準で建てられた、昭和56年に耐震基準が変わりましたけれども、それ以前に建てられた建物がありますので、そういうことも考えると、私はこれまでの計画どおり、着実に、早急に、新宮古病院の建設に当たるべきだと考えて、その方向で進んでいるつもりです。
○前田政明委員 これは、前にいただいた宮古病院将来構想検討委員会というのが平成12年3月2日にちゃんと開かれて、その資料もいただいて、ぜひそういう方向で今の立場で頑張っていただきたいと思います。
それから、僻地医療の問題で、これは急ですが、安田診療所の再開ということで、国頭村など含めて動いているということで、一般質問でも行いましたけれども、大変申しわけありませんが、その辺はどういう状況になっているのかお聞かせいただきたい。
○知念清病院事業局長 安田診療所については、国頭村のほうから譲り受けの要請があります。ですから、私たちはもちろんどうぞお使いくださいと言っているわけなんですが、お話によりますと来年度の4月以降をめどに再開する予定と伺っております。
○前田政明委員 これは国の僻地医療の補助を使えば、ほとんど地元負担はなしということで、ぜひ県も頑張っていただきたい。
それから、やはり公立病院改革ガイドラインについては経済財政改革の基本方針2007年、新自由主義経済政策の最も悪いもの、これに対しては自由民主党の総裁も含めて、そういう方向は間違っていたというようなことを新聞にも書いてありましたから、そういう面では公立病院改革ガイドラインの3年後となりますけれども、そこはこういう悪い仕組みを見抜いて、本当に公的な病院を守っていく、そういう面では地方公営企業法の全部適用として守るために私どもも皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います。頑張ってください、終わります。
○比嘉京子委員長 休憩いたします。
午後0時13分休憩
午後1時32分再開
○比嘉京子委員長 再開いたします。
午前に引き続き質疑を行います。
上原章委員。
○上原章委員 何点か質疑させていただきたいと思います。
まず、平成20年度の決算、これまでになく病院事業局が本当に頑張っていただいたというのが非常にわかります。特に、医業費用、医業外費用とも減少し、今回、医業損失が19億円余り改善している、これは高く評価したいなと思いますが、この医業損失の改善、具体的に、もし個別的に改善の数値がありましたらお聞かせ願えますか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 今回の特に費用の面の改善につきましては、まず当初予算の作成の段階から、医療体制を確保しながらでございますけれども、費用縮減に重きを置くという、いわゆるABCD経費、枠配分経費という観点で、一定の枠をはめながら、しかしその中で最大限の、もちろん医療の確保を図りながらやっていくという体制をとりました。これがまず一番の大きな特徴でございます。
そうしまして、それをもとに基本をつくりながら、特にプロジェクトといたしまして、診療材料の縮減の観点のプロジェクト、これはいわゆる材料費の縮減でございますけれども、そういったところで経費の縮減の部分を行いました。それにつきましては、効果といたしましては、約2億4000万円ほどの目標値を立てましたところ、実績といたしまして約3億9000万円の縮減に結びついたということからも各病院の取り組みが実効的になされたものと考えております。
この点につきましては、引き続き、今度は薬品等に拡大をいたしまして、さらに材料費全般に成果が出るような形で取り組みがなされているところでございますが、御質疑のポイントは何かということになりますと、まず大崩れしない予算のシステムをつくったことに加えまして、特別なプロジェクトを推進したというこの2点が大きなところでございます。 薬品のプロジェクトにつきましては、昨年から取り組みを開始するということでございまして、購入して、効果はその後ろに及ぶものですから、効果といたしまして、今年度のほうに及ぶわけでございますけれども、その期待値につきましては2億4000万円の縮減を現在想定しておりまして、その部分で順調に推移をしているところでございます。
もう一つの御質疑のエネルギーのところでどういう縮減があるかということでございますけれども、これは北部病院、中部病院、それから南部医療センター・こども医療センターそれぞれにおきまして、例えば自家発電を効果的に運用していくというような観点、稼働の抑制とか、それから例えばA重油は、御承知のとおり燃料が高いものですから、そうすると電力を買ったほうが安い場合もある。そういうことをケース・バイ・ケースで適切に対応する、そういう取り組みをいたしまして、平成20年度全般で、この部分の縮減の効果が1億7000万円と推計しております。
○上原章委員 人件費も含めまして、病院事業局は非常に頑張っていただいているなと思います。ただ、まだまだ改善の余地もあるのかなと思うんですが、医業収益比率も89.7%から本当はもっと上げていかなくちゃいけないのかなと思います。
それで、病院事業局長、これまで県立病院の重要性、必要性、これは県民が多くわかるわけなんですけれども、これまでずっと赤字、赤字できていた、何回かの改革を挑戦しながらもなかなか改善できなかった、今回は皆さんの努力で、平成20年度の決算で目に見える形で非常に改善してきた、これまでなかなかできなかった要因、そして今回、ここまで皆さんが意識を高めてもってこられた要因というのはどこにありますか。
○知念清病院事業局長 私の考えますところでは、公立病院改革ガイドラインというものが出まして、経営状況が悪ければ経営の形態を含めた大幅な見直しをする、あるいは病院の閉鎖ということも含めた、あるいは民間移譲ということも含めた、財政的な面での非常に厳しい通知が総務省から出されたわけでありまして、それに対してこれではいけない、今のままでは公立病院改革ガイドラインに出ているものにそのまま当てはまってしまうではないか、公立病院の医療がつぶれてしまう、これではいけないということで、みんなが真剣になって、今までと違った形というのはおかしいけれども、より真剣に取り組んだのが一番大きいのではないかと思います。
○上原章委員 本当に職員の皆さんが心を一つにして取り組めばこのような結果が出るんだな、これから本当に病院の健全化、財政の健全化を目指してまた期待もしたいわけなんですが、今回の決算の中で不良債務がゼロになった、この辺の背景を詳しくお聞かせください。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 まず、不良債務が平成20年度に解消したということの要因でございますけれども、これはいわゆる短期の負債を長期に振りかえるという構造的な変更をするわけでございまして、そのために公立病院特例債、これは不良債務の解消のために国が措置をされたものですけれども、これを29億8000万円発行いたしました。それから、一般会計からの長期の借入金20億円を導入いたしました。このような形で短期の債務を長期に振りかえるということをいたしましたことと、収益の面で減価償却前利益、いわゆる内部留保につながる部分の現金ベースでの残りということになりますけれども、これを約3億1200万円計上いたしました。この辺が相まって、平成20年度におきましては不良債務が解消された、そういう背景になってございます。
○上原章委員 要するに、この不良債務はなくなったということではなくて、形を変えて今残っているということだと思いますが、今後またそういう不良債務の予備軍とか、また先ほど来、委員から未収金の取り組みとかいろいろ言われていますが、その辺の今後の対策、取り組みをお聞かせ願えますか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 まず、この不良債務が解消したことの一つの大きな効果といたしましては、再投資できる環境になるということが一つでございます。これはどういうことかといいますと、不良債務がある、つまり借金があるということになりますと、器械を買うための起債の発行が、不良債務比率が10%を超える段階では制限をされるという状況がございましたけれども、まずそういう枠を消すことができました。そういうことからしますと、例えば高度な医療環境に対応する器機を導入するとか、それを適用しますとより有利な加算が可能とか、適切な高度医療が提供できるとか、そういうふうな面で非常に有利になります。そういったことからいたしますと、今回達成いたしました不良債務の解消をてこにして、さらに再投資ができる環境の部分をより生かしながら、これを引き続き継続して、病院事業全体としてより適切な経営状態を継続していくということに努めることと考えております。
○上原章委員 未収金等の対策もお聞かせ願えますか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 未収金につきましては、決算ベースで約17億9000万円ほどということで、いわゆる個人負担分に係る分が残っております。この部分を現年度発生分とか過年度ということで見ていきますと、現年度発生分というのが、きょうもお話がございましたけれども、発生防止に重きを置くという部分の取り組みの強化も相まって、4億9000万円とか、4億円とかこう縮減傾向にございます。そういう努力を引き続き継続することが第一と考えております。
2つ目には、回収の部分をいかにするかということでございますけれども、その1つでサービサーの導入ということが出ておりますけれども、これはいわゆる取り立てということではございませんで、債権の御案内ということを中心にやっている部分でございます。その部分で、特に長引くとなかなか回収が難しいということから、早期発生の部分はいろいろ効果が出ているということで書かれている部分でございますけれども、この辺は引き続き継続しながら、未収金についても発生防止と適切な回収の効果を継続してまいりたいと考えております。
○上原章委員 もう一点、負担金交付金の減で医業外収益が減ったと。この負担金交付金減というのをもう少し詳しくお聞かせ願えますか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 負担金交付金は、いわゆる繰入金の部分で、医業外収益のほうに入ってくるものでございますけれども、これにつきましては平成21年度から84億3300万円という3年間定額でございますけれども、実は平成20年度までは従来のような形で査定をやることになっておりました。
そうすると、いわゆる生活費相当といいますか、運営費に相当する、いわゆる3条、収益的予算に係る繰入金、それから資本のほうに入る繰入金と2つございますけれども、実は平成20年度までは過去の起債の償還に充てる部分の財源が足りなかったものですから、運営費に相当する部分から組みかえという形で横のほうに先に使っておりました。そういった関係から、平成20年度では過去の起債の償還に充てたところがございますので、今のような形で負担金交付金の部分が、本当は入ってきた額より先に借金のほうに返したものですから少なく見えるということになっております。
○上原章委員 わかりました。
質疑を変えます。今回の沖縄県病院事業会計決算審査意見書23ページの中で、(ク)の医業収益ということで繰入金の比率11.1%、全国平均24.2%と比較して13.1ポイント下回っている。1床当たりの沖縄県と全国の比較が載っております。また、県の標準財政規模に対する他会計繰入金の比率も載っておりますが、実際、繰入金が1床につき、一方では全国が大きく上回っている、一方では比率としては逆に全国平均を上回っている、この説明をお願いできますか。
○小川和美病院事業統括監 1床当たりの繰入金なんですが、本県は少ないわけですけれども、これは一般会計から病院事業に繰り出す場合には地方公営企業法に基づく総務省の繰り出し基準というのがあるわけですけれども、簡単に言いますと県立病院の中の救急医療とか、小児医療とか、産婦人科、離島医療とか、そういういわゆる不採算部門に対して繰り出しをされるわけです。
したがいまして、ほかの都道府県で1床当たりの繰入額の多い病院というのは、例えば循環器センターとか、子供病院とか、そういうのに特化した病院に対しては1床当たりが多くなるわけです。沖縄県の場合には、地域の中核病院として不採算医療を含む総合病院としてあるわけですから、そうしますと繰入金の対象とならない一般病床も多く抱えるわけです。そうしますと、それで割ってしまうと相対的に低くなる。一方、標準財政規模との関係でいいますと、一般会計から病院事業特別会計に繰り出す割合は、沖縄県は高くなるわけですけれども、それは県の財政規模に比べて県立病院の規模がほかの都道府県に比べて大きいとなります。
○上原章委員 これは稼働していない床も全部加味されるんですか。
○小川和美病院事業統括監 1床当たりという割り算をする場合には、これは稼働も休床も含めてのベッド数です。
○上原章委員 先ほどの資料では、繰入金が数字的には全国平均を下回っているわけなんですが、沖縄の財政規模ではむしろ全国より高いと。私の手元にも、県民1万人当たりの病床が沖縄県は全国で3位、17.2病床だと。平均は5.5病床と。この人口に当たる病床が多いのかなということだと思うんですが、また1床に対する標準財政規模の繰出金は全国4位だということで、県民1人当たりにするとこれも6位に当たるということで、今の県財政の中で繰り出している数字というのを病院事業局はどうとらえているのかお聞かせ願えますか。
○知念清病院事業局長 県立病院の病床数が、他都道府県に比べまして県立が非常に多いわけですね。よその都道府県の場合には市町村立が多い。それに比べて沖縄県の場合には県立病院のベッド数、病床数が多いということから、1床当たりの繰入額は少なくても全体の繰入額は大きくなるわけです。ですから、それが結果的に私の見た数字では平成19年度が全国で5位で、非常にトップクラスにいっているわけです。それが財政を非常に圧迫しているということから、県はぎりぎりの、一生懸命頑張っているんだということでありまして、一応、総務省の繰り出し基準に沿ったお金はちゃんと出ております。
私たちが言っているのは、沖縄県の場合はそれだけでは足りないのではないかと。離島医療をしているではないかと。あるいはよその都道府県では総務省の基準外の繰り入れ、あるいは繰り出しでもいいんですが、繰り出しもやっているではないかと。沖縄県の特殊な事情も踏まえて、基準内だけではなくて、基準外と言われている特地手当、準特地手当とか、本庁経費とか、そういうのも含めて少しは考慮してくれ、考慮すべきではないかというのが、私たちが他部局といろいろ話し合っているところでありまして、県は県で頑張っていると、それなりに財政規模の中では頑張っているほうであると理解しております。
○上原章委員 確かに県民の命を守る、本当に皆さんの仕事、病院の重要性というのはだれもが認めているわけですけれども、その中でどう健全な財政をしっかり保っていくか、これがまた県民の命を最終的には守っていくことになるのかなと思うんです。
先ほどの質疑の中で、確認なんですが、私も県立病院の医者、また看護師、そしてスタッフの皆さんが本当に頑張っていただいているということは理解するわけなんですが、先ほど、医師は診療収入で全国に比較して下回っている、看護部門は逆に上回っていると。同じ厳しい医療環境の中でこの結果が出ているんですが、医師に関しては、研修医が多いということでそういう数字になっておりますということなんですが、具体的に全国と比べてどのぐらい多いのか、数字はございますか。
○小川和美病院事業統括監 医師1人当たりの収益を算定する分母となる医師の数について、研修医を含んでいるということはわかるわけですが、ほかの都道府県の研修医が何名かというような詳細のデータについては、今持ち合わせておりません。
○上原章委員 今すぐは答えられないというのであれば、ぜひ後で調べてでも教えていただきたいなと。我々としても評価するところは評価しないといけないなという思いがありますので、この点どうでしょうか。
○小川和美病院事業統括監 年間では、我々のほうもそういう問題意識を持って正確な比較をしようということで調べているわけですけれども、今のところそういうデータはないということですので、そういう形で分析資料が発表され次第、また分析はしたいと思いますけれども、現在のところは御提出できる状況ではございません。
○上原章委員 先ほど研修医が多いということで医師の収入が落ちてきているという答弁だったので、私はその根拠があるのかなと思って聞いたんですけれども、そういう資料がもし確認でき次第、また教えていただきたいと思います。
それから、先ほど仲村委員からも小児救急電話相談事業の話がありました。私も本会議で何度か取り上げたんですが、今回、県保健医療協議会が、地域医療再生計画の中で、小児救急電話相談事業に6000万円の予算を盛り込み、同じく人材確保対策としてクリニカルシミュレーションセンター18億円、それから、看護研修センターの設置7億円ということで、国の経済危機対策で基金を活用して進めたいということで発表されていましたが、これは認識されていますか。
○安慶田英樹県立病院課医療企画監 地域医療再生計画の中に申請されているのは認識しております。
○上原章委員 この事業の必要性、評価等を、病院事業局長、答弁いただければと思うんですが。
○知念清病院事業局長 先ほども申し上げましたけれども、小児救急電話相談事業がないのは沖縄県だけです。救急医療については、そういう相談窓口があると、県民にとってもいろいろと利便性が高いのではないかと考えておりまして、私たちは、所管である福祉保健部に対してはそう述べております。
○上原章委員 きょうは病院事業局長が必要性があると、私も非常に力強い答弁にうれしく思っているんですが、今回、県保健医療協議会が人材確保対策、看護研修センターの設置、そしてこの小児救急電話相談事業、これをぜひやりたいということで承認されているんです。ただ、今回、国の経済危機対策の地域医療再生基金からの取り組みということで、実は今の新政権が、この基金の一部執行停止を表明していると言われておるんですが、この計画に何らかの支障があるのではないかと今懸念されているんですが、これについて病院事業局長、御見解をお聞かせ願えますか。
○安慶田英樹県立病院課医療企画監 聞いておりますところでは、100億円のプロジェクトは削減されて25億円になったと聞いておりますけれども、今言われたクリニカルシミュレーションセンターとか、看護研修センター、それから小児救急電話相談事業は25億円の中に含まれていると聞いております。
○上原章委員 ぜひ現場からこの必要性を訴えていただいて、この事業が間違いなく実現できるように、ぜひ皆さんも、所管部は福祉保健部だと思いますけれども、現場の取り組みもしっかり支援をお願いしたいと思います。
そこで、この小児救急電話相談事業についてですが、議会答弁では、受け手となる医師や看護師をどのように確保するか、電話という限られた手段で適切な相談ができるか、この辺が懸念されるということなんですが、これについて御見解をお聞かせ願えますか。
○知念清病院事業局長 答弁があったように、そういうことが一つ大きなネックになっているので、いま一つ踏み切れない要因になっていると理解しております。
○上原章委員 それは皆さんの現場にかかわる内容ですので、それに対しては十分対応できるという認識でよろしいですか。
○知念清病院事業局長 私はまだ十分対応できると申し上げられないのでありまして、そういうふうな形に持っていきたい、これから努力するという段階であると考えております。
○上原章委員 よろしくお願いします。
最後に、経営再建計画を、ぜひこの3年間で結果を出していただきたいんですが、平成21年度もスタートしておりますが、その取り組みと外部評価システムの導入、これもどうなっているかお聞かせ願えますか。
○知念清病院事業局長 外部評価委員会の導入については、最初の私たちの計画では病院事業局の中でそういう評価委員会を立ち上げて、毎年度、経営改善計画の進状況を評価していただくというつもりでおりました。しかしながら、県立病院のあり方に関する基本構想の中で、経営再建の成果の検証は、やはり経営に直接携わっている病院事業局ではなくて、外部、要するに福祉保健部が中心になってそういう委員会を組織すべきではなかろうかということで、福祉保健部のほうに外部評価委員会を設置することになりました。
外部評価委員会の前に、いわゆる経営アドバイザリー会議というふうなことをやっておりまして、それをそのまま外部評価委員会にもっていこうと思ったわけです。けれども、今はそれをそのまま残しまして、沖縄県立病院経営効率化アドバイザリー会議という名前に変えまして、引き続きいろいろな有識者、あるいはそういう経営のエキスパートの人たちに加わっていただいて、いろいろな病院運営、経営に対する御意見を賜っております。この間、第1回目を済ませました。
○比嘉京子委員長 前島明男委員。
○前島明男委員 それでは、まず初めに、きょうはこういう県議会の場に各病院の院長が御多忙の中をおいでいただいていますので、先生方に、また中心とするスタッフの皆さん方に、県民の生命を守るために、あるいはその健康の維持増進のために日夜頑張っておられることに心から敬意を表したいと思います。
それでは一、二点質疑をしたいと思いますが、細かい数字につきましては、これまで各委員が質疑をされておりますので、私のほうはそういう細かい数字ではなくて、現在、病院事業局あるいは各病院が抱えている諸問題等について質疑をしてみたいなというように思っております。
北部病院のほうで産婦人科医不足で意見交換会というような見出しで、けさの新聞にも載っておりますけれども、北部病院のほうで産婦人科医が不足していると。これは北部病院に限らず県全体としても産婦人科医が不足しているのですが、なぜ産婦人科医が不足しているのか。産婦人科医が不足しているということが叫ばれて、かれこれもう何年にもなるわけですが、いまだにこれが解消されていないということがどうも解せないのですが、根本的な原因は何なのか、その辺からお尋ねしたいと思います。
北部病院に限りませんよ、これは県全体の問題として不足しているわけだから、その根本的原因は何だと。報酬が安いのか、あるいは勤務状態が厳しいのか、理由はいろいろあると思うのですが、その辺の根本原因は何なのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○知念清病院事業局長 産婦人科医不足の原因はいろいろございます。1つのことだけでは言えないのですけれども、いろいろ幾つかありますので言わせていただきますと、まず1つには、やはり仕事がきついということです。勤務環境が厳しい。そして医療訴訟のリスクが非常に高い。それから少子化の進展、そして収益が少ないということですか。それから女性医師の増加など。産婦人科の医師を希望する医師は女性が非常にふえているんです。そういうことで患者も女性の医師のほうに行きたがるということもあって、そうしますと、どうしても労働力としては、女性医師の場合には落ちるんです。本人が妊娠、出産というふうなこともありますし、体力的にも弱いですから、そのようなことが重なりましてどうしても数が減る傾向にあると。
これだという1つのものではくくれないと思います。幾つかの要因があります。そして、今の人たちはそういう医療訴訟事故に巻き込まれることは嫌がりますし、妊娠、出産、特にお産となりますと夜中の業務が多い、非常に疲れるというふうないろいろな要因が重なりまして減少傾向にあると思います。
○前島明男委員 いろいろ理由を述べられましたけれども、だからといってこの問題はほっておける問題ではないのです。ただでさえも少子化社会を迎えて、本当に今の状態だったら安心して子供を産めませんよ。若い人たちは産もうという気にならないですよ。これはほっておけない問題です。であれば短期的に、あるいは中期的に、長期的にどういう対策をとるのか。その辺はどう考えておられますか。この問題が解決しないと、これはもう大変なことです。
○知念清病院事業局長 私は先ほども申し上げましたけれども、あらゆる手段を用いて、あるいは沖縄だけのいわゆる医師確保政策も含めて、全国に負けないようなシステムをつくって、産婦人科の医師だけではなくて、脳外科の医師であるとか、その他の医師も含めて、私たちは確保に頑張っておるつもりです。
こういうことを言いますと少し差しさわりがあるかもしれませんけれども、私は沖縄の現状においては、本土の一部の、特に東北地方に近いあたりの県に比べますと、医師不足は、産婦人科についても深刻度はまだ低いと思います。特に宮古地域、八重山地域を抱えておりますので、本土の離島であれば医師がいなくてもっともっと困っているという状況が生じていると思います。
また、私たちは医師募集、医師の確保についても一生懸命頑張っていると申し上げましたけれども、今はっきり申し上げるわけにはいきませんけれども、もう既にアプローチといいますか、お話は、口はかかってきております。そういう人と今交渉をしているということでありまして、決してそれを放置しているわけではありません。
○前島明男委員 頑張っていることはよくわかりますよ。頑張っていると思います。だけれども、やはり現状は不足しているわけですよ。それを本当に皆さん方が具体的にどのようなことをやってきたのか。
例えば、労働時間の改善だとか、あるいは報酬の改善だとか、あるいはその他もろもろの要求があると思いますよ。そういうものを今までどのようにやってきたのか。それでもなおかつこのように今の不足している現状は一体何なのか。その辺を本当に根本的に問い詰めて、突き詰めていかないとこの問題は解決しないと思いますよ。
これまでに具体的にどういうことをやってこられたのですか。それをお聞きしたいと思います。いろいろやってきたと言っても、今までどういうことをやってこられたのか、その辺をお聞かせください。
○知念清病院事業局長 それでは、繰り返しになりますけれども、もう一度産婦人科を含む医師不足に対する対策ということ、私たちがやってきたこと、今やっていること、これからやろうとしていることについてお話ししたいと思います。
まず今までやってきたことですけれども、医師の確保については、これまで県立病院における臨床研修制度によっての医師養成。それから各病院及び関係職員などによる県内外の大学や民間医療機関への働きかけ。病院事業局、各病院のホームページ、人的ネットワークなどの活用による医師の確保に取り組んできました。
それから、福祉保健部においては離島・僻地医師確保対策検討委員会というものを平成19年3月に報告書を出しまして、そして医師修学資金等貸与事業、特にこういう少ない専門医の診療科については優先的にその奨学資金を貸与するという事業を行っております。
それからまた、沖縄県離島・へき地ドクターバンク等支援事業と地域医療振興協会とを結びまして、そういう事業をして医師確保に努めております。今年度、つい先月ですか、女性医師バンク事業による医師確保というものを福祉保健部と県医師会が一緒になって開催しております。
病院事業局のほうとしては、独自で専門医派遣事業、そして、それで医師の充足を図っておりますけれども、本年の10月からはこれに加えまして地域・離島医療確保モデル事業などを始めることにしております。
○前島明男委員 少しくどいようですけれども、この問題はほっておけない問題なので、再度質疑します。この先生方の報酬の問題、それから他都道府県に比べてどうなのか。本当に先生方が満足できるような報酬を支給しているのか。あるいは労働条件、勤務状態、そういうものを他都道府県でもよいし、あるいは他の民間病院でもよいし、その辺と比較してどうなのですか。
○知念清病院事業局長 今回に限っては特にほかに問題になっているところではなくて、北部病院に限って今問題になっていますので、北部病院に限ってお話しさせていただきますと、医師が4名の時点でフル稼働をしたいと考えておりまして、現在2人です。その前は3名でしたけれども、その時点でフル稼働を4名でやるべきなので、3名では、それはフル稼働すると過重労働というか体力がもたないということなので、私たちは最初から、あなたたちができる範囲でやってくださいと、決してオーバーワークをしないように、長く続けられるような、そういうシステムで、もし自分たちで夜中の救急を診ることができないというのであれば、それはもう中部病院のほうに送ってくださいというような感じで、診療もかなり制限してやりました。
今回は、10月からは2人になりましたので、それでますますそれを強めまして、救急はほとんど中部病院に送ると。そして本当にこの場でないと、北部病院でないと、中部病院まで運ぶだけの時間的な余裕がないと、そういうケースに限っては北部病院で診るけれども、それ以外は、救急に関しては中部病院へ送ってくださいと。
そういうふうに、本人たちがやれる範囲で、過重労働にならないようにと、労働条件に関しては、私たちは十分な配慮をしたつもりでございます。
○前島明男委員 産婦人科医はどうしてもリスクが大きいということも理解できます。そうであれば、そのリスクを少しでも軽減する方法、あるいは新人の先生方はなかなか育ってこない。その辺の対策はどのように考えていますか。
○知念清病院事業局長 ですから、私、先ほど申しましたように、今までの事業に加えまして、今度女性医師バンク事業というものが開設されます。それからまた、地域・離島医療確保モデル事業ということで、沖縄県に興味を示した、沖縄県の病院を見てみたいという医師がいたら、その人たちの来ていただく旅費、それから滞在費、それから一緒に病院で働いていただいて、そこで自分の働きやすい状況にちゃんとなっているかということを見ていただいて、それで納得して、ここでとどまっていただくというふうなシステムも考えております。
今までは、医師募集のときには、本人の費用、経費は本人が出して病院を見にきたのですけれども、それを今度からは、その経費をすべて、旅費も含めて、こちらのほうで出して来ていただくということも考えております。
○前島明男委員 もう質疑をかえなさいというような意見も出ておりますけれども、この問題は非常に重要な問題なので、くどいようですけれども、本当に県立病院の先生方が喜んで働きやすいような環境づくり、報酬にしてもそうだし、それから勤務時間、勤務状況、そういうこともしかり、そういうことでは、また定数の問題もあります。そういうことも改定の必要があれば、どんどん皆さん方のほうから申し出てくださいよ。恐らく我々県議会議員は、反対する人は1人もいないと思いますよ。ですから、本当に先生方が働きやすい県立病院にと。看護師でもそうですよ。私が聞くところでは、全部民間へ流れたら、もう県立病院へ帰ってくる人はいないというような話も聞いていますので、ですからその辺のことも十分配慮していただきたいと思います。
では、最後に医療と経営を分離してはどうかと私は個人的に思うのですが、院長の先生方は、せっかくすばらしい技術を持ちながら、医療も見ないといけないし、また経営も見ないといかんというようなことで大変な御負担をしておられるわけですよ。ですから、医療の充実という面から、本当に院長の先生方は医療に専念していただくということで、経営、運営に関しては、また別の人をあてがうというようなことも僕は必要ではないかと思うのですが、そういう考えについて病院事業局長はどう思われますか。
○知念清病院事業局長 経営については、いわゆる経営のエキスパートに任せたらどうか、各病院の院長に経営をすべて任せるということはおかしいではないか、それは少し無理があるのではないかというふうな御意見かと思いますけれども、私たちは決して県立病院の院長にすべてを任せているわけではありません。一応経営責任者、総責任者はこの病院事業局長の私でございます。当然、権限委譲を大幅にやってはおりますけれども、最終責任は病院事業局長がとるということになっております。
そしておっしゃるとおり、やはり医師は診療に重きを置くという考え方は私も同様でありまして、やはり経営力を高めるためには、各病院にそれぞれのエキスパート、いわゆる民間医療機関と同じように企業の経験者、即戦力となるようなプロパー職員を採用していきたいと、今までのローテーションシステムと違って、それを考えております。
それからまた、そういうプロパー職員の張りつけといいましょうか、そこの病院事業だけをする専任の職員を採用するほかに、また管理経営のエキスパート、病院経営の専門職員、そういう人たちをまた採用して、いわゆる管理職のほうに病院経営管理、管理職として働いてもらいたいというふうな計画も立てて、その採用を図っております。
そういう専門職員を病院に配置しまして、研修なども含めて養成していって、経営の健全化を図っていきたいということも今始めたところであります。
○前島明男委員 もう私が申し上げようと思ったことをすべて病院事業局長が話しされましたので、私はこれで終わります。どうぞ頑張ってください。
○比嘉京子委員長 新垣清涼委員。
○新垣清涼委員 それでは、この沖縄県病院事業会計決算審査意見書の4ページに出ております。病院事業局は経営再建計画を立てられて、そして3つの目標を掲げられております。その3年間の3つの数値的な目標を示していただけませんか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 平成20年3月に経営再建計画を策定いたしまして、その中では3つの目標を掲げてございます。まず1つが不良債務の解消、そうしまして2つ目が約100億円の資金不足の解消、3つ目がすべての病院におきましての目標でございますが、経常収支の黒字化と、この3つでございます。今、数字の目標ということでお話がございましたので、不良債務の解消の部分につきましては、平成20年度で既に解消したと先ほど御説明したところでございますけれども、資金不足の解消につきまして平成23年度をめどに取り組んでいるところでございます。同じく経常収支の黒字化につきましても平成23年度、この3年間、平成21年度から平成23年度の3カ年の計画の中で達成するということにしてございます。
○新垣清涼委員 途中の数値目標というものはないですか。例えば、資金不足については何パーセントぐらいまでは今年度、来年度は何パーセントとか、そういうものがありましたらお尋ねします。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 今お話にございました資金不足の数字で御説明いたしますと、平成21年度が資金不足額、これは年度末で約43億8900万円の計画値を想定しております。43億8900万円の資金不足がまだ残っているということでございます。平成22年度末をもちまして26億1800万円でございます。そうしまして、最終年度の平成23年度ではこの資金不足額がゼロになるというところを数値目標としております。計画値でございます。
○新垣清涼委員 私は病院経営については、必ずしも経営の面だけ見るべきではないという立場ではあります。やはり県民の医療をしっかりと確保していくためには、どんどん金をつぎ込むべきだと思っています。一般質問でも言いましたが、県民の治安を守るために警察官には多額の金を投入しています。そういう意味では、県民の命を守るためには医療に対する予算は、まあ、惜しみなくと言うと少し語弊がありますけれども、使うべきではないかなという立場であります。
それで、きょうは朝からいろいろと議論がされていて、医師不足の問題、それから定数についても、先生方、当局がかなり努力をされて、解消の方向に向かっているなという思いがしております。
それで、今このやりとりの中で一番気になっていることは、医師不足や看護師不足についていろいろな取り組みをしておられるようです。そして、医師について奨学金制度もあると聞いておりますが、この奨学金制度は、例えば宮古病院、八重山病院に勤務する先生方を確保するために、その地域の枠というものもあるのか、その辺は考えておられるのかお尋ねしたいと思います。
○安慶田英樹県立病院課医療企画監 これは福祉保健部の事業で、医師修学資金というものがありますが、学生向けと研修医向けとありまして、一応貸与された期間に応じて地域で義務年限があって、県立病院であるとか、県立診療所であるとか離島優先で義務を果たすように決められております。したがって、宮古病院、八重山病院に勤務することになります。
○新垣清涼委員 ぜひ、そのようにして離島の医療についてもしっかりと充実をさせていただきたいなと思います。これは資料を見ますと沖縄県病院事業会計決算審査意見書6ページに休止又は廃止の附属診療所が13カ所もありまして、その中で安田診療所については来年度から国頭村のほうで経営をされるということになっているようですけれども、残りのこういった離島地域、特に沖縄は離島県と言われていますから、さらにその離島がありますよ。そこに住んでいる皆さんの医療の確保というものはどのようになっているでしょうか。
○知念清病院事業局長 どのような今後の計画でそれを……。
○新垣清涼委員 今、休止しているところもありますよ。そういったところの住民が安心して暮らせるための医療提供の確保はどうなっているかということです。そういう地域を含めて、診療所のことではなくて、その地域の住民の医療の確保です。
○知念清病院事業局長 離島及び沖縄本島もそうですが、特に離島については、県の政策の一つとして十分な医療の提供を図るという立場で進めております。今のところ、少なくとも今の診療所をずっと維持していくし、そこで働く人たちの働く条件をよくしていこう、そして定着していただくと。それから、今のところこれから先閉鎖しようという診療所はありません。
○新垣清涼委員 私は沖縄県病院事業会計決算審査意見書6ページのこの表を見ているのですが、これは13カ所が今休止または廃止ということで附属診療所ということで掲載しているわけですよ。だから、そこら辺の地域の皆さんの医療の確保はどうなっていますかということです。
○知念清病院事業局長 この休止あるいはまた廃止になっている附属診療所は、いずれも橋ができたり、それから道路交通事情がよくなって近くの診療所に行くのに不便を感じないとなった地域であります。
ですから、今までは離島だったけれども、橋がちゃんとできて、車で数分でちゃんと診療が受けられるというところについては休止または廃止ということでありまして、現在残っている附属診療所については、架橋であるとか、労働事情、交通事情、あるいは付近の医療体制がよくなったという状況ではありませんので、そのまま継続するという方針でやっております。
○新垣清涼委員 そこで、先ほど医師の確保については福祉保健部のほうでそういう奨学金制度があるということでした。7対1看護体制にするためには270名でしたか、これから人員を入れるということですけれども、そういった看護師についてもこれから安定的に確保していくために何か方策を持っておられるのかお尋ねします。
○嘉手苅常県立病院課看護企画監 看護師の安定的な確保ということですが、県立病院課におきましては採用の受験年齢の撤廃と、ことしからですが、採用試験を年2回、7月と10月、今月の25日に2回目を予定しております。あとは、各県立病院でそれぞれ病院のホームページを活用しまして、例えば南部医療センター・こども医療センターですと、病院が新しいので、ホームページに定期的に施設案内の募集をかけまして、希望者には看護副部長たちが病院の施設案内をやっております。そういうもので施設案内をしてもらった看護師は、正職員ではないのですが、嘱託職員とか臨時的任用職員とかいう確保対策にはつながっております。
○新垣清涼委員 年齢も広げたというお話ですが、そういうことからすると、例えば赤ちゃん、乳飲み子というのかな、小さいお子さんを持っている看護師が働きやすいような職場の環境づくりというものはどうなっているのでしょうか。
○嘉手苅常県立病院課看護企画監 そういう対策もそれぞれの施設で、それぞれの病院で、例えば2カ年とか1カ年半とか育児休業をもらって、復職した看護師に対しては育児休業に入る前の部署、例えば小児科病棟で育児休業に入ったのでしたら、復職したときにその看護師と面接をして働きやすいところ、もとの場所がよいのか、それとも夜勤が少し少ないところがよいのか、今は少し夜勤をすることは難しいので外来だけにしてくださいとかいうことを面接で、その人が離職しないように、復職をしやすいような、そういう支援を行っております。
あとは、子供を育てながら仕事も両立ということでは、これも南部医療センター・こども医療センターの事例ですが、働きながら子育てをするという支援のプロジェクトチームを立ち上げて、1回目の生き生き子育てワークショップみたいなものを開催しております。そういうことをしながら、子育てもしながら働きながらという支援のプロジェクトチームを立ち上げて取り組んでいます。
○新垣清涼委員 今のプロジェクトチームですが、例えば各病院に赤ちゃんも一緒に出勤をして、近くに、あるいは同じ施設内でもよいですから、そこで勤務を終わるまでは保育をしてもらうという体制というのはできているのかなと私は思っていたのですが、できないのかなと。
そして、夜勤が少ない部署というのがあるということですが、同じ職場で、この職場で働きたいけれども夜勤は外してほしいというと、ほかの皆さんに大変負担がかかるかもしれませんけれども、そういうふうな工夫まで必要ではないかと思うのですが、そういった話し合いはされているのか、そういった検討はこれからやる余地はあると思うので、その辺を答えてください。
○嘉手苅常県立病院課看護企画監 今、院内保育所に関してもアンケートもとりまして、院内保育所の設置に向けていろいろ検討をしているところでございます。
○新垣清涼委員 それと、そういうことをすることによって、一時子育てで離れていても、やはり県民の医療を守りたいと。医者と看護師の皆さんはどうしてもそういう博愛精神というのですか、そういった気持ちがたくさんあって、僕はそういう職業を選んでいらっしゃると思うのです。ですから、やはりその気持ちは大事にしていただきたいなと。そして、そのためには、今不足している部分をしっかりと確保する体制を、病院事業局やあるいは病院でやっていただきたいなと思うのです。そこで看護師についてですけれども、今、県立看護学校がありますが、そこに、先ほどの医師の制度と同じような形で、例えば県が奨学金を出して、卒業後は県立病院にちゃんと何年間か、2年でも、3年でも働いてくださいみたいな形の制度は検討されたことはあるのでしょうか、どうなんでしょうか。
○嘉手苅常県立病院課看護企画監 看護師の育成資金については、福祉保健部がその管轄なんですよ。それで県立病院課では把握しておりません。
○新垣清涼委員 病院事業局として、そういう安定的な人材確保という意味で、例えばこういう提案は福祉保健部のほうで、あるいはこれは福祉保健部ではなくて、奨学金ですから、どこの部署になるかわかりませんけれども、必要とあればそういう仕組みをぜひ要請していただけないかと思うのですが、その辺の検討はどうでしょうか。
○知念清病院事業局長 検討に値する案であると思います。
○新垣清涼委員 ぜひ検討していただきたいと思います。
それで、病院の院長がお見えですのでお尋ねしたいのですが、医者がやめていかれる、あるいは看護師がやめていかれる。ここは何としてもやはり病院としてそれだけの人材が必要だというときに、いろいろな事例があると思いますが、ひとつ行政がこうすれば、ここのところをもう一つ手厚くしてくれればこの人はやめなくて済むけれどもなというものがもしありましたら教えてください。
○大城清県立北部病院長 こんなことを勝手に言ってよいかどうか、少し疑問に思うのですけれども、やはり1975年度の吉村氏の医療費亡国論以来の医療費抑制策の問題が一番大きくて、今の現実で定数枠とか、そういうものもほとんどそれに縛られているということが現実だろうと思います。
もし余裕のある職場であれば、だれだって残りたい、働きやすい、そういった環境はつくれるだろうと思いますが、今は現実にはそこまではいかないだろうと思っていますけれども、病院事業局初めいろいろな形でみんな努力していますので、それを我々も一緒に支えていきたいと思っています。
○平安山英盛県立中部病院長 医師については、医師というものは、やはりモチベーションで動く部族なんです。だから、経営、経営、経営とばかり言われたのでは動かないので、やはり医師が動くような、モチベーションを上げるような、例えば学会へ行かせるとか、それから外国に留学に行かせるとか、いろいろな方策があると思うので、病院の中で対策をとっていきたいなと思っています。
それから看護師については、やはり悪循環というのですか、周囲が全部7対1看護病院で取り巻かれているものですから、そこにみんな流れていくということがあって、水が低いところへ流れるのと同じように、看護師も働きやすいところへ流れていくので、我々も早く7対1看護体制をとることによって看護師の離職を防止することができるのだと思っております。
○新垣米子県立精和病院長 現在、女性医師がふえています。女医さんがふえているのですけれども、やはり女医さんが働きやすい環境にまだなっていないと思います。勤務体制の多様化、パートタイマーでもよいとか、当直がなくてもよいとか、そういうふうな多様な勤務体制がとれるような方策が県にもできればなと。
それからまた、キャリアアップということがありますけれども、女性が妊娠とか、出産とかで1回職をやめてしまうと戻ることが難しいということがあります。それも復職がやりやすいような状況をつくっていただければと思います。
○新垣清涼委員 ありがとうございました。まさに今、新垣院長がおっしゃったように、やはり多様化と言うんですか、その働く形をいろいろな形で提供してやれないかなと。そうすることが、やはり医者でも、看護師でも、要するに自分の都合のよいように働かせてもらえるような体制づくりも必要ではないかなと思います。
私は、4月にキューバへ行ってきました。キューバの国民は、病院と学校がただだということで行ったんです。公式な訪問ではなかったので、なかなか体制的なことまでは聞けなかったのですが、医者も300床に150名とか、300名の看護師とかがいて、医者にインタビューしても非常にちゃんと答えてくれるのです。隣にいる医者が何しているのと来るぐらいの余裕があるというのか、そういう感じがしました。
そして、それぞれの地域に、例えばこの辺で言うとそれぞれの小字というか、前島とかがありますが、それぞれの地域に診療所があって、そこにはそこの住民のカルテが全部あると。そうすると、あなたは小さいときにこういう病気にかかっている、こういうアレルギーを持っているからこの薬はだめだからこれにしようというようなことができる体制であって、本当に国民は安心して暮らせるなと思いました。
だから、日本も今、小児の医療費の無料化とかいろいろありますけれども、こういった子育てがしやすいような環境というものは、そういう病気のときにいつも心配だから、大学へ行かせるまでに学費も大変だからということでなかなか子供をつくらないとか、そういうことがあろうかと思うのです。
その意味では、ぜひ先生方、そして看護師の皆さんも含めて、日本国民、特に沖縄県民の医療は自分たちがしっかり守るのだという思いで、私たちも今回、例の病院のあり方検討委員会の中で、私は去年、県議になったのですが、そういった問題をいろいろ皆さんから勉強する中で、ひしひしと感じております。ぜひ、県民の医療を守るためにこれからも頑張ってください。ありがとうございました。
○比嘉京子委員長 玉城満委員。
○玉城満委員 まず最初に全体的な収支の中から、先ほど平成20年度はいろいろな経費がかなり縮減された。そして、自家発電とかそういう工夫がなされたとお伺いいたしました。こういう改善計画は各病院の院長を中心に、病院事業局のほうに上がってくるのか、それとも病院事業局のほうで提案して、そういうことをしてみないかとやっているのか、その辺のところをお聞かせください。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 今の御質疑ですと2つあるということになりますけれども、まず経費縮減の面で御説明をいたしました各種プロジェクト、特に診療材料の縮減のプロジェクト等は約3億9000万円の効果を出したところでございますが、これにつきましては病院事業局のほうで1つのプロジェクトの担当チームのようなものつくりました。そして各病院に声をかけまして、いわゆるキックオフミーティングとか、それから途中、途中を引っ張るいろいろな会議等を行っております。
ただ、実際に業者と交渉に当たるのは現場の購入担当の職員でございますので、その意味では二人三脚という形になります。具体的には、職員が業者と購入の交渉をするためのノウハウを具体的にマスターするためのロールプレーイングのような研修会、それは実際にマスターするのは現場の職員ですけれども、それをセットするのは病院事業局が汗をかくような形とか、そういった形の二人三脚の部分でございます。そういった形で2つの面が協力しながら進んでいるというところでございます。
○玉城満委員 今、国は2020年までにCO2削減という方針を出しております。エコ事業、そしてESCO事業、そしてLEDの導入、これらで経費がかなり削減されてくるのではないかなと思うのです。そういうところまで今後予定していらっしゃいますか。
○大城新光県立病院課整備企画監 北部病院については、平成19年度にESCO事業を導入いたしまして、平成20年の4月から供用開始しているところです。平成23年度に中部病院と精和病院を予定しております。
北部病院のESCO事業に係る省エネの効果ですけれども、光熱水費削減額ですけれども、契約見込みの時点で3928万1000円を予定しておりましたが、平成20年度実績で5792万2000円、達成率として147.5%を達成しております。
○玉城満委員 わかりました。今後とも太陽光病院ではないけれども、そのような工夫も必要なのではないかなという気がしております。
さて、またこの沖縄県病院事業会計決算書の32ページの委託料、27億6700万円余、この委託料の中身をお聞かせください。主な項目でよいと思います。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 今御質疑のものが沖縄県病院事業会計決算書の32ページの委託料の内訳ということで、主なものについて御説明いたします。まず病院現場のほうで診療報酬の算定に当たります医事業務の委託業務の部分が約1億2000万円ほどになります。
次に、給食業務の委託業務とか、それから清掃業務の委託等々、もちろん病院の運営に係る部分が主になるのでございますけれども、内訳としましては、大きいところはそのようなものがございます。
○玉城満委員 この委託業務と若干関係しているのですが、きょうほかの委員からもいろいろと質疑をされております債権回収サービス業者への委託とございます。これが17億9511万6962円という数字を出して、前年度に比較して4947万6882円、2.8%増加していると。その債権回収サービス業者に委託して、なおかつ5000万円ぐらい前年度よりふえているということは、もし委託をしなければもっとふえていたという判断なのでしょうか、お聞かせください。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 まずこの債権回収業者、サービサーと言っておりますけれども、サービサーに対する平成20年度の委託料の支払額は630万円でございます。このサービサーに委託している額は、これも説明の中で2種類御説明しておりますけれども、いわゆる過去に3年ぐらい長く持っているような債権が1つ。それから、いわゆる初期発生債権と言っておりますけれども、早期回収につなげるものです。この2つの部分に分かれておりますが、この2つを合わせましても、ただいまのところ約630万円が年額としての委託料相当額でございます。そういうことからいたしますと、債権回収の効果は非常に大きいということが言えると思います。
○玉城満委員 今度は、先ほど来から前島委員からもございました、つい最近まで北部病院の産婦人科医が4人から、10月から2人だということは、半年ぐらいで2人もやめてしまったと。そして、さきの一般質問で我が会派の平良昭一議員が、たしか病院事業局長のほうに質問されたと思います。この理由は何ですかということに対して、病院事業局長は一身上の都合というふうな答弁をされておりましたが、ここ半年で2人もやめざるを得なかったということは、やはり僕は報酬と、労働のバランスと、医者でも心のケアみたいなものが絶対に絡んでくるのではないかと思います。というのは何かといいますと、私も知り合いの医者が何人かおりますけれども、やはり最近の医者は激務で疲れている。過重な労働を強いられている。そして、ボランティア精神を発揮しないといけないという精神的な負担がかなりあるのではないかと。なぜこれを知ったかと言いますと、私個人がいろいろな研修で講演をさせてもらったり、いろいろやるわけです。これは看護師を中心にやらせていただいているのですが、最近はこういう心のケアをどうやって和らげていこうかということで、いろいろな研修が盛んにされております。
そんな中で、看護師対象に営業をしているある業者があったのですが、そこの業者が営業をしたら、ある病院はできれば医者に受けさせたいと。そのぐらい、やはり医者が弱みに入っているというんですか、参ったをしているわけです。
そういう意味では、いまいち研修のあり方というか、やはりこの病院に来てよかったという雰囲気づくりも含めて、先ほど中部病院長から医者に対するモチベーションが上がるためにどういうことをしていけばよいかというふうな話もございましたけれども、そういう研修の見直し、そしてやはり魅力ある病院づくりについて、医療ということだけではなく、やはり人として、仕事の環境として、ここで働いて楽しいと思えるような環境づくりにもう少し力を入れるべきではないかと私は思うのですが、病院事業局長その辺の見解はどうでしょうか。
○知念清病院事業局長 私は先ほどから申し上げているつもりではありますけれども、一人一人がよい医療をする、それから持続して安定した医療をしていくというためには、やはり現場の人が気持ちよく働けるという環境づくりというものが何よりも大事でありまして、そしてここで自分の骨を埋めてもよいから頑張るのだというぐらいの気持ちを出せるような環境をつくらなければ、私は持続しないと思っております。
ですから、今のところ経営改善計画と先ほどもいいましたけれども、そのような形をしておりますけれども、常にそのことを忘れずに、現場の者のモチベーションを落とさないような、そういうことを考えながら、みんなが働きやすい環境づくりということも考えながら、私は取り組んでいかねばならないし、取り組んでいくつもりであります。
○玉城満委員 先ほどからそういう答弁は、私もよく理解できるのですが、問題はこの手法にあると思うのです。やはりモチベーションが上がるために、そういう環境づくりをしないといけないということは、これはもうわかっていることなんですよ。どのようにしてそういうことをやっていくかということは、やはりもう少しあらゆる分野の人たちから意見を取り入れてやるべきではないかなと。病院関係者だけの、そういう病院の専門家だけではなく、やはりもはや県民のための病院であるわけですから、いろいろな分野の人たちからの環境づくりに関しての意見の聴取はしていかないといけないのではないかなと思います。それを最後、一言だけよろしくお願いします。
○知念清病院事業局長 おっしゃるとおりでありまして、やはり私たちは自分たちだけの考えで推し進めるのではなくて、みんなの意見も聞いて、いろいろな御意見を伺って、その中で本当にその目的が達成できるようなことをしたいと。それが一つには、先ほど申し上げました経営アドバイザリー会議でありまして、これは決して医療人だけではなくて、ほかにいわゆる有識者と言われる方、いわゆる評論、そういう知識人の方も入れていろいろな意見を伺って、それで医師、看護師、それから民間企業からの方にも来ていただいて、今のところ、それを今までやっていませんでしたので、そういう方も入れて改善に努めていきたいと思ってやっているところであります。
○比嘉京子委員長 山内末子委員。
○山内末子委員 公的医療の改善計画に向けまして全職員一丸となり、不退転の覚悟で臨んでいくという病院事業局長の強い決意と、また本日は現場の院長の皆様の、大変に厳しい状況の中、本当に試行錯誤をしながら頑張っておられる、そういう答弁を受けまして、我々議員もしっかりと後押しをしなければならないという、そういう思いを持って臨んでおります。病院の健全な経営と、また高度な医療体制、そして県民の命を守る、これはもうこの医療体制をしっかりと、両輪のごとく、機能よく進んでいかなければ私たちのこの沖縄県民の命は守れないという、そういう意味で相当な知恵を結集していかなければこの問題は解決に向け、そして改善に向けていかないのではないかという思いを持っております。実は私、通告してあります事項につきましてほとんど出尽くしておりまして、何点かに絞って質疑をさせていただきます。
まず、病院事業報告書の中で、ことしの総利用患者数が153万6288人、平成19年度比で3万759人の減になっておりますが、この減の数字に対します病院事業局長の認識をお伺いいたします。
○知念清病院事業局長 実は、患者は、入院患者は平成8年度から、それから外来患者は平成9年度から毎年減少してきております。本土においては、平成13年度から患者数は減少しているそうであります。
これは一つには、やはり国の医療政策が一番大きいのではないかと。診療費が値上がりをして、高額医療の上限が引き上げられたとか、それから沖縄の場合には、またそれに加えて所得が低い、いわゆる貧困層が非常に多いということなどが一番大きな要因かと思います、減少傾向としてはです。
しかし、それに加えましてもっと大きな要因は、今回に限っては、特に入院については休床が、南部医療センター・こども医療センターは59床で、中部病院が52床で、そういうものが入院患者の減につながっていると思います。外来患者もやはりそうでありまして、平成8年度、平成9年度に比べて、外来患者で約30万人、それから入院患者で、この平成8年度、平成9年度から平成20年度までに20万人ぐらい減っております。ずっとこんな感じです。
ですから、これの直接的な問題は、そういう休床が大きかったと思いますけれども、例えば個々の病院でいくと、八重山病院の場合は耳鼻咽喉科の先生がやめて開業の先生がいなくなったとか、そういう医師の退職に伴った患者数の減というのも入ってはおります。いろいろ要因はあります。
それから、言い忘れましたけれども、一般民間病院が質的に非常によくなってまいりまして、7対1看護体制ということも含めてサービスもよいということもあるでしょう。そちらの方に患者が流れているということも一つあるのかなとは考えております。
○山内末子委員 いろいろな要因があって、この3万人という数字が積み上げられてきたというような答弁でございました。まず、本当に国の医療政策の中で、診療控えというものは、これはまた病院事業局の中だけで改善できることでもありません。
ですけれども、それではその部分をどうやっていけばよいのかということについては、これは政治的な力が大きく働いていくでしょう。そういった意味で、診療したくても診療できないというような状況に対します病院事業局長としてのお考えを、診療ができない状況が今実際にあるということが答弁の中でありましたよ。そういう中で、その件に対します病院事業局長のお考えを少しお聞かせください。
○知念清病院事業局長 そのような御質疑であれば、やはり必要に応じて、いつでもちゃんと病院へ行って診療が受けられるような、そういう社会の医療体制、医療保険を含めた保険医療、社会保障、そういうものに対する抜本的な国の考え方の変更が求められているのではないかと考えます。
○山内末子委員 これはまた福祉保健部のほうとも相談しながら考えていかなければならない部分も多いと思いますので、この件については終わりますが、その中で、先ほどもありました病院の中での八重山病院の休床ですとか、それから中部病院の内科診療の休床ですとか、その状況についてもう少し詳しくお聞かせいただけますでしょうか。
○新屋勉県立病院課長 医師不足に伴う診療制限の箇所ですが、八重山病院の耳鼻咽喉科のほうで医師1人不足による診療制限があります。それから北部病院の内科の診療制限、それから宮古病院の眼科のほうもあります。そして北部病院の産婦人科の部分です。それから看護師不足に伴う休床ですが、これについては中部病院で看護師が23名不足ということで52床の休床となっております。それから南部医療センター・こども医療センターのほうですが、看護師37人不足ということで59床が休床となっております。
○山内末子委員 59床の休止ということですけれども、これにつきましてはもう朝からありましたようにスタッフの確保の問題、それはもう沖縄県職員定数条例の問題、それを打破していかなければ本当に改善できないところだとは思いますけれども、その件につきまして、そのめど、いつそれぞれの病院で、解消に向けてのめどが立っているのか、それとも今は全く立っていないのか、その辺のところを含めてお願いいたします。
○知念清病院事業局長 医師について申し上げますと、まず私たちは前から申し上げましたように、いろいろな手段をもって募集をかけておりまして、この一部の休診科については数名のアプローチがございます。ですから、まだはっきりと公表できない状況であります。ですから、ここでいつとは申し上げられませんけれども、そういうアプローチ、コンタクトをとってきた方たちにとっては、私たちは最大の努力を払って、ぜひ病院に来ていただいて、そして現場を見ていただいて、納得していただけるように努力したいなと思っております。それぞれの科が、産婦人科は特にそうですけれども、眼科、それから内科も、それから南部医療センター・こども医療センターの児童精神科というものも、すべて今確保が非常に困難でありまして、努力すればできるよとおっしゃいますけれども、現実問題として努力してもなかなか確保というか、ちゃんと採用までいかない事実が時々ございまして、持てる力をできるだけ発揮して、もう頑張るしかないと私は今のところ思っております。今までこの努力によって、決して1人もいないというわけではなくて、既に数名のアプローチがあることは事実であります。
○山内末子委員 本当に努力をしている姿は見えますけれども、実際に姿が見えるだけで、本当に医師が入って初めて、その努力が実るわけですので、そういった意味で今の現状といたしまして、休止になっている病院の院長の皆さん、今のこういう状況についてもう一度皆さんのお考え方、そして休止になったことによります弊害について少し御意見をお聞かせください。
○平安山英盛県立中部病院長 当院は2月から、前までは33床が休床していましたけれども、看護師の不足で1病棟閉鎖して休床しています。52床を休床していますけれども、現在、看護師の確保のめどが立っておりません。
ただ、僕らは7対1看護体制も視野に入れていますので、では10対1看護体制のほうからいくかということなんですけれども、まずは最初10対1看護体制の要員を確保したいと思います。そのためには、ぐしかわ看護専門学校とか、いろいろな看護学校に呼びかけていますし、講師も送っていますし、校長先生も当院の看護部長出身ですので、校長先生からも中部病院へ来るようにと説得するように申し上げておりますので、何とかやっていけるのではないかなと思います。
○大城清県立北部病院長 私のほうからは、産婦人科の問題は先ほどから何回も出てきていますので、内科のほうを御説明させていただきますけれども、定員とは関係なしに、今我々のところへ入院してくる経路が、ほとんど救急から入院していて、外来からという形は少ないのです。健診を受けているかどうかはわかりませんし、かなり重症化してきて入ってきていることが多いです。そのため、当直の先生方は大変苦労しておられ、そのまま翌日の業務に入るということで、疲労感が物すごく目立ちます。
これは、正直なところ、さっきから同じことを繰り返していますけれども、やはり定数の問題をいろいろ工夫しなければいけないでしょうけれども、現実には私の個人的な意見で言わせてもらえば病院で育てるべきなのでしょうが、病院の上の指導する立場の先生方はもう疲弊しているのです。この現状を何とかしたい、これが一番の気持ちです。
○大久保和明南部医療センター・こども医療センター院長 うちの病院では、病床が休床になった原因は看護師不足です。先ほどからありましたように、医師1人当たりの収入とかなんとかという話があったことも、うちの病院などは看護師がいて病床をあければ何とか改善できると考えています。
○上原哲夫宮古病院副院長 宮古病院は、ことしの4月から地元の医者でした眼科の先生が開業されました。それで一応外来患者も減ってきたのですけれども、開業医が一応3名眼科にいて、その2名が一応宮古病院の救急とかを診てくれるということでやっていますけれども、琉球大学のほうにお願いしていまして、琉球大学のほうでも、やはり医局の先生から開業する先生が多くて離島に回せないということで、今は週1回眼科外来を診てもらっています。その3名の先生で一応夜間の眼科の救急とかを診てもらっています。以上が現状です。
○伊江朝次八重山病院長 八重山病院は耳鼻科の問題だと思いますが、実は平成13年に一度耳鼻科の医師がやめまして休診になっております。そのときは各病院の応援をいただきながらやったのですが、今回の耳鼻科の休診については、昨年の1月いっぱいでうちの耳鼻科の医師がやめまして、実はその同じ教室から来る予定であったのですが、やはり大学の都合で来れなくなりまして休診になっております。
平成13年の当時は、宮古島市には耳鼻科の開業医はおりませんでしたから大変なパニックな状況だったのですが、現在は開業医が、うちにいた医師がやめて開業したもので3軒あります。ですから、耳鼻科の外来診療に関しては問題ありません。では、どうかというと、要するに入院治療、いわゆる手術とか、それから入院患者でいろいろ耳鼻科の問題が起こったときにどうなるかという問題があります。
それを踏まえて、病診連携するということで、開業した先生にお願いして、昨年の8月から月に2回、約6件ぐらい手術をお願いしておりまして、それから救急診療に関しても業務応援という形でやっておりまして、今のところは何とかやりくりしているという状況でございます。今、これは内々でございますが、実は他都道府県から1人アプローチがありまして、この話を今後煮詰めていこうと思っております。
○新垣米子県立精和病院長 今のところ休床しているところはないです。一応急性期病棟に転科しましたので、それは機能的に高度化するために休床したのでありまして、医師不足のために休床しているわけではありません。ただ、定数を満たしていないという状況はあります。ですから、県立の医師確保の問題はもっと根本的に考え直す必要があると思います。
○山内末子委員 それぞれの病院で、それぞれのお立場でいろいろな問題を抱えておるということで、例えば今は沖縄ブームですよ。ドクターコトーだとか、いろいろなテレビとか、マスコミとかで取り上げられながら、いろいろな形で全国に向けて発信をしていくということは、この沖縄の魅力の中で、同じ医者でいるのでしたら沖縄に行ってやりたいという人たちが、実は何だかんだといるのだということは我々の耳に入ってくるんですよ。
ですから、なぜその情報がそちらのほうに入ってこないのか。そして、そういった全国に向けて、医師にしても、看護師にしてもどういう形で公募をしているのか。看護師にしても、派遣看護師とかいうようなシステムがあったり、いろいろと沖縄で看護師をしたいというような声は大分あるということは聞いておりますが、その辺の情報はどのようにとらえておるのでしょうか、お聞かせください。
○新屋勉県立病院課長 医師の確保事業について説明します。地域・離島医療確保モデル事業というものがありまして、今年度から実施しております。これは国の地域活性化交付金も活用して、全国から医師を宮古病院、八重山病院、それと北部病院、離島とか地域医療の医師を招聘する事業であります。この事業は県のホームページをリニューアルしまして、またダイレクトメールとか、それで離島の情報、それから地域の医療情報を発信して医師を現地に招聘すると。
そして、実際にその現地を見てもらって、医療だけではなくて、そこの地域の状況も踏まえて、家族も一緒に来て、地域の実情も踏まえて見てもらうということを考えています。この事業で医師を直接採用するということにはならないのですが、この来てもらった医師を将来の医師確保につなげたいということで、今回実施するものであります。総事業費2000万円を予定しています。
○山内末子委員 いろいろな事業を使って、あらゆる方策をもって、ぜひとも医師あるいは看護師、スタッフの確保に努めていただきまして、本当にある病床はしっかりと全部開設をしていく、そういう作業をぜひ頑張っていただきたいと思います。
それでは、次に移ります。先ほど来ありますけれども、病院の経営再建計画の中で、権限を委譲された中で院長が予算執行計画をしっかりとつくっていく。そういう中で、これから病院長の責任というものが大変大きくなるということを伺っておりますけれども、先ほど来あります、もちはもち屋でということで、医者は医者だということで、本当はパソコンよりもメスであり、注射器であり、そういうものを本来としている皆さんが、しっかり経営感覚を持って病院を再建していく、経営していく。それにつきましては本当にいろいろな苦労はあるかと思いますが、この重責を担わされている皆さんにつきましては、本当に敬意を表しながらも、今現在どのような状況の中でその予算執行計画について策定に向けて頑張っておられるのか、その件につきましても院長の皆さんから現在の取り組み状況、そしてどのような状況なのかということをお聞かせください。
○大城清県立北部病院長 先ほども申し上げましたけれども、少し専門用語になりますけれども、DPCとクリニカルパス、あと地域連携、それからうちの病院でできていないところは、やはり先ほども言いましたが、イントラネットの構築ができていません。だから、情報の共有化をどのようにしてやっていくか少し悩んでいます。DPCを利用して、他病院と比較して医療の質を上げる工夫とか、もちろん経費削減も含めてですが、そういったことをやっております。
○平安山英盛県立中部病院長 平成20年度の経営状況は、先ほども申し上げましたが、経常収支で約5000万円の黒字でした。ですから、現金ベースでは約7億円の現金を生んでおります。平成21年度の経営状況ですが、8月までの経営状況を見ると今年度末までの見込みで6592万2000円の赤字になる見込みです。
でも、これは患者数が減少したためですので、今後、患者獲得のために院長、副院長、事務長、地域連携室四、五名で中部地域の各診療所を回っております。そして、当院の実情を訴えて、患者をこちらに送ってもらうようにお願いして回っております。そういうことで、患者数、業務の確保をしていきたいなと思っております。
○大久保和明南部医療センター・こども医療センター院長 今、山内議員からお話がありましたように、医者の立場で経営をしろということで非常に苦労しております。正直なところでございます。
私どもが何をしているかと言ったら、もう基本的なことしかできないわけですよ。入るをはかりて出るを制す、それが経営の基本です。基本的なことからやらないといけない。だから、診療報酬や何かで入るもの、取れるものは取ると。施設認定でこれだけのことをしたら、これだけの報酬を上げますとちゃんと決まりがありますので、病院としてはそういうものを確実に取っていくような体制をとっていきたいということで動いておりますけれども、これについても、やはり人員とかそういうものがないと取れるものも取れないということで、ことしに入ってからいろいろな施設認定が加わってきて、ことしに入ってから、うちの病院も大分よくなってきております。
経費のほうに関しましては、先ほどから病院事業局のほうからもいろいろありましたように、平成20年度から相当努力しておりますので、現在の状況をさらに継続していくということだと考えております。
○上原哲夫宮古病院副院長 スタッフに対する経営意識の植えつけに関しては、一応毎年2回ぐらい院長がヒアリングをしながら、経営感覚を身につけるということで、医者でありながらもやはり経営に関して関心を持ってほしいということでヒアリングを続けております。
それから病床管理とかそういうものに関しては、なるべく長期入院患者を減らすことによって病床利用率を上げるとか、それから経費の縮減に関しては、時間外を削減する意味で、検査室の勤務時間帯を少しずらすとかいうこともやっております。
それから、いろいろな加算に関しては、ことしもたくさん加算をとりまして、現在のところ一応良好に進行していると思います。
○伊江朝次八重山病院長 八重山病院については、平成19年度は1700万円の黒字でした。平成20年度は、やはりそういう経営改善をすると、その経営改善分ということで繰入金が削減されます。こういうものが約2000万円ぐらいありました。
それだけではなくて、やはり外来患者の減少は、もう医師の退職に伴う減少でありましたし、こういったこともありまして、平成20年度は3300万円の赤字ということになったのですが、一応これは現金ベースでは何とかやっております。
ことしは、DPCの対象病院になりまして、出来高とDPCの診療の収入との比較をしておりますが、毎月DPCの診療収入のほうが一応上回っております。人材をしっかり確保していけば何とか乗り切れるのではないかと思っております。
○新垣米子県立精和病院長 昨年度は、病院収益が1億960万円増加して、それから費用としては2050万円減少して、両方で1億3100万円改善したのですけれども、繰入金が1億1000万円減少したために利益が1645万円減少しています。それで1168万円の赤字となっているのですけれども、やはり今年度は繰入金が少し上がりましたので黒字を計上する予定です。ですので、精神科では、もともと不採算部門なので、この繰入金を安定的に供給するというか、6億円程度あるとやっていけるというふうな状況です。
現在、クリニックが非常に増加していまして、やはりうちに入院する患者たちも普通の外来が減っているというような状況がありますけれども、入院は急性期のほうへ集約していくというふうな方向へいけば十分やっていけるのではないかと考えております。
○山内末子委員 それぞれ院長がみずから営業マンとして患者の確保をしているとか、いろいろな皆さんが本当に努力をしているという姿に本当に胸が熱くなります。そういった意味では、本当に入るものをしっかりと入れる。先ほど大久保院長からもありました、取るものをしっかり取る、そういった意味での皆さんの計画を我々も何とか支えていきたいなと考えておりますが、その中で自主財源の確保ということはまた本当に大事なところだと思いますので、その辺で少しお伺いいたします。
医業外収益についてでございますが、沖縄県病院事業損益計算書の中で、その他医業外収益とありますけれども、それは具体的にどういうものが入っているのかお聞かせください。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 その他医業外収益の中には、財産貸付収益とその他医業収益との2つに分かれます。今御質疑の部分のその他医業外収益のところで、その内訳の主なものは何かということでお話を申し上げますと、研修、実習に伴う収益の部分がございます。これは3億2000万円ほどございます。それから有料駐車場の料金の部分が約9800万円ほどございます。その他の損害賠償の保険料7600万円とかございまして、その他が3000万円、こういうところが大きな項目としてその他医業外収益のところを構成しているものとなっております。
○山内末子委員 病院というところは病気を治すところであって、営業するところではないということはわかっておりますが、それでもやはり営業ということを考えて、例えば今、駐車場が9800万円、その辺をもう少し工夫をしていけば駐車場の収入がもう少しふえるような、そういう作業とかそういうものについて、これから計画とかはございますでしょうか。
○大城新光県立病院課整備企画監 現在、北部病院と中部病院、南部医療センター・こども医療センターについては駐車場ゲートを作成いたしまして、自動的に計算する仕組みになっております。使用料金を設定しておりますけれども、新しく建設します新宮古病院の件については有料駐車場ということを検討しておりますので、その辺でその他医業外収益として駐車料金が見込めると考えております。
○山内末子委員 少し勉強したいのですが、病院の中に売店とか、食堂とか、喫茶店がありますが、そういったところの収入はどちらのほうに入ってくるのでしょうか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 先ほど2つの要素で構成すると、財産貸付収益とその他医業外収益と。今の御質疑の部分の売店等になりますと財産貸付収益のほうに計上されてまいります。
○山内末子委員 売店だけではなくて食堂もですか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 そのとおりです。
○山内末子委員 済みません、そのほうの予算が幾らになっていますか。よく見えませんので教えてください。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 ただいまその部分については、詳細は把握をしておらないものですから、数字のほうで御報告できない状況でございます。
○山内末子委員 ありましたら後ほどでよろしいですので、委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。
そういった意味で、先ほどもありましたように病院側も営業をやっていかなければならないということで、その一つの観点と、先ほどの医者の確保、それから看護師の満足した勤務体制の確保とかということを考えたときに、院内託児所あるいは院内保育所という観点というものはこれから避けて通れないところでもあるのかなと思いますので、そういった意味も含めて、本当に医療体制と、そして医療の部分と、そして経営の部分とを両輪で動かすためには、本当にいろいろな方法で外部からの意見を取り入れて、それを経営健全化計画の中に生かしていくような、そういうプロジェクトというものは今後必要になっていくかなと思いますけれども、そういった意味でのそういうプロジェクトの立ち上げとか、その辺について計画をお聞かせください。
○小川和美病院事業統括監 経営再建計画に基づきまして経営再建を着実に実行していくということは当然のことなわけですけれども、それに加えまして、先ほどから質疑をもらっております県立病院の魅力をどのように高めていくかということで、現在取り組んでいます課題は三六協定の締結であったり、あるいは医師の面では研修医の処遇の改善、あるいは7対1看護体制や院内保育所を通した看護師の働きやすい環境の実現とか、そういう県立病院がワーク・ライフ・バランスを保持しながら、長く働けるような職場環境をつくっていくということが非常に大きな課題だと認識しております。
そういう課題につきましては、病院事業局長からも答弁申し上げましたが、なるべく外部の皆さんの専門的な知見やノウハウも導入しながらやっていきたいというようなことでアドバイザリー会議を設置しておりまして、8月でしたか、第1回の会議も終わりましたが、幅広い皆さんからのいろいろなアドバイスを受けながら進めているところであります。今言ったような課題につきましては、県立病院の当面している大きな課題として位置づけて取り組んでいきたいと思います。
○比嘉京子委員長 休憩いたします。
午後3時40分休憩
午後4時3分再開
○比嘉京子委員長 再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
辻野ヒロ子委員。
○辻野ヒロ子委員 県民の健康維持、命を守るために、特に離島の多い島嶼県である本県の医療行政の厳しい中で日夜頑張っておられる皆さん、病院事業局長初め、そして本日は6つの県立病院から、遠くは八重山病院の伊江院長、宮古病院の院長の皆さんも御出席して、この決算審査ができることを大変うれしく思います。そういう中で、生の声を、現場の声を聞くということが大事だなということをつくづく朝から感じております。ごめんなさい、風邪を引いて美声がやられているのですけれども、済みません。もう朝から質疑項目で出したものがほとんど進んでいますので、重複しないようにいきたいと思います。経営再建計画についてもいろいろお話がありましたので、理解することができました。
私は、特に職員の意識の改革です。病院事業の経営健全化に向けて、本当にリーダーシップを図っておられる知念病院事業局長のほうに、まずどのようなことをしておられるのかお聞きしたいと思います。お願いします。
○知念清病院事業局長 それでは御質疑にお答えします。病院事業局では、経営再建計画の策定に当たっては6つの県立病院において説明会を開催いたしました。そして、約800名の職員の参加のもと、経営再建に取り組む共通認識の形成を図ってまいりました。
また、4月に開催した第1回経営改革会議においては経営再建計画実行宣言を行い、病院事業に携わるすべての職員が不退転の決意で経営再建に取り組むことを確認したところであります。
各病院の院長、事務部長、看護部長の管理者に対しては経営改革会議の開催と数値目標の進行管理、経営コンサルタントを講師としたセミナーの開催、先進的な経営改善の取り組みを行っている病院の事例紹介、DPCに関する分析セミナーの開催等を通して管理者としての経営意識の形成を図っております。
医師に関しましては、県立病院課幹部職員と医局との意見交換会を開催し、県立病院課の経営改善に向けた現在の取り組み状況や忌憚のない意見交換を行うことで今後の経営改善に向けた共通認識の形成に努めております。
事務職員等には経営アドバイザリー事業を通して、業者との交渉術セミナーや弁護士を講師とした法律セミナー等を開催することにより職員のスキルアップと経営意識の向上に努めております。
○辻野ヒロ子委員 ありがとうございました。病院事業局長から細かく説明がありましたけれども、せっかくの機会ですので、各院長のお顔も覚えないといけませんので、本当に短くで結構です。職員の意識改革のために、私たちはこうしているのだということを一言でお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○大城清県立北部病院長 たびたび同じことを繰り返していますけれども、医療の工程がわかるようなクリニカルパスの作成で、効率化、それから質を上げるための、あるいは情報の共有化等をやっています。それからDPCを利用して医療の無駄を省く、治療成績を上げる努力、それをみんなで共有するような努力はしています。
○平安山英盛県立中部病院長 私どもは、もう2カ年ぐらい前になると思うのですが、その時点から毎朝8時半に管理者、看護師長、各セクションの長、各科の長を集めてモーニングの打ち合わせをやっております。これは何をやるかといいますと、救急室からの患者の搬入の状況、数、それから救急室前夜の出来事とか、それから問題になっている出来事とか、空床状況などを把握しながら、何とか空床を改善していこうというような努力でやっているわけです。11月からはベッドコントロール委員会を立ち上げて、うまくベッドのコントロールをしていこうかなと思ってやっているところです。
○大久保和明南部医療センター・こども医療センター院長 職員の意識改革ということですけれども、悪い意味での公務員意識を捨ててくださいとお話ししております。
○上原哲夫宮古病院副院長 宮古病院のほうでは一応目に訴えるという意味で、医局の前に毎月の診療報酬の各科ごとの表を出したりとか、あるいは病床利用率を出したりとか、看護部では勤務簿を押すところに各病棟の病床の利用率を毎日出したりとか、それから毎月のレセプト点検ということで、中間レセプトとか最終レセプトで請求漏れをなくすようにしています。以上のことに努力しています。
○伊江朝次八重山病院長 私は、日ごろ県立病院はいわゆる税金でできた病院であるということを強く言っておりますし、自分たちの稼ぎで運営できない、足りない分を税金で補っているのだというふうな意識でやっております。
○新垣米子県立精和病院長 うちは経営対策委員会を毎月開いて、業務の実践報告と対策をやっております。あと1週間に1回はベッドコントロール委員会を開いて、ベッドがスムーズに回転するようにやっております。それから病床の利用率を毎週毎週上げていって、みんなが共有できるようにしております。それから業務システムの効率化についても、医局などでもずっと話し合われております。それから、ことしからですけれども、実践報告会をやろうというふうなことで計画しております。
○辻野ヒロ子委員 それぞれの院長、どうもありがとうございました。ぜひ経営感覚も、またプロフェッショナルのドクターとしても本当に大変だと思うのですけれども、病院事業を頑張っていただきたいと思います。
それでは、早速、未収金の対策についてですけれども、平成20年度末で見ますと17億9511万6962円ということで、かなりの数字に上がっているのですが、その件について各病院のデータを資料としてもらいましたけれども、これの対策をどのようになさっておられるのか、病院事業局長にお聞きしたいと思います。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 まず未収金の場合には、発生の防止、回収の強化ということになりますが、私どもはまず発生の防止のほうに力を注ぐことにしております。その部分でいきますと、未収金の管理システムというような形で帳票を電算化しておりまして、その部分を中心に管理をよりやりやすくするような形の部分でございます。発生の防止という観点からいきますと、台帳に載る前に、まず患者に相談をしっかりしていくというところの強化をしておりますので、地域連携室とか、その窓口の部分の強化、午前中でお話し申し上げましたけれども、例えば連携室としては51人いたりとか、そういったところの強化をしているところでございます。
ただ、いったん分納などの形で、あるいはその他の行政的な、福祉的な制度の活用となりますと、また分納ということになってまいりますので、その部分についてもしっかり管理をしながら、それからまた患者の事情に応じた形の、支払いをやりやすいような形をとりながら進めているところでございます。
これがまた長くなりますと、いわゆる過年度の未収金になりますので、そのほうになりますと、いわゆる回収の強化というところに移ってまいりますが、それにつきましては、もちろん職員が取り組む部分、それから先ほど来申し上げております債権回収業者の力をかりた部分ということになりまして、そういうところを総合的に取り組みながら未収金の発生防止と回収というところで取り組んでいるところでございます。
○辻野ヒロ子委員 今おっしゃっているように、未収金の管理システムを以前から取り入れていらっしゃいますよ。その件も含めて、また平成19年度から外部委託をしているということで前にお聞きしたことがあるのですが、その件も含めて、今回外部評価システムの導入はどのような形で進められる予定なのか、よろしくお願いします。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 御質疑の外部評価システムの前にお話のございました管理システム、それからもう一つ回収サービスの委託という、この2点については私のほうから御説明をしたいと思います。
まず、未収金の管理システムは、病院のほうで、現在算定業務に入っております医事会計システムと連動した形をとっております。委員御案内のとおり、平成17年度から順次導入しているところで、現在のところは精和病院は件数が少なく、また額が小さいというところがございますのでシステム化しておらないのですが、その他の病院についてはシステム化をして、その部分、例えば未収金整理簿を電子化しておりますので、電話の督促とか、文書による督促の効率を上げているところでございます。現在、北部病院、中部病院、南部医療センター・こども医療センター、宮古病院、八重山病院において電子化された管理システムをとっておるところでございます。
それから、もう一つの回収サービスの委託のところですが、これはまず未収金額が5万円以上、そして発生して3年を経過して、いわゆる塩漬けといいますか、なかなか回収につながっていない部分をサービサーに委託をしている部分で、もう一方が初期に発生して、早い段階から回収につなげようとしている部分、この2つございます。
先に申し上げました3年を経過している、少し長期になっている債権ですが、実績で申し上げます。委託の債権の額として、平成20年度は2億4750万円のうち、これは大変厳しいのですが、回収額が約670万円でございました。回収率2.70%となってございます。これは、この性格上、居所不明とか、非常に難しい部分の性格をあらわしているかなと思っておりますけれども、引き続き努力をしております。
一方、もう一つの早期回収でやっております初期発生段階における債権回収の部分につきましては、北部病院を昨年度から、ことしの4月からは残りの中部病院、南部医療センター・こども医療センター、それから宮古病院、八重山病院という精和病院を除く病院で取り組んでおりまして、昨年度の北部病院の事例で実績で申し上げますと、回収額が約880万円増加して、これは現年度の回収率がほぼ90%ということで、率にすると4.3%ほどアップしたという効果が出ております。
○辻野ヒロ子委員 債権回収サービス業への委託というものもありますよ。それについてはいかがでしょうか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 委託している部分の業務が、長期の債権の部分と初期発生と2つあると申し上げましたので、この部分は県内にそれに該当する、これは法律的に債権の回収、これは取り立てではございませんで、納入の案内業務を中心にするという性格を帯びたものですが、法務大臣の許可を取った業者、これは県内には1つしかございません。その業者に委託をして、現在回収業務に資する形で取り組んでいるところでございます。
○辻野ヒロ子委員 この取り組みを強化して、かなり実績を上げているということですけれども、もし差し支えなければどういう内容でということを教えていただけますか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 それでは、重複するかもしれませんが、1つの例で、早期未収金の発生業務の部分で申し上げますと、これは回収を委託する業者と現場の未収金回収の担当がおります。病院のほうから未収金が発生しますと、発生したと確定したもう1カ月後、つまりもう直近でございます。発生すると、台帳整理で1カ月使いますから、もう一番最短の時間で業者と情報連携をしまして、早い段階から未収金の督促の業務、案内業務という形で取り組む部分でございます。これが先ほど申し上げましたように、北部病院でテスト的にスタートしましたところ、ほぼ90%近い回収まで高まったという実績が出たという報告をしたところでございます。
○辻野ヒロ子委員 今おっしゃっているように、各病院とも未収金の回収にかなり悩んでいらっしゃると思うんですけれども、未収金の発生は未然に防止することが大事ですので、そのほうに病院事業局長、院長の皆さんはぜひ力を入れていただきたいと思います。
それでは、次に経営改革会議を行っているということで沖縄県病院事業会計決算審査意見書にあったのですが、その件についてどういう方法で、どういうメンバーで、どのような形でまた生かされているのかということを教えてください。
○小川和美病院事業統括監 経営改革会議は平成18年度から設置しておりますが、メンバーは病院事業局長、各病院の院長、事務部長、看護部長、それに県立病院課のメンバーとなります。会議で取り上げる主な議題は、毎月毎月の病院の経営状況の報告と、それから課題、そして県立病院全体で取り組むべき課題があるのかないのかといったような検討であります。そういう経営改革会議の議論などを通して診療材料費の縮減プロジェクトであったり、あるいはDPCの分析といったような各種の経営改革のプロジェクトがスタートしております。
平成20年度までは、毎月1回を原則として開催をしておりましたが、今年度からは各病院における個別の会議を重視していくというような視点もありまして、2カ月に1回とかいうようなペース、全体で集まる会議はそのように少しペースダウンしておりますが、これは各病院での取り組みを強化することとセットでありますので、御理解いただきたいと思います。
○辻野ヒロ子委員 わかりました。そういうことで、ぜひまた各病院のほうでもしっかりとやっていただくということが大事だと思いますので頑張っていただきたいと思います。
次に、沖縄県病院事業会計決算審査意見書の9ページの施設の利用状況の中で、気づいた点をお尋ねしたいと思います。宮古病院と八重山病院の入院と外来の予定量、それの実績が逆になっているのです。八重山病院は入院のほうがふえて、宮古病院は逆です。それから外来はまた宮古病院のほうが多いということですが、朝からの答弁で民間の病院ができたというお話もあるのですが、それ以外に何か考えられますか、お2人の院長からお願いいたします。
○上原哲夫宮古病院副院長 確かに入院患者と外来患者は、各科は、例えばドクターがやめたりするとその分だけ、ことしは眼科がやめていますので、3000人ぐらいばっと減ってしまうのです。そういうものにも非常に左右されます。それから、全体的な傾向としては、年間を通しては少しずつ下がってはきています。それは1人の内科の先生が開業していくと、そこに患者が流れていくとか、そういうことも非常に影響していると思います。
○伊江朝次八重山病院長 八重山病院に関しては、外来が減ったということは、先ほど言いましたように昨年の2月から耳鼻科が休診になったということです。それから内科の人気のドクターがやめて開業したということです。こういったところが影響しております。それから入院に関しては、脳外科が昨年1月から再開されていますので、それがふえたということもかなりあるのではないかと思っております。
○辻野ヒロ子委員 わかりました。そのように変動もある中で、何か朝の質疑の中で公立病院改革ガイドラインの話もありましたが、宮古病院と八重山病院の病床利用率が70%を割っているわけですよ。それが気になるところですが、その辺についていかがでしょうか。
○上原哲夫宮古病院副院長 午前中にもありましたが、実際の数字が、この表面に出ているものは、病床稼働数というか、休床しているものも分母にして計算していますので65.1%になっていますが、実際に稼働しているものは305床ですので、それからすると八十三、四%とか超えています。そういう意味では年々ふえたり減ったりはしますが、月ごとはもう少し変動がありますが、大体その辺は維持しています。
○伊江朝次八重山病院長 八重山病院に関しては、今届け出が350床ですが、実際の稼働は296床です。それで1病棟をICUに転用しましたので、実際の稼働病床からいったら80%を超しているのだと思っております。
○辻野ヒロ子委員 わかりました。離島医療の厳しさの中で、続きますが、先日、八重山病院に最新鋭のCT装置の導入があったということでマスコミで報道されました。13年ぶりに新しい機械が入ったということで院長のコメントが載っておりました。このように医療行政、離島を隅々までしっかりとやっていただかないと、やはり離島の医療格差が厳しくなりますので、それは病院事業局長、離島医療行政についての所見を伺いたいのですが、よろしくお願いします。
○知念清病院事業局長 県立病院の医療機器等については、病院事業の経営状況を踏まえて対応してきたことから、新機器の導入及び現行機器の更新については必ずしも各病院の要望に十分にこたえる状況にはありませんでした。
今年度は、総額23億4000万円の医療機器整備を図ることとしており、これらの予算を執行することによって、当面各県立病院で必要な医療機器については、おおむね整備がなされるものと考えております。
○辻野ヒロ子委員 何か、病院事業局長、少し元気がないような気がしますが、医師、看護師の安定確保についても、離島のほうはかなり、もっと充実しなければ、たくさんの離島を抱えている中で、いろいろな面でハンディがあるんですよ。そういうことも含めて、病院事業局長にぜひ頑張っていただきたいと思います。特に、離島に勤務するドクターとか看護師への優遇措置というのでしょうか、そういうものはどうなっているのか、伺います。
○新屋勉県立病院課長 離島勤務者に対する給与上の優遇についてお答えします。離島等の病院や診療所に勤務する職員に対しては、特地勤務手当と準特地勤務手当を支給しております。特地勤務手当は、給料と扶養手当の合計額に、勤務地ごとに100分の8から100分の25の支給割合を乗じた額となっております。それから、準特地勤務手当は、特地勤務手当が支給される地域の病院、それから診療所の異動等に伴って住居を移転した職員に対して支給するものであります。異動の日から原則として3年間、給料と扶養手当の合計額に100分の5から100分の6の割合で乗じた額となっております。
八重山病院に勤務する職員の特地勤務手当の支給割合は100分の12となっております。1人当たりの平均支給月額は約3万9000円、準特地勤務手当の支給割合は100分の6となっておりまして、1人当たりの平均支給月額は約1万8000円となっております。
○辻野ヒロ子委員 そうですね、離島はかなり厳しい条件の中でみんな勤務していますので、だから離島に医者も、看護師もなかなか希望しないという強い皆さんの意見もありますので、その辺の優遇をもう少し考えていただきたいなと思うのです。
そういう中で、今金額を聞いたらそんなに大した金額ではないなと。そういうものこそ大事にしないといけないと思うのですが、病院事業局長どうですか。
○知念清病院事業局長 私も八重山病院には3年半ほど院長として赴任しておりました。それで離島医療の厳しさをよくわかっておるつもりです。医師の確保、看護師の確保、特に医師の確保については大変苦労いたしました。
ですから、どうしても離島というものはいろいろと不利な条件がありまして、なかなかとどまってくれないのです。ですから、働きやすい環境、あるいは給与面での優遇、その他地域の方のサポートが非常に必要とされると考えております。ですから、そういうことをいつも考えながら離島医療については考えていきたいと考えております。
○辻野ヒロ子委員 定数枠の条例の話も出ていますので、離島に勤務する皆さんの優遇措置もぜひ一緒に考えていただきたいと思います。
次に、宮古病院と八重山病院、私は地元ですから、少しひいき目で宮古病院と八重山病院のお話ばかりしておりますが、宮古病院が改築予定ですけれども、このごろなかなか新聞でも予算の問題が、見直しがあるような話も聞いていますが、本当に予定どおりいくのか、進状況を教えていただきたいと思います。
○知念清病院事業局長 議会でも答弁申し上げましたが、宮古病院の改築は順調に進しております。今のところ、予定どおり平成21年度から平成22年度にかけて基本設計と実施設計を終えて、平成22年度の下半期には工事に着工し、平成25年5月の開院を目標に作業を進めております。現在、基本設計業務プロポーザル審査委員会を開催しておりまして、基本設計の具体化に向けて取り組んでいるところでございます。
○辻野ヒロ子委員 国庫要請もしておられるようですので、予定どおり宮古病院改築のほうが進むように、予算確保にぜひ頑張っていただきたいと思います。
そして、その次は八重山病院なんですよ。耐震度の調査がされたかどうか確認したいのですが、よろしくお願いします。
○大城新光県立病院課整備企画監 八重山病院の耐震調査については、本年度予算の6月補正において1億3000万円を計上し、現在耐震診断を実施中であります。耐震工事については、現場調査を踏まえ、年度内に工事を行うことにしております。なお、耐震工事期間中は、可能な限り騒音対策や外来患者の安全について十分に配慮していきたいと考えております。
○辻野ヒロ子委員 ありがとうございました。今、新石垣空港も建設中ですので、その空港跡地に八重山病院をという市民の意見もあるのです。その辺も含めて、これから着々と進めなければいけないと思っておりますので、八重山病院の改築を、ぜひ宮古病院の後という答弁しかいただいていませんが、知念病院事業局長にもう少し踏み込んだ答弁をいただきたいのですが、お願いします。
○知念清病院事業局長 できるだけ早くというのが今のところの答えでございます。というのは、やはり宮古病院にまず着工して、完成するということが一番大事なことでありまして、その次には当然八重山病院ということになると思います。思いますではなくて、なります。かなり老朽化も進んでおりますので、そうしなければいけないと思っております。ただ、それがいつになるかについては、今のところまだはっきりとした具体的な計画は立てられておりません。
○辻野ヒロ子委員 今年度1億3000万円の予算を計上して耐震工事が始まるということですので、私も早くできるものだと、宮古病院の後には、またしっかりと八重山病院に目を向けてやっていただきたいと思います。八重山病院へ行きましたら、知事も6月ごろですか、八重山病院長、訪ねましたよね。現場を見て、本当にびっくりしておられました。職員が、院長初め保守修理をしているのです。もう雨漏りしたり、特に八重山地域は台風が多いものですから、そういうことで老朽化もかなり来ているのです。そういう意味では、早目に改築をしないといけないと思うのですが、伊江院長の意見も聞きたいのですが、もう10年も勤務していらっしゃるので、よろしくお願いします。
○伊江朝次八重山病院長 過去の建設された時期を見ますと、たしか宮古病院が昭和51年か、昭和52年だったと思いますが、八重山病院が今のところにできたのは昭和55年4月1日です。ですから三、四年後です。ですから、過去の事例からしたらそのぐらいになるのではないかとは思っておりますが、私は権限がないのでもうこれぐらいで終わっておきます。
○辻野ヒロ子委員 そのように遠慮していらっしゃいますが、かなり厳しい環境の中で院長初め頑張っておられることをまた認識していただきたいと思います。各病院の院長も含めて、本当に生の声を聞くことができて、きょうは大変よかったと思います。
そういう機会を決算特別委員会だけではなくて、地域には県議会議員がみんないますので、そういう県議会議員を、話し合う機会をもっと持っていただいてコミュニケーションをしていただければ病院の問題ももっともっと改善されるのではないかなという思いをしておりますので、どうか私たちも、県議会も頑張りますので皆さん頑張ってください。終わります。ありがとうございました。
○比嘉京子委員長 吉元義彦委員。
○吉元義彦委員 時間も大分経過していますから、出尽くしておりますから、できるだけ重複しないように短時間で終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、まず沖縄県病院事業会計決算審査意見書4ページの材料費について、薬品、診療材料の一括契約の実施ということで一定の成果が上がっているということで、特に後発医薬品の採用拡大等により経費が節減されたという報告を受けております。先ほども2億4000万円の計画に対して3億円余りの縮減ができたという報告をされておりました。そういうことで沖縄県病院事業会計決算書を見ると、特に材料費全体で91億2800万円ほどがあるわけです。
特に、医薬品については53億7809万2292円となっておりまして、その中で後発医薬品の採用があるわけです。その推進について、どのようにされているのかについてお聞かせ願いたいと思います。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 後発医薬品の採用につきましては、私どもでは、いわゆる材料費の縮減の観点からは大いに推進されるべきものということで、従来から強化をして取り組んでいるところでございます。これは節減のこともございますが、患者負担の軽減という観点ももちろんございますので、両方ですが、平成20年度は採用の品目数としては後発医薬品1150品目を採用してございます。これは、実は既に終わりましたが、第4次健全化計画で目標数値としてとらえていたものからしますと達成率111%で、1割以上は従来から目標として据えていた数値目標を超えて達成していることになるものでございます。
一方、節減の額がどのくらいかとなりますと、ただいま申し上げました県立6病院での延べ1150品目の採用が節減額でどのくらいかとなりますと、私どもの推計では、平成20年度、約5億5000万円の節減効果に相当するものと見込んでおります。
○吉元義彦委員 その件については、患者等のクレームなどについてもあるのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○大久保和明南部医療センター・こども医療センター院長 患者のほうからのクレームというものはほとんどございません。かえるときに、それを使っていた医師から、これがなくなったらどうのこうのという話が少し出ることはありますが、これはお互いに十分話し合って、かえたらどうなるか、かえないほうがよいのか、そういうことを検討した上で、かえられるものはかえる。それから安全性とか、周囲というか、日本じゅうで後発品が十分使われて安全性が確認されているかどうかということも加味してかえております。
○吉元義彦委員 そういうことでありましたら、今後大きく推進していくようなことを考えていく、取り組んでいくということで考えていくのか、その点について。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 ただいま御説明申し上げましたような効果が大きいところがございますので、引き続きさらに強化をして取り組んでいく考えでございます。
○吉元義彦委員 わかりました。では、そのようにぜひ取り組んでいただきたいと思います。
それから沖縄県病院事業会計決算審査意見書5ページの、きょう朝から産婦人科あるいは内科の医者の問題等を含めて議論されている医師不足の問題についてお聞かせ願いたいと思います。特に、県立北部病院の件について、ヤンバルの女性ネットワークのほうで10月16日にこの話し合いがされている記事が載っているわけであります。
その中で、特に医師が長期間働ける環境づくりというのですか、労働条件が不十分とか、そういう働きやすい柔軟な環境を整えるために県立の枠にとらわれないというふうな意見が出ているというふうなことも出されているわけです。この件について、この記事を知念病院事業局長は読まれたのかどうか、お聞かせ願います。
○知念清病院事業局長 いいえ、読んでおりません。
○吉元義彦委員 大城院長にお尋ねしたいと思います。
○大城清県立北部病院長 私のほうにも届いていませんし、読んでいません。
○吉元義彦委員 そういう記事が載っておりまして、ぜひ沖縄本島北部地域の市町村もそういう共同出資をして、病院運営の裁量を広く持てるような体制づくりを提案されているというふうな記事が載っているわけです。
沖縄本島北部地域については、今ドクターヘリの問題等も含めて、基金を造成して、NPO法人がいろいろ立ち上げられて、医療の充実、あるいはそういうことに今一生懸命取り組んでいるわけです。そういうさなかで、私はこの御意見に対していかがなものかなと思うわけですが、知念病院事業局長そういうことが事実であれば、どういう御意見か、御所見をお願いいたします。
○知念清病院事業局長 やはり、私たちは県立病院、地域の中核病院としての役割を果たしていきたいと考えておりまして、そのためには今まで県立病院が、今回、県立病院のあり方基本構想の作成の中で非常に取り上げられてちゃんと評価をしてもらった、そして県立病院というものはどうしても必要なのだ、地域の医療を守るために必要だというふうな評価をいただけたことに対して私たちは非常に喜んでいるところです。
ただ、県立病院は、もちろん経営改善に一生懸命取り組んでおりますし、取り組まねばなりませんが、同時に地域の方が県立病院の役割というものをちゃんと理解して評価していただいて、そして協力する、地域も経営とか医療の内容に理解を示して必要な提言をする、あるいは必要ならば協力もするというふうな感じで取り組んでいく、また私たちは入り込んでいくということをしなければいけないと思います。
ですから、今、地域連携会議というものをことしから立ち上げてやっておりますが、各医療圏を回って歩いて、開かれた県立病院ということで、地域の医師会、福祉保健所、地域の母親の会とか、あるいはその他希望する団体、そういう方々、親の会、子供の会とかそういうことも含めて地域の人を広く巻き込んだそういう会を持つことによって、協働して連携した意識づくりをしたいなと。こういうことも一つのそういう形の中で考えていってもよいのかなとは思います。考えていかれてもよいのではないかと思います。今見せていただきました。
○吉元義彦委員 これは、ぜひ産婦人科医と内科医の問題については、病院事業局長、早目に採用というか募集をかけていただいて、この北部地域の住民のために体制を整えていただいて、地域住民の安心安全の地域医療を守っていただくように、切実なこの思いを酌み取っていただけるように頑張っていただきたいと思います。この思いから、こういう意見が出たのかなというふうなことも思うのですが、ぜひ地域12市町村長とも連携をして、この問題についてはしっかりと早目に対応できるようにお願いしたいと、改めてお願いを申し上げたいと思っております。
次に、沖縄県病院事業会計決算審査意見書8ページのほうをお願いいたします。病院別当初予定量と実績の比較がここに示されております。特に北部病院をごらんになっていただきたいと思いますが、北部病院の予定量、それから実績があります。入院、それから外来、合計とお示しされておりますが、北部病院、入院のほうの予定量で10万6941人、実績のほうで10万639人、増減でマイナスの6302人となっておりまして、外来のほうで予定量が13万4444人、実績で13万2952人、マイナスの1492人となっているわけです。そういうことで、合計で増減マイナス7794人となっております。
そういう数字ということは、先ほど来ありましたとおり患者が産婦人科とか、内科とか休止状態、あるいはそういうことの影響がここにあらわれてきているのかなと。あるいは、また沖縄県病院事業会計決算審査意見書9ページに示されている施設の利用状況の数字にもそういうことが出てきているのか、あるいは健康になったというふうな見方なのか、そのあたりについてこの数字のとらえ方についてお伺いいたします。
○大城清県立北部病院長 内科の入院とか外来の数に関して言えば、やはり医師の退職の影響もありますし、あるいは耳鼻科の患者も減っているはずです。それから、これはうちの病院だけの話ではないのですが、救急病院はもう一つありますが、両方とも減っています。これをどう考えるかだと思うのですが、やはり受診抑制に動いているのではないかという気がします。人手が足りないことは事実だと思いますが、そっちもあるのだろうと思っています。
それからベッドの利用率に関して言えば、救急の病床が外来扱いになっていること、救急で一時入院として認められていたベッドが実際にはもう外来になっています。
それからもう一つは、整形外科の人数が減ったということもあります。
○吉元義彦委員 わかりました。そういうことで沖縄本島北部地域、ヤンバルは面積的にも広大なところを占めております。また、台風や大雨のときにも交通が遮断される場合もあります。そういうときに大変な不安を感じている国頭地域の方々もいらっしゃいます。先ほどもありましたが、橋がかかって、今県立北部病院を拠点として頼っている地域住民もいらっしゃいますが、まだまだ数としての地理的条件もいろいろあります。そういう方々のためにも、きょういらっしゃっている院長を中心として、頼っている住民のためにも、皆さん方が頼りでありますので、地域住民のためにぜひ一生懸命頑張っていただくようにお願いを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○比嘉京子委員長 照屋守之委員。
○照屋守之委員 院長の先生方、御出席をいただき大変ありがとうございます。日ごろから県民の医療の提供と、既にもう御案内のとおり非常に厳しい経営の改善、そのために県立病院事業局と院長の先生方、あるいは職員の皆様方が奮闘をされておりますことに改めて敬意を表します。照屋守之です、よろしくお願いします。病院事業局からは、少しこいつは悪者だというふうなイメージを聞いていると思いますけれども、決してそうではございませんから。私は、少しこういう経営にはうるさい人間です。実は20代から会社を経営して、体は小さいのですが、長いこと社長をやっておりました。ですから、民間の経営の厳しさ、そういうことも含めて、どういう形で経営をしていって社会のためにやっていくかというふうなことをやってきましたので、県議会議員になって、この病院経営については、ある意味では非常に厳しい部分も含めて提言をさせていただいております。
同時に、これは向こう平成21年から平成22年、平成23年の3カ年間の経営改善で、もう御案内のとおり県立病院のあり方検討部会が、これはもう独立行政法人化しかないというふうなことで提言をしました。我々は自由民主党で、与党ですが、知事に対して、とにかくこの3カ年間、病院事業局を中心に、院長を中心に、とにかく再建の道をつくるということで頑張っているから、その支援をしてくれないかというお願いを強くやりました。
ですから、これは病院事業局も、院長の先生方、もちろん職員もそうですが、我々県議会も全会派挙げて、とにかく何とか3カ年間でそのような再建の道筋をつくっていただいて、引き続き県立として県民の医療を担ってもらうような、そういう仕組みづくりをぜひお願い申し上げます。
まず、そのような観点から幾つか質疑を通して確認をさせていただきます。病院事業局長、この経営は、ここに既に決算の内容が、医業収益とか費用とかあります。この決算書のトータルの今の金額と、当初の年度の計画があります。その計画、それとこの結果について、予想どおりなのか、あるいはこのような部分がこうなっているというようなものがあれば御案内をお願いできますか。ほぼ予定どおりなのか、どの辺がどう違うのか、数字的なものも含めてです。当初計画とこの決算のです。
○知念清病院事業局長 それでは、お答えします。平成20年度当初予算と比較して患者数が減少しているものは、入院患者延べ数が69万8953人と当初計画の72万7807人に比べ2万8854人下回ったことによります。その主な原因ですが、まず一番大きいものが看護師不足による休床が中部病院、南部医療センター・こども医療センター、両方でございます、52床、59床です。
それから、医師の退職や開業、中部病院の内科、耳鼻科、宮古病院の内科は退職や開業によって患者が減ったと。それから、いつも申し上げておりますが、民間病院も充実してきたということから、患者が予想よりも減少したと考えております。
○照屋守之委員 この沖縄県病院事業会計決算書3ページの数字を見ると、減価償却費も含めた医業収益と費用、その医業損失、これは43億900万円余ですか。この数字は、減価償却費も入っての数字ですが、例えば当初でどのぐらい見積もって、結果としてこの数字がどうなのかというふうな観点からはいかがですか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 それでは、いわゆる当初計画の中の医業費用という観点だと思いますが、それと決算時の状況がどのように変わるかという観点で御説明をしたいと思います。平成20年度の決算における医業費用が出ておりますが、421億2502万円余です。当初予算における419億7470万円余と比べると、約1億5000万円ほど上回っているという状況になっております。
なぜかということになるわけですが、その主な要因は血液製剤等の、いわゆる高額の薬品を必要とする患者がふえるという状況がございました。これは例年と比べて特異的な特徴ですが、そのことから薬品費が、この場合5億3800万円ほど増加したということで、その辺が押し上げたところとなっております。
○照屋守之委員 これは4月からスタートしていくと、1年間12カ月で経営をしていくわけですが、この毎月の月次の決算はやっておりますか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 4月スタート、つまり予算がスタートするわけですので、年間を見通したということで、いわゆる年間計画を作成していくものでございます。その部分の月次決算というものは、いわゆる進をどうするかというお話だと思いますが、これは進管理の部分では、各県立病院の、いわゆる経営幹部による会議は管理者会議とか、経営対策会議がございますが、そういうところでやってございます。今御質疑の月次決算という形では、実際実施はしておりませんが、それに相当するものとしては、試算表の作成という観点、ほぼ同等な仕組みをつくって、その中で毎月の実績管理に当たっておりまして、申し上げましたように各病院で経営幹部による管理、それから先ほど出てまいりましたが、経営改革会議によりまして、病院事業局も含めた実績の管理、この2通りのルートを使って経営管理、御質疑の月次決算に相当するような形の取り組みをしているところでございます。
○照屋守之委員 ぜひ、その中間の締めというか、1カ月、2カ月、そこで医業収益がどうなっている、経費がどうなっているというふうなものはしっかりやって、そこでまた売り上げが少ないのか、あるいは経費が多過ぎるのかというふうなものをきちっとやりながら1年間通してやっていくという経営です。
同時に、今平成21年度がスタートしておりますが、その経営計画の立て方はどのようにやっているのですか。例えば、これは平成20年度の決算が出ました。その前にもう平成21年度はスタートしているわけではないですか。だから、その数字的な積み上げというか、計画のつくり方ですよ。どのようにやっていますか。
○桃原幹雄県立病院課経営企画監 4月スタートするとなると予算になりますが、議員御案内のとおり予算編成はその前の年の11月ごろから実際にスタートいたします。ですから、その翌年度を見越して、例えばことしですと11月ごろまでの患者の動向などを踏まえて、来年1年はどのような動きになるだろうかというふうな見通しを立てることになります。そういう形で次年度の計画を立てることになります。それを翌年4月から経営計画という形で、これは数値目標を織り込んだ形で予算執行の計画、経営計画という形で立てておりまして、その進管理を、先ほど申し上げましたとおり、いろいろな形をとりながら管理をしているものですが、主には試算表です。
それは、例えば毎月の状況で損益がどのようになっているかが一つ、それからことし新たにやったことでいいますと、8月の末にサマーレビューという形で、半年を通した経営の損益の状況を、全員体制で確認した場を新たに設けましたが、そのような形で議員が御質疑の、今ありましたように、前年度から引き続き立ててきた経営の計画について、計画どおり進しているかについて、複数の観点からチェックしているところでございます。
○照屋守之委員 ぜひ、計画の立て方は、やはりこれだけ厳しい、それで経営も改善をしていく、院長も、職員も含めてそういう取り組みをしていくというふうなことからすると、逆に最終的な利益をどうしていくか、そこを出して、そのぐらいの目標をつくって、そこの経費はどうなっていく、そのための売り上げをどうしていく、どうつくっていくかというふうなことで、それをそれぞれの院長とも共有しながら、職員にはそれぞれの部署にそういう目標をおろしていく。だから収入をどうするかではなくて、最終的にどのぐらい残していくかというふうな形の経営のありようというのですか。同時に、これは単年度ではなくて3年計画なり、やはりそのような積み上げのもとに経営をしていくという方法、そういうものは既に考えているかと思いますが、いかがでしょうか。
○小川和美病院事業統括監 委員御指摘のように、この1年間を通して、決算のときにどういう達成すべき目標を設定するかは非常に大事だと思います。病院事業局は、平成21年度から平成23年度までの経営再建計画において、平成23年度までには経常収支の黒字化を達成するという目標を持っています。それを達成するために、平成21年度はどうあるべきかということですが、平成21年度の県立病院全体を通した目標は、どの病院でも現金ベースで黒字を計上するということを最低ラインの目標として、今予算をつくって執行しているところであります。次年度についてはさらに一歩進めた目標を設定したいと思います。
○照屋守之委員 ですから、ぜひ3年計画、5年計画というふうな形で進んでいく。そして、今は平成23年度までの経営再建について集中的に取り組んでいるでしょう。だから、それに取り組んで、それを終わった後はどうするかという問題です。だから、これは要するに将来にわたって、この3カ年間、これまでの経営を改めながら、県民の医療をさらに充実発展させていくために県立病院としてどうあるべきかということなんです。
だから、これはその3カ年間で、先ほど病院事業局長からありましたように、いろいろな経営的なアドバイザーを入れるとか、そのようなスタッフを入れて強化していくということですから、ぜひこの3年間という区切りということではなくて、将来にわたる1通過点というふうな位置づけでさらにそういう取り組みをお願いいたします。
7対1看護体制は、平成22年度からスタートすることになっているのですか。
○知念清病院事業局長 今の計画では、平成22年4月からスタートするつもりで計画を進めております。
○照屋守之委員 この7対1看護体制によって、先ほどからいろいろ職員の負担が重いとかそのようなテーマがあるようですが、その職員の負担の軽減と、さらには売り上げ的なものも含めた収益の内容も含めた試算はお持ちですか。
○知念清病院事業局長 持っております。
○照屋守之委員 病院事業局長、紹介してください、お願いします。
○幸地東県立病院課副参事 現在、試算で持っているものは一応何種類かありますが、この間、議会で御説明させていただきましたものについては、とりあえず先ほども病院事業局長からも申し上げましたが、今、試験実施を予定しております南部医療センター・こども医療センターについては、とりあえず新しく採用する職員が多くなりますので、その辺のところでやると5100万円程度の黒字、収益増を見込んでおります。
一方で、実際に今後やるに当たっては、さらに詳細な数字を出していかないといけないということで、これについては南部医療センター・こども医療センターと中部病院とで共同の、共通のやり方で試算するということでやっております。南部医療センター・こども医療センターについては、看護師の増になる数がそれほど多くなく見込まれていて、これは現在、先ほどあった59床を閉めているという前提でもう一回計算をしております。その際には、現在の5000万円よりもさらに大きな形で収益が増になると見込んでおります。
○照屋守之委員 そうなりますと、当然この医業収益という部分では増収になっていくということが前提ですね、いかがですか。
○幸地東県立病院課副参事 今回、南部医療センター・こども医療センターを試験実施でやるということでありましたのは、経営の再建と両立する7対1看護体制をとりあえず実施しなければいけないという大前提でやっております。ですから、お話にあったように、少なくとも医業収益を圧迫することはない、できるだけ増をふやす形での7対1看護体制を実施する方向で病院現場とも調整を行っております。
○照屋守之委員 院長から、ぜひこのような形で病院事業局も、病院当局とも連携しながら、いろいろな世の中の仕組みがどんどん変わっていく、薬価の基準も変わったりとか、診療報酬とか、いろいろな改善をしていく。それは病院事業局でしっかり情報収集しながら、病院当局ともいろいろ連携して取り組みをしていって、ぜひ皆様のお力で、この県立病院のまま県民医療が継続できるように、我々も積極的に支援しますから。私が非常に厳しく言っているのは、やはりこれまで公務員の方々がそういう形で経営をしてきた。これはすばらしい医療を提供してきているのですね。ですから、今度はその能力、ノウハウを今度は経営改善をしながら、さらに自分たちがつくってきたそのプライドを、今度は経営の部分も加算して、より以上に県立病院として充実発展できるような、そういう仕組みをぜひつくってもらいたいという思いが非常に強くあって、経営については厳しい部分も指摘をさせていただいておりますが、なかなか厳しい状況の中で一筋縄では経営はいかないと思いますが、院長を中心に、それぞれの職員も含めて、協力体制をつくっていただいて、ぜひ病院事業をさらに発展させていただきますようにお願いします。以上で終わります。
○比嘉京子委員長 以上で、病院事業局長に対する質疑を終結いたします。
説明員の皆様、御苦労さまでした。御退席ください。
次回は、明 10月21日 水曜日 午前10時から委員会を開きます。
本日の委員会は、これをもって散会いたします。
午後5時13分散会