要旨
米軍は嘉手納基地内で、令和2年7月9日午後3時50分頃から8時頃にかけて、5回にわたり延べ21人の兵士によるパラシュート降下訓練を強行した。同訓練は、平成8年の沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告において伊江島補助飛行場での実施が合意されているにもかかわらず、合意以降の嘉手納基地での同訓練は14回を数え、昨年は過去最高の年4回も実施されるなど常態化しつつある。米軍は、嘉手納基地での実施理由について「伊江島が予想される悪天候により、パラシュート降下訓練に必要な救助ボートが使用できない状況であったことから、嘉手納で実施する必要があった」と説明し、また、訓練の翌日、防衛相は記者会見で「今回のパラシュート降下訓練は例外に当たる」との認識を示した。しかし、今回の事情がなぜ例外に当たるのか、判断基準などの詳細な説明もない中での訓練強行は到底容認できない。今後も例外的措置を盾に訓練が常態化すれば、平成18年の米軍再編ロードマップで合意された嘉手納飛行場の負担軽減に逆行し、基地機能強化につながることは明白である。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 嘉手納基地において米軍パラシュート降下訓練を実施しないこと。
2 日米合同委員会において確認された「パラシュート降下訓練の例外的措置」の判断基準を明らかにし、速やかに公表すること。 |