平成19年(2007年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 9号 3月 1日
知事公室長(花城順孝)
 

 米軍基地の成り立ちについての御質問の中で、強制接収された場所と戸数及び米軍基地に占める面積の割合について一括してお答えをいたします。
 琉球政府、立法院、土地連合委員会及び市町村会の四者から成る軍用地問題解決委員会が作成した資料等によりますと、銃剣とブルドーザーで強制接収された土地については、真和志村が約17万坪で200戸、小禄村が約1万5000坪で28戸、宜野湾村が約13万坪で32戸、伊江村が22万1000坪で13戸とされております。これらを合計すると約177ヘクタールで、現在の米軍基地面積の約0.8%に相当します。
 また、真和志村銘苅地域については全面返還され、小禄村具志については自衛隊基地として使用されており、伊江村や宜野湾村は部分返還されておりますが、これらの接収された土地の現在の米軍基地としての使用状況等については、正確に確認できないことなどから詳細は把握できません。
 次に、同じく米軍基地の成り立ちの中の、沖縄県民が土地を提供し誘致した基地についての御質問にお答えします。
 刊行物などによりますと、「辺野古誌」――これは辺野古区事務所が発行した資料でありますが――では、昭和31年にキャンプ・シュワブの建設のため、久志村辺野古一帯を新規に接収した際、同意した事例として、新規接収628エーカー、約254ヘクタール、さらに金武町が発行した「金武町と基地」という資料では、昭和32年に金武村において新規接収800ヘクタール余を受け入れたとされております。
 次に、みずから再提供した返還軍用地についての御質問にお答えします。
 キャンプ・コートニーにおいて、昭和58年10月31日に29.5ヘクタールが返還されましたが、沖縄自動車道の延伸に伴い、その工事に係る米軍住宅の代替地として同年11月1日に23.8ヘクタールが追加提供されております。
 そのほかにキャンプ・コートニーでは、昭和46年6月30日に部分返還された土地について、地籍が確定されていないなどの事情から、地主会の再使用の陳情により、昭和50年5月1日に海上自衛隊に約17.1ヘクタールを賃貸をしております。
 また、知花サイト、嘉手納弾薬庫地区において共同使用が解除され、陸上自衛隊が継続使用しており、平成8年に返還された知花サイトの残りの部分も平成12年より陸上自衛隊の訓練用地として再提供されております。
 次に、大田元知事在職中の提供駐留軍用地についての御質問にお答えいたします。
 大田元知事が在職していた平成2年12月10日から平成10年12月9日の間に追加提供された米軍施設の面積は、嘉手納弾薬庫地区、嘉手納飛行場、ホワイト・ビーチ地区の3施設で合計約1.6ヘクタールとなっております。
 積極的に提供・誘致した基地の割合についての御質問にお答えします。
 さきに答弁をいたしましたように、提供・誘致した面積が約1054ヘクタール、再提供された面積が約23.8ヘクタール、大田元知事在職中に追加提供された面積が約1.6ヘクタールとなっており、これを合計しますと1079ヘクタールで、現在の米軍基地面積の約4.6%に相当します。
 しかしながら、土地の提供や誘致が積極的であったかについては把握をしておりません。
 次に、米軍専用施設の75%が集中しているという御質問についてお答えいたします。
 那覇防衛施設局の資料によりますと、平成17年3月末現在、本県に所在する米軍専用施設面積は2万3303ヘクタールで、全国の約75%になります。
 なお、自衛隊等との共同使用施設を含めた米軍施設面積は2万3671ヘクタールで、これは全国の約23%であります。
 しかしながら、このような米軍基地については過重な負担であると考えており、また県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与えていることから、県民は基地の整理縮小を強く望んでおります。
 次に、日米地位協定の改定についての、日米地位協定第17条・第18条についての御質問にお答えします。
 日米地位協定第17条は、米軍人が公務外に起こした事件・事故は、日本側に裁判権があるなどの米軍人等の犯罪に関する刑事裁判権と身柄の引き渡し等について規定をしております。
 第18条は、米軍が公務執行中に与えた損害や、交通事故などの米軍人等が公務外で与えた損害等の損害賠償請求権等について規定をしております。
 県が要請している日米地位協定第17条及び第18条の抜本的見直しに関する協議が行われるとした場合に、米側がどのような内容を要求してくるか、現段階では予見することはできません。
 米側改定要求項目の国内法への影響についての御質問にお答えします。
 県が要請している日米地位協定第17条及び第18条の抜本的見直しに関する協議が行われるとした場合に、米側がどのような事項についてどのようなことを要求してくるか、現段階で予見することはできません。したがって、そのことによる国内法への影響についても予見することは困難であります。
 次に、日米地位協定改定の法的手続についての御質問にお答えします。
 行政協定の締結や改定の法的手続は、一般的には両国政府の合意を受け、閣議決定を経て署名し、効力が発生することになります。
 外務省によりますと、我が国においては、日米安全保障条約に基づく行政協定である日米地位協定は、国会の承認を得て締結された国際条約であることから、その改定に当たっても国会の承認を得ることになると思われるとのことであります。
 一方、米国においては、現行の日米地位協定はその発効に当たって上院の承認を必要としない行政府限りで締結し得る国際条約として扱われております。
 しかしながら、改定に当たっては政治的重要性等を踏まえ、上院の承認の要否が決定されるものと考えるとの外務省の見解であります。
 以上でございます。

 
20070109190050