要旨
化学物質過敏症は、ごく微量の化学物質に反応して体調不良を起こす疾病であり、発症のきっかけ、症状及びその度合いは個人差が大きいことが特徴である。化学物質過敏症が悪化すると、学校へ行くことも働くことも困難になる。肉体的苦痛はもちろんのこと、周囲の無理解による精神的苦痛、生活が破壊されていく恐怖、経済的な困窮、将来に対する不安感などは、筆舌に尽くし難い。
2015年に発表された疫学調査によると、化学物質過敏症の有病率は成人の7.5%に上り、子供の発症者も増えている。しかし、この病について知る医療従事者は少なく、社会的認知度も低い。化学物質過敏症の診断書を書ける医師は国内に数名しかおらず、不適切な処置により体調を悪化させている人が多いことが懸念されている。化学物質過敏症を発症させない、悪化させないために、社会的対策を講ずる必要がある。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 県のホームページに化学物質過敏症の情報を掲載すること。ポスター・チラシを作成し、県内の保健所、役所及び公立病院に掲載・配布すること。
2 県内の全ての公立学校の養護教諭向けに、化学物質過敏症の勉強会を開催すること。
3 県内の全ての公立学校において毎年4月に行われる健康診断の際に、教員及び保護者向けに化学物質過敏症の説明文書を配布すること。
4 県内の全ての公立学校において毎年4月に行われる健康診断の問診票に、化学物質過敏症に関する質問事項を追加すること。
5 県内の全ての公立病院において、化学物質過敏症の診断書を発行できるようにすること。 |