要旨
近年、農林水産省による流通に伴う環境負荷低減策として、商品発送から荷下ろしまでパレットに積んだまま輸送するパレチゼーション方式による物資輸送が展開されている。しかし、本土で梱包された物資がそのままパレットと共に竹富町の島々に届き、その結果、パレットだけが港にたまり、本町はパレットの処分にこれまで高額な予算を費やしてきた。令和4年4月1日に施行された竹富町パレット条例に合わせ、町内の7つの港湾に山積みされているパレットを1000万円余りの費用をかけて町内から一掃した。さらに、船会社3社に色分けした本町指定パレットを配り、本町に入る物資は石垣港で本町指定パレットに積み替えて搬入し、使用済みのパレットは色分けされたヤードに保管し船会社が持ち帰るというシステムを構築したが、条例施行から1年もたたないうちに指定以外のパレットがたまる状態となっている。本町の調査によると、石垣港においてもパレットを置くところがなく処分に困り、本土からのパレットを本町の港湾にそのまま搬入し、置き去りにしていることが分かった。この状況は日本最南端の本町の島々がパレットの終着地と化し、永遠にその処理に高額な費用を費やすこととなることから、一自治体では解決できない問題である。
ついては、日本最南端の島々に物流パレットをためない新たな物流システムを構築するよう配慮してもらいたい。 |