陳情文書表

受理番号第207号 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和6年11月25日 付託年月日令和6年12月9日
件名 本島北部地域における豪雨被害に対する緊急支援を求める陳情
提出者沖縄県農業協同組合中央会
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要旨

 11月8日から10日にかけて降り続いた本島北部地域の豪雨では、局地的な集中降雨によって発生した河川の氾濫や浸水等の影響により、農作物の根腐れ、圃場の崩壊や施設の倒壊など広範囲にわたって被害を受けるとともに、道路の陥没などによって生産農家の営農活動に重大な支障が生じるなど、地域農業に甚大な被害が発生している。今般の豪雨被害は、資材高騰や販売価格の低迷で厳しい経営を余儀なくされている生産農家の所得減少や生産意欲の減退を招き、関連産業の経営にも多大な影響を及ぼしており、このままでは生産基盤の喪失に拍車がかかる深刻な事態も想定されることから、緊急かつ効果的な生産回復に向けた支援策を講じる必要がある。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 持続的な農業経営に向けた園芸・畜産施設の整備等について
  再生産に向け、被災した圃場等の原状回復と必要な資材費等に対する助成措置を講じるとともに、既存施設の改修や補強対策に対する支援と自然災害に強い強化施設の積極的な導入を図ること。
2 生産農家への資金支援について  
  豪雨被害を受けた生産者に対する無利子もしくは低金利の制度資金を創設するとともに、既存借入金の償還猶予措置を講じること。
3 農業共済の万全な給付と農家負担の軽減措置について
  豪雨被害による農家経営への影響を緩和するため、迅速かつ万全な共済金の給付を行うとともに、農業共済及び収入保険加入促進のため農家負担軽減策を講じること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

1 県では持続的な農業経営に向けた支援として、営農相談窓口の設置、既決予算を活用し病害防除が必要な圃場を対象に農薬の提供、被災した養鶏農家に衛生資材を活用した飼養衛生管理等の指導を行ったほか、技術支援を継続して実施しております。土砂流入で被災した農地のうち、国の災害復旧事業の対象箇所については、12月末までに国の災害査定を終えており、今後は災害復旧事業により復旧を行うことから、村と連携して対応してまいります。
また、既存施設の補強・改修や気象災害に対応した耐候性園芸施設の新規導入については、「沖縄型耐候性園芸施設整備事業」や「畜産クラスター事業」等、各種補助事業を活用した取組を進めているところであります。
引き続き、村やJA等関係機関と連携し、再生産に向けた取組を進めてまいります。
2 被災農家に対しては、災害後の経営の再建・維持安定のために、農林漁業セーフティネット資金等による資金調達の支援を行ってまいります。
県普及機関に設置した営農相談窓口において、資金面も含めて農業者に応じた経営支援に取り組み、適宜、金融機関とも連携を図ることとしております。
また、被災農家における既往債務に関しては、沖縄振興開発金融公庫、JAおきなわ等に対し、貸付金の償還猶予等の条件変更に関する協力依頼の文書を発出したところであります。
3 農業共済や収入保険について、大雨で被災した加入者が農業共済の共済金や、収入保険のつなぎ融資が迅速に受けられるよう、沖縄県農業共済組合へ協力依頼の文書を発出したところであります。
また、県では、農業共済や収入保険の加入が重要であることから、農業保険制度の動画等を制作し、関係機関へ配布のほか、ラジオ、SNS、コンビニエンスストアへチラシを設置する等広報を行っております。
引き続き、市町村や関係機関と連携し、農業共済や収入保険への加入促進に取り組んでまいります。