要旨
令和7年度から実施予定の「おきなわ農林水産物県外出荷促進事業」は、沖縄県内の農林水産業の振興を目指した重要な施策であることは十分に認識しているが、現状の制度案には幾つかの課題がある。
第1に、事業案が自治体及び農家・出荷者に示されるまで、十分な準備期間が与えられなかった点である。既に販売価格が決定・公開されている中、突然の事業変更により価格調整や計画修正を行う時間がないのは明白であり、農家に不必要な混乱と負担を強いるだけである。移行期間や猶予期間を設け、農家が持続可能な形で新事業に適応できる環境を整備することが急務である。
次に、補助対象をBtоB(卸市場など)のみに限定し、PtоC(生産者から消費者への直接取引)など、現状の多様な販売モデルを無視する形で支援対象を狭めることは、農家にとって著しく不公平である。補助対象を柔軟に見直すよう強く求める。
さらに、農家との意見交換の場を設けないまま、制度案が進められたことは極めて問題である。県として農家や関係者との対話を早急に進め、現場のニーズを的確に反映させた柔軟な制度設計を行うべきである。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 事業内容変更に伴う移行期間や猶予期間を設け、農家が混乱なく適応できる体制を整えること。
2 補助対象をBtоBに限定せず、PtоCなど多様な販売形態を支援対象に加えること。
3 農家や関係者との意見交換の場を設け、現場の実情を踏まえた柔軟な施策設計を行うこと。 |