要旨
令和6年度の沖縄県の入域観光客数はコロナ前の水準まで回復し、令和7年度も引き続き堅調に推移すると思われる。一方、本県のレンタカー業界は、令和7年3月末現在、レンタカー車両台数5万6658台で前年の5万1070台を上回り過去最高を更新し、事業者数も2186社で前年の1885社から約300社増加している。
レンタカー事業は参入障壁が低く新規参入が活性化しており、零細・小規模事業・外国国籍者を中心に急増が著しく、無店舗型の事業者の増加により空港構内道路、空港周辺道路及び公園駐車場等、あらゆる場所で法令違反のレンタカー貸出行為が行われており、円滑な交通が妨げられ、交通事故発生の危険が高まり、地域住民とのトラブルも発生するなど深刻な問題が生じている。
ついては、沖縄観光の健全な発展及び光客と地域住民双方にとって快適な環境の維持のため、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 レンタカー事業の急速な拡大に伴い、一部の事業者による不適切な運営が問題となっている。交通安全の確保や利用者の保護に課題が生じていることから、事業者の運営能力・車両の安全基準・保険加入状況など適正な事業者のみが参入できるよう、許可基準の厳格化と適切な規制措置を講じるための条例を制定すること。
2 本県において散見される一部事業者による空港構内、空港周辺道路及び空港周辺駐車場における貸出し・返却等の営業行為、外国国籍の事業者による外国客に対する違法な手段でのレンタカーの貸出し・返却行為によって円滑な交通が妨げられ事故発生の危険が高まっており、空港構内の混雑という弊害のほか、違反事業者によるサービスの質の低下、トラブル発生時の粗悪な対応等も懸念され、沖縄観光の風評被害へとつながる深刻なリスクをはらんでいる。このような違反事業に対する効果的な規制措置を講じるための条例を制定すること。
3 本県のレンタカー事業者数が2000社以上に増加した現状に対して、事業者への法令遵守に関する取締りの強化と対応について協議するため、県文化観光スポーツ部、県警察本部、沖縄県レンタカー協会の関係機関による協議の場を速やかに設置すること。
4 那覇空港における高架道路延伸工事が令和7年6月に暫定供用開始され、それに合わせて1階レンタカー送迎バス乗り場を令和8年4月に国際線まで延伸することになっていたが、予定よりも1階整備工事が遅れており、完成まで数年かかるとも言われている。那覇空港レンタカー送迎バス乗り場について、早期に整備が完了するよう関係機関に要請すること。 |