要旨
日本社会は、男性稼ぎ主モデルの日本型雇用によって、男性に長時間労働を、女性に不安定雇用を押しつけてきた。政府は、雇用機会の均等や女性活躍を唱えつつ女性差別を温存し、女性労働を家計補助的として低賃金を押しつけ、非正規雇用を拡大し、労働者全体に低賃金構造をつくり出している。男女の賃金格差、雇用格差、ケア労働者の低賃金水準など、その根底には個人の尊厳を奪うジェンダー差別が存在している。女性をはじめ、子育て、介護などケアを担う世代の労働環境の改善や同一労働同一賃金の実現は、喫緊の課題となっている。
日本社会にはいまだに家父長制が根強く存続し、権力が家庭への介入を強めている。男性優位が当然視され、女性も男性も個性より「らしさ」を強要されて、人間らしく生き、働くことを奪われている。看護、介護、保育などのケア労働を低賃金労働として女性に課し、政治はその専門性を認めず価値をおとしめてきた。ジェンダー平等を実現する社会は、個人の尊重、法の下の平等、両性の平等を保障する日本国憲法を生かすものである。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 男女の賃金格差の是正、均等待遇、労働時間の大幅短縮など、誰もが仕事と家族的責任の両立が図られるように法律をはじめとした環境整備を行うこと。
2 8時間働き普通に暮らすために、最低賃金を全国一律1500円以上にすること。 |