要旨
本県の私立中学校・高等学校は、おのおのの建学の精神に基づき、特色ある教育を積極的に展開することで本県の公教育の発展に寄与しており、高等学校では国公立大学や私立大学への進学実績や県内企業への就職、スポーツ・文化面でも優れた成果を上げる等、本県の人材育成に大きく貢献している。
本県の私立中学・高等学校は学校教育の様々な課題解決に向け努力を重ね、時代に求められる教育を目指しているが、以下の点において課題がある。
① 令和3年の法改正により私立学校においても障害のある生徒への合理的配
慮が義務化され、それぞれの学校に応じた対応を検討しなければならない。
国の将来に大きな影響を与える人材育成には先行投資が不可欠であり、教育
現場を支える諸条件整備・充実を図らなければならない。
② 高・大接続改革の推進や、私立学校の特色を生かした多様な教育内容の実
施に向け十全な準備をする予算が必要であるとともに、先端技術活用を推進
するための財源確保、教職員の働き方改革を実現するための教職員配置加増
のための財源と教員不足の解消、生徒が家庭の経済状況等にかかわらず公私
立の学習・進学が選択できる資金援助制度等の増額が求められる。財政環境
が整わない状態で制度のみが導入され、生徒や学校現場に混乱を生じさせな
いようにしなければならない。
③ 給食費については、全国的に無償化する自治体が急増し格差が広がってい
る。沖縄県の私立学校においても給食は生徒の健全育成が目的である。自治
体や公私立間で生じる食の格差について、早期解消及び無償化に向け財政支
援措置が求められている。
ついては、①から③までの課題解決を図るよう配慮してもらいたい。 |