陳情文書表

受理番号第115号 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和6年7月9日 付託年月日令和6年7月17日
件名 和牛繁殖農家支援に関する陳情
提出者*****
要旨

 新型コロナウイルスの流行に始まり、ウクライナ戦争、円安による物価高騰、肥育農家の経費削減による子牛導入の競り価格の下落により、和牛繁殖農家はここ数年経営悪化が続いている状況にある。このため離農する農家もあり、また生活費や赤字を補うため、アルバイトをする農家も増えているのが現状である。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 経営基盤を立て直すため、コロナ禍により赤字が拡大し始めて農家の損益分岐点を下回った過去25か月前に遡って、子牛1頭当たり30万円程度の金額を出荷頭数分支給すること。
2 競り価格が落ち着くまでの間、全子牛を競りにて売却した際の赤字分について完全な補償を行うこと。
3 配合飼料の助成金継続と粗飼料の助成金を行うこと。
4 畜産経営技術指標について、現場の実態に合った内容へ早期に見直しを行うこと。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

1及び2
国では、肉用子牛の価格安定対策として、「肉用子牛生産者補給金制度」に加え、令和4年度から臨時措置として、子牛価格下落時における支援の拡充を実施しております。
さらに、本県では全国に比べ雌子牛の価格下落幅が大きいことから、令和5年度から、県独自の支援策として、県内の雌子牛平均価格が保証基準価格を下回った場合、その差額の9割を補填する「沖縄県和牛子牛生産者緊急支援事業」を実施しております。
国及び県の子牛価格安定制度において設定された保証基準価格については、肉用子牛の再生産を確保するため生産費等を勘案し設定されております。
なお、肉用子牛価格の下落が続いていることから、令和7年度当初予算においても継続的な支援に係る予算を措置しております。
また、令和6年8月に、肉用子牛価格の下落に対する支援の強化について、関係団体とともに、国へ要請を行ったところであります。
令和6年10月には、島しょ県である本県の畜産業支援について、国へ要望を行ったところであります。
国は、令和7年度に緊急特別対策として、肉用子牛のブロック別平均価格が発動基準を下回った場合、沖縄県全域を含む離島地域に従来の奨励金に上乗せする形で奨励金を交付するなど、離島地域に対する支援を強化しております。
県としましては、今後も国に対して要望するとともに、引き続き、国の支援制度や本県独自の支援策を活用し、畜産農家の経営安定に取り組んでまいります。
3 県では、畜産農家の経営安定を図るため、配合飼料購入費の一部補助を令和4年度より実施しており、令和7年度当初予算においても、継続的な支援に係る予算を措置しております。
また、令和6年8月に、配合飼料価格安定制度の見直しと予算確保について、関係団体とともに、国へ要請を行ったところであります。
令和6年10月には、島しょ県である本県の畜産業支援について、国へ要望を行ったところであり、今後も国に対して要望してまいります。
粗飼料については、「畜産担い手育成総合整備事業」による草地基盤整備、「畜産クラスター事業」による機械導入、飼料作物奨励品種の育成・普及等を実施し、自給粗飼料の生産拡大を推進しているところであります。
4 県は、畜産農家の経営の安定化と発展に寄与することを目的に「沖縄県畜産経営技術指標」を策定し、畜産農家の経営改善等に活用しております。
そのため、本指標は地域や経営体の実情に沿った子牛平均価格や飼料費等を用いた活用が可能となっております。
県としましては、本指標を用いて、現場の実情に則した経営支援に取り組んでまいります。