陳情文書表

受理番号第53号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和6年4月3日 付託年月日令和6年6月28日
件名 不適切な指導の予防及び防止マニュアルの策定に関する陳情
提出者********
要旨

 令和5年9月、沖縄市内の小学校において、担任による複数の児童への不適切な指導が理由で児童が不登校となったこと等から、同校の保護者6名の要望で同年11月に保護者会が開催されたが、市教育委員会の参加はなかった。保護者会では、クラス全員の前での担任による児童らへの感情的な叱責、児童へのクラス全体への謝罪の強制、児童からの質問等の無視、特定の児童やその家族の悪口、児童の机を広場に出すという行為が行われた旨の報告があったが、このような報告を学校と市教育委員会がどのように共有し、誰がどのようにしかるべき調査を行い、再発防止策を行うのか明確でなく、児童のケア・再発防止に取り組む具体的な体制が確立されていないことが分かった。
 令和3年、県立高校の生徒が部活動の顧問の厳しい指導によって自ら命を絶つ「指導死」が問題となった。今回、同小学校でも、教職員の不適切とも言える指導が原因で児童が不登校になっており、ただ教職員を処罰するだけでは抜本的な再発防止にはならない。教育現場に求められることは、教員による不適切な指導に関する調査・対応・対策について、欠けている部分をマニュアル等で補うことである。マニュアル等により、不適切な指導が行われた際の組織対応、その予防策を整備することで、児童、生徒への指導における教職員と保護者間のトラブルを未然に防ぐことができる。また、指導する側の教職員にとっても自己の指導を見直し、児童生徒とよりよい関係を築き、安全で安心な職場環境を整備することにつながる。
 マニュアルの策定に当たっては、①不適切指導の定義、②保護者等への説明等に使用される文言の意味や定義を明確にし共通認識の下で情報共有することを目的とした、学校現場で使用される文言の定義、③不適切指導の調査方法として、形式化した聞き取り票による児童への聞き取り及び保護者・担任・その他職員への事実確認と情報共有、④不適切指導が起こったときの対応と対策、⑤児童へのケアを内容として取り入れる必要がある。
 ついては、県内の事例の検証、これまでの対応の見直しを行い、不適切な指導に適正かつ厳正に対応するよう、効果的な再発防止策を包括したマニュアル等の迅速な策定に配慮してもらいたい。