要旨
沖縄県の畜産業は、長年にわたり地域経済の重要な柱として発展を支えてきた。しかし、現在この業界は深刻な経営危機に直面しており、特に子牛価格の下落と飼料費の高騰が繁殖和牛農家に甚大な影響を及ぼしている。その結果、多くの農家が経営維持に苦しみ、将来的な業界縮小や廃業の危機が懸念されている。
こうした背景から、沖縄県の畜産業が持続可能な産業として存続するためには特別な支援策が急務である。これらの支援が実現することで、地域経済の活性化や繁殖和牛農家の維持につながると考える。沖縄県の畜産業は地域の経済・雇用にとって重要な基盤であり、その振興と安定化は県全体の経済成長にとっても重要である。提案した支援策が実現することで、沖縄県の畜産業が引き続き地域経済に貢献し、持続可能な発展を遂げることができる。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 繁殖和牛農家は、子牛の価格下落に伴い母牛の飼育コストを十分に賄うことが困難な状況であるため、母牛1頭当たりの飼育コストを補助するための補助金制度を導入し、繁殖和牛農家の経営安定を図ること。
2 近年、子牛の取引価格が大幅に下落する一方、飼料費は国際情勢や輸入価格の変動で急騰し、農家に深刻な打撃を与えている。特に飼料費の安定供給に向けた長期的な対策が求められる。また、酪農家や肥育農家には乾燥草購入の補助があるものの、繁殖和牛農家への支援が不足している。繁殖和牛農家にとっても乾燥草は重要な飼料であり、購入コスト軽減のため補助金制度の拡充を行うこと。
3 多くの畜産農家は経営が困難な状況にあり、資金調達が難航し、運転資金の確保に苦慮している。畜産農家が安定した経営を続けられるよう、畜産農家向けの低金利融資制度の拡充を図り、資金調達を容易にすること。 |