陳情文書表

受理番号第115号 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和2年7月7日 付託年月日令和2年7月13日
件名 沖縄県独自の生物多様性種子条例(仮称)の制定に関する陳情
提出者沖縄の食と農を守る連絡協議会
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要旨


 「主要農産物種子法」(以下「種子法」という。)は、基本理念として米、麦、大豆などの主要5品目農産物の良質な種子の開発や種子を安定的に生産・普及させることを国及び各都道府県に対して義務付ける法律であった。しかし、2018年4月に種子法が廃止され、様々な農産物種子の開発や生産普及のための人材育成や公共種子の知見維持が脅かされ、沖縄県の特色ある地域農業や独自の食文化の持続的な発展が困難な状況になりつつある。例えば「農業競争力支援法」では、各都道府県の保有する種子に関する知見は民間企業に提供することが明記され、地域のあらゆる種子やその情報データ、新品種開発に必要な原種・原原種まで含めたあらゆる種苗についての知的財産を提供することとなる。さらに「種苗法」の改正案は種苗の自家増殖を許諾制にし、農家に許諾料の負担を求めるものであり、沖縄県の場合もサトウキビやカンショ、シークヮーサーなどの自家増殖が該当すると言われ、地域の農業者の負担が増える。地域資源である「多様な公共種子」は、規制改革の名の下に民間企業に移行されようとしているが、命をつなぐ種子の存続には公共性を残さなければならない。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 沖縄県独自の生物多様性種子条例の制定を検討すること。
2 調査研究や農業者も含めた幅広い分野から成る有識者会議を設置すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
 主要農作物種子法は、国・都道府県が主導して、主要農作物である稲・麦・大豆の優良な種子の生産・普及を進めるため、「優良な品種の決定」や「種子の生産・供給」などを都道府県に義務づけたものですが、平成30年4月1日を持って廃止されております。
 そのため、県では、「沖縄県主要農作物種子生産取扱基本要綱」などを定め、主要農作物の優良な種子生産体制を維持しているところであります。
 また、令和2年12月2日には、国の「改正種苗法」が成立しております。
 県においては、令和2年9月に設置した「沖縄県農産物等種子安定供給対策ワーキングチーム会議」において、「改正種苗法」の内容の精査や主要農作物等の品質の確保と安定生産の推進について、条例化した先進道県の事例調査等に取り組んでおります。
 県としましては、引き続き、市町村や関係団体等から意見聴取を行い、年内の条例制定に向け取り組んでまいります。