要旨
八重山地域は1市2町から成る多島を有する島嶼自治体であり、住民の日常生活及び経済活動において航空路と海上交通が不可欠である。特に、物資輸送の大部分は海上輸送に依存しており、その重要性は計り知れない。しかし、海上交通を担う船員が現在慢性的に不足しており、地域の安定的な発展にとって大きな課題となっている。さらに、全国的に進む船員の働き方改革により労働時間の規制が強化されており、船員の確保は事業者にとっても急務である。同時に、水産業においても後継者不足が深刻化しており、次世代の担い手の育成が必要である。また、海産物の加工品など第6次産業における新たな産業を創生するための人材確保も求められており、水産や海洋に関する知識や技術を習得できる教育機関の設立が強く求められている。
しかし、八重山地域には水産科目がある高等学校がなく、進学希望者は地元を離れざるを得ない状況にあり、結果として地域での人材育成が進んでいない。このため、八重山地域において船員資格に必要な履修科目を備えた水産科を新設することが不可欠である。水産科の新設によって、地元での人材育成が可能となり、地域の海上交通や漁業の安定化にも寄与する。
ついては、地域の持続可能な発展を支える人材育成のため、八重山地域の高等学校において水産科を設置するよう配慮してもらいたい。 |