陳情文書表

受理番号第76号 付託委員会米軍基地関係特別委員会
受理年月日令和7年5月12日 付託年月日令和7年6月17日
件名 常態化する米軍パラシュート降下訓練に関する陳情
提出者嘉手納町議会 議長
石嶺 邦雄
要旨


 令和7年4月21日、基地周辺自治体及び議会が再三にわたり中止を求める中、米軍はまたしても、嘉手納飛行場においてパラシュ一ト降下訓練を強行した。令和5年12月から数えて、今回で12回目となる。訓練は午後3時30分頃から同6時30分頃までの間に3回、7名ずつ、計21名の降下が確認された。
 パラシュート降下訓練について、嘉手納飛行場は居住地に極めて近接し、操縦ミスや突風にあおられ居住地に着陸または部品等が落下すれば重大な事故につながる。同飛行場での訓練は断じて容認できない。
 同訓練は、伊江島補助飛行場で実施することが日米特別行動委員会(SACO)最終報告で合意されている。日本政府は「不定期」、「小規模」、「緊急の必要性」、「滑走路の不具合の継続」の4要素が例外の理由に当たるとの認識を示し追認しているが、今回はHH60救難ヘリコプターが使用された。ヘリであれば滑走路は不要であり「滑走路の不具合の継続」の条件は該当しない。伊江島補助飛行場が使用可能な状況での嘉手納飛行場の使用は日米特別行動委員会(SACO)合意違反であり、なし崩し的運用が懸念される。また、令和5年12月以降12回のパラシュート降下訓練が実施され、降下兵員総数は268名を超え小規模とは言えず、かつ常態化している。
 嘉手納基地においては常駐機・外来機が入り混じり、早朝から轟音を立てながら断続的に離発着、飛行訓練が繰り返され、パパループ地区では昼夜を問わずエンジン調整や訓練が行われている。また、使用しないとしている旧海軍駐機場への機体の進入、ヘリ格納庫建設や防錆整備格納庫建設計画、さらに無人偵察機の配備、来春予定されるF15EXの常駐配備計画など、際限なき基地負担の増加が懸念されており、このような状況下で実施される嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練は日米安全保障協議委員会の共同発表で確認された「嘉手納基地における負担軽減」に逆行している。
 ついては、常態化する嘉手納基地での米軍パラシュート降下訓練に対し厳重に抗議するとともに、下記事項につき配慮してもらいたい。
                  

1 嘉手納基地における米軍パラシュート降下訓練を全面禁止すること。
2 平成19年に日米合同委員会で合意された「例外的措置」を撤廃すること。
3 米軍パラシュート降下訓練は伊江島補助飛行場滑走路改修が完了するまでの間、県外・国外で実施すること。