平成13年 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 10月 3日
安里  進

 一般質問の前に、このたびの米国における同時多発テロ攻撃は、平和と民主主義の根幹を揺るがす世界人類と文明に対する挑戦である。このような残虐なテロを断じて許すことはできない。この事件で犠牲となられた多くの世界の人々に心から哀悼の意を表するとともに、その御家族と関係者の方々に対し心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
   〔議長退席、副議長着席〕
 また、県内では台風16号により被害に遭われた各市町村の方々に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧ができるよう願うものであります。
 それでは一般質問に入ります。
 まず、1番目に基地問題についてであります。
 9月11日に起きたアメリカの同時多発テロ事件によって、世界は今いつ戦争が起こるかわからないという緊迫した情勢が続いていて、日本も同盟国としていや応なしに影響を受けるわけだが、中でも沖縄県は75%の米軍基地を抱え一層緊迫度を増しており、SACO合意事項の進展も危ぶまれはしまいかと危惧されているところであるが、知事はどう認識しておられるかお伺いし、次の質問をいたします。
 (1)、普天間基地の代替施設問題について。
 名護市が求めている使用協定等について実務者連絡会議で話し合いが進められているようだが、その内容と進捗状況を説明願いたい。
 イ、代替施設の15年使用期限の問題解決は、これまでの経過からして大変厳しいと私は認識しております。知事は各議員の質問に対し毎回、着工前までに何らの進展もなく進むことはあり得ないと断言しているが、自信を持ってそう言っているのか。普天間基地が市街地の真ん中にあるので大変危険だから一日も早く移設するという原点に立ち返って別の選択肢は考えられないのかどうか、お伺いします。
 移設先である名護市への働きかけが私から見ても、うちの市会議員からも消極的であるということで、私もそう思うが、県は移設先を決定してから名護市と何回話し合いを持ったか。
 代替施設工法である3工法8案に対し、どこまで煮詰まっているのか、名護市や地元辺野古の話し合いはなされているのか。辺野古区では、去る9月12日に代替施設等対策特別委員会を設置してその取り組みに一生懸命だが、それを知っていますか。その会に対する支援・協力をする考えはあるかどうか、お伺いします。
 2番目に林野行政についてお伺いします。
   フマリスシラリヤ  世ヌ中ヌナライ
   沙汰ン無ン者ヌ  何役立チュガ
 これは1730年代に琉球の産業政策を確立した政治家であり土木技術者で、「順流真秘」や「山林真秘」を書き残した具志頭親方蔡温の詠まれた句であります。
 蔡温は、1735年に羽地大川の改修をし、また羽地と屋部間を運河を通す計画や、一時期名護への遷都説を唱えた方でもあります。また、彼は55歳のときに、琉球治山技術の根本的な対策のために国頭郡9カ間切の山林巡視に出かけて山ごもりして1年かけて調査をしております。
 天願農水部長、あなたはヤンバルの山を回ったことがありますか。当時蔡温が残した実績は今でも生き残っています。その1つが270年余頑張っている治山・治水や林政の象徴とも言うべき蔡温松でございます。
 さて、この蔡温松が今松くい虫にやられ絶滅の状態に瀕しているばかりか、後継の若い松まで瀕死の状態にあります。新聞紙上によると県はいろいろと考えを発表しているが、いま一度県の松くい虫に対する認識と対策について質問をいたします。
 1つ、平成13年度の森林病害虫防除費は2億2646万5000円が当初予算に計上されているが、これはどこの市町村を主に実施あるいはまた実施予定か、市町村別に予算と面積、本数等を示せ。
 2、リュウキュウマツは県木であります。今、森が真っ赤になって怒っています。県木のリュウキュウマツは絶滅に瀕しているが、その具体策を示せ。
 3番、県の文化環境行政の概要によると、「「緑の美ら島」の創生を目指して」を基本理念に庁内各関係課から成る「県総合緑化基本計画推進協議会」を設置し緑化施策を総合的、体系的に推進しているところであるが、今、リュウキュウマツは、この推進協議会は一体何をしているんだと真っ赤な顔をして怒りを込めて訴えているが、文化環境部長はその声を聞いたことがありますか。
 失われゆく緑の件について何回会合を持ち、農水部に提言したのか、部長の答弁を願い、今後の方針と対策についてお伺いしたいと思います。
 本県の産業振興の中で観光産業のウエートは大変高いが、観光・リゾート産業の振興に当たっては自然環境、地域社会と調和をした秩序あるリゾート開発をその基本方向として展開する必要があると言っているが、今、森は赤く枯れて県木のリュウキュウマツは泣いています。秋が来て本土では紅葉ツアーがあるが、沖縄には紅葉ツアーいらっしゃいと新しいメニューを持っていってその話をしているのか、観光リゾート局長の認識と対応についてお伺いします。
 これだけ蔓延しているが、本当に5カ年で食いとめることができるか、県知事の、これは県知事の面目にかけて知事の決意をお伺いいたします。
 次に、教育行政についてお伺いします。
 1番、特に最近いじめ、不登校、学級崩壊、薬物使用による中学生の死亡事故、中学生、高校生の援助交際、大阪の池田小学校で8名の先生、生徒が殺傷されるという事件、また8月12日、県内浦添で発生したカセットコンロ用のボンベからLPガスを吸って中毒死した事件等々、教育界の危機が深刻な問題となっているが、県教育委員会はこのような現状をどう認識しているか、その対策はどうなっているか、お伺いいたします。
 2番、青少年による援助交際、薬物による事件・事故の状況はどうなっているか、またその対策はどうなのか、県警本部長にお伺いいたします。
 3番、全国的に治安教育が悪化している。生徒同士によるいじめ、自殺問題、自己のうっぷん晴らしのため治安を阻害し、社会世相を無視する暴走族等の行為に対し教育委員会や県警はどう対応しようとしているか、学校の安全管理についてお伺いいたします。
 4番、兵庫県の中学校教諭がツーショットダイヤルで知り合った中学生の少女を高速道路に転落させ死亡させた全く信じられない事件は、これは対岸の火事として片づけられない問題であります。このような不良教師を出さない対策はどうなっているか。
 以上の教育の危機的状況を踏まえて次の5番、名護聖人程順則の聖諭「六諭衍義」副読本の普及・啓蒙についてお伺いしたいと思います。
   フミラリン好カン  スシラリン好カン
   浮世ナダヤスィク  渡イブシャヌ
 これは名護聖人と言われている名護親方程順則の詠まれた句であります。
 今、少年の心の荒廃が叫ばれる中で、戦後教育のあり方を反省し、21世紀の教育の方向性を見きわめるとき、子供たちの心の教育は避けて通れない重要な課題であります。
 六諭は、確かに封建社会の秩序を整え、それを維持するための教諭であるが、現行の道徳教育の基本であり、人間としての心づくりをしていくための不可欠の不易な価値を持つものと考えるのであります。
 この「六諭衍義」は1708年、程順則が中国から琉球に持ち帰り、琉球で広く読まれるようになりました。これが薩摩に渡り、さらに江戸に上ったとき徳川吉宗に献じたので、吉宗は荻生徂徠に和点を命じ、さらに室鳩巣に和訳をさせ、非常な勢いで各藩に広まって以来200年、日本各地の寺子屋で道徳教育としてだけでなく語学の教本として子弟の教育に用いられました。この六諭というのは、人が人として守るべき6つの教えであります。
 では、この「六諭衍義」を紹介いたします。
 父母に孝順なれ、長上を尊敬せよ、郷里は和睦せよ、子孫を教訓せよ、おのおの生理に安んぜよ、非為をなすなかれ、この6つであります。親孝行しなさい、目上の人を尊敬しなさい、仲よくしなさい、子や孫を教え導きなさい、自分の仕事に励みなさい、悪いことをしてはいけません、この6条の教諭であります。
 今、新潟県の長岡の米百俵が大変話題になっているが、人材育成は大変重要であることは言うまでもありません。この偉大な先人の教えを学校教育の基盤として教育活動のあり方を追求し、日々の「六諭のこころ」の実践によって家庭、地域の教育の根幹として生き続けることになり、子供たちの心身の健全な発達を促し、「未来を拓くたくましい子」という教育目標が達成されるのではないかと考えます。

 名護市立名護小学校は、県教育委員会や名護市教育委員会から「心の教育」の研究指定を受け3年目を迎えて、この「六諭のこころ」を学校経営の根幹に据え、全職員一丸となって教育活動を展開しているところであります。
 そこで、この実践例を時事通信発行の「内外教育」という月刊誌7月号に「私の学校経営」という中で、「「六諭」による心の教育の推進」と題して名護小学校の安田校長が投稿したら大変な反響を呼んでいるようです。これであります。(資料を掲示) ちなみに、青森県の校長会や佐賀県の高等学校、それから那覇市立教育研究所等々が研修に行きたいとの申し込みが多く来ているようであります。
 また、名護市教育委員会ではこの名護親方の「六諭衍義」について三、四年生向きの社会科の中にこういう副読本を出しております。これであります。(資料を掲示)
 私は、歴史は繰り返されるのでこのような偉大な先人の残したことは今こそ世に広めるべきであると思いますが、どうですか、教育長。
 教育長は、名護親方程順則の銅像のあるすぐ隣の家から奥さんをもらっているので、私は何かしら名護親方程順則と津嘉山教育長とは運命的なものを感じているのですが、この「六諭衍義」の副読本を発刊し沖縄県下、いや全国にこの教本を広めたら聖人教育長として歴史に残ると思うがどうか。
 次に6番目、県立名護商業高等学校の再編・統合についてお伺いいたします。
 県立名護商業高等学校は、環境の整った学校として20年の歴史を刻み、確実にその成果を上げて優秀な人材を数多く輩出し、沖縄県並びに北部地域の発展に寄与しました。平成12年には学校が主催する教育活動、地域に開かれた学校だとの評価を受けております。
 PTA活動においても、三水会と称し毎月第3水曜日にPTA評議委員会を持ち、職員、父母が一堂に会し、学校教育に対して情報交換や論議を深めることが伝統となっており、そのような堅実な歩みのもと、平成13年11月10日には創立20周年記念事業を予定し、その成功に向けPTA、同窓会、職員が一体となって取り組んでいるところであります。
 このような節目の年に、県教育長から突然寝耳に水と言っても過言ではない県立名護商業高等学校と県立北部工業高等学校の再編・統合案が示されたことは、驚きを通り越して憤りを覚えていると関係各位は言っております。
 名護市議会は、県立名護商業高等学校の存続を強く求める決議をして要請しているが、県教育長の答弁を求めます。
 また、県は北部振興ということで人口20万人を想定していろいろな角度から取り組んでいるが、北部振興策と相反するのではないか、その整合性はどうなっているかお伺いします。
 最後に、嵐山ゴルフ場問題についてであります。
 今帰仁村の嵐山ゴルフ倶楽部など国内5ゴルフ場を経営するゴルフ西洋が、会社再建のためゴルフ場の会員に会員権預託金の債権放棄を求めていることについて、県内に居住する390名余の会員が不満を持ち、「嵐山ゴルフ倶楽部会員の権利を守る会」を結成し、この問題について県当局や県議会に要請しております。
 この嵐山ゴルフ倶楽部は、北部地域の振興という名目で沖縄県当局及び今帰仁村と隣接する市町村の協力を得て開場したにもかかわらず、預託金債権の請求が開始されることを忌避するため、債権を譲渡する形で責任を回避しようとする旧株主の道義的責任について県はどのように考えているか、次のことについてお伺いします。
 1、経営権が譲渡されるに伴い、会員権の預託金、債権の放棄が通告されているが、その実態と県としての対応策についてお伺いします。
 2、本県の観光振興の面からゴルフ場の果たす役割は大きく、県内ゴルフ場の経営状況はどうなっているか。また、今回の嵐山ゴルフ場の預託金債権放棄が他のゴルフ場に及ぼす影響はどうなっているか、質問をいたします。
 以上でございます。よろしくお願いします。

 
20010405110090