要旨
8月18日、県教育委員会は、県内の県立高校の寮生の保護者に対し「感染者または濃厚接触者は寮内で療養はできないため、寮生に感染が確認された場合は、保健所の指示する期間退寮とし、保護者または身元引受人が引き取ること。引き取りの際には公共交通機関を利用せず、必ず自家用車等で引き取りをすること」と通知した。親元を離れ、県内の公立高校の寮で生活を送っている生徒は約1000人おり、そのほとんどが離島や県外からの生徒で、保護者が航空機などの公共交通機関を利用せずに、生徒を引き取ることは不可能である。
また石垣市から保護者が引き取りに行った場合、公共交通機関が利用できないため、連れ帰ることはできず、現地でホテル等に2週間、親子で療養することを余儀なくされる。さらに陽性者及び濃厚接触者が宿泊できるホテル等を探すのは困難を極め、見つかったとしても、渡航費と2週間の滞在費は20万円から30万円の費用を要する。
それに対し、沖縄県では県外からの修学旅行生が同様に陽性または濃厚接触者になった場合、保護者と生徒に対し宿泊費及び往復渡航費を支給することにしており、今回の離島や県外の生徒への対応は、全くもって理解ができない。また、県教育委員会は、寮生の引き取りが困難な場合は、2学期からの登校を見合わせてほしいとの見解を示しており、離島や県外からの生徒だけが現実的に不可能な対応を押しつけられ、平等に教育が受けられない状況は、離島や県外の子供たちをないがしろにするものであると言わざるを得ない。
ついては、離島や県外の生徒が平等に教育を受けられるよう、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 濃厚接触者については医療関係者と連携を図り、自宅待機者と同様に寮で待機できるよう対策を講ずること。
2 新型コロナウイルスが要因で寮生が退寮する場合は、県が責任をもって宿泊療養施設を確保し、療養させること。 |