要旨
本県漁業は、漁業者の高齢化・後継者不足や資源の減少、燃油や資材等の漁業経費の高騰などに加え、沖縄周辺海域に設定されている広大な米軍演習海域などの特殊事情による漁場の狭隘といった課題が山積し、漁家経営は年々厳しさを増している。特に本県主要漁業の一つであるソデイカ旗流し漁業については、本島周辺海域での資源の枯渇等により漁場の遠方化を余儀なくされているが、いまだ本県漁業者の同漁業への依存度は極めて高い。将来の漁家経営の安定のため、他魚種への転換等に向けた取組が不可欠であり、水産未利用資源の開発は本県水産業の喫緊の課題である。
このような状況の中、県の漁業調査船図南丸(先代)による沖縄周辺海域の資源調査等の結果を参考に、漁業者個人によるキンメダイの生息域把握などにつながった実績もあるが、零細な漁業者個人での水産未利用資源の開発には限界があることから、水産業界では、最新の調査機器等を備えた新図南丸によるさらなる水産未利用資源の開発に期待する声が多数寄せられている。
ついては、本県水産業の振興に向け下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 漁業調査船新図南丸の運用にかかる十分な予算を措置し、積極的な水産未利用資源の調査を行うこと。
2 水産未利用資源の調査実施結果を漁業者と共有すること。 |