陳情文書表

受理番号第99号 付託委員会米軍基地関係特別委員会
受理年月日令和6年7月8日 付託年月日令和6年7月18日
件名 嘉手納基地に駐機している米軍CMV22オスプレイの飛行再開に関する陳情
提出者嘉手納町議会議長
仲村渠 兼栄
要旨

  令和6年6月10目、米軍は飛行停止措置により嘉手納基地に駐機していた米海軍仕様CMV22オスプレイの基地外での飛行訓練を再開した。昨年10月に同基地に飛来した3機のうち1機が同日午後2時半頃に離陸し、同基地の西側から国道58号上空を通過し海上に抜け、本部半島まで飛行し、午後3時過ぎに戻ってきたことが確認された。
 屋久島沖墜落事故を受け、世界中でオスプレイの飛行を停止した昨年12月以来、具体的な事故原因や飛行再開の定義等の説明も不十分なまま、飛行を再開したことは、断じて容認できない。基地周辺住民の安全をないがしろにし、軍事訓練を優先する米軍の姿勢及び飛行再開を容認した日本政府に対し、強い憤りを禁じ得ない。
 報道によると、6月12日に開催された米下院の監視・説明責任委員会小委員会の公聴会において、米海軍航空システム司令部の司令官はオスプレイについて「安全に影響する可能性がある問題に十分に対処するまで無制限の運用には戻さない」と述べ、安全性への懸念が残っているとの認識を示した。
 本町は居住地が嘉手納基地に極めて近接しており、陸軍貯油施設や嘉手納弾薬庫地区を抱えていることから、町域のどこに墜落しても住民を巻き込む大惨事につながりかねない。昨年の墜落事故は町民に大きな衝撃を与えており、具体的な事故原因も明らかにされない中での飛行再開に町民の不安は高まっている。
 ついては、町民の生命、財産、安全及び健康で平穏な生活を守るため、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 事故原因が究明され有効な再発防止策が講じられるまで、全てのオスプレイの飛行を停止すること。2 昨年の墜落事故原因を徹底究明し、速やかに関連情報を公開すること。
3 嘉手納基地への全てのオスプレイの飛来を一切中止すること。
4 日米地位協定を改定し、日本の航空法を米軍にも適用すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(1から3までについて)
県は、オスプレイについて、令和5年11月に発生した屋久島沖での墜落事故の原因や対策が明らかになるまで、飛行を再開することがないよう、再三求めてきたにもかかわらず、事故原因や対策の具体的な内容について十分な説明がなされないまま、飛行が再開されております。
このため、令和6年3月、政府に対し、令和5年11月の事故の原因や対策が明らかになるまでの全てのオスプレイの飛行停止とともに、オスプレイの配備撤回を求めたところです。
日本政府は、オスプレイの運用を安全に再開できるとしていますが、沖縄防衛局から受けた説明では、事故原因や対策の具体的な内容は明らかにされず、県として到底納得できるものではないことから、引き続き詳細な情報提供を求め、内容を確認するとともに関連する情報を明らかにするよう求めてまいります。
また、政府は、沖縄の負担軽減のため、オスプレイの訓練等の約半分を県外で行うこととしておりますが、このような中、CV-22オスプレイ等の訓練が沖縄で実施されることは、負担軽減と逆行する状況であると言わざるを得ません。
加えて、令和6年12月6日から9日までの間、米軍のオスプレイの飛行停止措置がとられたとの同月10日の報道について、政府から、飛行停止の理由や飛行再開に至った経緯等、詳細な説明がないまま飛行が再開されるなど、オスプレイに対する県民の不安は、一向に払拭されていないと考えております。
県はこれまでオスプレイの配備に反対してきており、引き続き、米軍及び日米両政府に対して、オスプレイの配備撤回、外来機の飛来制限の実施等を求めてまいります。
(4について)
日米地位協定においては、米軍に原則として国内法の適用がないため、県では、平成29年9月に日米両政府に対し「合衆国軍隊の演習、訓練、施設整備等の諸活動の実施に対して、航空法等の日本国内法を適用する旨を明記すること」など、日米地位協定の見直しに関する要請を行っております。
また、令和3年5月の本土復帰50年に向けた在沖米軍基地の整理・縮小についての要請においても、米軍に航空法等の国内法を適用する等、日米地位協定の抜本的な見直しを求めております。
加えて、令和6年1月に官房長官に、令和6年12月に防衛大臣に対しても、同様に要請したところであります。
県としては、引き続き、全国知事会や渉外知事会等とも連携し、日米地位協定の見直しに向けた取組を強化してまいります。