陳情文書表

受理番号第179号 付託委員会米軍基地関係特別委員会
受理年月日令和6年9月30日 付託年月日令和6年10月9日
件名 北部訓練場に関する陳情
提出者「ヘリパッドいらない」住民の会
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要旨

 令和6年3月10日から2週間にわたりオランダ軍が北部訓練場を使用したとの報道があった。海外の報道によると、令和4年に行われた訓練プログラムはオランダ軍、イギリス軍、海兵隊等はじめ自衛隊も含め1年間で1万4000人が参加したようだが、この件に関し政府は把握しておらず、問題化もされていない。
 また、現在、北部訓練場内に隊舎を建設しており、工事車両の往来が増えている。どういった目的で使われるのか、水源や環境に影響はないかなどを懸念している。
 ユネスコ世界自然遺産に組み込まれた北部訓練場返還跡地で大量の米軍廃棄物が見つかっている問題について、政府は廃棄物支障除去作業を返還全域で行う必要はないと閣議決定し、返還地の0.1%で行った作業で「完了」としていることが報じられた。返還地においては土壌汚染や水質汚濁等がないことを確認したとのことだが、これは事実に反しており、今後、ユネスコにおいても問題となりかねない。また、令和5年12月には世界遺産内で撤去作業中の廃棄物の中から手りゅう弾が亡失した。これらの状況に大変憤りを感じると同時に、懸念を禁じ得ない。
 そのほか高江の現状としては、令和元年の新基地完成により騒音は5倍となり、基地機能や危険は増し、負担は増大している。そして、北部訓練場は世界自然遺産登録地と隣接しているが、このような状況で自然環境が保全できるとは思えない。また、福地ダムは生活用水の6割を送水しており、県民の命の水がめと言える。北部訓練場はこのダムと隣接しており、軍事訓練場がダム流域という異常な状態が恒常化している。
 安保3文書の閣議決定により、この国は反撃能力の保有を決定し、専守防衛を捨て「戦争する国」へと大きく変質した。軍事基地の撤廃、もしくはそれに向けた縮小、敵対する軍事ではなく、平和外交と対話へと大きくかじを切っていく必要がある。再び沖縄を戦場にさせないため、基地のない本当の世界自然遺産の森を後世に引き継ぐため、軍事の問題、高江の問題としっかり向き合うことを願っている。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 県において、日米両政府に対し、集落上空での飛行訓練の即時中止と禁止を求め、具体的に取り組むこと。
2 県において、日米両政府に対し、返還地の支障除去と自然環境の保全の徹底を求め、具体的に取り組むこと。
3 県において、日米両政府に対し、北部訓練場における自衛隊及び他国軍の使用の禁止を求め、具体的に取り組むこと。
4 県において、日米両政府に対し、北部訓練場の使用中止と全面返還を求め、具体的に取り組むこと。