陳情文書表

受理番号第75号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和7年5月8日 付託年月日令和7年6月17日
件名 中部地区医療提供体制協議会に関する陳情
提出者一般社団法人 中部地区医師会
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要旨


 中部圏域の医療体制、とりわけ初期救急から三次救急まで全ての救急患者を受け入れる急性期病院については、定数超過入院が頻発し病床増床への対応が必要である。
 中部地区医療提供体制協議会において中部圏域必要病床数について言及があったが、第1回協議会では593床と示されており、議事概要でも今回提示した病床数は基準病床数であり、国が示している計算式にのっとり算出しているとある。しかし、第2回協議会では突如として105床との数字が示され、大幅な変更を示すに至った過程は公表されなかった。なお、105床とする根拠として令和4年度の病床稼働率、1日平均患者数が挙げられているが、令和4年度はいまだ新型コロナが感染症2類相当とされ、人々が感染予防のため受診控えをしていた時期であり、平時とは一概に言えず、病床稼働率及び1日平均患者数を根拠とするのであれば、人流が平時だった新型コロナ流行前、平時に戻った新型コロナ5類移行後のデータを根拠とすべきである。また、同協議会では、琉球大学病院の移転により、現在の中部圏域の基準病床数は4658床、既存病床数は4506床であるとされているが、琉球大学病院は特定機能病院であり、本来は基本病床数に含まない病床である。さらに、回復期機能の不足による転院調整難航、看護師不足等が急性期病床の病床切迫を招いているため、回復期病床の増床を想定しているとあるが、一部アンケート回答からの引用で根拠として弱く、現に、中部圏域としては病床整備について「必要だ」とのアンケート回答が51.7%となり、「ある程度必要だが慎重にすべき」の44.8%を上回っている。
 今後の中部圏域の必要病床数については、地区医師協議会で出た意見を踏まえ、整理しつつ今後の病床数を検討していくとのことだが、定数超過入院が頻発し切迫した状況でも救急医療が崩壊せずにあるのは、現場の医療従事者の献身と不断の努力にほかならない。
 ついては、アンケートや病床機能報告といった数字やデータだけではなく、救急医療を抱える急性期病院の現場の声が反映されることを強く求めるとともに、中部地区医療提供体制協議会においては、中部圏域の急性期病院3病院はもちろん、急性期・回復期・慢性期の意見をあまねく聞き取り、参加者も交えた議論を進めるよう配慮してもらいたい。