陳情文書表

受理番号第114号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和7年6月10日 付託年月日令和7年6月17日
件名 与那国町診療所の県立へき地診療所への移行に関する陳情
提出者与那国町議会議長
崎元 俊男
要旨


 与那国町において唯一の医療機関である与那国町診療所は、第8次沖縄県医療計画にも記載がある「へき地診療所」であり、平成23年より公益社団法人地域医療振興協会の指定管理により運営されてきた。しかし、同協会から医師の継続確保が困難であることを主な理由に、令和8年度以降の運営継続は極めて厳しく、現状のままでは令和7年度末の契約満了をもって撤退せざるを得ないとの意向が繰り返し示されている。
 町としては、急病や災害時の初期対応を担う僻地医療体制の確保は、町民の生命を守る最後のとりででもあることから、極めて深刻な事態であると受け止めている。
 現在、県内の離島地域には16の県立へき地診療所が設置されており、伊平屋村、伊是名村、多良間村、竹富町など多くの離島においては、県が事業主体となって巡回診療、医師派遣、代診医派遣、代替看護師派遣等の施策により離島地域の僻地医療体制を支えている。与那国町診療所において、県の専門医派遣巡回診療支援事業等の支援を受けているが、前述のとおり、町単独での僻地医療体制の確保には限界があり、持続的な体制の確保には第8次沖縄県医療計画に基づく支援体制の再構築、もしくは県立へき地診療所への移行が急務である。
 町としては、これまで可能な限り与那国町診療所の運営費確保や設備の導入等の施策を講じ、また県に対しても、他の「へき地診療所」と同様に運営費に係る助成を要望してきたがかなわなかった。現状の最重要課題である医師の確保については、町として対策するすべがなく、このまま推移すれば令和8年度以降、与那国町が無医地区に陥ることは明らかであることから、県による直接的な支援と関与が不可欠である。このことは、与那国町のみならず県内のほかの離島自治体においても将来的に発生し得る構造的課題であり、離島地域住民が安心して暮らすための僻地医療体制の確保は、住民生活の根幹であり住民の生命に直結する最重要課題である。
 ついては、持続可能な僻地医療体制の構築を図るため、下記事項につき配慮してもらいたい。
                  

1 与那国町診療所を沖縄県の県立へき地診療所として移行すること。
2 離島僻地医療支援体制の強化を図ること。