陳情文書表

受理番号第114号 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和6年7月9日 付託年月日令和6年7月17日
件名 和牛繁殖農家支援に関する陳情
提出者*****
要旨

 昨今の子牛価格の低迷により畜産経営の維持が困難になっている。国、県は既に様々な支援を行っているが、相場の下落が長期にわたっていることから運転資金の確保、牛の更新、購買者の減少など様々な課題が畜産農家に課せられている。
 そのため、運転資金の確保のための新たな資金創設や既住借入金の利息助成(元金については金融機関が条件変更により対応)、優良繁殖雌牛更新加速化事業に伴う補助の拡充(保留のための運転資金確保)、購買者増加を目的とした子牛・成牛輸送補助の拡充など、新たな支援策の創設及び拡充を講じてほしい。また、「石垣牛」等県内のブランド牛を県外、国外に出荷した際の輸送料の補助は、沖縄県産和牛の消費を拡大させ、県内の子牛購買の活性化につながることから、肥育繁殖両面において有効な手段であると考える。
 ついては、沖縄県の農業の根幹である肉用牛事業が今後も経営を維持することができるよう、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 経営維持に必要な運転資金の確保のため、新たな資金の創設及び利子助成を行うこと。
2 肉用牛繁殖・肥育農家が現在借入れをしている資金の利子に対して利子助成を行うこと。
3 配合飼料、肥料等畜産資材の離島格差緩和のため、輸送賃を補助すること。
4 優良繁殖雌牛更新加速化事業の補助金を拡大すること。
5 子牛出荷の輸送単価及び補助対象を拡充すること(国負担分に県、市町村等で上乗せ。成牛については、更新事業に伴う屠畜頭数の急激な増加を軟化させる目的。)。
6 特産物出荷の輸送代を補助すること(生肉等の県外への海上輸送賃)。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

1 県では、畜産農家等の資金調達の円滑化及び負担軽減を図るため、農協等民間金融機関が行う融資への利子補給を行っており、返済期間の延長を含めた償還猶予等に対応できるよう取り組んでおります。
また、令和6年9月に、県内金融機関へ返済期間延長等の配慮を求める文書を発出し、意見交換を行っております。
県としましては、生産者や関係機関等と連携し繁殖牛農家の経営安定に努めてまいります。
2 陳情令和6年第87号のうち、記3に同じ。
3 県では、令和6年度から国が実施する「優良繁殖雌牛更新加速化事業」において、更新される優良繁殖雌牛に対し、県が上乗せ補助を行う「優良県産ブランド和子牛生産支援事業」に取り組んでおり、令和7年度当初予算においても継続的な支援に係る予算を措置しております。
県としましては、引き続き、生産者や市町村、関係団体と連携し、繁殖牛農家の経営安定に向け、取り組んでまいります。
4 県では、離島における肉用子牛の生産振興を図るため、国の「肉用牛経営安定対策補完事業」を活用し、沖縄県畜産振興公社において、家畜市場を持たない離島の生産者が島外の家畜市場に子牛を出荷する際の輸送費に対し、補助を行っております。
各離島から家畜市場までの輸送費補助単価については、毎年度価格調査を行い、見直しを行っております。
また、令和6年8月に、「肉用牛経営安定対策補完事業」の拡充および必要な予算確保について、関係団体とともに、国へ要請を行ったところであります。
令和6年10月には、島しょ県である本県の畜産業支援について、国へ要望を行ったところであります。
国は、令和7年度に離島へ購買者を誘致する取組として、従来の輸送費補助に加え、購買者の市場手数料を補助するなど、「肉用牛経営安定対策補完事業」を拡充しております。
県としましては、今後も国に対して要望するとともに、引き続き生産者や関係機関と連携し、繁殖牛農家の経営安定に努めてまいります。
5 県では、県産農林水産物に係る県外産地との競争条件の不利性を改善し、持続可能な物流ネットワークを構築するために農林水産物条件不利性解消事業を実施しております。
本事業において、生肉等の畜産物を含む県産農林水産物の県外への出荷に対する輸送費の補助を行っております。
また、北部・離島地域振興対策として、市町村が選定する県産農林水産物及び一次加工品に対する離島から本島及び県外への出荷コストの負担軽減について支援しております。