陳情文書表

受理番号第202号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和3年9月14日 付託年月日令和3年9月28日
件名 体罰根絶のための文科省通知の周知及び実践徹底に関する陳情
提出者*****
要旨


 私の長男は、令和元年に那覇市内の小学校に6年生として在籍していた際に、担任から足を蹴られたり、暴言を吐かれる等の行為を受け、登校拒否が始まった。同年9月、私は、長男が登校拒否の理由や状況を説明している声をレコーダーに記録し、小学校へ赴き当時の校長に聞かせた。校長はこれは体罰であると答えたので、しっかりした指導を求めた。しかしその後も十分に登校できずに卒業し、中学入学後も十分に登校できない状況が続いている。私は、当時の状況を再確認するため、令和3年3月に市教育委員会へ指導状況の情報公開を求めたが、校長からそのような報告はなく一切の事実は把握していないとの回答があった。
 学校教育法第11条は体罰禁止を規定し、文科省通知24文科初第1269号(平成25年3月13日付)は、校長は体罰を把握した場合、直ちに教育委員会へ報告することが必要であるとうたっている。また、文科省通知25文科初第574号(平成25年8月9日付)はこれまでの体罰の実態把握や報告が不徹底だったのではないかと重く受け止めているとしている。
 今回の件において、こうした文科省通知が周知されているにも関わらず、この通知には一切記載のない校長の裁量で教育委員会への報告が行われなかったことは、体罰根絶に逆行する行為である。また、当時、当該校長は沖縄県小学校校長会副会長の要職にありながら文科省通知で求められている行為を履行しなかった。これは県民の学校行政への信用を大きく失墜させる行為である。私は、県教育委員会から、体罰かどうかの判断は各学校長が教育委員会へ報告することが大前提だとの回答を得ており、体罰根絶には文科省通知の履行が求められる。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 沖縄県小中学校各校長会において、教育基本法第11条、文科省通知「24文科初第1269号」及び「25文科初第574号」を周知し実践すること。
2 沖縄県各小中学校教諭に対して、教育基本法第11条、文科省通知「24文科初第1269号」及び「25文科初第574号」を周知し実践すること。
3 市町村及び県から独立した児童生徒の体罰に関する声を聞く第三者機関を設置すること。
4 学校長が上記文科省通知を履行しない場合の罰則について、条例等の改正などによる見直し・強化をすること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者教育委員会
報告内容

1及び2
 「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」(平成25年3月13日付け24文科初第1269号)及び「体罰根絶に向けた取組の徹底について(通知)」(平成25年8月9日付け25文科初第574号)は、体罰の禁止の徹底を求めるものとなっており、それぞれ、県教育委員会から各市町村教育委員会へ通知しております。
 上記通知においては、学校の管理職に対し、教員が体罰等を行った場合に、管理職等へ直ちに報告や相談を行う環境を整備することや、体罰等の報告・相談があった場合、直ちに関係する児童生徒や教員等から状況を聴取し、その結果を教育委員会へ報告することを求めております。
 県教育委員会では、これまで、管理職研修等において、体罰に限らず教職員の非違行為の発生時には、事案の大小に関わらず、教育委員会へ報告するよう求めておりますが、同通知の趣旨が徹底されるよう、服務監督者である各市町村教育委員会に対し、引き続き周知して参ります。

3 各学校においては、生徒に対して、定期的なアンケート調査を実施し、いじめや悩みなどの早期発見・早期対応を図っております。
 また、児童生徒等からの悩みや相談を広く受け止めることができるよう、学校以外の相談機関として「親子電話相談」や「24時間子供SOSダイヤル」を設置しております。
 県教育委員会としましては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置するなど、教育相談体制の充実に努めて参ります。 

4 管理職の管理監督責任については、沖縄県教育委員会懲戒処分の指針に基づき適切に対応して参ります。