要旨
2019年度、単身赴任手当支給対象にもかかわらず不支給となった教職員がいる。当時、臨時的任用職員として離島の県立学校で任用され、着任前、赴任先の事務職員と電話でやり取りした際には、単身赴任手当が支給されると説明を受けた。赴任後、単身赴任手当の申請書類を提出したが、事務担当職員及び事務長から「臨時的任用職員は単身赴任手当の支給対象外」と誤った説明があり、申請書類は受理されなかった。2024年度、「臨時的任用職員も単身赴任手当の支給対象」という情報を得たので、当時提出した単身赴任手当の申請書類を確認したところ、支給要件を満たしていることは分かったが、時効で支給できないとの見解である。
本人の落ち度によらない損害に対し、時効を理由に対応しないとの不当な待遇は信義則に反する。民法第724条によると、不法行為による損害賠償の請求権は「損害加害者を知った時から3年」「行為の時から20年」とされており、宮城県で起きた退職金過少支給に係る判決では、時効を過ぎた場合でも国賠法上の損害賠償義務が認められれば損害遅延金、弁護士費用も合わせて請求できるとされた。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 該当する教職員へ本来支給すべき手当を支払うこと。
2 再発防止策を講じ、諸手当等に関する全ての雇用形態の情報を網羅した資料を職員へ配布・周知するなど、担当者以外も確認できるようにすること。 |