陳情文書表

受理番号第87号 付託委員会米軍基地関係特別委員会
受理年月日令和7年6月3日 付託年月日令和7年6月17日
件名 在沖米海兵隊員による性的暴行事件に関する陳情
提出者嘉手納町議会議長
石嶺 邦雄
要旨


 令和7年3月、米軍基地内で女性に性的暴行を加え、さらに別の女性にけがを負わせたとして、那覇地方検察庁は4月30日に在沖米海兵隊員を不同意性交と傷害の罪で起訴した。また、同年1月に別の米海兵隊員による性的暴行事件が発生していたことも明らかになった。今回の事件は基地内施設で発生しており、基地提供者として日本政府及び基地管理者としての米政府の責任は極めて重い。このような被害者の人権をじゅうりんする重大かつ卑劣で悪質な犯罪は断じて許すことはできず、沖縄県民に与えた衝撃と不安は計り知れない。
 嘉手納町議会は、このような性的暴行事件が発生するたびに綱紀粛正、再発防止策及び米軍関係者への教育等の徹底を強く申し入れてきた。昨年7月には米空軍兵による未成年者に対するわいせつ目的誘拐・不同意性交事件に対して厳重に抗議し、日米両政府に対して「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協カワーキングチーム(CWT)」の再開等の再発防止策を求めたばかりである。当時の上川外務大臣は記者会見において、CWTの早期開催の要請等について対応していくと明言したが、具体的な再発防止策は取られることなく事件が発生した。日米両政府が着実な実施を図るとしたフォーラムの開催も遅れるなど、再発防止に係る取組は極めて不十分で、真摯な対応はなされていない。
 今年は戦後80年、本土復帰後53年を迎える。しかし、米軍人・軍属等による事件・事故は後を絶たず、そのたびに沖縄県全体が綱紀粛正の徹底を求めてきたがまたしても性的暴行事件が発生したことは、米軍自らの組織に対する教育や管理体制が不十分であり、これまでの対策は実効性がないものと判断せざるを得ない。
 ついては、町民の生命、安全・安心で平穏な生活を守るため、下記事項につき配慮してもらいたい。
                  

1 速やかに被害者への謝罪及び完全な補償、丁寧な精神的ケアを行うこと。
2 「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキングチーム(CWT)」を再開し、抜本的かつ具体的で実効性のある再発防止策を講じること。
3 軍人・軍属等の管理・教育を徹底し、綱紀粛正を図ること。
4 在日米軍に係る事件・事故が発生した場合は、基地周辺自治体へ速やかに情報提供すること。