要旨
令和7年5月3日に行われたシンポジウムで、自民党の西田昌司参議院議員はひめゆりの塔の展示をめぐり「歴史の書換えだ」と発言し、具体的な説明もなく自身の印象で述べた。ひめゆり平和祈念資料館の展示は元学徒の証言を丁寧に聞き取り、次世代に沖縄戦の教訓をつなぐ内容となっている。さらに西田氏は歴史教育も「沖縄の場合には地上戦の解釈を含めて、かなりむちゃくちゃな教育がされている」等と発言している。沖縄の戦後教育については体験者の証言を基に研究を重ね築いたものであり、これまでの平和教育を根拠なく否定することは政治家としてあまりに無責任で、体験者の思いを踏みにじるもので強い憤りを感じる。
沖縄戦の実相は、日本軍が本土決戦を遅らせるため、時間稼ぎの「戦略持久戦」を続け、本土防衛のための「捨て石」にされたことである。住民を巻き込んだ凄惨な地上戦で20万余、県民4人に1人の命が奪われた沖縄戦の実相をゆがめ、戦没者や戦争体験者を冒瀆し、県民を愚弄する発言は許されない。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 県議会として「沖縄の教育のされ方」に対する発言への抗議及び撤回と誠意ある謝罪を西田氏へ求めること。
2 一連の経緯及び沖縄戦を検証し、復帰50年を経過してもなお沖縄が抱える基地問題の解決に真摯に取り組むこと。 |