平成15年(2003年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 2月27日
警察本部長(髙橋清孝)
 

 やみ金融の実態と対策についてでありますが、一般的に登録、無登録の別にかかわらず高金利貸し付けを行う貸金業者のことをやみ金融と位置づけておりますが、やみ金融業者のほとんどは無登録であり、かつ事務所を持たず、貸し付けの契約書も残さないほか、連絡先は身元確認が困難なプリペイドカード式の携帯電話を使用しているなどの形態が大半であることから、その全体像を把握するまでには至っておりません。
 やみ金融被害については、行政当局からの通報、被害者等からの相談を受けてその状況を把握しているのでありますが、県警に寄せられたやみ金融等に関する相談件数は平成13年中18件、平成14年中は88件となっており激増しております。
 なお、県警では昨年、高金利の出資法違反及び無登録の貸金業規制法違反等6件を摘発し、暴力団総長等7名を検挙しております。
 また、去る1月には無登録の上、法定利率を約20倍上回る高金利で金を貸し付けていたいわゆる「090金融」と呼ばれるやみ金融グループを摘発し4名を逮捕するとともに、主犯格の男を全国に指名手配したところであります。この事件では、半年の間に県内で約650名の顧客に4000万円近くを貸し付け、約1000万円の利益を上げていたことが判明しております。
 県警では、増加するやみ金融事犯の未然防止を図るため県警のホームページ、あるいは各家庭に配布する「交番速報」等を活用して県民がやみ金融被害に遭わないよう注意喚起するとともに、警察相談への適切な対応、取り締まりの強化等を各警察署に指示しているところであります。今後とも、やみ金融事犯につきましては粘り強くかつ強力な取り締まりを推進してまいる所存であります。
 次に、薬物乱用の実態と対策についてであります。
 本県の薬物事犯は、過去3年間で覚せい剤事犯189件141名、麻薬・大麻事犯66件46名を検挙して約100キログラムの覚せい剤と約35キログラムの大麻を押収しております。そのうち、暴力団員は38名、少年は12名、米軍人・軍属は9名をそれぞれ検挙しておりますが、検挙件数、検挙人員ともほぼ横ばいの状況で推移しております。
 また、シンナー事犯は、過去3年間で230件228名を検挙しており、そのうち少年は66名となっておりますが、これもほぼ横ばいの状況で推移しております。
 最近の薬物乱用の特徴としましては、暴力団が関与した覚せい剤の密売事犯や乱用が増加傾向にあること、インターネットや宅配便を利用して本土から入手し、沖縄本島から宮古、八重山まで波及していること、青少年層への乱用の広がりが見られるなど極めて憂慮される事態となっております。
 薬物事犯の根絶に向けて、県警では暴力団による組織的な密輸・密売事犯や末端乱用者の徹底取り締まりを図る一方、各小・中・高校生を対象に薬物乱用防止教室を開き、少年に対する薬物乱用防止の指導及び広報・啓発活動を強化しております。
 以上です。

 
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