要旨
南城市佐敷地域は、旧佐敷町時代の昭和60年代から21世紀の海辺のまちづくりに取り組み、平成2年に県の中城湾港マリンタウンプロジェクトにおいて、佐敷東地区として港湾計画に盛り込まれた。しかし、中城湾港における絶滅危惧種トカゲハゼの環境保全の課題等から事業化に至らず、今日まで港湾計画の見直しもない。この間、同地区は、トカゲハゼ等の環境保全は図られたが、地域の悲願であった東西を連結する道路整備は実現せず、老朽化護岸の整備も行われていない。加えて泥質干潟の陸化等により、排水路はけ口が閉塞するなどして大雨時に背後集落等では冠水が頻発し住環境は悪化する一方である。中城湾港マリンタウンプロジェクト上、同地区は港湾事業推進とトカゲハゼ保全との共存の観点から重要な役割を担っているが、令和3年4月に中城湾港長期構想が公表された際、これに先立つパブリックコメントにおいて地域から多くの意見等が出されたものの、同構想の長期的な空間利用計画から同地区は除かれ、今後の港湾計画改訂で削除されないか危惧している。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 護岸排水路はけ口への閉塞を防ぐため、土砂の除去、導流堤の整備及び護岸排水口の改修等の対策を行うこと。
2 老朽化した護岸を、養浜など海辺に親しめる護岸となるよう全面改修すること。
3 築島の保全対策として浸食防止の護岸整備を行い、利活用すること。
4 新開と冨祖崎を結ぶ湾岸道路の整備に関する支援を行うこと。
5 築島の保全及び利活用と併せ、トカゲハゼの最大生息地保全・環境の学習・観察の場とするための干潟環境整備を行うこと。 |