陳情文書表

受理番号第183号 付託委員会土木環境委員会
受理年月日令和6年10月1日 付託年月日令和6年10月8日
件名 大浦湾の軟弱地盤最深部(B27地点付近)で始まったボーリング試験結果を取り寄せ、地盤の安定性について検証することを求める陳情
提出者沖縄平和市民連絡会
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要旨

 令和3年11月、知事が辺野古新基地建設に係る防衛局の設計変更承認申請を不承認とした最大の理由は、大浦湾で海面下90メートルまで軟弱地盤が続いているB27地点で地盤の強度を調べるボーリング試験が行われていないということだった。防衛局は「地層構成の把握を目的」としたコーン貫入試験をしただけで、離れた3地点のボーリング調査のデータからB27地点の強度を類推したにすぎない。知事は設計変更承認申請の審査の過程で、「防衛局はB27地点の剪断強さについて離れた3地点の力学的試験の結果から類推しているが、それでも作用耐力比は0.992と厳しい条件となっている。このことからB27地点での三軸圧縮試験等の土質の再調査が必要ではないか」と質問したが、防衛局は「B27地点でのボーリング調査の必要はない」としてかたくなにボーリング試験を拒否し続けている。
 ところが本年8月下旬、大浦湾に2隻のボーリング調査船が入ってきて、B27地点付近で調査を始めている。防衛省はこの土質調査について、地盤改良に先立ち、護岸予定地付近の一部で土質調査を実施していると回答し、強度を評価する調査のやり直しではなく、別の調査という位置づけだとし、結果の公表は予定していないと報道されたところである。最深部の地盤改良工事やケーソン護岸工の工事契約は昨年12月に締結されたが、10か月が経過した今も、このボーリング試験以外には何の工事にも着手していない。設計変更承認申請の過程では「ボーリング試験の必要はない」としてきたが、いざ実際に工事に着手する段階になり、やはりB27地点周辺の地盤の強度が不安だったものと思われる。今回のボーリング試験は、再度の設計変更承認申請が必要になるかもしれない重要な意味を持つものである。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 今回のボーリング試験の目的、具体的内容等を明らかにするよう防衛局に照会すること。
2 ボーリング試験の結果について、全てのデータを県に提供するよう求め、地盤の安定性について専門家による検証を実施すること。