陳情文書表

受理番号第200号 付託委員会米軍基地関係特別委員会
受理年月日令和3年9月10日 付託年月日令和3年9月29日
件名 米軍属による強制性交等未遂事件に関する陳情
提出者嘉手納町議会議長
仲村渠 兼栄
要旨


 令和3年4月17日午前5時50分頃、本島中部の住宅街路上を1人で歩いていた女性に背後から抱きつき、強制的に性交等をしようとしたとして、沖縄県警は同年7月30日に普天間基地勤務の米軍属を強制性交等未遂の容疑で逮捕した。
 嘉手納町議会は、これまでも米軍人や軍属等による事件・事故が発生するたびに、日米両政府に対し抗議を行うとともに、綱紀粛正及び教育の徹底、再発防止策を講ずるよう強く要求してきたにもかかわらず、またしてもこのような事件が発生したことは極めて遺憾であるとともに、米軍における事件の再発防止に向け取組が徹底されているか甚だ疑問であり、強い不信感を抱かざるを得ない。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 被害者への謝罪及び完全な補償並びに丁寧な精神的ケアを行うこと。
2 「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協カワーキングチーム(CWT)」を速やかに開催し、綱紀粛正の徹底と、具体的かつ実効性ある再発防止策を策定し公表すること。
3 日米地位協定の対象者である軍属等に対しても夜間外出を規制すること。
4 在沖米軍人・軍属等の施設・区域内外における市町村別居住者数を公表すること。
5 日米地位協定を抜本的に改定すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

1について
 県としては、被害者への謝罪及び適切な補償を日米両政府に対し要請しております。また、米軍関係による事件・事故の相談窓口としては、沖縄被害者支援ゆいセンターなど県警の各所轄警察署などで事件・事故の相談対応を行っており、沖縄防衛局においては、管理部業務課事故補償係において損害賠償業務を行っております。なお、県では、米軍関係者による事件・事故に限らず、犯罪被害に関する総合的な相談窓口を設け、支援策の情報提供や関係機関の案内を行っております。

2について
 県としては、「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキングチーム(CWT)」の速やかな開催について日米両政府に対し要請しております。
 また、実効性のある協議の早期開催に向けて、外務省沖縄事務所と実務者による少人数の会合の可能性等も含め調整しているところです。

3について
 県は、夜間外出制限を含めたリバティ制度の軍属等への適用を日米両政府に求めていますが、米側は、米国の連邦法上、軍属等の行動の自由を制限するのは困難であるとし、その上でリバティ制度の趣旨に沿って対応するよう推奨しているとしております。一方、県としては、日米地位協定により軍人とほぼ同様の地位が保障されている軍属等が行動規制の対象外とされていることは問題であると考えており、日米両政府に対し軍属等に対する管理及び監督責任の強化を引き続き強く求めてまいります。

4について
 在沖米軍人・軍属等の施設・区域内外における居住者人数については、平成25年3月末を最後に軍事上の機密事項として公表されておりません。県としては、軍人・軍属等の居住人数、特に基地外居住者の詳細な情報は行政施策の観点からも必要と考えており、引き続き、軍転協とも連携しながら公表を求めてまいります。

5について
 県は、米軍基地から派生する諸問題を解決するためには、米側に裁量を委ねる形となる運用の改善だけでは不十分であり、国内法の適用など日米地位協定の抜本的な見直しが必要と考えております。
 そのため、県では、機会あるごとに日米両政府に対し要請を行っており、去る5月27日には、本土復帰50年に向けた在沖米軍基地の整理・縮小についての要請を行い、知事から政府に対し、改めて、同協定の抜本的な見直しを強く求めております。
 県としては、引き続き、全国知事会や渉外知事会等とも連携し、日米地位協定の見直しに向けて取り組んでまいります。