要旨
県は、国や他都道府県の取組状況についての情報収集を行い、市町村と連携を図りながら不当な差別的発言やヘイトスピーチの解消に向けた条例の研究や人権啓発活動を行うとしてきたが、実際にはどのようなことに取り組んだのか。また、ヘイトスピーチに関する陳情への対応として、「沖縄にふさわしい条例」をと答えているが、沖縄にふさわしいとはどのような内容か。さらに、先月、ヘイトスピーチ規制条例を検討する会議の解散が報じられ、県としては法制面の整備は一定程度確認できたとのことであるが、会議内容は概要しか示されておらず、県が具体的にどのような条例をつくろうとしているのか判断できない。9月議会で県は表現の自由との兼ね合いを述べていたが、憲法第13条は「すべて国民は、個人として尊重される。」とも定めており、自分と異なる属性を有する者を排斥するヘイトスピーチはあってはならない。県が具体的に差別を定義し、差別に反対する姿勢を示し、差別の扇動を抑止する実効的な方法に取り組まなければ、実質的にはインターネット上での県民に向けられたヘイトスピーチも含め、県は放置し続けていることになる。昨年5月以来、那覇市役所前で市民有志が反対の意思を示してヘイト街宣を止めている状況であるが、本来は県が差別解消に向けた具体的な取組をすべきである。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 ヘイトスピーチ規制条例の制定について、専門家会議を受けて、差別の定義、解消のための方法、規制や罰則の有無等、どのような方向性を考えているのか明らかにすること。
2 県が考えた、本県にとってふさわしい、沖縄らしいヘイトスピーチの解消に向けた方策について、改めてヘイトスピーチ対策に詳しい有識者との意見交換を行うこと。
3 県はヘイトスピーチが市民の安全を脅かさないよう、それらを止めるための具体的な方策を示すこと。特に、県内で本邦外出身者へのヘイトスピーチを確認した場合、及び県内に限らずインターネット等を含め沖縄の人に向けられたヘイトスピーチを確認した場合には、速やかに反対の意思を表明すること。
4 ヘイトスピーチを止めるための具体的方策について、県と市民が広く話し合う場を設けること。 |