要旨
沖縄観光については、令和6年の実績が約966万人、対前年比142万6100人増(17.3%増)と過去3番目の実績と発表され、国内旅行客を中心に回復基調にある。今後もインバウンド需要の回復等により、さらに入域者数の拡大が期待されている一方、県内のホテル業界では、新規ホテル開発による競争の激化や継続的な人材確保の課題など、いまだ厳しい状況が続いている。
観光産業における課題解決に向けた取組として、現在愛知県が先行導入しているラーケーションの日については、一定の効果が上がっているとの報告があるとともに、この動きが今後全国的に広がることが見込まれている。この制度の導入には、次のメリットがある。
1つ目に、観光産業や地域経済の活性化として、平日の休暇を促進することで観光産業における週末型の繁忙期の平準化を図ることができるとともに、オフシーズンの観光需要喚起や地域住民の雇用の機会創出、県域交流の拡大による県経済の活性化につながる。
2つ目に、子どもの主体的な学びの促進として、沖縄独自の歴史や伝統文化(紅型、三線、エイサーなど)の学び直しや自然環境を活用した地域ならではの体験型学習など、教室では得られないリアルな経験や知識を得る機会の創出を図ることができる。
3つ目に、家族と過ごす時間の確保・外出機会の創出として、観光産業など第3次産業の就業割合が高く、祝休日に働いている人が多い沖縄県において、児童生徒の平日の休暇取得を推奨することで、家族と過ごす時間の確保や外出の機会を増やすことができる。
4つ目に、働き方改革の推進として、有給休暇の取得率を向上させることで、労働生産性の向上、健康とウエルビーイングの改善、労働者の満足度の向上などが期待され、県民の幸福度アップにつながる。
ついては、本県の観光施策の一つとして沖縄版ラーケーションの日制度の導入を推進するよう配慮してもらいたい。 |