要旨
最近の宮古島においてはコロナ禍以前の活況を取り戻しつつあり、令和5年度の宮古空港の乗降客数は対前年度比22万7323人(15%)増の175万3780人とコロナ禍前の水準に回復している。このため、現在の宮古空港の施設や設備では対応に苦慮する状況があり、今後増加が予想される旅客及び貨物に対応するため、さらなる空港機能の充実が求められている。
ついては、宮古圏域の旅客の受入れ体制拡充や経済振興の観点から、宮古空港の機能強化に向け下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 エプロンの拡張、駐機スポットの拡張について
エプロンが狭隘であるため、中型機の駐機中、隣接スポットの航空機が移動
しづらい。航空機の安全性向上のため、エプロンを拡張すること。
また、運航が過密化していく中で、本土直行便に使用される中型機が駐機可
能なスポットが5番スポットのみであるため、中型機が同時に2機以上スポッ
トで駐機できないことによる旅行需要獲得の機会損失が生じている。加えて、
中型機が5番スポットに駐機できない場合、ターミナルビルから約50メートル
離れた予備スポットに駐機せざるを得ず、乗降客は騒音や天候の影響もある屋
外移動を余儀なくされることになり、安全性・利便性の面で問題がある。さら
なる旅行需要の獲得と乗降客の安全性・利便性向上のため、現在の6番スポッ
トを拡張し、中型機が駐機できるようにすること。
2 平行誘導路の設置について
平行誘導路がないことから、航空機着陸時は滑走路の端からUターンをして
エプロンに進入するため、滑走路の占有時間が長くなり、空港の運用に影響を
与えている。170万人を超える旅客がいる空港で誘導路がないのは宮古空港の
みである。今後の航空需要の増大を見据え、平行誘導路を設置すること。
3 貨物地区等の配置見直しについて
宮古圏域の経済の発展に伴い、到着貨物及び宮古島産農水産物の出荷が年々
増大している。現在の貨物量をさばくにはかなり手狭になっており、貨物上屋
を拡張する必要があるが、現在の貨物上屋の敷地では拡張できないため、GS
E置場の再配置も含め、貨物地区の配置を見直すこと。
また、到着便がふくそうする時間帯においては、接車帯はレンタカー車両等
の乗り降りで混雑し、二重駐車が発生するなど、事故が起こる可能性が高い危
険な状態が続いている。一般駐車場内(あずまや・フナイマーク)の配置を見
直し、レンタカー会社専用の接車帯を整備すること。
4 スマートレーン設置への財政的支援について
旅客数の回復に伴い、保安検査場の混雑が顕著になっている。便がふくそう
する時間帯においては、日常的に30分から50分待ちの状況が発生しており、利
用者に多大な不便を強いている。また、昨今の検査員不足により人員確保も難
しい状況だが、検査員の不足は保安検査の質を低下させるリスクがあり、空港
の安全性にも影響を及ぼす可能性がある。スマートレーン等の最新機器導入に
より保安検査処理能力は約1.5倍に向上し、保安検査場の混雑解消と保安検査
員の省人化、省力化が見込まれることから、スマートレーンの導入に必要な財
政的支援を行うこと。 |