陳情文書表

受理番号第116号 付託委員会土木環境委員会
受理年月日令和7年6月10日 付託年月日令和7年6月17日
件名 沖縄県動物の愛護及び管理に関する条例の運用改善を求める陳情
提出者にゃごねっと・やんばる
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要旨


 令和7年7月から施行される「沖縄県動物の愛護及び管理に関する条例」について、昨年から担当部局である自然保護課に北部の現状を詳しい資料と共に提出し、より現実に即した運用を求めてきたが何らの返答もなく、北部三村における動物を取り巻く環境は悪化するばかりである。
 餌やりの適正指導については、条例において餌やりのマナーを周知するのは大事であるが、基本である動物愛護法の遵守に沿った広報をすべきであり、餌だけを与えて過剰繁殖や病気の蔓延など、目も当てられない惨状に対し適切な飼育指導と予算の確保は必須である。
 TNRについては、どうぶつ基金による無料チケットの申請のハードルが高過ぎて、ますます外猫が増える実態がある。行政の役割は、単にチケットを配布し、捕獲器を貸し出し、基金への報告書を提出するだけではない。市民のニーズに合うサービス(親切な受付、捕獲器の扱い、メンテナンス、捕獲ヘルプなど)が求められる。個人ボランティアに依存して地域の外猫の現状も把握しない、せっぱ詰まった散発的なTNRでは、条例にうたう「人と動物が共生する社会の実現」にはたどり着かない。行政管轄単位の地域に沿ったTNRプランを作成し、住民と協力してTNR作業を進め、地域における人と動物との生活環境の改善を目指すべきである。
 適正飼育の推進については、県が室内飼いの推進を進めるなら、県市町村の公営住宅での動物飼育を可能とする取組が必須である。
 地域猫については、認定基準のハードルが高く、現状沖縄県では2か所のみで、現在認定されている該当地域での具体的な課題も含めて、もっと県民に対して啓蒙、周知活動が必要である。また、積極的に地域における猫保護活動への支援を行うべきである。
 多頭飼育防止については、届出の頭数を10匹とした根拠が多頭飼育を防ぐ目的というなら、その背景として過剰繁殖を防止する具体的な施策があってこそである。飼育頭数の論理で罰則だけ示す条例は愛護法の主旨にそぐわない。
 愛護センターについては、相談者は市町村の機関や愛護センターに相談しても、放置しておきなさい、子猫は殺処分と言われ困り果て、個人ボランティアへの持込みが急増している。せめて北部地域に一時預かりシェルターを設置してほしい。また、愛護センターは専門的機関と考えており、相談者に寄り添い、懇切丁寧な指導支援を行うべきである。
 沖縄県動物愛護管理センターは、動物に対する管理の側面ばかりが目立ち、条例の目的(第1条)の中に書かれている動物愛護に関する意識高揚や動物の虐待及び遺棄の防止という、本来の「人と動物が共生する社会」の基礎となる愛護精神が欠如しているように思われる。
 ついては、条例の目指す共生社会の真の実現のために、下記事項につき配慮してもらいたい。
                  

1 適正飼育の啓蒙を行うこと。
2 不妊手術への費用を助成すること。
3 TNRや保護活動で状況改善に努力するボランティアへの支援を行うこと。
4 北部地域で緊急を要する猫の一時預かりシェルターを設置すること。
5 沖縄県動物愛護管理センターの運用を改善すること。