要旨
このたび、美ぎ島美しゃ市町村会は、宮古・八重山圏域における喫緊の課題や財政的に解決が困難な課題等を取りまとめた。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 与那覇前浜海岸の浸食対策について
宮古島を代表する観光地である与那覇前浜は、近年台風時の高波や強風等の影響から海岸線の浸食が急激に進んでおり、砂浜は年々減少している。進行し続ける海岸浸食に対し早期に保全対策を取らなければ、本県の重要な観光資源である美しい砂浜の景観と安全性が損なわれるおそれがある。
ついては、県において実施した海岸浸食の原因究明に関する調査の結果を踏まえ、浸食を防止する保全工事等の対策を早急に講じること。
2 狩猟者研修センター(射撃場)の建設費について
石垣市における有害鳥獣による農作物被害は年々深刻になっていることから、農家に対し自衛手段として狩猟免許の新規取得を推奨しているが、県内には狩猟者の実技や研修施設となる射撃場が整備されておらず、狩猟者の育成が遅れている。
ついては、石垣市において整備予定の狩猟者研修センター(射撃場)にかかる建設費の助成や政策的助言を行うこと。
3 農林水産物条件不利性解消事業(北部・離島振興対策)について
当該事業は、平成24年度から令和3年度に県の事業として実施されていたが、令和4年度に新設された農林水産物条件不利性解消事業北部・離島地域振興対策分においては、市町村が窓口となって事業が実施されている。その中で、円滑な事業実施に向けた取組として、事業開始まで一定期間の猶予、不定期による集計などの事務作業に対する個別支援があった。
ついては、引き続き関係市町村による協議会での事業改善に向けた意見交換の実施や課題の洗い出し、離島市町村への定期的な事務作業の応援、各書類の確認作業、沖縄本島に所在する指定物流事業者の個別指導など、市町村での事務作業の負担軽減に向けた取組を検討すること。
4 外貨両替機能強化について
石垣港は国際クルーズ船の入国・出国の港であるが、民間事業者の設置する外貨両替機が2台のみで、銀行窓口での対応や外貨両替所などはなく、外貨両替対応が課題となっている。クルーズ船乗客の市内滞在時間は限られており、両替にかかる時間的ロスは観光経済にとって大きな損失である。また、石垣港離島ターミナルから八重山各島へ渡航しても、現地ではクレジットカードを利用できる店舗、事業者が少なく、依然として外貨両替が必要とされている。
ついては、金融機関等の県内で外貨両替事業を展開している事業者に対する離島地域への展開・拡充の働きかけなど、外貨両替機能強化について必要な支援を行うこと。
5 離島の農水産物輸送の不利性に対する永続的な支援について
離島での経済活動においては、輸送コストが長年課題とされている。これは地理的な要因によるものであるため、離島で生活する上で避けることのできない問題である。第一次産業は特に輸送コストの影響を受けてしまうため、今後も継続した支援が必要である。
ついては、令和8年度に終了が予定されている離島地域への輸送コスト支援を、同年度以降も継続して行うこと。
6 畜産業経営支援について
現在、飼料価格高騰、化学肥料高騰に加え、子牛競り価格の低迷が継続するなど、畜産業を取り巻く状況は悪化する一方であり、経営苦に伴う廃業等の現状を改善するための施策が求められている。
ついては、飼料及び化学肥料購入時の補助並びに低迷が続く牛の競り価格補助給付について、包括的な支援を行うこと。
7 ふる里海浜公園前海岸の護岸整備について
水納島、石垣島を見渡すことができる、ふる里海浜公園は、多良間村の海水浴場として、また夕日と海の織りなす絶景が人気のスポットとなっている。しかし、令和5年に来襲した台風6号の影響により、砂の移動が激しく見られ、ふる里海浜公園前海岸に浸食が生じているばかりか、背後地にある保安林への被害が進行しており、このまま浸食が進めば隣接する村道の崩壊も懸念される。
ついては、浸食に歯止めをかける護岸工事を早急に実施し、海浜に渡るための階段(スロープ)を整備すること。
8 海岸浸食の復元整備について
令和5年に来襲した台風6号によって、多良間島の西側から北西部にかけての海岸で砂の移動が激しく、背後地にある保安林や村道へも浸食の被害が進行している。
ついては、海岸浸食対策として、流出した砂を復元する等、必要な整備を早急に行うこと。 |