要旨
令和7年1月28日、基地周辺自治体及び議会が再三にわたり中止を求める中、米軍は嘉手納基地でまたもやパラシュート降下訓練を強行した。令和5年12月から数えて、今回で11回目となる。訓練は午後3時50分頃から同6時20分頃までの間に7回、計37組のパラシュート、人員については2人1組での降下が確認され、38人以上の兵士が降下した。
同基地は居住地に極めて近接し、操縦ミスや突風にあおられ居住地に着陸または部品等が落下すれば重大な事故につながる。しかも今回は1組のパラシュートで2人の兵士の降下が確認されており、回数を重ねるにつれて訓練はより危険度を増している。同基地でのパラシュート降下訓練は断じて容認できない。
そもそも同訓練は、伊江島補助飛行場で実施することが日米特別行動委員会(SACO)最終報告で合意されている。日本政府は「不定期」「小規模」「緊急の必要性」「滑走路の不具合の継続」の4要素が例外の理由に当たるとの認識を示し追認している。しかし、令和5年12月以降14か月間に11回のパラシュート降下訓練が実施され、降下兵員総数は247人を超え小規模とは言えず、かつ常態化している。同基地では台風避難を理由に飛来したB52爆撃機が居座り常駐化したように、なし崩し的運用による新たな基地負担に付近住民の不安、疑念、怒りが渦巻いている。同基地においては常駐機・外来機が入り交じり、早朝から轟音を立て断続的に離発着、飛行訓練が繰り返され、パパループ地区では昼夜を問わずエンジン調整や訓練が行われるなど、周辺住民は長年にわたり騒音被害など過重な基地負担を強いられている。このような状況下で実施されたパラシュート降下訓練は、日米安全保障協議委員会の共同発表で確認された「嘉手納基地における負担軽減」にも逆行しており、我慢に我慢を重ねてきた町民の怒りは頂点に達している。
ついては、町民の生命、財産、安全及び平穏な生活を守るため、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 嘉手納基地における米軍パラシュート降下訓練を全面禁止すること。
2 平成19年に日米合同委員会で合意された「例外的措置」を撤廃すること。
3 米軍パラシュート降下訓練は伊江島補助飛行場滑走路改修が完了するまでの間、県外・国外で実施すること。 |