陳情文書表

受理番号第114号 付託委員会土木環境委員会
受理年月日令和2年7月7日 付託年月日令和2年7月13日
件名 沖縄県内での海砂採取の規制を求める陳情
提出者沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会
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要旨


 海砂採取は自然環境や水産資源、さらに護岸等の海岸部の公共施設の管理にも深刻な影響を与える。沖縄県海砂利採取要綱では、海岸線等から1キロメートル以上離れ、かつ水深が15メートル以深の区域であること等の許可基準が定められているが、沖縄県では海砂採取の総量規制が定められていない。このままでは採取許可申請が増えた場合、個々の許可申請は基準を満たしていても全体として大量の海砂が採取されることとなり、深刻な環境破壊を引き起こす。また、今までは実際の採取量・採取位置等が申請どおりに行われているか県がチェックしていない運用上の問題もあった。昨年来、私たちが海砂採取問題について県議会への陳情や県当局への要請を繰り返した結果、県は他県の総量規制や監視状況等の実態調査等を行い、本年7月からは採取中の船の位置情報や採取量測定時の写真を提出させる等の監視強化策を開始したことは評価するが、辺野古新基地建設事業では、今後、地盤改良工事の敷砂・砂ぐい等のために390万立方メートルもの海砂が必要とされている。これは沖縄県の年間海砂採取量の2年分以上もの量であり、沖縄沿岸部の環境に深刻な影響を与えることが危惧される。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 現在、瀬戸内海に面する岡山、広島、徳島、香川、愛媛県や熊本県等の6県では海砂採取を全面禁止しており、さらに福岡、佐賀、長崎、鹿児島、山口、高知県等では年間の総量規制を定めている。海砂採取をほとんど制限していないのは沖縄県だけであることから、早急に総量規制を実施すること。
2 現在、海砂が採取されている国頭村安波沖や嘉陽沖周辺は、広範に海草藻場が広がり、ジュゴンが頻繁に訪れていた海域である。このような海域で海砂を採取することは、ジュゴンに致命的な影響を与える。県は、本年4月以降、防衛局に対してジュゴンの保護策について県との協議が終了するまでの間、辺野古新基地建設事業を再開しないようにと行政指導を繰り返してきた。しかしその一方で、県がジュゴンの生息海域や海草藻場の繁茂地域で海砂採取を認めることは矛盾していることから、ジュゴンの生息海域や海草藻場の繁茂地域での海砂採取を禁止すること。