陳情文書表

受理番号第204号 付託委員会総務企画委員会
受理年月日令和6年11月21日 付託年月日令和6年12月9日
件名 名護市安和桟橋での市民による土砂搬入抗議行動を妨害する警備業者及び沖縄県警の行為を禁止すべく厳格に対処すること等を求める陳情
提出者****
要旨

 本年6月に安和桟橋出口付近で、抗議する市民と警備員がダンプカーに巻き込まれて死傷する事故が発生した。現在土砂搬入に際し、警備会社はネットフェンスを使用して市民の通行を妨害し、抗議行動を阻止している。県警も警備員らを幇助するなどしてこれに加担する、または違法行為を黙認している。
 警備会社の通行妨害行為は、民法上の不法行為が成立し、また「他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない」と定める警備業法第15条に違反する。さらに、県警による警備会社と共同しての過剰な規制や警備会社の過剰規制を放置する行為(不作為)は、国家賠償法に該当する違法行為である。また、警察の行為は「その責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない」と定める警察法第2条第2項の規定に違反する。
 市民の抗議行動はプラカードを掲げたりする等の方法で、安全を確認した上でダンプカーの前の歩道上を渡るという穏健な「公共的・政治的事項に関する表現行為」で、憲法により保障された表現の自由であり、民主主義社会を基礎づける重要な権利である。市民の行動を規制する警備業者及び警察官の行為は、市民の政治的表現の自由及び移動・行動の自由を侵害する。 
 ネットフェンスによる通行の規制は、公益事業のための工作物ではないから、そもそも道路法第32条で定める占用物件には該当せず、道路使用の原則である一般使用を阻害している。ネットフェンスは固定物ではないが、市民が行動する際に完全に通行を遮断し、実質的には固定物と同様の機能を果たしており、通行の自由を侵害していることは明白である。また、琉球セメントの安和桟橋設置目的は「セメントの出荷」であり、そもそも目的外使用である。この点からも、至急行政指導によって妨害行為を禁止すべきである。
 公安委員会は、警察の民主的管理と政治的中立性を確保するため、警察法に基づき設置された機関であり、県公安委員会も、県民の良識を代表する者が警察を管理するとともに、警察の業務に県民の意見を反映させるという役割を持っている。しかし、これまで公安委員会はこのような責務を果たしていない。本件事故は、県民の民意を無視して工事を強行することに対する抗議行動に際して、強引な車出しが原因で起きたものである。県公安委員会は、市民の抗議行動を規制する沖縄県警の違憲・違法な行為を止めさせるため、沖縄県警察本部長に対して適切な指示をすべきである。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 名護市安和地区の安和桟橋でのダンプカーによる土砂の搬入に抗議する市民に対し、警備会社がネットフェンスを使用して歩行を妨害し、県警がそれを黙認放置している行為は違憲・違法であるため、至急禁止させること。
2 県公安委員会において、県警のかかる違憲・違法な行為を止めさせるため、県警察本部長に対して適切な指示をするよう求めること。