陳情文書表

受理番号第184号 付託委員会土木環境委員会
受理年月日令和6年10月1日 付託年月日令和6年10月8日
件名 奄美大島からの石材調達に伴う特定外来生物の侵入に関する陳情
提出者沖縄平和市民連絡会
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要旨

 本年4月、防衛局が辺野古新基地建設に係る埋立「土砂」を奄美大島から調達すると報道された。その後、防衛局は鹿児島県や奄美大島の4市町村を訪問し、奄美大島の採石場や搬出港で特定外来生物の生存状況の現地調査を行うと説明し、9月中旬に奄美大島の現地調査に入った。報道では「土砂」調達とされていたが、最近になって防衛局は「奄美大島から調達するのは「石材」であって、「土砂」ではない」と言い始め、7月の市民団体との意見交換の場でも奄美大島から調達する「土砂」の問題について話し合っており、今になって「土砂」ではなく「石材」というのは納得できない。防衛局は「岩ズリ」を「石材」と称している可能性がある。防衛局が既に奄美大島で現地側査を行った今、県として早急な対応が必要である。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 今回、防衛局が奄美大島に特定外来生物の調査を行ったのは、「土砂(岩ズリ)」調達のためか、「石材」調達のためか、防衛局に文書による明確な説明を求めること。また「石材」を調達するというのであれば、その目的、搬入量、搬入期間等を明らかにさせること。
2 辺野古新基地建設に使用する石材を奄美大島から調達するというのであれば、埋立承認の際の留意事項に基づき、環境保全図書の変更に係る知事の承認を得る手続を取らせること。
3 公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例(以下「土砂条例」という。)に基づく埋立用材搬入届出書は、環境保全図書の変更に係る知事の承認を得るまで受理しないこと。
4 早急に届出書の審査、現地立入調査を厳密に実施するために、環境部の職員を大幅に増員し、特定外来生物に詳しい専門委員の委嘱等、万全の準備態勢で進めること。
5 奄美大島からの埋立用材調達が確実になったことを受け、鹿児島県や奄美大島の4市町村を訪問し、特定外来生物に関する情報提供や、県の今後の立入調査への協力等を要請すること。
6 特定外来生物の混入は採石場よりも搬出港で起こる可能性が高いとされていることから、県への搬入前後にかかわらず、鹿児島県や地元市町村の協力を得て、搬出港への徹底的な立入調査を繰り返し実施すること。
7 那覇空港滑走路増設事業において奄美大島から石材を調達する際、内閣府沖縄総合事務局が提出した届出書では「これまで採石場や搬出港で特定外来生物は確認されていない」としていたが、県が現地立入調査を実施したところ、採石場、搬出港の全てで特定外来生物が確認された。本年9月、沖縄防衛局が実施した認査結果にかかわらず、奄美大島には特定外来生物が広く分布しているという前提で対応すること。
8 防衛局は、辺野古新基地建設に際し、宮城島から石材調達のために事前の環境調査を始めるとうるま市に伝えたという。設計概要変更承認申請書に添付された「埋立てに用いる土砂等の採取場所及び採取量を記載した図書」では、宮城島は土砂(岩ズリ)調達可能地とされていた場所である。防衛局は、「岩ズリ」を「石材」と称している疑いが拭えないため、宮城島から調達しようとしているのは「土砂(岩ズリ)」か、「石材」かを防衛局に確認すること。