陳情文書表

受理番号第44号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和2年4月13日 付託年月日令和2年6月30日
件名 新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の強化に関する陳情
提出者石垣市議会議長
平良 秀之
要旨


 令和2年4月9日現在、八重山地区では新型コロナウイルスの感染者は確認されていないが、空港を介して人の出入りが途切れず、高度医療体制や重症者の搬送体制がいまだ確立されていない中で市民は不安を感じながら生活している。県立八重山病院は対応可能な病床は3床しかなく、感染者が発生した場合、島内の医療は直ちに限界に達することが予想される。医療機関が統合的に運用され、医療資源を最大限有効に生かし、感染拡大を防ぐ努力が必要であり、島内での医療崩壊を招かない体制を早急に整えるため、県と石垣市はそれぞれ連携を密にすることが重要である。
 さらに感染者が急増した場合、病床が不足する事態に備え、軽症者の療養についてはホテルや宿泊施設等を補償した上で借り上げ、重篤者、軽症者、無症状者との分離対応の体制も一刻も早く構築しなければならない。
 ついては、石垣市は感染者が出るのは時間の問題とも言われており、極めて重大な局面を迎えていることを踏まえ、感染拡大の阻止に向け、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 県立八重山病院をはじめ、島内の主要医療機関に対し感染拡大時の医療対応と協力体制の構築についてどのような計画をしているのか迅速な情報の開示を行うこと。
2 八重山圏域から沖縄本島へ搬送された重症者の治療を行う場合の受入体制を明確にすること。
3 石垣市でもPCR検査を実施可能にすること。
4 医療従事者が不足しないよう対策を講じること。
5 遠隔地へのオンライン診療の導入支援と保険の適用。
6 保育園及び学童は一定期間、閉園または受入れ規模を縮小するなど、柔軟な対応が取れるようにすること。
7 今年度から県立病院で施行されている分娩費値上げの実施を延期すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
1及び2について
病床の確保につきましては、病床・宿泊療養施設確保計画を策定し、厚生労働省がとりまとめの上公表しております。計画においては、病床については最大425床、宿泊施設については340室を、うち八重山圏域においては、病床については最大21床、宿泊施設については50室を確保することとしており、病床については医療機関と調整済み、宿泊施設については借り上げ済みとなっております。
八重山圏域を含む離島から沖縄本島への患者搬送については、沖縄県新型コロナウイルス感染症対策本部医療コーディネートチームと本島内医療機関との受入体制を整備しております。
3について
県立八重山病院においてPCR検査機器及び抗原検査キットが導入されたことにより、6月からは島内でも検査が完結できる体制が整備されたところであります。
7月31日に、かりゆし病院の協力を得て石垣市にPCR検体採取センターを設置致しました。さらに、4か所の検査協力医療機関を設置し、検査体制の拡充を図りました。
4について
県では、令和2年5月補正予算において、新型コロナウィルス感染症に対応するため緊急的に必要となる医療従事者の派遣に要する経費を確保しております。当該感染症の状況により、当該経費を活用して対応していきたいと考えております。
5について
県では、令和2年6月補正予算において、オンライン診療に関する予算を計上しており、今年度オンライン診療を導入する病院や診療所等を支援していきたいと考えております。
また、オンライン診療については、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえて、令和2年4月10日付け厚生労働省保険局医療課事務連絡により、臨時的・特例的な措置として、初診から診療報酬の算定が可能となっております。
6について
国の通知によると、保育所及び放課後児童クラブについては、保護者が働いており、家に子どものみでいることができない年齢の子どもが利用するものであることから、原則として、市町村は適切な感染防止対策を講じた上で、保育所等を開所することとされております。
ただし、保育所等の園児又は職員が罹患した場合や、地域で感染拡大の可能性がある場合には、感染予防のため、市町村の判断で、臨時休園や登園自粛による保育等の提供を縮小することも可能となっております。
なお、臨時休園や登園自粛を行う場合においても、医療従事者を含め、社会生活の維持に必要なサービスに従事するなど、仕事を休むことが困難な保護者の子どもへの必要な保育等の提供を検討いただくこととなっております。
県としましては、市町村が感染状況など、地域の実情に応じた保育等の提供ができるよう、引き続き支援してまいります。
7について
県立病院において妊婦が出産する場合、実際の分べんに要する費用は、妊婦が支払う分べん介助料の額を上回っていることから、令和元年12月27日付けで分べん介助料の条例改正を行いました。
改定後の分べん介助料は、他の医療機関との均衡を図りつつ、県立病院で出産した妊婦が負担する総額が、保険者から支給される出産育児一時金の額、42万円の範囲内となることを基本として設定しております。
また、分べん介助料の額の改定に当たっても、経済的負担の増加を緩和するため、令和2年4月1日から14万3千円、令和3年4月1日から16万円と、段階的な額の改定となるよう措置したところであります。