要旨
令和7年3月、県教育委員会が退職手当の算定を誤り、2014、15、17年度に退職した県立学校の実習助手4人に対し、それぞれ100万から130万円少なく支給していたにもかかわらず、時効を理由に過少分を支払わないことが分かった。
今回の退職金過少支給は調整額の算定を誤ったもので、本人が誤りに気づくことは困難である。県教育委員会による過失により生じた本人の落ち度によらない損害に対し、時効を理由に対応しないとの不当な待遇は信義則に反し、該当者のみの問題にとどまらない大きな問題である。
民法第724条によると不法行為による損害賠償の請求権は「損害加害者を知った時から3年」「行為の時から20年」は行使できるとされ、また、宮城県で起きた退職金過少支給については、2021年、過少支給が過失により職員の退職手当に関する適用を誤ったことが違法であり、国賠法上の損害賠償義務を認めている。判決では、国賠法上の損害賠償義務が認められれば、損害遅延金、弁護士費用も合わせて請求できるとされている。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 該当者へ本来支給すべき額を支払うこと。
2 ミスの経緯を説明し、今後同じことが起きない体制づくりについて納得のいく説明を行うこと。 |