陳情文書表

受理番号第87号 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和6年7月3日 付託年月日令和6年7月17日
件名 畜産農家の経営維持・継続を保障することを求める陳情
提出者竹富町議会議長
大久 研一
要旨

 長引く子牛価格の下落と低迷の中、昨今のウクライナ情勢による原油や飼料・肥料、あらゆる資材の価格高騰を受け、融資返済を抱える畜産農家はかつてない経営危機に直面している。
 日本最南端の竹富町は国境の町で、第1次産業・第3次産業を主流とし成り立っている。日本の国境離島で優良子牛生産を維持し、人が住み生活することで国土は守られ、国の防衛にもつながる。その畜産農家の経営維持のためには、緊急かつさらなる支援が必要である。
 ついては、国、県において、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 飼料・肥料等の価格高騰に対する特別対策を緊急に実施すること。
2 短期喫緊の対策として、畜産農家に対し牛1頭ごとに交付金を支給すること。
3 長期支援対策として、融資返済の猶予期間の延長と、その期間にかかる延滞利息を猶予すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

1 近年の飼料価格高騰等により、県内の畜産農家は厳しい経営状況にあります。
県では、畜産農家の経営安定を図るため、配合飼料購入費の一部補助を令和4年度より実施しており、令和7年度当初予算においても、継続的な支援に係る予算を措置しております。
また、令和6年8月に、配合飼料価格安定制度の見直しと予算確保について、関係団体とともに、国へ要請を行ったところであります。
令和6年10月には、島しょ県である本県の畜産業支援について、国へ要望を行ったところであり、今後も国に対して要望してまいります。
肥料の価格高騰に対する対策は、価格急騰時に機動的に講じる仕組みが重要であると考えておりま。引き続き、肥料価格の動向や国・他県の取組等を注視するとともに、市町村や農業団体等の意向を踏まえつつ、時期を逸することなく適切に対応できるような仕組み作りを国に対して求めてまいります。
2 県では、子牛セリ価格の下落に係る補てんについて、国が実施する肉用子牛生産者補給金制度等に加え、県独自の「沖縄県和牛子牛生産者緊急支援事業」を実施しております。
また、子牛セリ価格下落に対する補助拡充、配合飼料購入費の補助拡充、優良繁殖雌牛の更新に係る支援について、令和7年度当初予算においても継続的な支援に係る予算を措置しております。
加えて、令和6年8月に、肉用子牛価格下落に対する支援の強化について、関係団体とともに、国へ要請を行ったところであります。令和6年10月には、島しょ県である本県の畜産業支援について、国へ要望を行ったところであります。
国は、令和7年度に緊急特別対策として、肉用子牛のブロック別平均価格が発動基準を下回った場合、沖縄県全域を含む離島地域に従来の奨励金に上乗せする形で奨励金を交付するなど、離島地域に対する支援を強化しております。
県としましては、今後も国に対して要望するとともに、引き続き生産者や関係機関と連携し、畜産農家の経営安定に努めてまいります。
3 畜産農家の厳しい経営状況を考慮し、制度資金の利子助成事業において、返済期間の延長を含めた償還猶予等に対応できるよう取り組んでおります。
また、令和6年9月に、県内金融機関へ返済期間延長等の配慮を求める文書を発出し、意見交換を行っております。